20ツインパワー C3000は、パワーも巻きの滑らかさも譲らない、妥協なき万能リール!
シマノのミドルクラスの汎用スピニングリールの中で、発売から30年もの長きの間愛され、人気、実力ともにシマノを代表するロングセラーモデルであるツインパワーが、2020年にフルモデルチェンジを行いました。前モデルの15ツインパワーも、高剛性、高耐久を具現化した高性能の製品ではありましたが、20ツインパワーでは、剛性、耐久性、防水性、巻きの静粛性など、あらゆるファクターがブラッシュアップされ、さらに高性能のスピニングリールとして生まれ変わりました。今回は、フレッシュウォーターでもソルトウォーターでも、最も万能的に使い倒せるモデル、C3000について紹介して行きます。
ツインパワーは、発売33年目を迎えるおばけモデル!
ツインパワーという名称のリールは、1987年に発売された、チタノス・ツインパワーGTにさかのぼります。当時は、シマノの最上位機種であったようです。発売当初から、コンセプトは「質実剛健」。1991年の「ステラ」の登場により、同社のフラッグシップラインの座を明け渡すまで、シマノのリール設計の羅針盤となっていたモデルがツインパワーシリーズでした。現在はステラとヴァンキッシュ次ぐミドルエンドグレードの機種となっているツインパワーではありますが、今でも剛性と耐久性に於いては群を抜く仕上がりで、アングラー憧れのモデルとなっています。
因みに、「ツインパワー」という商品名は、当時替えスプールが付属していて、リールひとつで異なる釣りができるということを表す名称でした。当時のツインパワーの質実剛健な造りが釣り人に愛され、ヒットモデルとなったことから、その名残で現在も商品名としてそのまま受け継がれています。
20ツインパワー C3000の基本スペック
20ツインパー C3000の基本スペックを見て行きましょう。ギア比は5.3、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは78cmのノーマルギアタイプです。ドラグは、最大釣力9kg、実用釣力3.5kgの2セットドラグが内蔵されています。実用釣力3.5kgに対し、通常のドラグは最大釣力は6~7kgですが、2セットドラグでは、実用釣力の2倍以上の9kgとなっています。
ドラグの構造は、スプールをメインシャフトのスプール受けと、ドラグワッシャー2枚(回転するフェルト製などのドラグワッシャーと回転しない金属製固定用ワッシャー)を1セットとして挟み込み、上からドラグノブをねじ込んでスプールを締め、スプールの動き出しの力をコントロールしていますが、2セットドラグはドラグワッシャーが2セット入っています。これにより、より細かいドラグ調整が可能となり、最大釣力も高く出来る構造となっています。
ラインキャパは、ナイロン2.5号(10lb)で180m、3号(12lb)で150m、PE1号(16lb)で400m、2号(32lb)で200mです。ショアでもオフショアでも、十分なキャパがあります。ショアでPEラインを使う場合は下糸を巻くことをおすすめいたします。自重は質実剛健を謳うモデルながら、215gに抑えてあります。
15ツインパワーからの変更点
20ツインパワーは、前モデルの15ツインパワーから大幅な進化を遂げ、シマノのフラッグシップ機・ステラに肉薄しています。一番の大きな違いはローターの材質です。15ツインパワーではCI4+(カーボン繊維強化樹脂)ではなく、高強度樹脂製ローターとなっていました。これが、アルミ合金製ローターとなり(C2000のローターはマグネシウム合金製)、ローターに負荷がかかった時のローターアームのたわみが約6割軽減されています。
ボディ材質は、15ツインパワーではフルアルミボディでしたが、20ツインパワーでは、ボディコアはアルミ合金製ですが、カバーがカーボン繊維強化樹脂CI4+製になっています。ギア材質はこれまでのHAGANEギアと同じですが、加工方法は進化しており、最新のマイクロモジュールギアⅡに変更されており、部品設計及びレイアウトの最適化技術であるサイレントドライブも採用され、ローラークラッチも新設計の低摩擦タイプに変更され、雑味の一切ない軽い巻きフィールが長期間続く駆動系となっています。防水性も従来のコアプロテクトから、高次元防水のXプロテクトに変更され、防水性能が大幅にアップしています。
そして、20ツインパワーでは、ロングストロークスプールに変更され、キャスタビリティも向上しています。接近戦でのパワーゲーム、大遠投によるショアジギングどちらにも高い適性を示します。剛性を損なうことなく、C3000で30gの軽量化を達成しています(15ツインパワー C3000は245g)。
20ツインパワーか、21ツインパワーXDか?
前モデルまでは、15ツインパワーと17ツインパワーXDには明確なキャラクターの差がありましたが、20ツインパワー、21ツインパワーXDになり、その差は非常に小さくなりました。具体的に言うと、20ツインパワーに21ツインパワーXDにも、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブが採用され、巻きのフィールが格段に向上しました。一番大きな違いは、ローター材質です。20ツインパワーはアルミ合金製ローター、21ツインパワーXDは、CI4+製マグナムライトローターとなっています。自重は20ツインパワーが215g、21ツインパワーXDが200gと、15gの差があります。将来的にはこの2モデルは統合されていくのではないかと思います。使い分けとしては、手に持ってみて、ハンドルを回してみて、ロッドと合わせてみて、自分にしっくりくる方を選べば良いと思います。
20ツインパワー C3000のバーサタイル性をフルに生かそう、正直、何にでも使えるぞ!
20ツインパワーの中でも特に万能性の高いC3000は、フレッシュウォーターでもソルトウォーターでも、あらゆる釣りに対応できる、絶妙な剛性と操作性を併せ持っています。エキストラハイギアのスピードを要する、青物ジギング以外の釣りは何でもできるでしょう。サーフでのビッグサイズのヒラメ、マゴチ、岩礁地帯でのヒラスズキ、ランカーサイズのシーバス、50cmを超えるようなロックフィッシュ釣り、オフショアではタイラバ、タチウオテンヤなど、フレッシュウォーターでは、ビッグバス釣りの他、アキアジやサクラマスなどの本流トラウトフィッシング、ナマズやライギョなどの怪魚狙いも可能です。20ツインパワー C3000の巻きパワーと剛性を存分に生かせるような、タフな釣りにガンガン使って行きましょう!