スピニングリールのオーバーホール|簡単にできるポイントを解説
作成:2023.03.13更新:2023.03.13
目次
釣りになくてはならない道具であるリール、機械なので使っていくうちに内部のパーツ類が消耗していきます。また外部からの水や塩、砂などの異物が侵入する可能性もあるため、日常のメンテナンスはもちろんの事、定期的にオーバーホールしてやる必要があります。リールの全パーツをバラしてのオーバーホールは難易度が高く、素人にはハードルが高いですが部分的に簡単に行えるところもあるので、今回は部分的に簡単に行えるスピニングリールのオーバーホールをご紹介します。
今回ご紹介する内容
- ドラグ内部のオーバーホール
- ラインローラーのオーバーホール
- ハンドルノブのオーバーホール
ドラグ内部のオーバーホール
- ドラグの出が悪い
- ドラグの出方にムラがある
- ドラグが滑り過ぎる
- ドラグノブが回ってしまう
これらの問題を解決します。
ドラグの不調となる原因
まずはドラグの不調となる原因を知っておきましょう。主に2つあります。
- ドラググリス切れ
- ドラグワッシャーの消耗
この2つがドラグ不調の主な原因です。ワッシャーの消耗が酷いと下の画像のようになってしまいます。
こうなってしまうとドラグは役割を果たしてくれません。
準備するもの
準備するものは以下の4つです。
- ピンセット
- パーツクリーナー
- 容器(ガラス製のビンがおすすめ)
- ドラググリス(ギア用を選ばないよう注意)
ドラグ内部のオーバーホール手順
画像付きで解説します。
まずはドラグノブを外します。
次にピンセットを使ってパーツ類を抑えているピンを外します。
ピンが外れたら下のパーツはポロっと外れます。内部のパーツの数や種類は機種によって少し違います。
外したパーツをパーツクリーナーで洗浄します。
ドラグワッシャーに新しいグリスを浸透させる・ドラグワッシャーが傷んでいる場合は新品に交換します。
組み込んで完成。
これでもドラグの調子が良くならない場合はドラグワッシャーにグリスをきちんと浸透させられてない場合があります。
ラインローラーのオーバーホール
ハンドルノブと並び、スピニングリールで最もベアリングが傷みやすい部分です。
- シャーシャー音
- 負荷を掛けた時だけ巻きが重い
- ライントラブルの多発
これらの問題を解決します。
ラインローラーに起こる問題
ラインローラーに起こる問題は主に2つ。
- シャーシャー音(シンプルにうるさい。ただし音が鳴っている以上ベアリングは回転しています)
- 回らない(ベアリングや内部パーツが錆びて固着。ライントラブルや巻き重りの原因)
準備するもの
- ドライバー(+・-はリールによって違います)
- ピンセット
- 綿棒
- パーツクリーナー
- 容器(ガラス製のビンがおすすめ)
- ベアリング(交換を前提)
ラインローラーのオーバーホール手順
画像付きで解説します。
まずはネジを外します。この時ベールを抑えておかないと全てのパーツが飛んで行ってしまいます。上の画像のような指の添え方をすると良いでしょう。
ネジが外れたら内部のパーツを取り出します。綿棒などで押し出してあげると外しやすいです。外したパーツをパーツクリーナーで洗浄します。ベアリングは交換するので捨てて構いません。
新しいベアリングを準備して元通り組み込んで完成。
※2014年モデル以降シマノのリールではパーツ一体型のラインローラーが主になっています。丸々交換になるので作業は凄く楽ですがパーツ代は高くつきます。
ハンドルノブのオーバーホール
ラインローラーと並びスピニングリールで最もベアリングが傷みやすい部分です。
- シャリ感・ゴリ感などのノイズ
- シャーシャー音
これらの問題を解決します。
- ドライバー(+・-はリールによって違います)
- ピンセット
- 綿棒
- ベアリング(交換を前提)
ハンドルノブのオーバーホール手順
画像付きで解説します。
まずはハンドルを外します。外さなくても出来ますが、外した方が圧倒的に作業しやすいです。
ノブキャップを外します。大抵のリールははめ込まれているだけなのでピンセットなどで引っ掛けて外します。
ネジが見えるのでドライバーを使って外します。
ネジを外した後はノブ本体を引っ張ると外れます。ノブ本体の内部か、ハンドルノブシャフトにベアリングとワッシャーが残るので外します。
ノブ本体の内部に残ったパーツ類は綿棒などで押し出してあげましょう。ベアリングを新しいものに交換して組みなおしたら完成です。
水洗いには要注意
多くの方が釣行後はリールを水洗いすると思います。特に海で使われるリールには絶対に必要なメンテナンスの1つですが、実はこの水洗いにも注意が必要です。僕が思う水洗い時の注意点は3つです。
- ドラグを締める事
- リールを回転させない事
- 水を掛け過ぎない事
特に2と3には驚く方も多いかもしれません。水を掛けながらリールを回転させると、オシュレートの動きの際にメインシャフトを伝って水がリール内部に入り込んでしまします。これを防ぐためにはベールを起こして洗浄するのが効果的です。また強い水圧で水をかけ続けるとこれもまたリール内部へ水が浸入する原因になるので、優しめのシャワーで出来る限り短時間で済ませるのが好ましいです。
毎日複数台のリールをオーバーホールしているプロの方に聞いた話ですが、水洗いのし過ぎで傷んでいるリールも多いそうで、僕も注意するように教えてもらいました。
フルオーバーホールはプロに任せるのがおすすめ!
リールのオーバーホールは部分的には素人でも簡単にできますが、完全にバラしてのオーバーホールはプロに任せるのがおすすめです。僕も昔は自分で全てやっていましたしそれが楽しいと思っていた時期もありましたが、所詮素人の腕なので上手くいかないことも多く、納得できる仕上がりにするまでに掛かる時間や手間を考えるとプロに任せた方が良いという結論に至りました。メーカーのオーバーホールで納得できない方はIOSファクトリーやパワフルワークスのようなメーカー外の業者さんに頼むのも1つの手です。