芦ノ湖トラウトをウェーディングで楽しむ!スプーンやミノーなど、ルアーやタックル選びのコツ

作成:2021.03.25更新:2023.04.17

標高723mの山上にある山上湖、芦ノ湖

富士箱根伊豆国立公園の中にあり、世界的な観光地である箱根にある芦ノ湖。そこにはレインボートラウトを始めとした様々なトラウトが潜むフィールドとして、シーズンになるとビギナーからベテランまで多くのアングラーが訪れています。そんな芦ノ湖で釣りをしてみたい、ワイルドトラウトを釣ってみたいという方に、芦ノ湖のウェーディングでのルアーフィッシングについてご紹介したいと思います。

芦ノ湖トラウトのルール

芦ノ湖では自然環境や魚を保護する為に明確なルールが決まられています。詳しいルールについては、芦ノ湖漁協のHPに書いてありますので、釣りに行く前に必ず目を通すようにしてください。春先には魚の放流情報もHPやFacebookに掲載されますのでチェックしましょう。

芦ノ湖でトラウト釣りのできる期間

芦ノ湖では釣りができる期間が決まっていて、例年3/2~12/14までが釣りができます。3/1は特別解禁として大会が開催されていて、日釣り券の料金も通常時とは違います。通常解禁は3/2ですので間違えないようにしましょう。

釣り開始、終了時間

芦ノ湖では釣りをできる時間が日の出の1時間前~日の入り1時間後までと決まっています。夜釣りなどは禁止になっていて、警察の見回りなどもあり、見つかると密漁者とみなされます。絶対に時間を守って釣りをしましょう。芦ノ湖漁協のHPに開始時間と終了時間のPDFがあるので、事前に確認してから出発しましょう。

釣り券を購入し、見える場所に掲示しておきましょう

芦ノ湖で釣りをするには遊漁券を購入する必要があります。日釣り券が1,500円、年券が18,500円となっています。日中に漁協の見回りの人が来ますので、釣り券は見やすい場所に掲示しておきましょう。アウトドア用の防水スマホケースなどに入れておくと、釣り券が水に濡れたりせずに保管できるのでおすすめです。

芦ノ湖で釣れるトラウト

レインボートラウト(ニジマス)

芦ノ湖で釣れるトラウトでメインとなるのがレインボートラウトです。春先から最も放流量が多く、大きなものは70センチを超える個体もいて、60センチを超えるものはスーパーレインボーと呼ばれています。レインボートラウトはスプーンで狙うのが効率が良いでしょう。

ブラウントラウト

レインボートラウトの次に多いのがブラウントラウトです。定位性が強く主に岩場を好み、レインボートラウトほど回遊するエリアは広くないです。スプーンでも勿論釣れますが、ミノーで狙う方がアタリも激しく楽しめるでしょう。

イワナ

イワナはブラウントラウトと似た性格の魚ですが、ブラウントラウトよりも警戒心が強いです。芦ノ湖で釣れるイワナは非常にコンディションの良い個体が多く、サイズも40~50センチと渓流などで釣れるものよりも一回り大きくなります。こちらもスプーンよりもミノーで釣る方が狙いやすいです。グリグリメソッドにとても反応が良いです。

コーホーサーモン、サクラマス

コーホーサーモンとサクラマスは非常に回遊性の高い魚で、ボートでのトローリングやレイクジギングで狙うことが多いです。基本的に釣れるレンジが深いので、ウェーディングでも釣れることはありますがかなりレアな魚と言えるでしょう。もし狙うのであれば山側のような急深のエリアでメタルジグで探るか、ディープに隣接したシャローエリアで朝夕にフィーディングしてくる個体を、飛距離の出やすいジグミノーなどで狙うと釣れる確率はアップします。

ルアーでの芦ノ湖トラウトの狙い方

スプーン

ここ10年ほどで非常に選択肢の増えたトラウトルアーフィッシングですが、やはり王道はスプーンを使用した釣りでしょう。特に止水域である湖でのトラウトフィッシングでは飛距離、探れるレンジの深さなどからメインのルアーとなります。スプーンといえば「投げてただ巻くだけ」のルアーという認識の方が多いでしょう。確かに「巻くだけ」というのは間違っていませんし、それだけでも魚は釣れます。しかし一定のスピードで巻くだけではなく、巻きスピードやロッドの角度に変化をつけることでトラウトが思わず口を使ってしまう、そんなきっかけを自分で作り出すことができるのがスプーンの最大の武器であり楽しみ方であると思います。

