この1台で様々な釣りに使用可能!15ツインパワー4000XGの使用インプレッションをご紹介。
ツインパワー4000XGの特徴
主にショアからの釣りでの使用を想定したモデルとなっており、シリーズ最大のボディサイズとラインキャパシティからシーバスはもちろん、サーフフィッシングゲーム、ライトショアジギング、ビッグトラウトゲームと非常に幅広い釣りで使用することが出来ます。私自身、これらの釣り以外にも今流行りのオフショアでのスーパ―ライトジギングやタイラバにも使用しており、数あるリールの中でも最も使用頻度が高く、ショアから狙う中~大型魚向けの釣りでは、とりあえずどんな釣りでも持って行くようにしています。
基本性能の高さ
私はこのツインパワー4000XGを購入するまでは、ダイワのエントリー~ミドルクラスのモデルのリールしか保有しておらず、当時シーバスをメインで使用していた私の釣りでのミドルクラス以上のリールの必要性には疑問を持っていました。しかし店頭でこのツインパワー4000XGを手に取り、リーディングをした瞬間に巻き心地やリールとしての完成度の高さに驚き、衝動買いしてしまう程で、実際に釣行で使用していても、巻き心地やファイト中のドラグ性能の高さには心底買って良かったと実感し、購入してから5年経過した今でも現役でバリバリ使用しています。
高い堅牢性、巻き取りパワーの強さ
これはツインパワーシリーズ共通の謳い文句ですが、売りにしているだけあって巻き取りのパワーやリールの堅牢性などは高いものを感じます。特に青物を狙うライトショアジギングでは、この巻き取りパワーや堅牢性、剛性は必要不可欠で、ブリ、サワラ、大型ヒラメをヒットさせた際に、ファイトを優位に進めることができ、非常に混雑したエリアでもゴリ巻きできた為、青物も視野に入れて釣りをやられる方にはオススメできます。またオフショアでのライトなキャスティングゲームやライトジギングとりわけ50m程の深さまでで100gまでのジグを扱い、中型青物までがターゲットであれば充分対応できる懐の深さがあります。
レスポンスの良いドラグ性能
ツインパワーシリーズはリールの剛性、堅牢性、巻き取りパワーが高いことでも知られていますが、ドラグ性能も非常に高いです。これはエントリーモデルのリールとは明確に差があり、特にシーバスや青物などヒットしてからよく走る魚とのファイトでは、顕著に感じることが出来ます。少しの走りや河川の流れ、サーフの引き波でも引っかかることなく滑らかにラインが出てくれる為、しっかりとしたドラグ設定やラインのケア、ノットに問題が無ければ、根ズレや歯によるカット以外での不用意なライントラブルはまず発生しません。またファイト中にドラグを絞め込んでも、しっかりと設定したドラグ値でラインが出てくれる為、この辺りにツインパワー、そしてシマノのスピニングリールのドラグ性能の高さを感じることが出来ます。
非常に滑らかな巻き心地
ツインパワーを購入して最もよかった点とては、やはり滑らかな巻き心地です。このシルキーで重厚感のある巻き心地はシマノ独特のもので、他社のリールと比較すると好き嫌いが分かれるところではありますが、私は使用していて非常に気持ち良く感じています。特に河川でのシーバスゲーム等でミノーやシンキングペンシルをドリフトさせる釣りには非常にマッチしていると思います。巻き心地だけで言えば、流石に最上位機種のステラと比較すると見劣りする感は否めませんが、それでもこのミドルクラスの価格帯のリールの中では頭一つ抜けていると実感しています。
高いライン放出性
PEラインをメインとして使用する近年の釣りではライントラブルが付き物です。この頃のシマノのリールから、ライントラブル防止策の一つとして、また飛距離アップ目的の一環として、ベールアームが従来のリールよりワイドに開く設計になっています。これによりキャスト時のライン放出がスムーズになり飛距離アップ、またラインがベールアームに当たり、ライン放出速度が落ちることで発生する元ガイドへの絡みの軽減にも貢献し、トラブルレスに近くなりました。これは風の吹く、特にサーフフィッシングゲームでは、元ガイドへの絡みが少なくなり、非常にメリットがあります。加えてベイルアームがワイドに開くことにより、キャスト時に稀にベールアームが返ってしまう現象も少なくなった様に感じます。
下位機種ストラディックとの比較
