2位 DCMホールディングス(東京都)
3位 コーナン商事(大阪府)
4位 コメリ(新潟県)
5位 ナフコ(福岡県)
この上位5社で約2兆円の売り上げがあります。
ホームセンターは、DIY用資材、建築資材、園芸資材、日用雑貨品、レジャー用品、工具、衣料、食品など、生活に密着したあらゆる商品が売られています。資材系はプロ或いはハイアマチュア向けの商品が多いですが、店内には必ず「DIYアドバイザー」という、日本DIY・ホームセンター協会が主催する年1回の資格認定試験(合格率30~40%程度)に合格した人間がいますので、材料の選定、資材の加工などについて詳しくアドバイスをもらえます。店舗によっては、客が店内の設備を借りて簡単な加工が出来たり、有料で加工をやってくれるところもあります。資材の運搬に軽トラックの貸し出しもあります。
大規模に、例えば自宅の部屋に釣具専用の収納室をDIYで作ったり、部屋の壁面にロッドスタンドを自作してして取り付けてディスプレイしたり、リールの収納棚を作ったりする場合は、資材調達、工具調達のために、ホームセンターは今や欠かせない存在です。腕に覚えのある方はぜひチャレンジしてみてください。私は残念ながら全くDIYの素質に恵まれていないので、クリエイティブなことは何ひとつできませんが、ホームセンター巡りは好きで、釣具店を覗くのと同じくらい、定期的に覗いています。理由は、DIYで何か作ろうということではなく、「この商品をこんな用途に使えないか?」と、本来の用途ではない商品を別の用途で使うことを考え、その用途のために売られている正規の商品を買うよりも安く利用することを目指しています。同様の理由で、100円ショップも定期的に覗いています。
ホームセンターで取り扱っている商品には、「定番品」と「企画品」があります。定番品は、その商品が所属する部門の中で、その商品を陳列する棚のスペースが一年中決まった場所に与えられている商品です。「企画品」は、期間限定や季節品など、あるシーズンにドーンと商品が配置され、一定期間が過ぎると姿を消したり、取扱量が極端に少なくなったりする商品です。企画品として販売され、売れ行きが良かった商品は定番品に昇格しますが、陳列スペースには限りがあるため、その際は定番品の中から売り上げが低迷している商品が棚から外れます。商品を納入する問屋は、定期的にホームセンターのバイヤーとの商談を行っており、ライバル商品が陳列されている棚を自社商品に変えてもらうべく、定番商品の棚をを取った取られたという活動を繰り返し、日々商品が入れ替わっています。そのため、いつも買っていたものが突然売り場から消えるということが少なくありません。この点のみ、注意が必要です。
それでは、釣りに使える、ホームセンターで売っているグッズを紹介して行きます。
私は比較的電車で釣りに行くケースが多く、また、荷物が多いフカセ釣りをすることが多いので、何はなくてもキャリアカートが必須です。クーラーボックス、コマセバッカン、リュックサックを括り付け、公共交通機関を使って入磯します。キャリアカートなしではとても電車釣行は出来ません。キャリアカートは1,000円程度の激安品から1万円を超える高額の商品までありますが、あまりに安価なものは耐荷重が足りず、ねじれの方向の歪みによりすぐに故障してしまいます。クーラーボックス、コマセバッカンだけで15kgになることもあります。キャリアカートの耐荷重は、荷物重量の2倍以上あると安心です。フカセ釣り用の道具一式を運ぶのであれば、耐荷重30kgは必要です。
そしてもうひとつ、キャリアカートを選ぶ際にチェックすべき点は、車輪の径と車軸(シャフト)の太さ、取り付け構造の頑強さです。車輪の径が小さいものは摩擦抵抗が大きく、凸凹の大きな岩場やサーフでは車輪が回りません。車輪はなるべく大きなものを選びましょう。また、車軸は出来るだけ太く、車輪の取り付け構造が頑強でないと、荷重がかかるとシャフトが歪み、回転軸がブレて使い物にならなくなってしまいます。
釣具店に行けば、もちろんタックルケースはたくさん売っています。しかし、ホームセンターで売っている工具箱はピンキリではあますが、国産の商品は頑強さが違います。写真の工具箱は、「ドカット」シリーズで知られる、大阪府のリングスター社が製造している「ジョイクラブ」という工具箱です。某ホームセンターで1,480円と、同サイズの中国製工具箱(980円)と比較すると割高でしたが、耐久性の高さを考えれば全く高くありません。
マルチケースは、仕切りを自由に組んで、収納したいものをサイズごとにまとめられるケースです。シンカーをサイズごとに収納したり、ルアーをタイプ別、サイズ別に収納したり、仕切り板を自由自在に組んでピッタリまとめられる便利なケースです。専用のタックルケースを釣具店で求めるよりも安価で手に入ります。あまりにも安いものは、蓋を固定するロック部が壊れやすかったり、蓋の蝶番の部分が切れたりしやすいので気をつけましょう。
キッチン家電コーナーなどで売っているケースが多いです。0.1g単位で3kgまでの重量が測れる、乾電池式のデジタルはかりです。重量を測ることはもちろん、ガン玉やフックなど、同じ重さの小さなパーツをトレイに一度に入れて全部で何個あるかを数えたりすることができます。リールやルアーなどの重量のカタログ値と実測値の乖離がどうなのかを測ったりするのは非常に面白いです。
