下の図はサクラマスの回遊ルートです。夏から秋にかけて南下して図の越冬ポイント周辺で冬を越します。そして1月ごろから川に遡上するために北上していきます。初夏には川から海に降海してまた北上していき大きく育ちます。
1月上旬:岩手県沖、静内沖(北海道)・1月中旬:白老沖(北海道)・1月下旬:青森沖
という状況です。太平洋側は水温が温かくなるのが早いので釣果が半月ほど早めですね。
1月下旬:秋田沖・2月上旬:青森沖・3月上旬:函館沖、余市沖
日本海側は少し遅れますが一気に函館や積丹方面までサクラマスが北上してきます。
太平洋側は1月上旬、日本海側は1月下旬から釣れ始めています。今年は海水温が低いためか道南と青森沖でサクラマスが停滞していたようです。それもあり道南ではサクラマスが豊漁だったのでしょう。4月に入るとだんだん北上していきます。
サクラマスは冷水を好む魚です。海水温の上昇と共に北上していきます。サクラマスは海水温10℃以上が適温いわれていますが釣果や漁師からの話を聞くと実際はもっと低い水温です。6℃以上の海水温があればサクラマスは回遊してきます。これは個人的な見解ですがカタクチイワシなどのベイトとなる小魚がこの時期1〜3月に北上してくるので水温に関係なくベイトを追いかけている群れもあると考えられます。
サーフの場合、1〜2月の時期はまだ雪が降る寒い時期です。風が強い場合とても寒くて釣れる釣れないの前にアングラーの心が折れてしまいます。特に向い風が強い日はルアーも飛びませんし海があれると濁りがありサクラマスは沖へ行ってしまいサーフでの釣果は厳しくなります。
向かい風の場合は風上側、山陰の風が当たりにくいフィールドは狙い目です。背中側にある程度大きな山があるようなフィールドを見つけましょう。意外とそういった風の当たらない場所にサクラマスも避難している可能性があります。天候に恵まれた場合はチャンスです。河口周辺などが狙い目になりますがサクラマスは回遊していますので人が多い場合は人が少ない場所を選ぶとスレていないサクラマスに出逢える確率が上がります。3月以降は気温も上がると海水温も上昇するため岸寄りしてきます。但し河口付近は雪代(雪解け水)が入る場合は濁りがきつくなるので河口から離れた方が良いです。河口周辺の釣り規制には注意して釣行しましょう!
磯の場合、北海道の1〜2月は磯でホッケが釣れるので、サクラマスを狙ってもホッケが釣れることが多いです。3月以降でサーフに人が多い時期などは磯が狙い目です。特に風が強い場合は磯の周りに溜まる確率が上がります。もちろん天候が良い日でも磯は深場を狙えますのでサーフよりはサクラマスに出逢えるチャンスがあります。ただし冬場の磯は特に滑りますのでライフジャケットは必須、事故にあわないように注意してください。
サーフや磯で探るときのポイントをご説明します。サクラマスは群れで行動していますがサケと比べると少ない数で群れています。その為単独行動している個体も多く特に岸近くでは群れで押し寄せるという光景は見られません。この生態を踏まえるとたくさん人がいる場所や一尾釣れた場所だけが好ポイントではないということがわかります。サクラマスは遊泳力が強い鱒です。実際には近くで連続ヒットという場合もありますが経験上、一尾釣れたあとはそこから離れた場所で釣れるケースが多いです。ではどのようなことに気を付けて探ればよいのか?サーフと磯場で詳しくご説明します。
まず情報収集です。前日や前の週の釣果情報を集めて行き先を決めましょう。まったく釣れない(サクラマスがいない)場所に行っても釣れません。釣果が上向いてきている場所を選択しましょう。ではサーフで探るポイントです。
その他当たり前ですが、潮目が出ていたりサクラマスの跳ねが見えたり、ベイトが打ちあがっているなどは好ポイントです
情報収集も必要ですが岬になっている磯の場合はサクラマスの回遊が来る確率が高いのでキャストして損はありません。人がいなくても釣れるときは釣れます。自分を信じましょう。一尾釣れたらたくさん人が集まってきます。では磯場で気を付けて探るポイントです。
さて、今回は十分に事前調べをして道央の磯とサーフがあるフィールドをチョイスしました。3月下旬、天候は快晴、気温は最低気温1℃、最高気温10℃と温かくなる予想です。風は南南東で5mです。ここは北向きのポイントなので背中から吹く追い風でキャストするには最高の風です。さぁ釣れるのでしょうか?
