シーバスやサーフゲームに最適?20ツインパワー4000MHGについてインプレッション
シマノの剛性を売りにした20ツインパワー4000MHGをインプレッションします。発表された当時はフルメタルボディでないことに注目が集まりましたが、このリールの剛性は使用に難のないものなのでしょうか。19セルテートや19ストラディックとの違いも交えながら解説していきます。
20ツインパワー4000MHGの特徴
まずは20ツインパワー4000MHGが、どんな特徴を持つリールなのかについて迫っていきましょう。このリールは主にシーバスやサーフゲーム、ライトジギングなどでの使用が想定されていますが、果たしてそれらに必要な性能は満たされているのでしょうか。詳しく解説してきます。
金属製ローター
20ツインパワーの最大の目玉とも言える金属製のローターは、非常に高い剛性を備えるとともに、リールが自走するような慣性の効いた巻き心地に貢献しています。前作の15ツインパワーと比較して、ローターの変形量は6割も軽減されているのは驚きです。慣性の強いリールは、繊細なアクションをする釣りとの相性が悪いものの、ミノーやバイブレーションを巻き続けるような釣りには向いています。
HAGANEボディ
20ツインパワー4000MHGのボディには、剛性の高いHAGANEボディが採用されています。ボディの剛性が低いと、負荷が掛かった際にボディが歪み、ギアの噛み合わせが狂って巻き上げ力が低下してしまいます。金属製のHAGANEボディはこの歪みを抑え、安定した巻き上げ力を可能にします。ただし、20ツインパワーがフルメタルボディでないことには注意が必要です。カバー側の素材は樹脂となっています。もちろん剛性に不足はありませんが、前作のようなフルメタルボディのリールを求めている方には向かないでしょう。
Mスプール搭載、程よいギア比
20ツインパワー4000MHGのスプールは、名前にもある通りM(ミディアム)スプールが採用されています。これにより、大型のシーバス狙いやライトショアジギングでの使用に最適な1.5号前後のPEラインを下巻きなしで巻くことが可能です。また、ギア比が5.8に設定されており、1回転あたりの糸巻量は95cmと程よい長さになっています。ギア比が高いとゆっくり巻きたいときに操作が難しくなり、逆に低いと早巻きにストレスを感じます。スローリトリーブも早巻きも、1台のリールでこなしたいという方にはハイギアのこのモデルが良いでしょう。
19セルテート、19ストラディックとの違い
20ツインパワー4000MHGの特徴について分かったところで、次は同じく剛性を売りにした19セルテートや、下位機種にあたる19ストラディックとの違いについて見ていきましょう。一体どんな違いがあるのでしょうか。
19セルテートLT4000-CXHとの違い
19セルテートLT4000-CXHは、ダイワから販売されている高剛性のリールです。20ツインパワー4000MHGとの大きな違いは、使用される素材にあります。20ツインパワーのローターは金属製ですが、こちらはZAIONと呼ばれる軽量カーボン樹脂となっており、ボディはフルメタルです。ローターが軽量な分巻きも軽く、重心がより手元に寄ることで感度や操作性の面も向上します。また、19セルテートLT4000-CXHの重さは235gと20ツインパワー4000MHGより20g軽量です。どちらを選んでも快適な釣りが可能ですが、巻き物中心であれば慣性の効いた巻き感が特徴の20ツインパワー、より操作性を重視して選ぶなら19セルテートといったところでしょうか。ダイワ製リールに搭載されているエアローターは、レスポンスの良さが特徴のため、20ツインパワーとは異なる操作感を得られます。
19ストラディック4000MHGとの違い
19ストラディック4000MHGは、実売価格22,000円前後で販売されている、20ツインパワー4000MHGの下位機種にあたるモデルです。重さは280gと少々重めで、20ツインパワーのような高剛性ローターとリジッドサポートドラグは非搭載となっています。リジッドサポートドラグは、スプールのフラつきを低減することで魚が掛かった際のラインの放出を安定させるというものです。絶対的な性能だけで言えば20ツインパワーに軍配が挙がりますが、価格差は18,000円ほどあります。19ストラディックが20,000円台のリールとしては非常にコストパフォーマンスの高いモデルとなっていますし、予算に余裕がない方やロッドやルアーにもお金をかけたいという場合は良い選択肢となるでしょう。
20ツインパワー4000MHGの良い点
しっかりとした剛性感
20ツインパワーは発表当初、フルメタルボディでないことに対して賛否両論ありましたが、実際に使用してみると十分に剛性の高さを感じられます。通常、この番手で狙う青物やシーバス相手なら、不安になることはないでしょう。フルメタルボディにこだわる方も、是非一度体感してもらいたいポイントです。
安定した巻き感
金属製ローターの恩恵もあり、20ツインパワー4000MHGは安定感のある巻き心地です。滑らかで自走するような回転は、コアソリッドシリーズらしさが感じられます。ミノーやバイブレーションとは特に相性が良いでしょう。
20ツインパワー4000MHGの悪い点
巻き始めの重さが気になる
慣性が働き、ローターがある程度回転すればその滑らかさを感じることができますが、巻き始めの重さは少し気になります。対策としては、ハンドルを長いものに変えたり、ハンドルノブを力が加えやすいパワーノブに交換するなどの方法があります。立ち上がりの良さを求める方には、あまり向かないでしょう。
釣りのジャンルを選ぶ
巻きをメインとした釣りで使用するのに最適な20ツインパワー4000MHGですが、それ以外の釣りではクイックレスポンスシリーズの方が適している場合が多いというデメリットがあります。番手的にエギングやライトゲームでの使用は考えにくいため、このデメリットを感じることは少ないかもしれませんが、シーバスやライトショアジギングでも操作性を優先したい方は注意が必要です。
おすすめできる釣りのスタイル
20ツインパワー4000MHGは、シーバスからサーフゲーム、ライトショアジギングまで幅広くこなせるリールを求めている方におすすめです。高すぎないギア比や、下巻きなしで1.5号前後のPEラインを使用できることから、その汎用性が伺えます。
他のリールが適したスタイル
前述の3つの釣り以外で使用するリールを探している方や、立ち上がりの良いリールが好みの方は、20ツインパワー4000MHG以外のリールを選ぶと良いでしょう。高剛性と操作性の両立を求めるなら19セルテート、軽さや立ち上がりをより重視するなら19ヴァンキッシュなどがおすすめです。
釣りのジャンルは選ぶが、剛性とパワーは魅力的
今回は、シマノの20ツインパワー4000MHGについてインプレッションしました。金属製ローターとハーフメタルボディによる剛性とパワーが魅力のこのリールは、シーバスやサーフ、ライトショアジギングに最適です。しかし、感度や操作性では他のリールに劣るため、釣りを選びます。