ハイスペックな軽量シーバス専用リール「18エクスセンスCI4+ C3000M」のインプレを紹介
エクスセンスCI4+は、12エクスセンスから6年振りにモデルチェンジされた、シマノのシーバス専用リールになります。エクスセンスには「BB」、「CI4+」、そして最上位に「エクスセンス」と3つのグレードに分かれており、エクスセンスCI4+はその真ん中のグレードに当たります。エクスセンスCI4+の特徴は、名前にも入っている通り「CI4+樹脂」を使用した軽量さとシーバス専用リールとして求められる高い機能です。ラインナップは4種類ありますが、今回はその中でも唯一ローギアモデルとなっている、「18エクスセンスCI4+ C3000M」の特徴と使用インプレをご紹介します。
18エクスセンスCI4+ C3000Mの基本仕様は?
「18エクスセンスCI4+ C3000M」は、重量が195gと200gを切る設定がなされています。軽量ながら最大ドラグ力は9kgと十分すぎるスペックも有します。ハンドル1回転あたりの巻き取り長さは73cmとローギアタイプであることも特徴です。ミディアムスプールであるため、PEラインは1号が220m巻ける容量もあります。ベアリングは9個搭載されており、新たに追加する箇所はありません。正確なことを言えば、完全に分解すればウォームシャフト部などにもベアリングは換装できますが、9個でも十分な量だとも言えますし、元に戻せない可能性もあるため、慣れていない場合はチャレンジする必要もないと思われます。
X-プロテクト
Xプロテクトは、新たな撥水処理に加え、水の浸入を抑えるラビリンス構造を複合することで、高い防水性能を実現しています。ウェーディングをすることもあるシーバス釣行では、防水性能はとても大切です。今までよりもより過酷な環境でも使用できますし、たまにオイルやグリス追加などのメンテナンスをすることで、購入時の高い性能を維持できるでしょう。
ラピッドファイアドラグ
ラピッドファイアドラグとは、ドラブノブの回転数に対するドラグ力の変化が大きく、少しの操作でドラグ設定を大きく変更できる機能です。シーバスとのファイト中にドラグ操作をする機会は多く、例えばストラクチャー周りで魚を止めたいときや、足元で急に突っ込まれた時など、瞬時にドラグ調整をしたいシチュエーションで非常に役に立ちます。
マグナムライトローラー
18エクスセンスCI4+に搭載されているマグナムライトローターは、左右対称構造を非対称構造に変更したことで、回転軽さが従来よりもかなり増しています。ラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置など様々な改良が施されることで、最大約14%もの慣性低減化に成功しています。さらにラインローラー側のローター剛性は、従来よりも最大30%アップしています。「18エクスセンスCI4+ C3000M」は、クイックレスポンスシリーズに属しており、巻きはかなり軽く仕上がっています。
シーバス専用リールの特徴を掘り下げ
17エクスセンスとの違いは?
18エクスセンスCI4+と17エクスセンスは性能的に共通の部分は多くありますが、大きく異なる点は、「マイクロモジュールギア」、「HAGANEボディ」、「DLCラインローラー」が17エクスセンスには搭載されていることです。「マイクロモジュールギア」は、巻き感に関わってくる機能であるため2つのリールを巻き比べてみると違いはよくわかるでしょう。また、「HAGANEボディ」の搭載有無は大きく、18エクスセンスCI4+はボディ素材が「CI4+樹脂」、17エクスセンスは「マグネシウム」と樹脂と金属という差があるため、剛性は17エクスセンスの方が当然上です。しかし、18エクスセンスCI4+も剛性が低いわけではなく、軽さとの両立が取れた非常にバランスの良いセッティングに仕上がっています。
ラピッドファイアドラグによるドラグ操作のしやすさ
ラピッドファイアドラグは、シマノのシーバス専用リールの大きな特徴の一つです。私は通常時は強めに設定しており、フッキングまではほとんど変えることはありません。フッキングしてからは、魚の大きさや動き方に合わせて都度ドラグを調整しています。また、ランディングする際には特に突っ込みがあるため、緩くしていきますので、ドラグ操作の機会はかなり多くあります。ラピッドファイアドラグは、少しの操作で大きくドラグ調整ができるため、非常に便利な機能です。始めて使用する際には通常のリールとは都合が異なるため、どの程度変化の幅があるのか把握しておく必要はあります。
なぜ私が18エクスセンスCI4+ C3000Mを選んだか?
