20 ルビアス LT2500

ダイワ

ダイワ「20 ルビアス LT2500」
番手
2500
ギア比
5.2
ドラグ/耐力
10kg
自重
175g
B/R
9/1
糸巻量/回転
73cm
ハンドル長
50mm
ナイロン糸巻量
6-150 / 8-100
PE糸巻量
0.8-200 / 1-190
価格
¥ 27,007

搭載の機能・素材

よく比較されるライバルモデル

ついに出た!満を持してのフルモデルチェンジ~自重僅か175gの大本命、逆襲のルビアス~

ヴァンキッシュセオリーバリスティックも無い時代、3万円程度で買えるルビアスは程よい価格と軽量で回転性能も高く、中級者から上級者まで満足して使用できる花形であり、プロの使用率も高く雑誌の露出も多い人気のリールでした。07モデルからはZAIONボディを搭載、12モデルからはエアローターを搭載し、軽さと強度、操作性を進化させています。現在は1万円台中盤から3万円以下で買えるスピニングリールは非常に種類が多く、激戦区となっています。近い値段帯でのモデルが増え、安価なモデルでも上位機種と同等の装備を有するものも増え、近年ルビアスは印象が薄いイメージも有りましたが、20年モデルでは飛躍的に進化を遂げました。今回はそんな20ルビアスのルアーフィッシングの王道番手2500を紹介いたします。

ZAIONモノコックボディで軽さと強度を両立

自重175gという一昔前では考えられない軽さ。同じモノコックボディを持つアルミ製の19セルテートLT2500Sは205gと30gもの差があり、ライトリグでは大きなメリットになります。ハンドルの付けにあたるエンジンプレート以外のボディを一体形成する事で表面のネジ穴が少なく強度を高めています。ZAIONはじめ樹脂系ボディは金属系ボディと比べるとどうしても瞬間的な負荷でたわみが出る為耐久性が低く、ギアノイズの発生など使用感が低下しやすかったのですが、見事に改善されています。

2500(ノーマル)番という魅力

2500番はバスフィッシングからエギング、シーバスに至るまで何でも来いのスタンダードサイズ。比較的投げて巻いて、しゃくってと運動量が多く瞬間的な負荷がかかる用途に対応でき、巻き取る力も強い番手です。

ラインキャパシティと用途

PEラインは0.6号で200m、6lbくらいまでのモノフィラメントラインは150m程度巻けるため、海での遠投も余裕をもって使用できます。バスフィッシングでは少々余してしまいますが、下巻きラインを用いれば浅溝化することもできるので、太糸PEを使用したカバーフィッシングにも対応できます。

強度面が優れている

ルビアスには際立った軽さのFC(フィネスカスタム)シリーズがありますが、これは通常のボディ規格より1サイズ小型のボディを採用しています。ボディが小型になる=ギアも小さくなる=巻き取りの負荷が大きくなる(自転車を想像して頂くとわかりやすいです)為、大きめのルアーやカバーフィッシング、大型魚も視野に入れている場合はスタンダードの2500がおすすめです

特にメリットを感じた用途

プラグの一定速度の巻きなど、特にウィードトップやテトラ帯でのスタックをよけるギリギリの速度で巻きたいときはノーマルギアの方が調整し易いです。ローカルなメソッドではありますが琵琶湖のウィード帯をジグヘッドリグでしゃくって釣るメソッドで、巻取り力が強くウィードをハンドルで巻いて切る動作がしやすいと感じました。

新型ZAION製エアローター搭載のメリット

ローターの自重が軽くなる事で回転慣性が小さくなり、巻きの軽さが向上しました。軽くなった理由は素材が変更されZAIONが採用されたためです。フラッグシップであるイグジストも同素材のローターを搭載しており、DAIWAのローターとしては最もグレードの高いものです。

ローターの「おじぎ現象」が改善??