ミノー

ミノーイングと言えば、ロッドをあおってトゥイッチをするイメージが強いかと思いますが、湖でのミノーイング特にウェーディングでの釣りの場合にはPEラインが水面を叩いて魚にプレッシャーを与えてしまうので、あまりお勧めはしません。そんな時にはハンドルを巻くだけでミノーにアクションをつける「グリグリメソッド」が有効です。グリグリメソッドはSRのフローティングミノーを使用し、ラインとロッドをまっすぐに構え、ハンドルをテンポ良く巻いてミノーをストップ&ゴーでアクションさせます。ポーズの秒数やハンドルの巻く速さなど様々なバリエーションがあるので、自分なりのパターンを見つけましょう。

メタルジグ、ジグミノー

芦ノ湖でメタルジグを使う場合は、春と秋のレイクショアジギングと夏のボートからのレイクジギングに分かれます。ショアから狙う場合には20g前後、ボートから狙う場合は30g前後がメインになります。アクションはスローに誘うと反応が良く、カケアガリやボトム近辺にいるブラウントラウトやイワナがメインターゲットになります。ジグミノーはスプーンのようにタダ巻きで使うのがメインですが、時折トゥイッチを入れてやると食ってくることもあります。

芦ノ湖でのおすすめタックル、ルアー

ロッド

ウェーディングで使うロッドは、ルアーの飛距離、ロッドの取り回しなどを考えると7~8ft台のものが使いやすいです。硬さは好みにもよりますが、Mクラス以上の張りのあるロッドが大物とのやり取りでもアドバンテージが取れて良いです。張りのあるロッドはキャストにはコツが必要ですが、慣れると4gの軽量スプーンでも40m近く飛ばせるようになります。こちらはスプーンだけでなくミノーでも使いやすいのでとてもおすすめです。

リール

リールは2500~3000番クラスのものが使いやすいでしょう。スプーン用には2500のノーマルギアモデル、ミノー用には3000のハイギアモデルがおすすめですが、ギア比よりも巻き取り長を重視した方が良いかもしれません。筆者はスプーン用はダイワ 18イグジスト LT2500、ミノー用には同モデルのLT4000-Cとパワー重視のノーマルギアモデルを愛用しています。特にスプーンでは湖流を探す為に巻き感度が非常に重要になります。ある程度感度を重視したモデルをおすすめします。

スプーン

ウェーディングで使うスプーンは、4~5gクラスのものが根掛かりをあまり気にせず、スローに誘えるのでストレスなく使えます。比較的波動の強めのものがメインになりますが、渋い時には動きの大人しめのものもあると釣りの幅が広がるでしょう。カラーはゴールド系、シルバー系とそれぞれのアワビ貼りがあると様々なシチュエーションに対応できます。

ミノー

芦ノ湖のグリグリメソッドと言えば130mmクラスのミノーを使うイメージが強いですが、ウェーディングで使う場合には85~95mmのものが使いやすいです。ディープライナータイプよりもシャローランナー(SR)タイプのフローティングミノーがテンポ良く誘っていけるでしょう。カラーはワカサギ系とゴールド系があると様々なシチュエーションで使用できます。

ジグ系ルアー

レイクジギングでは海で使われるようなジグも使用しますが、最近はレイクジギング専用のジグも各社より発売されています。レイクジギング用のメタルジグはスローな誘いに向いているものが多いので、ゆったりネチネチと誘いましょう。特に岩場を狙うことが多いので、根掛かりには気を付けましょう。シーレーベル リーズ 21g/52mm #PHGL パロット(裏・オールグロー)

芦ノ湖でトラウトを狙うコツ

広い湖でただ漠然とルアーを投げていても、なかなか釣果には繋がりません。魚を釣る為には、その時の水温やベイトの動き、風向きなどを把握して魚の近くにこちらから近づいていく必要があります。その為にもっとも必要なのがそのタイミングでの適切なポイントの選び方です。これを意識するだけで釣れる確率は確実にアップしますので、ここでいくつかそのコツをご紹介します。

地形と風向きを意識したポイント選びをする

ポイント選びにおいて、もっとも重要なのが地形の把握です。時期によって良いポイントは変化しますが、基本的にはブレイク(カケアガリ)に近い所がチャンスが多いように思います。そして次に重要なのが風向きです。風向きによってベイトであるワカサギが接岸しやすいポイントなどを予測します。この地形と風向きを意識してポイントを選ぶことが、釣果に繋がる第一歩だと思います。

