赤
冬の間はエサが少なくトラウトたちも川底で動かずに過ごしてきたため春先は活発な捕食活動をします。しかもアングラーに対しても擦れていないため視界に入りやすい目立つカラーで5㎝程度の小さめのミノーをチョイスするとよいでしょう。暖かくなるにつれて虫が出てくるとグリーン系のチャートも効きます。
他の釣りと違って夏枯れがないのが渓流釣りの醍醐味でもあります。しかしトラウトたちは大きくなって目も肥えておりアングラーやルアーを見切りやすくスレてきます。7㎝以下のミノーでナチュラルなカラーや日が差しているときは黒で虫が流れてきた演出をすると反応がいいです。特に朝・夕マズメが効果的です。
年間で一番大物が釣れる時期です。ほとんどのトラウトが産卵期に入りますので初秋(9~10月)は荒食いの時期に入るため渓流に似合わないビッグトラウトと出逢える可能性が上がります。尺岩魚や尺ヤマメもこの時期が狙い目です。ナチュラル系か茶系で9㎝以下のミノーをビックベイトでアピールしましょう。
雪が積もるかどうかにもよりますがほとんどのトラウトは川底に張り付き目の前にベイトが来るまで動きません。産卵後でサイズは大きな個体が増えています。7㎝以下のシンキングでナチュラルか魚卵系の赤がおすすめです。
ミノーは基本的に軽いため川の流れに左右されやすいので釣行する河川の状態に応じてミノーのチョイスすることが必要です。トラウトは生息する場所で獲物(ベイト)の見極め方が違いますのでそれに合わせたルアーチョイスが必要です。
流れ込み | 流れが速い | 溜まり(函) | 流れが遅い | |
サイズ | 5㎝ | 5~7㎝ | 5~9㎝ | 5~7㎝ |
カラー | チャート 赤 |
ナチュラル 黒 |
ナチュラル 茶 |
ナチュラル 赤 |
タイプ | サスペンド シンキング |
フローティング シンキング |
フローティング サスペンド |
シンキング |
写真のⒶのような上流側に岩場などからの流れ込みで波立っているポイント。ここは小さな滝壺のように川底が少しえぐれている場合が多くその底に落ちてきたベイトを捕食している大型トラウトが定位している可能性が多いです。水量が多く流れがきついためできるだけ早く深く潜るシンキングタイプか少し上流部からサスペンドを流して水流に巻き込ませて潜らせる必要があります。できるだけ小さく目立つカラーが良いと思います。
写真のⒷのように川の中心部分で流れが速く波立っているポイント。ここは川の表層はゆっくりに見えるのですが川底に近くなるにつれて流れが速くなっている場所です。ということは軽いミノーは潜る前に流されやすいポイントとなります。トラウトは表層のゆっくりした流れから深い流れの速くなる水の層を行き来して獲物を探しています。フローティングミノーで表層を流して誘うかシンキングでナチュラルに川底に潜るタイプのミノーがおすすめです。
写真のⒸのように流れが止まっていて川の中が見えるポイント。川の中が見えるということはトラウト側からも見えるということになりますので慎重に攻めましょう。イメージはエリアフィッシングに似ています。極力離れた場所からキャストしてナチュラルに誘います。フローティングで落ちてきた虫を演出するのもいいでしょう。休んでいる大型トラウトがいる可能性もあります。サスペンドミノーで中層をゆっくり誘っても良いと思います。
写真のⒹのような流れが遅くなっているポイント。渓流で一番攻めやすいポイントです。その分擦れやすい場所でもありますので数投してチェイスがなければ移動しましょう。ナチュラル系のシンキングミノーが基本になりトゥイッチでトラウトをおびき出すのがいいでしょう。
渓流で季節や水流によってミノールアーのチョイスが変わることはご理解いただけたと思います。いよいよ今回のテーマでもあるフックについてです。アングラーの皆さんはミノーのフックは何を利用しているでしょうか?購入したまま…という方も多いと思いますが釣れてますか?特に狙った魚種や大物をゲットできていますでしょうか?渓流に棲むトラウトは意外と口が小さく流れが強いポイントではエサをうまく捕食できない個体もいます。どんなにポイントが良くてルアーチョイスもキャストもバッチリ決まったとしてもフックがあっていないとチェイス・バイトのみで魚はなかなか掛かりません。もう一度見フックを直してみてはいかがでしょうか?ちなみに私が渓流釣りにハマって20㎝台ばかりで伸び悩んでいた時にルアーではなくフックを変えて尺岩魚を釣ったことを今でも思い出します。
