フカセ釣り、針の選び方を解説! キモは「針は魚種ごとに変える」、「大は小を兼ねない」!

作成:2023.08.31更新:2023.08.31

フカセ釣りに使う針について、どの針を選び、サイズは何号くらいのものから始めればよいのか、特にフカセ釣り初心者の方々には大変難しい問題だと思います。

今日のポイントをいくら目を凝らして見渡してみても、ターゲットのサイズがまずわからない(そもそも本命魚がいるのかどうかさえわからない)、本命魚以外にどんな魚がいるのかわからないなどという話はよく聞きますが、本当は百戦錬磨のベテランフカセ師にもあまり良くわかっていないものなのです。ベテランのフカセ師が、同じ場所で何回も経験を積んでいると言っても、水中の状況は一度として同じ状況はあり得ないからです。

ただしベテランは、「まずはコレで始めてみよう。そして、状況を見てアレにしてみたり、ソレに変えてみたりしながら探って行こう」という、経験則に基づく自分なりの攻略パターンを持っており、実釣時の状況を正しく見極め、臨機応変に針の交換を始めとした仕掛けのチューニングを行いながら、本命にたどり着く工夫ができます。

今回は、初心者にもわかりやすいように、フカセ釣りにおける針のローテーションについて解説して行きます。

針は最もこだわるべきアイテム

釣りを始めたばかりのアングラーは、まずは安価な道具を一通りそろえ、釣具の基本的な扱い方を練習し、現場で経験値を積みながら習得していくと思います。その後、最初にそろえたタックルでは物足りなくなって、ロッドやリールなどを次々と買い足し軍拡を進めて行き、釣具の沼にズッポリとハマって行くのが一般的なアングラーと言ったところでしょうか。

しかし、ロッドやリールをいくらグレードアップしたと言っても、それで釣果が上がるということは基本ありません。大物を掛けて、ギリギリの攻防を行っているような場合は、最後はロッドやリールのパワーがモノを言うということはあります。しかし、そういったケースは非常に稀です。

ベテランアングラーになればなるほど、こだわるタックルはロッドでリールでもなく、「魚に近いところからこだわってお金をかけていく」ことを意識しています。すなわち、最もこだわるべきパーツは「針」そして「ハリス」なのです。その次に「道糸」、最後に「ロッド」「リール」に行き着きます。

針は必ずターゲット魚種専用のものを!

針は魚と接触する唯一のパーツです。そして、スレ掛かりを除き、魚を掛ける場所は口です。魚の口に完璧に針を掛けなければなりません。口に掛けるとひとことで言っても、魚種によって口の形状、大きさ、歯の有無、口周辺の皮膚組織の強弱など、様々な条件があります。そのため、必ずターゲットとする魚種専用の針を用意すべきです。

上の写真を見てください。上段の3本の針はすべてメジナ狙いのフカセ釣り針です。左が最も小さい、伊勢尼ヒネリ3号、この針は、メジナにほぼ丸ごと飲ませるものです。真ん中はメジナフカセ釣り用の軽量針、右は冬季など、メジナが深場にいる場合の重量針です。

下段の3本はすべてクロダイ狙いのフカセ釣り針です。左は遠投用に軸の背面にオキアミのズリ落ち防止用のケンが付いている、遠投オキアミチヌ1号、真ん中は最もオーソドックスなチヌ針3号、右は大物狙い用で、ハリスを強固に結ぶ環がアタマに付いている、カン付きチヌ針3号です。

パッと見た感じでは、これら6本の針はどれも同じように見えますが、メジナ用の針とクロダイ用の針とでは、素材も機能も全く異なるため、互換性はありません。

グレ針(メジナ針)の特徴

メジナの口は体のサイズと比較すると大変小さく、餌を吸い込むように捕食しますが、基本臆病な魚なので、餌を吸い込んだ後、違和感を感じるとすぐに吐き出してしまいます。このため、グレ針は全体のシルエットが小さくなるように設計されています。そして、一発で奥まで吸い込めるように、軸が短くなっています。針掛かりさせた後は、強烈なパワーでファイトしてきますので、針の線材は太く、焼き入れされた針はメジナのパワーでも伸されないように非常に硬く仕上げられています。

メジナは、「針を飲まれてしまうことが多い」釣りです。口に掛けるのが美しいのですが、特に高活性の時は、餌を吸い込むのも、違和感を感じて吐き出すのも早いため、口にガッツリ針をかけるのが難しいためです。そのため、歯があまり鋭くない口太グレに限り、あえて針を飲ませてしまうアングラーもいるほどです。尾長グレの場合は、歯が鋭いため針を飲まれてしまうとハリスに傷がつき、高確率でハリス切れを起こしてしまいます。尾長グレ狙いの場合は、必ず尾長専用の針を用意しましょう。

