タフさと汎用性を兼ね揃えた「ツインパワーXD C3000HG」はコスパ抜群リールだ!
皆さんは「ツインパワー」というリールにどのような印象をお持ちでしょうか?
- 剛性が高く、耐久性が高い。
- いいリールだけど少し重い。
- デザインがもう少し良ければ。
様々な意見はあると思いますが、共通するものは「剛性が高いリール」ということであると思います。そして中価格帯であり、汎用性が高いということも拳げられます。他の同価格帯のリールには、ヴァンキッシュ、ツインパワー 、セルテートなどがありますが、「ツインパワーXD C3000HG」は最も幅広い釣りに対応でき、機能性とデザイン性を併せ持ったリールであると言えます。汎用性が高いということは器用貧乏ではないのか?と思われるかもしれませんが、細かく見ていきたいと思います。
ツインパワーXD C3000HGの基本仕様とスペックは?
まずは基本仕様をおさらいしていきましょう。 過剰なほどの耐久性(XD=extreme durability)をキーワードにチューンされた、新たなるツインパワー。メインターゲットは磯やウェーディングでのシーバスゲーム、マイクロジギング。ギア強度のアップにより、以前のモデルのワンサイズ大型機種と並ぶ強度を確保。さらにラビリンス構造により強化された防水構造「Xプロテクト」により防水性アップを実現。カーボンクロスワッシャ採用によりドラグの耐久性も大幅アップ。これまでの常識を覆すほどタフさを備えた一台に仕上がっています。
HAGANEギア&HAGANEボディがもたらす高剛性
HAGANEギアとは、金属の塊(アルミニウム)を約200トンの圧力でプレスし、切削なしにミクロン単位の精度で仕上げたものです。精密冷間鍛造と言われる独自の技術が、硬く、粘り強くギアを生み、なめらかな巻きごこちを可能にします。ここでいう「冷感」とは温度が低い状態ではなく、常温での加工を意味します。冷間鍛造により塑性変形した材料は、機械的性質が改善され、強度が上がり、耐摩耗性も向上します。そのため、従来のように金属を削ってギアを作る「切削加工」と比較すると、はるかに耐久性の高いギアを実現することができるのです。
HAGANEボディとは、高い剛性を持つ金属(アルミニウム)のボディです。剛性・耐衝撃性を確保し、たわみを最小限に抑えることでアングラーのチカラを巻き上げる「力」へと変換します。ツインパワーXDはすべての番手で「HAGANEボディ=オールアルミボディ」であるため、ボディ全体ががっしりとしており、非常に高い剛性を発揮しています。シマノの軽量リールには「ストラディックCI4+」や「ソアレCI4+」がありますが、「CI4+」とは樹脂に炭素繊維を混ぜ込んだもので、簡単に言えば、通常よりも強度アップされた樹脂です。軽さと剛性を両立した良い材料ですが、リールに剛性を求めるならば、やはりHAGANEボディが選択されるでしょう。
NEWマグナムライトローターによる軽快な巻き心地
NEWマグナムライトローターとは、「16 ストラディックCI4+」から採用されたシマノの新たなローター構造です。従来までの構造を一から設計しなおし、ラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行うことで、最大約14%もの回転慣性の低減に成功しています。さらに、ラインローラー側のローター剛性は、ドラグ性能に寄与する重要な要素ですが、NEWマグナムライトローターは、この剛性にも優れており、従来比最大30%UPも実現しています。実際に巻きの釣りが多い、ナイトゲームのシーバスや、タイラバなどではこの巻き心地の良さがそのまま釣りの快適性につながってきます。回転フィーリングの良さを感じつつ、魚をかけた際にはラインローラーが悲鳴を上げることなくしっかりと仕事をしてくれます。
よく比較検討されるリール
20ツインパワー C3000MHG
20ツインパワー は、約5年ぶりにモデルチェンジされた最新リールです。重量はなんと約30g軽量化され、ローターは金属になることでかなり剛性がアップしています。スペックもツインパワーXDと大差はなく、重量と金額が主な差になります。もちろん剛性も高いので、ランカーサイズのシーバスや、大物狙いのライトショアジギングには20ツインパワーの方が向いているでしょう。
19ヴァンキッシュ C3000MHG
19ヴァンキッシュはシマノのクイックレスポンスシリーズのフラッグシップです。なんといってもその最大の特徴は軽さで、同じ番手でも他のリールとは重量に大きな差があり、その面では他の追従を許しません。モデルチェンジにより剛性も上がったことで釣りの幅は広がったと言えるでしょう。シーバスでは、湾奥やボートなどルアーをよく動かす釣りには疲労が段違いになるはずです。しかし価格面ではやはりワンランク上のリールになってしまいます。
19セルテート LT3000-CXH
19セルテートはセルテートのフルモデルチェンジであり、このリールを巻いた時の衝撃はとてつもないものがあります。とにかく「中身が詰まっている」という感じが凄く、巻きのヌメヌメ感も心地よいです。スペックも若干19セルテートの方が上ではありますが、この2つのリールのどちらを選ぶかは、どちらのデザインが好みかという点と、シマノ派かダイワ派かということでしょう。
なぜ私が17ツインパワーXD C3000HGを選んだか?