一番使用率が高いのは購入時についてくる小さめのトレブルフック。少し高めのミノーについてくるシングルフック。このどちらかでしょうか。昔釣具ショップの人にミノーはトレブルフックじゃないと水の中での泳ぎが変わるので交換しない方がいいと言われそのまま使っていました。確かにそのままでも釣れはします。でもキャッチしたときにランディングネットに絡んでフックを外すのに時間がかかりトラウトへ負担がかかるため全てシングルフックに変えました。シングルフックでもルアーは泳ぐし釣れるのでそれ以来トレブルフックは使用していません。シングルフックに変える場合、ミノーによってはバランスが崩れる可能性がありますので試してから判断しましょう。
こちら写真はミノーについてきたトレブルフックと交換用のシングルフックです。小さなトレブルフックでも幅は1㎝あります。シングルフックの小さい方は3.5~5㎝のミノーにつけているフックですが幅は8㎜ぐらいしかないんです。この2ミリの差。大きなトレブルフックは1.2㎝あります。シングルフックの大きい方は5~9㎝のミノーに使用していて1㎝です、これも2ミリの差があります。しかもトレブルフックは3本のフックががありますので立体的にも大きくシングルフックは厚さなく平面になります。
この写真は25㎝ぐらいの山女魚です。上が閉じた状態、真ん中が少し空いた状態、下が多分最大開けた状態です。バスやシーバス、根魚なんかと違いトラウトの口は意外と小さくて最初は横に開くことがわかると思います。この少し口が空いた状態で良くルアーにチェイスしてきます。この時にフックが口に入らなければフッキングしないわけです。トレブルフックは3つ針が付いているので魚が掛かりやすいと感じますが口に入りにくい大きさになります。ここにトレブルフックとシングルフックの差がハッキリでます。
トレブルフックにはもう一つシングルフックとの大きな違いがあります。意外と見逃しやすいのですが渓流ルアーをしているアングラーは良くお解りと思います。フローティングミノーの場合は少ないと思いますがシンキングなどの川に沈ませてトゥイッチするとどうしても岩や川底にぶつかります。その時に逃れられないのが根掛かりです。シングルフックでも根掛かりすると外しにくいのですがトレブルフックは外すのはもっと大変です。最悪は川に入ってルアー回収…でしょうか。そうなるとそのポイントはしばらく釣れませんね。このようにちょっとした部分が弱点になります。
トレブルフックはシングルフックより針が多いため魚の体につける傷が多くなります。渓流のトラウトは小さくても果敢にルアーに喰らいついてきます。トレブルフックは釣れたではなく引っかかったというスレ掛かりが増えます。特にエラに刺さるとほとんどのトラウトは死んでしまいます。できるだけ傷つけないようにリリースしてまた子孫を増やし釣りを楽しませてもらいましょう。最近はバーブレスフックでもバレにくいタイプも出ています。玄人アングラーならバーブレスでいかに大物を釣るか!というハイレベルな釣り方に挑戦してみるのもSDGsに繋がると思います。
DAIWAのトラウトブランドSilverCleekのミノー。サイズは40、44、50、61㎜の4サイズ、カラーは約22種類です。攻める渓流のタイプや魚種によってさまざまなミノーが選べます。
SHIMANOのトラウトブランドCARDIFFのリフレイン。その名の通り繰り返すという意味を持つリフレイン。繰り返しキャストしても同じ動きを2度とせずトラウトを誘い続ける流れの強い場所はもちろんプールポイントでもいい動きをします。50mmでカラーは8種類です。
DuoのRYUKIシリーズから匠(TAKUMI)です。そもそもRYUKIは釣れるんですがこのTAKUMIはいい動きします。特に流れが効いているポイントではトラウトを惹きつけます。50mmでカラーは14種類です。是非お試しあれ。
MajorCraftからEdenです。こちらも定番に近いですが新作はミノーの背中がライトなカラーになっておりアングラーからより視認しやすいミノーとなっています。スローシンキング45mm3.0g、シンキング4mm3.7g・5mm4.5g・60mm5.7g。ヘビーシンキング50mm5.5g・60mm7.0gの3タイプでカラーは17種類です。
さて今回はミノーとフックを取り上げてみましたがいかがでしたでしょうか?細かなことなのですが渓流のトラウトは神経質なのでこだわって損はありません。良いミノーに良いフックを付けてチャレンジしましょう。きっと素敵なトラウトとの出会いがまっていることでしょう!!
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