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PEラインをフカセ釣りで使いグレを狙う、新しいメソッドは諸刃の剣だがメリットは多し!

作成:2021.06.30更新:2021.08.20

フカセ釣りで釣り上げたグレ

磯でフカセ釣りでグレを狙う場合、道糸はナイロン2号~3号を使い、ハリスはフロロカーボンの1.5号~1.75号を使うと、長い間教えられ、実践していました。多くのグレ師もそのあたりのタックルで長らく釣りをしてきたと思います。しかし。最近は、PEラインを使ったフカセ釣りが脚光を浴びて来ています。PEラインを使ったグレのフカセ釣りは、PEラインの扱いに慣れていない人には、様々なライントラブル、はたまたロッドの折損など、非常に危険なメソッドではありますが、PEラインの取り扱いをきちんと習得したアングラーには、革命的なメリットがたくさんあります。

尚、この記事は、ナイロンラインを使ったこれまでの磯フカセ釣りを否定し、PEフカセ釣りを推奨する記事ではありません。これまで長年研究され、進化を続けて来たナイロンラインを使ったフカセ釣りと、全く新しいPEラインによるフカセ釣りの違いを理解し、状況に応じて使い分けができるようにすることを目的とします。

ナイロンラインの特徴

ナイロンラインは長らく釣り用ラインのトップランナーとして親しまれています。しなやかでハリがあり、締結性が良く、価格も安価であるため、現在でも最も使われているラインと言って良いでしょう。ナイロンラインは比重が1.14前後のため、水中では沈むでも浮くでもなく、サスペンド的な性質を示すため、コマセを撒いてグレを浮かせて釣るフカセ釣りの理に適っているラインと言えます。

ナイロンラインの弱点は、吸水劣化しやすいことです。水中での吸水はもちろん、多湿の環境に長期間保管しているだけでも吸水し膨潤します。膨潤してしまったナイロンラインは伸びやすくなり、著しく強度が低下してしまいます。近年はコーティング技術の発達で、吸水劣化しにくいナイロンラインも増えて来ていますが、価格は高価になります。このように、弱点はいろいろありますが、釣り用ラインとしての使い勝手はナイロンラインがピカイチですので、まだまだ主役級の素材であることは間違いありません。

PEラインの特徴

PEラインは、超高分子量ポリエチレン繊維を複数本編み込んでラインにしたものです。4本編み、8本編みが多いです。ナイロンやフロロカーボンなど、樹脂を溶かして一本の繊維にしたモノフィラメントとは違い、極細のモノフィラメントを編み込んで一本の組紐にしたものがPEラインです。

最大の特徴は、非常に直線強度が強く、細いことが挙げられます。同じ太さであれば、ナイロンやフロロカーボンラインの約4倍の強度があります。逆に言うと、同じ強度なら太さを半分以下にできます。比重は水より軽く、0.92前後のものが多いのですが、最近はサスペンドタイプやシンキングタイプなど、高比重のものも出ています。PEラインはほとんど吸水することがなく、伸びないため、非常に感度が良いのも大きな特徴ですが、弱点も多くあります。コシが皆無のため、風に大変弱く、また、絡まってしまったら解すことがほとんどできません。

また、引っ張り強度は非常に強いのですが、摩擦に大変弱く、根ズレや摩擦熱でラインが著しく劣化します。また、滑りやすい素材のため、結束には「摩擦系ノット」と呼ばれる特殊な結び方が必要です。価格もナイロンよりも高価になります。

PEラインはもともとジギング用ラインだった!?

PEラインはもともと、ルアーフィッシング用のラインとして開発され、進化してきました。伸びがほとんどなく、ロッドから加えられるアクションのパワーをロスすることなくルアーに伝えることができるため、ルアーをキビキビと泳がせることができます。先述のとおり、ライン自体が細くて強靭なため、オフショアでの大型魚釣りに向いています。

また、キャスタビリティが抜群なため、サーフからの投げ釣りやショアジギングなど、飛距離が正義となる釣りには欠かせないタックルとなっています。しかし、このPEラインをグレのフカセ釣りに使用すると言うのはどういうことなのでしょうか? 以下にメリット/デメリットをあげて行きます。

PEラインを使うメリット1:飛距離が簡単に出る

グレのフカセ釣りは、コマセを打ちながら潮の流れを読み、コマセの拡散と食わせエサを同期させ、グレを浮かせて釣ります。時には潮の流れにより、あるいはエサ取りの攻撃を回避するため、ポイントを敢えて遠くに作ることもあります。そんな時、ナイロンラインやフロロカーボンラインと比較して圧倒的に細いPEラインは、ガイドや中通し式グレウキなどの通りもよく、簡単に遠くに仕掛けを飛ばすことができます。