2019年に最上位機種のステラに搭載されている「マイクロモジュールギアⅡ」等の最新技術を搭載し、モデルチェンジを果たしたストラディックシリーズですが、結論から言いますと旧モデルのツインパワーと比較しても巻き心地やドラグ性能にまだ差があります。もちろんエントリーミドルクラスのモデルであることを考えれば、価格と性能の両立が素晴らしく非常に完成度の高いリールです。しかし旧モデルとは言え、ツインパワーとの完成度は異なり、特にドラグ性能は顕著に差があると感じました。またリールの組み付け性や使用していての質感、剛性感も差があります。特にジギング系のヘビーな釣りをする方は、ツインパワーを選んだ方が無難です。
気になる点
ラインローラーの耐久性
このツインパワー4000XGは私が所持しているリール中で最も良く使用するリールで、シーバスを始め、サーフ、防波堤、オフショアでのスーパーライトジギング、トラウトと様々なシーンで使用していますが、海水で使用した場合、釣行後の塩抜きやオイルアップを行っても割と早い段階でラインローラ―から異音が出ます。特に塩分濃度が濃い、外海での使用に関して言えば、もう少しラインローラーの耐久性を上げてほしいと思ったことが多々あります。ラインローラーのボールベアリングを交換することで異音は解消しますが、15ツインパワーのラインローラーはボールベアリングと一体型の為、パーツのみ注文しても4千円程掛かる為、割とお財布に痛いです。
質素すぎる見た目
これは個人的な好みの部分が非常に強いですが、この15ツインパワーシリーズは実売価格:3万円以上するリールで基本性能も非常に高いにも関わらず、デザインが少々質素すぎると感じます。特にロゴについてはツインパワーの頭文字の「TP」のみである為、なんだか寂しい感じがします。兄弟機種のツインパワーSWもデザインはイマイチですが、英字での表記はしっかりとされているので、ツインパワーも改善して欲しい点です。
オフショアゲームでのヘビーユースには向いていない
私自身、スーパーライトジギングやスピニングタイラバでたまに使用することはありますが、率直に言いますとあまりオフショアでの釣りには向いていないかなと感じることが多々あります。まず初めに巻き取りパワーです。オフショアでのジギング等では魚の引きも強く、また扱うルアーの重量も上がる為、少し重いジグを使用すると巻き取りパワーの不足は顕著に感じます。また先程お伝えしたラインローラーの耐久性についても、移動の際に時にバケツをひっくり返した様な海水を浴びることがあり、充分ではないと感じています。やはりオフショアでの使用をメインに考えられる方は、巻き取りパワーや耐久性等を考慮して、兄弟機種のツインパワーSWを選択した方が無難です。特に中型青物をメインで狙う際はツインパワーではほぼ魚側に主導権を握られますので、ツインパワーSWもしくはストラディックSWを選ぶ事をオススメします。
向いている釣り
サーフフィッシングゲーム
私がこのツインパワー4000XGを今までに最も多く使用してきたのがサーフフィッシングゲームです。サーフではシーバスフィッシングよりも比較的ヘビーなルアーを投げることが多く、また青物が回っているシーンでは、メタルジグを遠投し、ハイピッチでシャクルことも珍しくありません。そんな使用条件では、リールの剛性が必要になり、ツインパワー4000XGの強みが生きてきます。一日中投げ倒すこともあり、リール本体の自重が軽いヴァンキッシュの使用を考えたこともありますが、投げるルアー、掛かる魚を考慮するとやはりツインパワーの方がヘビーな釣りには向いていると思います。
ライトショアジギング
近年、手軽に大物が釣れるとあって人気急上昇中のライトショアジギング。比較的軽めの地磯や防波堤、サーフから行うこの釣りですが、ラインキャパシティ、リールの特性から判断してもツインパワー4000XGと非常に相性が良いです。特に50gまでのルアーの使用は剛性感がありながらも非常に軽快に使用することが出来ます。根や障害物が無ければ、80㎝クラスのブリはキャッチすることが出来る程のポテンシャルはある為、ヘビーなタックルの扱いに自信のない方にもピッタリの1台です。
15ツインパワー4000XGの総評
今までご紹介してきた様にツインパワー4000XGは非常に汎用性が高く、1台あれば様々な釣りに使用することが出来ます。私が購入したリールの中でも、使用頻度や釣れた魚達を振り返り総合的に判断すると最もコスパの良かった買い物かも知れません。既に旧モデルとなってはいますが、まだまだ現役でガンガン使用できので、これからも壊れるまで使用していきたいと思います。