海アメマスはどんな鱒?どこで釣れる?生態を調べてポイントを絞ろう!
作成:2021.03.08更新:2023.04.17
目次
海アメマスとは
そもそも【海アメマス】という魚を知らないという方も多いと思います。簡単にご説明するなら『川のイワナ(岩魚)が降海した鱒(マス)』です。雨鱒(アメマス)という字からも雨が降った時に良く釣れると言われています。でもなぜ【アメマス】ではなく【海アメマス】と呼ぶのか?川から陸封された湖やダム湖へ降りる降湖型の岩魚も【アメマス】と呼びます、そのため海へ降海したイワナを【海アメマス】略して海アメと呼ばれています。
海アメマスはイワナの降海型、その大きさは?
イワナはヤマメと同じく日本在来種の鱒(トラウト)です。そのイワナが降海し海アメマスになるのですが、皆さまも釣り堀などでイワナは見たことはあると思います。川にいるイワナはほとんど20㎝台で30㎝オーバーが最大で尺イワナと呼ばれています。しかしこのイワナが降海するともの凄くデカくなります。40cmは小さい方で、60~80cmオーバーまで成長します。
生態から海アメマスを探ろう
実は海アメマスの生態は、海アメ釣りのメッカである北海道でも良くわかっていないのです。アメマスの身はあまり脂がのっておらず食用としては鮭やサクラマスなどの様に人気がないので生態も詳しく調査されていません。川から海に降り、数年回遊した後、川に産卵のために遡上します。鮭は産卵後に死んでしまいますが、アメマスは死なない個体がいます。産卵後また海に降りるんです。そしてどんどん大きくなります。東日本の海岸(太平洋側は千葉以北、日本海側は山形以北)で釣れる鱒としては一番身近なのです。サーフはもちろん、磯や漁港にもいます。本州ではまだフィッシングターゲットとしては定着しておりませんが、北海道ではアメマスダービーが開催されるほどメジャーな鱒です。本州では河川によってサクラマスのルアーフィッシングができますが今後はアメマスもターゲットになるかもしれませんね。
地域によって変わる海アメマスのフィッシングシーズン
遡上のタイミングや降海するタイミングには地域差があります。東北の日本海側、北海道道南・道央では12月ごろ~春の4月ごろまでです。道東方面は4月ごろからなんと8月ぐらいまで海アメマスが狙えます。
ルアーで海アメマスを釣るためには?
海アメマスはどんな魚なのかはお解りになったと思います。ではどのようにしてルアーで釣るのか?河川のイワナを釣る場合は綺麗で冷たい水を好む習性があるので渓流や源流域をミノーやスプーン、スピナーなどで釣ると思います。海アメマスはフィールドが海なのでかなり違います。まずはどんなところに生息しているのか?海アメマスの好むフィールドとは詳しくご説明します。
海アメマスが生息するフィールドとは?
川からくだり海に出て、また川に帰ってきますので河口周辺はもちろん砂浜(サーフ)、磯、漁港、沖(オフショア)で釣れます。といってもどこでも簡単に釣れるわけではありません。では海の様々なフィールドのどんなところに生息しているのか?
海アメマスが好む水温や水流とは?
海アメマスの習性を考察します。まずは水温です。先程イワナは冷たい水を好むとお話ししましたが、海アメは冷たい水というよりは他より温かい水を好んでいると思います。では海の場合どんな場所が冷たく、どんな場所が温かいのでしょう。もう一つ、水があまり動いていない場所です。この2つを各フィールドで考えてみましょう
岩場フィールドではこんなポイントにいる
岩場の海藻が育っている場所は冷たい新鮮な水が流れて栄養が豊富ということです。海藻があまり生えていない砂底になっているような場所は日があたり水が温かい可能性があります。水が動いていない場所は大きな岩影の潮だまりや少し岩場の湾になっていて海面が静かな場所です。
サーフフィールドでは意外な場所にいる
サーフの波が立っていない場所。大きな岩の手前やテトラの横などは水温が温かい可能性があります。離岸流域は水の出入りが多いのですが、その左右側は意外と流れておらず狙い目です。川の河口近くは水は冷たいのですが遡上を目指している鱒はいる可能性があります、ただ遡上前は口を使う海アメマスが少ないのでバイトが少ない可能性があります。
漁港フィールドでは迷い込んだ海アメを狙え
他のフィールドと少し違います。漁港の場合は遡上で迷い込んだ海アメマスの為、意外とじっとしていません。港内の入り口、中心部分、ミオ筋(船道・船の通り道)、港内の突き当りなどです。
海アメマスはどう探る?