PEラインを使うメリット2:ラインが沈まないため、レンジをキープしやすい

PEラインは比重が0.92前後のため、基本沈みません。そのため、仕掛けを流すレンジの調整がしやすいメリットがあります。ハリスや針、食わせエサの自重だけでゆっくりと表層〜中層付近を漂わせることができます。沈ませたいときは、ハリスにジンタンを打つことで、簡単に深場狙いにも変更できます。

PEラインを使うメリット3:高感度である

PEラインは細くて伸びない特性から、大変感度の良いラインとして知られています。ラインスラックを取り、人差し指にラインを引っ掛けながら軽くテンションを維持したまま流していれば、グレがバイトしたとき、指先に明確なアタリが伝わってきます。ナイロンラインではとれないアタリを確実に捉えることができます。

PEラインを使うメリット4:圧倒的に強い

PEラインは引張強度がナイロンラインの約4倍強いので、フカセ釣りでグレを狙う場合は、0.8号(約12.8lb)で充分勝負になります。PE0.8号は、ナイロン3号に相当します。ナイロン3号の太さは約0.285mmであるのに対し、PE0.8号の直径は約0.153mmです。

PEラインを使うデメリット1:風に弱い

細く、比重の軽いPEラインは風に弱く、風が強い日は使うのが大変です。コシが殆どないラインなので、風を受けるとラインが絡まる恐れが強まります。PEラインは一度絡んでしまったらほぼ自力で解くことは不可能なので、絡まった場所を切り落とすことになります。また、ロッドやガイドにPEラインが絡まった場合は、絶対に竿を振り回して解そうとしてはいけません。高確率で余計に絡まります。また、その状態でリールを巻こうものならティップが折れます。ロッドに絡まったら、根気よく手で解すか、仕掛けを切り落として作り直します。

PEラインを使うデメリット2:摩擦に非常に弱い

PEラインは、超高分子量ポリエチレンの極細繊維を編み込んだものですので、非常に引っ張り強度は高いのですが、一本の繊維が大変細いため、根ズレなどの物理的な摩擦や、摩擦により発生する熱に非常に弱く、ささくれやキズがつくと著しく強度が低下します。PEラインのキズは、即、高切れにつながります。そのため、PEライン仕掛けの先端には、ジギング仕掛け同様、根ズレに強いフロロカーボンのリーダーを結ぶ必要があります。

PEラインを使うデメリット3:締結性が極悪

超高分子ポリエチレンの特性である、表面エネルギーの低さ(濡れ性の悪さ)が災いし、PEラインは滑りやすく、「摩擦系」という特殊な結び方で締結しないと簡単にスッポ抜けます。「FGノット」などに代表される摩擦系ノットを少なくとも2つ程度マスターし、現場でも完璧に結べるようにしておく必要があります。

PEラインを使うデメリット4:ショックリーダーが必須

「デメリット2」でもショックリーダーが必要と書きましたが、ラインのキズだけでなく、新品のラインでも高切れ対策としてフロロカーボンなどのショックリーダーが必要です。PEラインは吸水せず、伸びないラインです。だから感度もよく、直線強度も強いのですが、衝撃に対する耐性もあまり高くありません。強くアワセた時、根掛りした時、大物に根に潜られて強引に引きずり出す時など、瞬間的にラインにかかる力をPEラインは吸収できず、高切れしやすいラインです。やはり、ショックリーダーが必須です。

このように、メリット、デメリットの多い、PEラインを使うグレのフカセ釣りは諸刃の剣です。しかし、慣れればこれまでのグレのフカセ釣りとはワンランクもツーランクも異なる、エキサイティングな釣りができることは間違いありません。より繊細な仕掛けでより大きな魚に挑めるのですから!

PEラインを使ったグレのフカセ釣り仕掛け

PEラインのフカセ釣りでグレを狙う時の仕掛け図

ここからはPEラインを使ったグレのフカセ釣り仕掛けについて紹介して行きます。基本的なタックルは、ナイロンラインを使ったオーソドックスなグレ仕掛けとあまり変わりませんが、ショックリーダーを使うことが一番の違いです。

ロッド

PEラインのフカセ釣りでグレを狙う時におすすめのロッド

ロッドは磯竿2号もしくはグレ竿1.5号あたりが標準的です。調子は先調子でも胴調子でも良いですが、サイズが大きな魚を相手にする場合は胴調子のほうが粘り強いファイトができるので良いでしょう。長さは5.3mで決まりです。

リール

フカセ釣りのタックル。レバーブレーキ付きのスピニングリールが特徴

リールはレバーブレーキ式スピニングリールの2000番〜2500番がおすすめです。汎用スピニングリールでも問題ありませんが、ドラグ性能の良い物が必須です。

PEライン

PEラインでグレのフカセ釣りをする場合、号数は0.8号がおすすめです。4本編み(x4)と8本編み(x8)がありますが、より緻密に編み込まれた8本編みの方が向いています。