漁港や堤防など、足場の良い場所では、ロッドを手から離す際、三脚に立てかけたり、ロッドが短ければ、クーラーボックスなどに取り付けたロッドホルダーに立てたりするでしょうが、足場の悪い磯ではそうも行きません。磯の場合は、岩にビトンを打ち付け、竿掛けをセットする場合もありますが、ビトンを打ち込むハンマーも必要で、重い荷物となりますので、電車釣行の場合や、車釣行でも駐車場から釣り場まで遠い場合は避けたい装備です。
そんな時は、バスマットなどの下に敷くすべり止めとして販売されているクッションシートを任意のサイズに切断し、ロッドを置く場所に敷き、リールを置きます。リールを置く際の傷つき防止としては、ハンドルの反対側に取り付けるリールスタンドがありますが、リールスタンドは高価であり、また、全てのリールに取り付けられるものでもないため、面倒ですが、クッションシートを使用するのが賢明です。風に飛ばされやすいので、岩に敷きっぱなしは禁物です。
リールやロッドのメンテナンスの際に使用する油脂はオイルとグリースですが、ダイワやシマノのリールには、それぞれのメーカーから、専用のスプレータイプのオイルやグリースなど、純正品が釣具店で販売されていますが、なかなか高価なので、油脂やオイルに知見のある方は、安価で手に入る油脂類を見定めて使っている人も多いです。
私は、PEラインスプレーの代わりに、PTFE(4フッ化エチレン:フッ素)を配合した超速乾ドライ潤滑剤、呉工業・ドライファストルブを、リールのラインローラー部やハンドルなどには、PTFEを配合し、潤滑の持続時間を長くした、呉工業・「CRC SUPER 5-56」を使っています。通常のCRC 5-56は潤滑の持続性が悪く、グリースなど他の油脂を溶解させてしまうためおすすめ出来ません。オシレーションシャフトには長期潤滑を狙い、シマノの自転車用フッ素オイル「PTFE LUBE」を少量使用しています。このシマノ・PTFE LUBEは、自転車販売に強い店舗でのみ手に入るオイルです。
メーカー指定の油脂以外を使う場合は、メーカー保証が受けられなくなるため、市販の油脂を使う場合は自己責任で。また、ダイワ・「マグシールド」搭載機種は、マグオイルの流出の危険があるため、注油厳禁です。シマノの「X-プロテクト」など、撥水加工が施されたパーツへの注油もしないほうが良いでしょう。ローラークラッチ部とドラグ部は指定油脂以外注油厳禁です。いずれにしても、注油可否、使用油脂種類についてはメーカーホームページ、取扱説明書等で確認してください。
潤滑剤の多くは、金属への潤滑性付与に適していますが、プラスチックやゴムに対してはケミカルアタック性があり、長期間触れていると部材を侵してしまうことがあるので、不要な場所に付いてしまった油脂類はきちんと拭き取る必要があります。
最後に紹介するこの二段式ピルケースは、100円ショップのseriaで売っていたもので、もともと旅行などの際に常用している薬を入れて持ち歩くものではないかと思います。上段には顆粒薬や分包薬を、下段には錠剤を入れて持ち歩くためのケースなのでしょう。しかし、フカセ釣りをしている者が見たら、用途はこれしかありません。上段には仕掛けづくりに使うサルカン、からまん棒、メタルクッション、水中ウキなどをごちゃっと入れ、下段にはガン玉、ジンタンをサイズごとに収納しています。あまりの便利さに、今ではフックをサイズごとに分けて収納するためにもう一つ購入し、タックルケースに忍ばせています。
コロナ禍の影響で、屋外で楽しむレジャーを始める人が急増しました。キャンプ、釣りが2大アクティビティとして人口を増やしました。その影響で、ホームセンターや100円ショップで釣具を扱うケースが非常に増えて来ています。いわゆるメーカー品の取り扱いはほとんどありませんが、オリジナリティあふれるPB品(プライベートブランド品)が格安で売られています。これらの商品は実用に耐えるものなのでしょうか? 結論から言うと、「ライトな釣りあれば充分使えるものが多い」でしょう。
私が使ってみた感想は、ワームは充分使えます。メタルジグはフックを交換すれば充分使えます。エギも何とか使えますが耐久性があまりありません。ナイロンライン、フロロカーボンラインは使えます(日本製を推奨)。サビキ仕掛けは小物狙いであれば充分使えます。ガン玉などの消耗品も使えます。ウキは浮力が不安定であまりおすすめできません。ロッド、リールのセットは子供の釣りデビュー戦のタックルとしてであれば充分使えます。
いずれにしても、非常に価格が安いので、本格的な釣りにはあまり向かないのかもしれませんが、釣りのすそ野を広げるエントリー商品としての役割は十二分に果たしているものと思います。売価の制約、そこから許される原価の上限がある中で、使える商品を開発している商品企画、設計、製造、物流、販売に関わる全ての人の努力の結晶であると思います。今後の商品群の拡充が期待されます。
ホームセンターや100円ショップは、特に目的がなくても、店内をウロウロしながら、あれこれアイデアを巡らせるだけでも楽しいですが、DIYの腕に覚えのある人は、色んなタックルを自作できるワンダーランドと言えるでしょう。素材を見ながら、工具を見ながら、頭の中でイメージしたものを自分の手でカタチにして行く。私にはそんなスキルはとてもありませんが、手先が器用な人はつくづく羨ましいなと思います!
この記事を書いた人
「釣りの豆知識」関連の記事
新着記事