コストパフォーマンスを重視して作られたSLXシリーズはお小遣いアングラーや学生さんなど多くのアングラーから支持を集めてきました。今回はその中でも特に最上位機種に近い22SLX DC XTについてのインプレです。半年使い込んでみてわかったメリットデメリットや使用感、最適な使用範囲なども細かく解説していきます。 さらに23SLX DCやスコーピオンDCとも比較していきますので、購入を検討している方はぜひ本記事のインプレをご覧ください。
22SLX DC XTは、最上位機種であるカルカッタコンクエストと同等の「IDC-5」というDCブレーキが搭載されています。外部では、「1・2・3・4・W(ウインドモード)」の5段階の調整ができることに加えて、内部ではラインごとに「ナイロン・フロロ・PEライン」の3段階の調整が可能です。 通常、低価格帯のDCモデルは外部の4段階しか調整ができない「IDC-4」を搭載することが多いですが、今回の22SLX DC XTは最上位機種と同様のDCブレーキが導入されているため、オートマチックでありながら細かい調整も可能になっています。
最新鋭のDCブレーキを搭載しているためライントラブルは少ないですが、バックラッシュがゼロというわけではありません。 1,2のブレーキの場合、向かい風や少しのサミングミスでバックラッシュしてしまうこともあるので注意が必要です。しかし、22SLX DC XTは強風時に適したウインドモード(W)も搭載されているため、状況に応じたダイヤル調整ができればバックラッシュの心配はほとんどありませんでした。
22SLX DC XTに最適な使用範囲は?
22SLX DC XTに最適なルアーウエイト・ロッドスペック・ラインについてご紹介していきます。
ルアーウエイト
22SLX DC XTの快適な使用範囲は7~15gほどになります。 ナロースプールの恩恵によって5~6gほどの小型ルアーも投げることは可能です。 また、15g以上のルアーに対応することも可能ですが、ラインキャパがそこまで多くないため、太いラインでの遠投には注意が必要になります。
ロッドスペック
M~MHクラスのベイトロッドと組み合わせていただくのが良いでしょう。22SLX DC XTはライトよりの釣りにも対応できますが、リールの自重は190gを超えているためMクラス以下のロッドと組み合わせるとリールの重みがやや目立ちやすいと感じました。
ライン
22SLX DC XTはラインの種類によってモードチェンジすることが可能になるため、すべてのラインに適応しやすくなっています。 ただし、糸巻き量はそこまで多くないので、20LB以上のラインにはあまり適していません。12-16LBの中で選んでいただくのがベストです。
22SLX DC XTと23SLX DCの比較
22SLX DC XTよりも安いDCモデルとして登場したのが23SLX DCです。両機種の価格差は5,000円ほどとなっており、性能差もそこまで多く見られないため迷われる方も多いでしょう。今回はこの2機種の違いを比較してみました。
ブレーキ性能
22SLX DC XTが「IDC-5」を搭載されているのに対し、23SLX DCは「IDC-4」を搭載います。IDC-4は外部のブレーキ4段階のみの調整が可能で、IDC-5の完全下位互換です。 そのため内部・外部の両方でブレーキ調整ができる22SLX DC XTの方がより細かく調整することができます。実際に両機種を投げ比べた私としては、より細かくブレーキ調整ができる「22SLX DC XT」の方が飛距離が出しやすかったです。
ボディ形状
22SLX DC XTが丸みを帯びたボディ形状に対し、23SLX DCは過去のモデルを継承した角ばったデザインとなっています。個人差はあると思いますが、私は断然「22SLX DC XT」の丸みを帯びたデザインの方が好みでした。
剛性・巻き心地
剛性感や巻き心地に関しても22SLX DC XTに大きく軍配が上がります。マイクロモジュールギアやXシップが搭載されている恩恵によって22SLX DC XTの方がボディの金属感が強く、巻き心地もシルキーになっています。
スコーピオンDCは22SLX DC XTと同様に「IDC-5」が搭載されたDCリールです。価格の差はほとんどなく、同価格帯のDCリールとなっています。
この2機種はスペックの差も大きく、以下の点で明確に使い分けることができます。
ルアーウエイト
21スコーピオンDCは22SLX DC XTよりもスプール径/幅が大きく、自重も20g重いため、最適なルアーウエイトが異なります。 5~10gほどのライトなルアーであれば、SLXの方がストレスなく投げられますが、14g以上のルアーになると21スコーピオンDCの方がキャスティングが安定しやすいと感じます。 比較的大型のルアーを使う割合が高ければ21スコーピオン DC,小型~大型までバーサタイルに使いたい場合は22SLX DC XTが良いでしょう。
今回はシマノのハイコスパDCリールである「22SLX DC XT」についてインプレしてみました。 多くのアングラーが購入しやすい価格帯でありながら汎用性が高く、巻き・撃ちの両方に使いやすいバーサタイル性が大きな魅力です。 「上位機種は値段的に難しいけどDCブレーキを体験したい!」という方は、22SLX DC XTを選んでみてはいかがでしょうか? 上位モデルにも引けを取らないブレーキ性能を体感することができるでしょう!