春はワカサギの接岸を意識する

解禁間もない頃の芦ノ湖はまだまだ水温も低く、活性の高いトラウトはまだウェーディングで狙えるところまで上がってきている個体は少ないと言えます。しかし季節が進むにつれて水温が上昇すると、ワカサギが産卵を意識し始めて徐々にシャローに接岸し始めます。そうなってくるとワカサギをメインベイトにしている、いわゆる「年越し」と言われる放流されて数年経つ野生化したトラウト達も接岸し始めます。そうなると芦ノ湖でのトラウトフィッシングはハイシーズンを迎えます。砂地でウェーディングをしていればワカサギは目視できますので、それによりアングラーも期待に胸を膨らませることになるでしょう。

夏~初秋はボートからのレイクジギング

水温が15℃を超えてくるとトラウトは深場へと移動していき、ワカサギの群れについて回るようになります。そうなってくるとボートからのレイクジギングが面白くなります。ジグはオフショアのスロージギングのようなゆったりとしたアクションがメインになりますが、時には早めのワンピッチジャークでも反応が良い場合もあります。

秋はディープに隣接したシャローでマズメ時を狙う

芦ノ湖の秋は11月半ば頃から秋シーズンを迎えます。11月といえどもシャローの水温はまだまだ高く、トラウトは朝夕気温の低い時間帯をメインにシャローに上がってきます。日中でもシャローに回遊してくる個体もいますが、朝夕のフィーディングタイムが1番のチャンスタイムになります。この時にディープに隣接したシャロー帯だと、深場からのアクセスも良いのでトラウトが釣れる可能性は上がります。地形を把握してポイントを選ぶことが釣果を上げるカギになります。

ルアーのカラーチェンジはマメに

芦ノ湖で使用するスプーンやミノーなどは、シルバーベースかゴールドベースのものがほとんどだと思います。このベース色のチョイスが非常に重要で光量が少ない時にはシルバー、多い時にはゴールドが良かったり、晴天時にはアワビ貼りのものがよかったりとその時の条件によって釣果を大きく左右します。

気持ちよく釣りをする為に守りたいマナー

先行者がいたら違う場所で釣りをしましょう

これは芦ノ湖に限ったことではないのですが、自分の入りたいポイントに先行者がいた場合は少しポイントをズラすなどして、先行者の邪魔にならないようにしましょう。近くのポイントに入る場合には、先行者に一言声をかけて最低30mは離れるようにしましょう。ハイシーズンにはとても人が多くなるので、お互いにマナーを守って気持ちよく釣りができるように心がけましょう。

ゴミは必ず持って帰りましょう

1日釣りをしていると、食べ物や飲み物のゴミや新しいルアーのパッケージなどのゴミが少なからず出てきます。自分の出したゴミはその場に捨てずに必ず持ち帰りましょう。自然の中で釣りをしていて、そこにポイ捨てされているゴミがあると気持ちよく釣りができませんよね。ゴミ袋1枚あればかなり便利なので、釣りに行く時は必ず持参するようにしましょう。

日常を忘れて、大自然の中で1日過ごす贅沢

ネイティブトラウトというと少し敷居が高いのでは?と思っている方に、初めてのネイティブフィールドとして是非おすすめしたい湖です。春には定期的に放流がされている為、他のフィールドよりも魚との距離は近いと言えます。しかしそこは自然の湖、魚にたどり着く為には自分で情報収集をして考えてポイントやルアーをチョイスしなければ結果はでません。まさにゲームフィッシングの醍醐味が凝縮されたフィールドだと思います。また通称「年越し」と呼ばれる越冬した魚を釣るのは非常に難しく、中級者〜上級者でも十分に楽しめる湖です。エリアトラウトからのステップアップにも是非おすすめしたいフィールドです。

この記事を書いた人

ダイワマニア
YSNO

 トラウト(エリア、湖)、青物全般、ロックフィッシュ、シーバス、アオリイカ、ショアジギング、オフショアジギング、エリアトラウト、ウェーディング、ボートロック、エギング、東京湾、東伊豆(静岡県)、房総半島(千葉県)、上越地方(新潟県)、芦ノ湖(神奈川県)、本栖湖(山梨県)

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