尾長グレ用の針は、一般的な口太グレ用の針と比べて軸が長く飲まれにくく、針先がネムリ針のように内側に曲がっているため、飲まれても喉に刺さりにくく、吐き出すタイミングで口に刺さりやすいという特徴があります。

メジナのフカセ釣りは、基本、中層からボトムに棲息しているメジナを、コマセを撒いて中層から表層まで浮かせて釣るメソッドですが、活性が低い冬季や水が澄み切っているとき、海が荒れているときなどは、ボトム付近まで餌を沈めて狙うこともあります。そのため、比重の軽い線材を使った軽量針と、比重の重い線材を使った重量針があります。状況に応じて使い分けられるよう、軽量針、重量針ともに数サイズずつ用意しておきましょう。

チヌ針(クロダイ針)の特徴

クロダイは口が大きく、大きめの針を使うことが多いのですが、クロダイの顎はカニや貝などを殻ごとバリバリ砕いて捕食するほど強く、顎の前方には3対の大きな犬歯が、側方には3列以上の大きな臼歯が生えています。そのため、歯がある部分には針を刺すことができないので、このエリアを避け、歯の奥にフッキングさせなければなりません。そのため、チヌ針はフトコロが広いという特徴があります。

歯が生えているエリアを越えて、その奥の柔らかい部分にフッキングさせるため、使用している線材はグレ針と比べると非常に細く、口の裏に刺した針先を確実にフッキングさせるため、バネのような弾力があります。クロダイは通年ボトムを狙う釣りとなりますが、比重の重い太軸の重量針はほとんど存在せず、細軸の軽量針が中心となります。これは、クロダイの硬い歯が邪魔でフッキングが難しく、針を飲ませる方がランディングの成功率が高いため、クロダイが吸い込みやすいよう針を軽くしていると考えられます。

フカセ釣りにおける針のローテーション

勝手知ったるホームグラウンドでのフカセ釣りならいざ知らず、初めて入った現場でフカセ釣りをやろうと思ったとき、最初のセッティングで針やハリスの号数をどうするかという問題は、経験を積んだベテランフカセ師にとっても悩ましいと言えます。ここでは、事前情報に乏しい釣り場でどういった仕掛けのセッティングでスタートフィッシングするかということについて考えてみたいと思います。

同行者/ライバルにアドバイスを求める

その現場に精通した同行者がいる場合はその人のアドバイスに従えば良いでしょう。いない場合でも、近くでフカセ釣りをしていて、結果を出している人に、「針は何号使っているのですか?」と訊けるのであれば訊いてみましょう。これくらいなら誰でも答えてくれるはずです。しかし、針の号数を教えてもらえたからと言って、その後畳みかけて「ハリスは? ガン玉は? タナは? コマセは? エサは?」と質問攻めにするのはいただけません。その方の集中を邪魔してはいけません。できればその方が休憩しているとき(竿を回収し一服しているときなど)に、手短に質問してみましょう。

手持ちの中から中間サイズをチョイスする

周りに誰もいなくて話を訊くことができない場合、或いは、あなたがとってもシャイで、自分から声をかけることが憚られる場合は、とりあえず手持ちのタックルの中から、ちょうど中間程度のサイズでスタートしましょう。

メジナ狙いの場合

メジナ狙いであればグレ針5号、ハリスはフロロカーボン1.5号からはじめ、ハリスにガン玉やジンタンは打たずにスタートして様子を見ると良いでしょう。メジナは落ちてくるエサを下から窺っていて、浮き上がってきてエサをひったくり、自分が元いたタナへ潜ります。この際に明確で強いアタリが出ます。そのため、はじめは表層付近~4mくらいのタナを探り、アタリが出なければ、或いは餌盗りの猛攻を受けるようであれば、徐々にタナを深くして行くようにします。

一方、アタリが出ず、餌だけ取られている場合は、メジナが上からエサをつついている可能性が高いため、タナを浅くする必要があります。

コマセが効いてくると、徐々に本命が釣れはじめますが、その際に、ことごとく針を飲まれてしまうようであれば、針を6号や7号にサイズアップしてみたり、アタリはたくさん出るのにフッキングができない、或いは、メジナの姿は目視で確認できるのに餌にアタックしてこない場合は針を4号、3号と小さくし、餌も小さめにしてみます。オキアミの場合は頭を落として針につけてみましょう。