各フィールの好むポイントはイメージできたと思います。ではどのように探るのか?そのためには海アメマスが何を捕食しているか?がカギになります。
ビッグな海アメマスの捕食しているベイトは?
鮭もそうですが、海アメマスの身もサーモンピンクですのでオキアミがメインベイトの1つです。しかし一番のベイトはイカナゴ(北海道ではオオナゴ)とカタクチイワシ(シラスの成魚)です。これらのベイトを追いかけて北上し荒食いしながら産卵のため遡上に備えています。でもサーフの手前や岩場にはオオナゴやカタクチイワシがそんな簡単に寄ってきません。
では近くにいる海アメマスは何を捕食しているのでしょうか?それは、「ヒメハマトビムシ」(ヨコエビの一種)という虫を食べているんです。フライマンなら「スカッド」といえばわかると思います。岩場とかサーフで波打ち際で1㎝ぐらいのピョンピョン跳ねてる虫見たことありませんか?2~3月にこの「ヒメハマトビムシ」が大発生する時があるんです。これを捕食するために近くまで岸寄りしているというわけです。
ポイントでの探り方、マル秘テクニックについて
海アメマスの生態、習性、生息域そして捕食ベイトまで把握できました。これである程度海アメマスが好みそうなフィールドは見つけられると思います。でも海は広いのでどこにいるか?いてもルアーを見つけてくれるのか?が問題です。別の海アメマスを釣った人に聞いても同じ意見なのですが、思いっきり遠投キャストするのですがバイトするのは意外と近い…これは何を意味するのか?湖のアメマスもそうなのですが、ルアーを追いかけて途中であきらめる個体がいるんです。これを繰り返すと岸近くに寄ってくるんです。そして我慢できずバクッと食らいつくのが意外と近場というわけです。もちろん回遊している場合もありますのでそれに限りません。基本的に早巻きオンリー、たまにストップ&ゴーです。ただこれだけではなかなか釣れません。
海アメマスのマル秘テクニック
私が行うテクニックの1つご紹介します。フィールドはどこでも構いません、先程ご説明した各フィールドで海アメマスが好むポイントに適していればよいと思います。
- ルアーはお好みでOKです。ジグ、ジグミノー、ミノーで12㎝以上あるもので出来るだけ目立つルアーをチョイスしましょう。
- 最初の10投はフルキャストでとにかく遠投します。この10投は左右どちらからでもいいので扇状にキャストしていきます。下記写真のグリーンのあたりにキャストしていくということです。基本早巻きです。
- 次の10投はルアーのカラーを変えます。形状を変えてもいいです。但しジグ、ジグミノー、ミノーで12㎝以上あるもので出来るだけ目立つルアーをチョイスしてください。同じポイントに扇状にキャストです。基本早巻きです。
- 最後にルアーをできるだけ小さめのスプーンがジグミノーやミノーでもいいです。8cm程度で10g以上が良いです。カラーは晴れて太陽が出ていればブラック。曇りであればホワイトに近い色です。今度は先程のフルキャストの半分ぐらいキャストします。そして底に当たってもいいぐらい、スローでリーリングします。これも扇状にキャストです。この①~④をポイントを少しずつ変えて繰り返します。
海アメの活性にもよりますが③のカラーチェンジのタイミングでもバイトしてきます。④は激アツTIMEです。是非お試しあれ!