旧モデルの強化プラスチック素材(DS4・5)では使用しているうちにベールが摩耗してしまい、ベールを戻した際に角度が変わってきてしまう事がありました。ZAION製になる事で、長期的な観察が必要ですが摩耗強度が上がったためか、この課題も改善されたように感じます。

デメリットもある

このモデルに限ったことではないですが、エアローターは軽く、非常に強固な特徴がありますが、他社のローターに比べると造形が複雑で「引っ掛かりが多すぎる」事が弱点です。ロッドのガイドにラインを通す際、ロッドを立たせて作業をすることが多いと思いますが、スプールから垂れたラインをローターが拾ってしまいラインを引き出せなくなる現象が頻発します。釣り場でPEラインのリーダーを結束する時などロッドを立てていてラインが弛むシーンでは邪魔でしかありません。過去のモデルは凹凸の少ないシンプルなデザインでしたが、再び登場してくれないか願うほどです。

ドラグ性能はどうか?

ATDドラグは近年DAIWAスピニングリールで標準化しているドラグシステムです。瞬間的な負荷に対して強くドラグが働き、その後はじわじわと効いてくれる便利な機能。ライトラインであれば確実に切れないセーフティセッティングで、フッキング時の瞬発力をしっかり出すことができます。

しかし、瞬間的な負荷の設定はグリス加減によるもので、絶対的に測って設定することができない為慣れが必要です。特にシマノリールのドラグに慣れている方は違和感を覚えるかもしれません。絶対に切れないだろうと思われる設定で扱うことで、結果的にラインのポテンシャルを活かすことができないと考えています。PEラインでは強く設定しすぎるとアワせ切れも起きる為、オートマチックですが設定がシビアです。私はPEラインでのカバーフィッシングやカバープラッキングを主な用途として使用し、このドラグが使いづらいと感じた為、プラッキングでは旧モデルを使用しなおしているくらいです。ライトラインを使った釣りにおいては設定要らずのこのATDが有利になるでしょう。

ハイエンドモデルと比べて

ベンチマークとなるのはDAIWAのフラッグシップリールであるイグジストLT2500や、シマノのクイックレスポンスシリーズの最上位モデルのヴァンキッシュ2500Sが性格的に近いでしょう。重量でいえばヴァンキッシュ2500Sは165gと更に軽量なモデルとなりますが、それでもダイワ製品の中ではイグジストを凌ぐ最軽量クラスとなり、充分に肉薄できていると言えます。価格についてはイグジストは6万5千円以上、ヴァンキッシュも5万円以上のルビアスの倍近い高価格帯となります。ボディ素材がハイエンド2機種はマグネシウム製(ヴァンキッシュは炭素樹脂のCI4+とのハイブリッド)である事、日本製(ルビアスも初回ロットのみ日本製、以降は中国製)となり、本当に後は価格帯なりの部品の寸法交差と製品の組み立て精度の差ぐらいで、実釣性能では余程予算に余裕がある場合や絶対に外せない勝負に使う場合は除き、ルビアスで十分とも言えます。

ミドルクラスのリールと比べて

ダイワではバリスティック、セオリーが2万円台でよく比較検討されると思います。ボディ素材はいずれもZAIONでドラグもATDと共通点が多く、ギア比やスプール径が微妙に違えど重量も近くカタログ上の差別化が難しいですが、一つポイントとなるのは新規格のモノコックボディはボディ強度のネガが少ない上に、大型のギアを搭載している為比べると巻き取りの強さは段違いで、前述のメリットを感じた用途ではルビアス以上の選択肢はないと思います。

総評:コスパ抜群のリール

シンプルにより軽く、より強くなり、魚をかけた後のやり取りも余裕を持って楽しめるリールです。実釣性能ではフラッグシップモデルと差もそこまで感じさせず、目覚ましい進化を遂げ再び花形リールとして返り咲きました。こんなリールが3万円で買えるのは素晴らしい事です。

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