クロダイ狙いの場合

クロダイ狙いであれば、チヌ針3号、ハリスはフロロカーボン1.5号でスタートしましょう。クロダイは基本的に常時ボトムを狙いますので、最初に必ずタナ取りをします。タナ取りは、道糸にウキ止めを付けた状態で針先にタナ取りオモリをつけて仕掛けを沈めます。ウキが水面から沈んだ長さだけウキ止めの位置を上げて、ウキが水面ピッタリのところで止まるよう、何度もウキ止めの位置を調整し、ウキ止めから針までの距離が水深と一致する状態をキープします。時間の経過とともに潮位が変わりますので、タナ取りは何度も行わなければなりません。

クロダイ狙いの場合は、針を小さくすることにはあまりメリットはありません。ひたすらボトムを取り、愚直にコマセを打ちながら、自分の周辺にポイントを作り続けるのみと言えるでしょう。

フカセ釣り・針選びの注意点

これまで、メジナ釣りとクロダイ釣りに絞ってフカセ釣りの針選びについて解説して来ましたが、最後に、針選び際の注意点について、意識しておくべきことを書いておきます。これはフカセ釣り以外にも通じることですので、意識しておきましょう。

針は魚種ごとに変える

袖針や丸せいごなど、対応魚種が多く汎用性の高い針があるのは紛れもない事実ではありますが、例えば本命魚種を定めず、いろんな魚を釣る「五目釣り」や、何が釣れるか全くわからない「穴釣り」などを除き、ターゲット魚種専用に開発された針を使いましょう。グレ針でクロダイは釣れませんし、チヌ針でメジナは釣れません。いや、実際はそんなことはないのですが、魚種と針が合っていないと「キャッチ率」が著しく下がります。魚種専用針は、その魚の捕食の特性、口周辺の構造を研究し尽くして、ターゲットの魚が「くわえやすく」、「吸い込みやすく」、「掛けたい場所に針掛かりさせやすく」、「ファイト中もフックオフしにくい」ように出来ています。

グレ針もチヌ針も、いろんなメーカーから、いろんな売り文句を掲げた製品が星の数ほど出ています。しかし、アレコレ種類ばかり集めるよりも、同一ブランドの商品をサイズ違いでたくさん持っていることの方が大事です。同じブランドの針を使い続けていれば、自然とその針の特性を頭と体で理解できるようになり、はたまた、どんな感じで沈んでいくのか、どんな姿勢で潮の流れに乗っていくのか、水中での挙動までなんとなくわかるようになってきます。

釣り針は絶対に「大は小を兼ねない」

これは読んで字の如くです。魚のサイズ(特に口のサイズ)と比較して大きい針を使っている場合は、スレ掛かり以外のフッキングは期待できません。そんなこと言われなくもわかるよと思われるかも知れませんが、実際に釣り初心者がどんな針を使っているのか尋ねてみると、私が使っている針よりも大きい針、太いハリスを使っているケースが多く見受けられます。針選びは、「これだとちょっと小さいかな?」と思うような針でも問題ないと思います。

逆に魚の口のサイズに対して針が小さい場合は、魚に針を飲ませてしまって、喉の奥の硬い部分にでもガッツリ刺さってくれれば、ファイト中もフックオフすることなく、ランディングまで持っていくことは十分可能です。私は小学生のころ、通っていた小学校のそばの池で延べ竿を使ってクチボソ釣りをしていたところ、30cmくらいの小さな鯉がかかったことがあります。針は飲まれ、喉の奥に深く刺さっていました。絶対に上げられないと思いましたが、竿のしなりを利用しながら慎重に後ずさりし、最後は鯉の口に指を入れてランディングできました。針は袖1号、ハリスは0.8号だったと思います。

「大は小を兼ねない」覚えておきましょう。

針のチョイスで釣果は大きく変わります!

いかがでしたでしょうか? 最初にも言いましたが、針は「魚と直接コンタクトしている唯一のパーツ」です。「ここにこだわらなくてどこにこだわるの?」と言える、最も重要なパーツです。フカセ釣りのシーンにおいては、針自体の重量も大変重要で、沈下スピードをコントロールできるかできないかで釣果は大きく変わってきます。もちろん、針だけでは魚は釣れません、「品質の良いハリス」が「正しく針に結ばれていること」が大前提です。針の種類・サイズのチョイス、ハリスのチョイスと正しい締結・・・。これさえちゃんとできていれば、確実に釣果は上がります(=バラシが少なくなります)。

ロッドやリールにこだわるのはアングラーの真骨頂ですが、初心者であろうが上級者であろうが関係なく、針やハリスにこだわるアングラーがもっと増えてくれればいいのになと、個人的には思っています。

この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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