午前4時前にポイント到着。毎年何度が来るポイントなのですが想像より人がいます。いつも15人ぐらいですがの倍はいます。早速近くのアングラーに聞きこみ。『ここ数日サクラマスが2~3尾、釣れ出している、海アメマスも釣れるが今日は今のところ誰も釣れていない感じ』とのこと、少し早かったかなぁと感じましたが準備を開始します。人込みを避けて少し右奥へサーフを歩いて周りに人がいない場所まで来ました。先程の人が多い場所は河口があるんです。その奥が磯になっているポイントで河口周辺に人が集まっているわけです。
しかし経験上、サクラマスが回遊し初めの時期はあまり河口周辺の真水に近づかない個体が多いと考えているのでちょうどいい場所かもしれません。まず離岸流っぽいところを探します。近くに小さいのですが川がありました。雪解け水が流れ出ている幅が30cmぐらいの名もなき川。今年の初ポイントはここに決めました。
ロッドはDAIWA9.6fのMでルアー重量は40gまでキャストできるタイプをチョイス、リールはDAIWAのLT3000CXHでハイギア、ラインはDAIWA MORETHAN DURASENSORの1.0号にリーダーをフロロ14lb(3.5号)を約2mというタックルシステムです。
第一投目、久しぶりに緊張します。キャスト方向は真正面へ30gのナチュラルカラーのジグミノーを肩慣らしでソフトなキャストをしました50mぐらいで着水し一安心。そのままスロー気味にリーリングします。このジグミノーは少し浮力がありますのでゆっくり巻いても底まで落ちません。一投目は無事に巻き終わりました。二投目以降は以前『海アメマスはどんな鱒?どこで釣れる?生態を調べてポイントを絞ろう!』という記事で掲載した扇状キャストで探っていきます。右に先程の小さい川がありますので右側から探ります。人がいないとこの探り方ができるので釣果が上がる理由の一つです。
約1時間ほどキャストしていますが今のところ反応がありません。他のアングラーも釣れている人は見当たりません。実は今回の釣行のためにルアーをいくつが仕入れてきました。その中でも岡ジグのブラックアカラメには期待しています。5時前で太陽が出ていませんが快晴なので明るくなってきました。
その岡ジグのブラックアカラメ35gにチェンジします。同じく扇状にキャストしていき5投目ぐらいでしょうか、キャスト後20mほどリーリングしているとドンっ!と来てそのまま重みが乗りました、9.6fのミディアムロッドがバットから曲がります。これは?もしや?と期待を込めてファイトしますグングンと強い引きにもDAIWAのATDでドラグが効いていい仕事をしてくれています。30m手前まで寄せてきました、今日は波が少ないので波を利用して寄せるタイミングが取りづらかったのですが、落ち着いて波に合わせて砂浜に上げました。
55cmの海アメマスでした。実は手前30mぐらいで海サクラマスではないなと気が付きました。サクラマスは横にもの凄い走るんです。そして波打ち際ではとてつもなく暴れます。それが無かったのでデカいアメマスだなぁと思いながらキャッチしました。でもいいファイトでした!しかも今年初の鱒が50オーバーなんて!幸先のいいスタートです。
この日は干潮が9時です。この時間まではサーフで粘りましたが周りではサクラマスが1尾、アメマスが2尾上がっていました。見切りをつけて磯場へ移動することにします。到着して準備ができたのは10時頃、今年初の磯での海サクラマスです。ここもほぼ波が無くチャパチャパ状態。風はサーフと同じく後ろからの追い風が3mぐらいでしょうか。気温も上がって8℃ぐらいになりました。相変わらずの晴天でコンディション的には申し分ありません。かなり遠くまで沖の状態がわかりますが残念ながらサクラマスの跳ねは見当たりません。
人もおらず、気持ちのいいポイントで一投目は思いっきりフルキャストしてやりました。ラインマークで100mは超えました。このポイントはいきなりドン深で足元下が10mぐらい掛け上がっています。右側の20m先ぐらいに岩が出ていてその周りが少し浅く海藻が茂っているポイントです。潮風と太陽が当たって温かくて気持ちいいな~と数回キャストしてリーリングしていたら『ガツッ』とアタリ、フッキングしました、先程の55cmの海アメと違い重みがありませんが、やたら元気に暴れます。ホッケかな?と近くに寄せるとまた元気に走ります。サ...サクラマスです!42㎝と小さい小サクラです。とはいえ今年も無事に海で桜が咲いてくれました。
まだ一度しか釣行していませんが、釣行前の各ショップ店員と現地でのインタビューなどを踏まえると道央圏はこれからですが道南方面や苫小牧沖は例年以上の釣果という状況です。道東、道北はこれからのシーズンですので楽しみですね。GWに向けてまた釣行を計画したいと思います。
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