ショックリーダー

PEフカセ釣りの最大の特徴は、ショックリーダーを使うことです。PEラインに伸縮性が殆ど無いため、フッキングの際の一瞬の衝撃をまともに受けると高切れする恐れがあります。そのため、ナイロンもしくはフロロカーボンのショックリーダーを使います。強さはメインラインのポンド数(lb数)と合わせておけば問題ありません。長さは潮の速さや水深により様々ですが、最低1ヒロ(1.5m前後)〜10m前後です。このショックリーダーの長さが、半遊動式ウキフカセのウキの可動範囲となります。

ハリス

グレのフカセ釣りで使うハリスはフロロカーボン1.5号を3m程度使用します。

針はグレ針もしくは伊勢尼針を使います。これらは、チヌ針のように細くて柔らかい針とは異なり、線材が太くて硬く、グレの口元にガッチリフッキングさせることができる針です。大きさは小さめのもので構いません。食わせのオキアミは頭を落として針に丸くつけるのが基本ですので、オキアミが丸くつけられる針であれば問題ありません。

ウキ

ウキは、グレフカセ釣り用の中通し式円錐ウキが非常にたくさんの種類が売られています。深場狙いや遠投など、視認性重視の場合は与浮力の大きなもの(G2号、B号など)を、風の影響を受けず、潮の流れに自然に乗せたい場合は、感度優先で与浮力の小さいもの(0号、00号など)を使います。

潮受け

潮受けは、ウキのやや下につける、逆三角形のゴムや樹脂製の部品です。潮を受け、仕掛けの流れをサポートするパーツです。二枚潮(表層と中層で潮の流れが異な)の場合に、仕掛けを中層の流れに乗せてやる効果もあります。水中ウキやメタルクッションなど、様々なタイプがありますが、あまり重いものは仕掛けの沈み方に影響を及ぼすため、注意が必要です。

コマセ

PEラインのフカセ釣りでグレを狙う時のコマセ

グレのフカセ釣りではコマセが必須です。配合コマセ1袋にオキアミブロック3kg、煙幕効果のある増量材を1袋に海水を少しずつ加えながら混ぜ、耳たぶ程度の硬さにまとめます。撒き方の基本は「少しずつ、絶え間なく」です。冬季はベースの配合コマセの材料に、海苔を使用したものを使うと、低活性のグレにも効果があります。

PEラインを使ったグレのフカセ釣りのメリットと注意点

フカセ釣りのポイント。海が荒れていてサラシが発生している。

PEラインを使用したグレのフカセ釣りは、やはりナイロンラインを使うフカセ釣りとはひと味もふた味も違います。実釣で最も感じることは、PEラインの細さがもたらすメリットです。具体的には、遠投がしやすい、感度が良い、ファイト時の魚の引きが強く感じるなどです。

また、PEラインの特性である「水を吸わない」ことが、水切り性の良さに繋がり(フッ素系のPEラインスプレーを吹いていることが条件ですが)、ラインがロッドに貼り付かず、結果ラインの出が良くなり、遠投が可能となります。ただし、ラインスラックは常にとることを意識しないと、ラインが絡まりやすくなります。PEラインはラインスラックがそのまま団子状のコブになりやすいため、仕掛けをキャストした直後から、常にラインを張り気味に流さないといけません。コブができてしまうとまず解くとができません。都度ラインを切って繋いでを繰り返していると、すぐにラインが短くなってしまいます。テンション緩めて置き竿などはやめるべきです。

また、アワセる時は、ナイロンラインの時のような強いアワセは高切れの原因となりますので注意が必要です。

ナイロンフカセ釣り、PEフカセ釣りは使い分けよう!

アブガルシアのロキサーニとナイロンライン、PEラインが並べられている

ライントラブルが多いのはやはりPEラインを使ったフカセ釣りになります。基本、PEラインは、ルアーフィッシングような開発されたラインのため、複雑な構造のフカセ釣りの仕掛けには絡まりやすいのは致し方ありません。また、起こったライントラブルの質が悪いのもPEラインを使うフカセ釣りです。一度絡んでしまうと、解すのは困難を極めます。やむなく切断してつなぎ直すということが大変多いです。

従って、風の強い日、海が荒れている日は、PEラインを使ったフカセは避けたほうが良いでしょう。というより、風が強い日はPEラインはどうにもならないダメラインになります。メリットが何ひとつ発揮できません。こういうコンディションの時はナイロンラインあるいはメインラインにフロロカーボンを使うのもアリです。「ナイロンフカセか、PEフカセか?」という議論は不毛です。双方を知り、状況に応じて使い分けることが、ワンランク上のフカセ師と言えるでしょう。

この記事を書いた人

ショアおやじのプロフィール写真

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、ウキフカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)


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