併せ持つ高い剛性とデザイン性
私がメインとしている釣りは、「シーバス(ナイトゲーム)」と「タイラバ」です。また、頻度は多くありませんが、20g~40g程度のジグを使用する「ライトショアジギング」もあります。それぞれの専用リールを揃えられれば一番良いのですが、出費額がかさむため、できるだけ1台で様々な釣りを賄え、かつ基本スペックもしっかりとしたミドルエンドのリールを探していました。また、デザインも気にするタイプなので、各ロッドと組み合わせた際の色合いや自分が好きな配色か?というところもポイントです。17ツインパワーXD C3000HGは性能、デザイン、価格とまさにぴったりなリールだったのです。
ダークブルーとシルバーを基調とした美しいデザイン
非常にシックなダークブルーを基調とした落ち着いたデザインです。オシアコンクエストリミテッドと同じ色ですね。そこにところどころ配色された銀のパーツがアクセントを効かせています。スプールのデザインは15ツインパワーに近いものがありますが、スリットの数が増えていますね。一つ残念な点としては、スプールエッジの色も金色ではなく銀色にして欲しかったというところです。
チタンワンピースベールの見た目も美しい
ベールは、軽量かつ強度が高いチタンを素材に、まったく継ぎ目のない一体成型で製造されたワンピースベールを搭載しています。シマノのベールは細く、継ぎ目がないため、見た目が美しく仕上がっています。またベールを開閉した際の「カチッ」という音も心地いいですね。
メンテいらずの耐水性能!
タイラバはオフショアですので、船の移動中などはどうしても海水をもろに浴びることがあります。また、磯やウェーディングでも水にさらされる機会は多いと思いますが、Xプロテクトよる高い防水性能により、実釣中のトラブルはなく、全く心配することなく釣りに集中することができます。Xプロテクトは、新たな撥水処理に加え、水の浸入を抑えるラビリンス構造を複合することで、高い防水性能を実現しています。海水を多く浴びた日でも、リールをばらして清掃する必要はなく、シャワー洗浄のみで現在トラブルが起こったことはありません。数回に一度オイルやグリスを追加すれば、その性能はさらに向上することでしょう。
逆に残念だと思うところは?
ドラグノブが操作しにくい
中央の凸形状が大きいため、ランディング中の操作がやりにくいです。最新のものは径が小さくなっています。
ラインストッパーが使いにくい
よく指摘されているところですが、実際に使用すると非常に止めにくいです。通常は輪ゴムかシマノの純正スプールバンドを使用しています。
ラインローラーが一体型
14ステラからですが、一体型のラインローラーは分解し、ローラとベアリングに分けての清掃ができません。そのかわり特殊撥水グリス(DG-18)を塗布するようメーカーが推奨していますが、素直に分解して個別にグリスアップできた方が簡単だとは思います。
17ツインパワーXD C3000HGが特にマッチする釣りとは?実釣と使用インプレ!
シーバス
私のメインフィールドは河川で、ナイトゲームが主です。使用するタックルは下記のとおりですが、ロッドは9.7ftを使用するため、あまり軽すぎるリールでは先おもりすると考え、17ツインパワーXD C3000HGを選択しました。使用して一番感じることは、当たり前ですが、剛性と回転フィーリングの良さです。河川の明暗を責めるため、大体パイロットルアーは、シンキングペンシルを使用します。流しの釣りのため、回転時のノイズはかなり気にする方ですが、しっとりとしつつ、ヌメ感もあるため、非常に巻いていて気持ちがいいです。そして魚を掛けた際の剛性も素晴らしく、60~70cmでは全く問題ありません。ランカーサイズは釣っていませんが、リールに不安を感じることはないでしょう。
- ロッド:ダイワ モアザンブランジーノAGS97ML/M
- リール:シマノ 17ツインパワーXD C3000HG
- ライン:SUNLINE キャリアハイ 1号
ライトショアジギング
頻度は多くありませんが、20~40gのジグを使用するライトショアジギングでも使用しました。タックルはシーバスと共通のまま、ジグのワンピッチジャークがメインです。40cmのツバス(イナダ)を掛けましたが、こちらも剛性に不安はなく。しっかりと巻くことができます。対象がブリやヒラマサなどでショア~狙う場合にはさすがに剛性が足りないと思われますので、SWのリールをお勧めします。
タイラバ
メインフィールドは瀬戸内海です。タイラバは通常ベイトリールを使用しますが、夏場の浅瀬(水深10~20m)などでは広範囲を探るため、スピニングタックルを使用することがあります。タイラバヘッドの重さは45~60gのタングステンを使用します。シーバスやジギングで使用するルアーやジグの重さよりも重たいですが、こちらも回転フィーリングに影響はありません。タイラバは等速巻きが基本なので、かなりの強みと言えます。残念ながらタイは釣れていませんが、かけてからのやり取りも問題ないと思われます。タックルに不安を感じながら釣りをするのはストレスですよね?また、デザインもよいので、船の移動中、ロッドホルダーに入れている自分のリールが良く目立ちます。
一つテンヤ
一つテンヤはまだ経験がありませんが、こちらもスピニングタックルを基本とする釣りです。タイを対象としたスピニングリールでは、ダイワの「紅牙」シリーズが有名です。紅牙のベースはセルテートなので、剛性が必要なリール出ることがわかります。17ツインパワーXD C3000HGと紅牙のスペックはほぼ同じであり、17ツインパワーXD C3000HGの方がハイギヤなので若干巻き取り長さが長いですが、ベアリング数は上です。こちらも専用リールを買い足すことなく、問題なく使用できるでしょう。
17ツインパワーXD C3000HGは高いコスパと性能を発揮できる
17ツインパワーXD C3000HGは、高い剛性、耐水性、デザインを併せ持ち、ミドルエンド帯の中でも非常に性能が高いリールです。さらに、1台で様々な釣りに対応できることも大きな魅力です。各魚種に対応した専用リールを揃えることは、最適解への近道ではありますが、それぞれのタックルを揃える金額を考えると、約4万円で幅広い釣りにトライすることができるということは、非常にコスパが良いと言えるでしょう。