ウェイトの重さでは中間に位置する万能型のエギで、ポイントを選ばずに使用することが可能なオールラウンダーです。カラーバリエーションを揃えることによって、日の明るさや潮の色に合わせ柔軟に対応が可能になります。
最もウェイトが重いエギで、水深が深いポイントや潮の流れが早いポイント、タナを探りたい場合などに使用するのに適したタイプとなります。またイカが深い場所へ移動する冬場には、沖へ飛躍させる距離を稼ぐ場合にも有効です。
また後づけで専用シンカーと呼ばれるオモリを追加しチューニングを行うことにより、急激な潮の流れに対応したりフォールスピードや飛躍距離をカスタムしたりすることも可能です。最初はベーシックタイプとシャロータイプのエギを揃え、必要に応じてシンカーを追加する方法をおすすめします。
釣りを始めて間もない方がケンサキイカを狙う場合は、エギングに最も適したタックルがセットになった安価な入門キットから始めてみましょう。エギングの入門キットは最もポピュラーなアオリイカ狙いに揃えられており、付属されるエギは3号が多くケンサキイカ狙いには少し大きすぎるので2~2.5号のエギとシンカーを後から買い足しておくと良いでしょう。釣り場によってはアオリイカが上がりやすいポイントに遭遇することも珍しくないので、複数のエギを揃えておくと釣り場に応じて柔軟に対応することが可能になります。
エギングは頻繁にエギの投入とシャクリを繰り返すので、できるだけ短くて軽いロッドを使用した方が長時間の釣りでも疲れにくくおすすめです。またエギングは特殊な釣り方となるため好みがハッキリ出やすい傾向にあります。
既にチニングロッドやシーバスロッドを持っている方はそのロッドでもエギングを行えますが、一日中遠投とシャクリを繰り返すため腕にたまる疲れの度合いが専用ロッドに比べると大きくなることは間違いありません。既に釣りを楽しんでおり最初から良い物を揃えて長く使いたい方や、徐々にイカの釣果が出始めエギングの楽しさを覚え始めた方には、最も万能な長さである8.6ft程度でロッドパワー(堅さ)はミディアムのエギング専用ロッドの購入がおすすめです。
専用ロッドはメーカーが試行錯誤を繰り返して開発した商品だけあり、ガイドを摩擦から守る工夫が施されるなどエギングに最も適しているので使いやすさは抜群です。エギング専用ロッドはケンサキイカはもちろん、エギングでメジャーなターゲットとなるアオリイカをはじめ、投げ釣りやサビキ、チニングにも応用可能なオールラウンドロッドです。一本持っているだけで様々なターゲットに対応することが可能で、重宝するロッドであることは間違いありませんよ。
ケンサキイカは激しいエギの動きを好まないので、アオリイカのように長いフォール時間を稼ぐシャクリを入れるテクニカルな誘いも必要なく、軽く巻き取ったり止めたりするだけでも十分効果があります。実際に私が釣果を出した時もシャクリを行わず、中層を漂わせたり止めたりする巻き取るだけの誘いでした。イカのアタリは毎日釣りを行なっているプロでも見逃すほどの微妙な変化なので、初心者の場合はリールを巻いてみるといつの間にか釣れているという場合も珍しくありません。そんな初めてでも狙いやすいケンサキイカですが、押さえてほしい釣り方の大きなコツが2点存在するので要点を絞ってボウズ知らずの釣果を狙いましょう。
エギングで狙うイカ全般はルアー釣りのような激しいアクションを引き起こすアタリとは違い、微妙な変化を感じ取るテクニックが必要です。アタリが現れるケースは主に2種類で、ジワリと竿に重みが乗る変化を読み取るアタリと、ラインが緩んだり張ったりするアタリでアワセを行います。
アワセが上手くいきケンサキイカが完全にエギを抱くと、根掛かりと間違うような重みが発生します。海藻が絡みついた時のようにリールで巻き取ることが可能なので、最初は半信半疑で巻き取るとイカが抱きついていたなんてことも珍しくありません。リールの巻き取りは焦って早く巻きすぎると脚や身が千切れる可能性が高いので、逃げない程度にテンポよくゆっくり巻き取るのがコツです。姿が見えるくらい岸辺に寄せ、水面で墨を吐かせた後に素早くタモ上げを行いましょう。
ケンサキイカだけに限らず身が弱い軟体動物となるイカは、強くアワセを行うと身や抱きついた脚が千切れてバラシてしまう可能性が高い繊細なターゲットです。口に一度含んだ餌を吐き出し様子を窺う真鯛などの大型魚とは違い、イカはエギを抱くとなかなか離さない性質を持っているため、竿を軽く立てる程度の軽いアワセで十分です。
またエギが海底へ落下するフォール中に抱きついてくるケースがほとんどなので、竿先の変化やラインのたるみ具合に常に気を配ることがアタリを見逃さないテクニックの一つです。アオリイカと違い5秒以内のフォール中に抱いてくるので細かいアクションで誘いをかけた方が釣果が出やすい傾向にあるようです。
ケンサキイカを狙うエギングは試行錯誤を繰り返す釣り自体も魅力的ですが、最大の楽しみは何と言っても釣り上げた後の料理でしょう。ケンサキイカは高級イカの部類に含まれ、刺身やイカソウメンにすると口の中でスッと溶けていくような舌触りと柔らかさを持ち強い甘みを持つ絶品です。九州の佐賀県では玄界灘の「呼子のイカ」、山口県北浦では「特牛イカ」と呼ばれるブランドイカとして愛されており極上の味わいとして全国で名を知られています。更に干してスルメにしても柔らかく食べやすいことから最も上等の「一番スルメ」とも呼ばれており、幅広い料理の原料に合う食材です。
ケンサキイカは最初は透明で、死後には赤色に変化し最後は真っ白へと色味が次々変化していく不思議な生き物です。そんな色味の変化を楽しみながら、新鮮さ抜群の高級食材であるイカケンサキイカを味わう悦びは釣り人ならではの最高の特権なので、最初の1杯を目指して是非エギングにトライしてみましょう。
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