軽さとローギア
私はナイトゲームがメインであるため、ドリフトの釣りをすることが多く、スローリトリーブが大半を占めています。「18エクスセンスCI4+ C3000M」は195gという自重とゴア比5.0というローギアは自分の釣りにピッタリのスペックです。シーバスでハイギアを使用するメリットは「回収の速さ」と「感度が高い」ということが基本ということもありますが、それを捨ててでもローギアを選択したのは、18エクスセンスCI4+がシーバス専用リールであり、自分の持つ他のリールとの差別化を図るためでもあります。どのスペックや機能が自分の釣りに最もあっているかを考えての選択です。
上位機種にも負けない漆黒のデザイン
前身の12エクスセンスCI4+では、まだメッキパーツが目立っていましたが、今回の18エクスセンスCI4+は、最上位のエクスセンスにデザインが近づき、全体的に黒で占められたデザインになっています。違いは、エクスセンスが完全に全体がマットブラックになっているのに対して、18エクスセンスCI4+は少しグレーに近い黒色です。しかし黒で統一されたカラーリングは高級感を感じさせる素晴らしいデザインです。
逆に残念だと思うところは?
ドラグノブが操作しにくい
「18エクスセンスCI4+ C3000M」のドラグノブは、中心の盛り上がりが大きく、つまみが少し握りにくい形状になっています。2019年モデル以降はこれが改善されていますが、真ん中の盛り上がりにより、指の掛かり代が少ないため急いでいる時には少しストレスを感じます。せっかくラピッドファイアドラグにより操作時間は短縮されてるのですが、この操作性の悪さは積み重なると少し残念に思えます。画像の通り、18エクスセンスCI4+と19ヴァンキッシュを比べると違いはよくわかると思います。
ラインストッパーが使いにくい
同じ2018年モデルでも、18ステラが新形状のラインストッパーに変更されているのに対して、18エクスセンスCI4+は従来形状のままです。このラインストッパーは、PEラインであれば特に問題はないのですが、リーダーをつけているとかなり留めにくくなってしまいます。画像は16lbのリーダーですが、ラインストッパーの矢印のような凸部分が邪魔をして太いラインには向いていないと思われます。スナップやリーダーをつけたまま保管する場合は、シンプルに輪ゴムや、スプールバンドを使用した方が良いでしょう。
18エクスセンスCI4+ C3000Mの実釣と使用インプレ
「18エクスセンスCI4+ C3000M」を使用してまず初めに感じることは「巻きの軽さ」です。空巻きの段階では特に感じますが、実際にルアーを引いている時もその感覚はほとんど変わりません。少々軽すぎるとも感じるその巻き感は、ローギアで良かったなとも感じます。ハイギアであれば、流しの釣りは逆に難しいかもしれません。しかし、逆にルアーを細かく動かく時などはこの軽さは大きなアドバンテージとなり、湾奥では特に活躍するでしょう。正直73cmという巻き取り量は、思っていたよりもハイギアとの差が大きく、ルアー回収による手返しは悪くなってしまいますが、ローギアならでは力強さは魅力です。やはり想像していた通り、デイゲームには向かないかもしれません。
18エクスセンスCI4+ C3000Mは使用シーンに特化したシーバス専用リール
「18エクスセンスCI4+ C3000M」は、軽さと機能を両立した高性能のシーバス専用リールです。そのスペック自体はローギアであることからも使用シーンを選びますが、自分の釣りにフィットしている場面で使用した場合、最大限の能力を発揮してくれることでしょう。機能だでなく、マットブラックのデザインも上位機種にせまる仕上がりですので、自分の釣りをさらに極めたいというシーバスアングラーにぜひおすすめです。