ぶっこみ釣りには夢がある!ぶっこみ釣りのイロハと釣れる魚を紹介します!
作成:2022.11.22更新:2022.11.22
目次
太目の道糸、大型のクッション付き中通しオモリ、太目のハリス、大型の針のみの至ってシンプルな仕掛けをポイントに投げ込み、底物を狙うぶっこみ釣りは、ありとあらゆる魚が釣れる、大変夢のある釣りです。
場所によってはメーター級の大型ロックフィッシュやマダイ、「石物」と呼ばれるイシダイ、イシガキダイも狙えるぶっこみ釣りについて、タックルや仕掛け、エサ、釣り方について解説いたします。
ぶっこみ釣りの種類
ぶっこみ釣りは、定義が広い釣りです。オモリを使って仕掛けを「ぶち込んで」アタリを待つスタイルの釣法全般をぶっこみ釣りと呼びます。したがって、「どこでできるか」という問いの答えは「どこでもできる」ということになります。淡水、海水も不問です。
淡水シーンではウナギやナマズ、コイあたりがぶっこみ釣りの好ターゲットになりますが、海釣りでは底棲魚を中心に、ありとあらゆる魚種がターゲットとなります。サイズもそれこそ、30cmクラスからメーター級まで釣れる可能性があります。すべてを網羅できるタックルはなかなかないので、ターゲットのサイズによってタックル、仕掛けのサイズを使い分ける必要があります。ここでは便宜的に【ライトぶっこみ】、【レギュラーぶっこみ】、【ヘビーぶっこみ】と呼び、サイズごとに説明します。
ライトぶっこみ釣り
ライトぶっこみ釣りは、30cm以下のサイズの魚をターゲットにする手軽な釣りです。具体的なターゲットはカイズ(クロダイの若魚)、シマダイ(イシダイの若魚)、カサゴ、アイナメ、キジハタ、カワハギなどの根魚が中心になります。このサイズのぶっこみ釣りであれば、タックル選びにはあまりナーバスになる必要はあれません。場合によってはちょい投げタックルでも、仕掛けをぶっこみ釣り用のものにすれば対応可能です。
ロッド
30cm以下の魚を狙うライトぶっこみ釣り用のロッドは、磯竿であれば3号、長さは4m前後の遠投タイプがおすすめです。足元が垂直に切り立っているような場所であれば、10~12フィート程度のショアジギングロッドやロックフィッシュロッドでも使えるでしょう。イシダイ、イシガキダイ狙いでなければ、錘負荷15号程度あるロッドであれば何でもよいでしょう。
リール
リールはドラグ性能の良いスピニングリールを使いましょう。「クイックドラグ(ダイワ)」や「ハイスピードドラグ(シマノ)」といった、特殊なドラグシステムを搭載しているモデルは、よりぶっこみ釣りに向いています。クイックドラグもハイスピードドラグも、特殊なドラグワッシャーの働きで、ドラグノブを1回転するだけでドラグを最大から最小まで素早く調整できる機構です。特に置き竿でアタリを待つスタイルをとるならば、クイックドラグ/ハイスピードドラグは是非とも欲しい機構です。ドラグを締めた状態でキャストした後、ドラグをミニマムまで緩めてから竿掛けに置いてアタリを待ちます。
ライン
ライトぶっこみ釣りであれば、ナイロンライン3号~4号を100m前後巻いておけば大丈夫でしょう。
オモリ
第一精工
ポイントの水深にもよりますが、ライトぶっこみ釣りの場合、オモリは中通しオモリの15号前後を使います。中通しオモリは道糸を傷つけやすいため、必ずゴム管が内蔵された「ゴム管入りぶっこみオモリ」を使いましょう。
ハリス
ハリスはフロロカーボンの2号を標準に、ターゲットによっては2.5号を使います。ハリスは長く取る必要はありません。長くても1m程度でOKです。ぶっこみ釣りの場合は根の周辺を狙ってキャストすることが多いため、基本は1本針仕掛けで行います。
針
針はメインターゲットの魚種によって決めます。明確にターゲットが決まっている場合はその魚種に最も向いた針を、特に決まっていないのであれば、チヌ針の3号程度若しくは丸セイゴの12号〜14号程度からはじめ、状況に応じて色々と針を変えていきましょう。
エサ
ぶっこみ釣りは、コマセを撒いて魚を寄せて釣るメソッドではないため、エサはにおいやアクションでターゲットにアピールできるものを使います。万能なエサは岩イソメです。できるだけ太いものを針いっぱいに付けてキャストしましょう。
岩イソメを使えばほとんどの魚は釣れますが、エサ取りが多く、狙った本命魚がなかなか釣れないときは、クロダイ狙いならカニやサナギ、メジナ狙いなら練り餌や海苔、ハタなどのロックフィッシュ狙いなら魚の切り身、カワハギ狙いならアサリのむき身など、エサをチェンジできる余裕を持ちたいですね。
レギュラーぶっこみ釣り
いわゆる、「ぶっこみ釣り」と言えば、このクラスをいう、最も汎用性の高い釣り方となります。ターゲットは、40cm級のクロダイ、マダイ、メジナ、50cm級のアイナメ、ハタなどのロックフィッシュ、60cm〜70cm程度のウツボなどが該当します。この釣りをしていると、思わぬ大物が掛かることがあります。そんな時でも慌てずに対処できる「誤爆対策」が必要になります。つまり、パワーと操作性の両立を図り、幅広いターゲット、さまざまな状況に対処できるタックルを構築しなければなりません。
ロッド
レギュラーぶっこみ釣りでのタックル選びは、汎用性があり、パワーも兼ね備えたものを使う必要があります。ロッドは遠投磯竿の4号を、長さは4.5m前後を用意しましょう。キャストに自信がある方は5.3mを使って、遠くのポイントへ仕掛けをぶっこみましょう。何度も言うように、レギュラーぶっこみ釣りでは、不意の大物への備えを忘れてはなりません。このクラスの磯竿の場合、竿尻にロープなどを結びつける環が取り付けられているものが多いです。ここには細身のロープなどを結びつけ、海に仕掛けが引きずり込まれるのを防ぐ工夫が必要です。
リール
レギュラーぶっこみ釣りのリールはカゴ投げ釣りなどに対応できる大型スピニングリールを使いましょう。このカテゴリーのスピニングリールには、クイックドラグやハイスピードドラグといった、ぶっこみ釣りに適したドラグシステムが標準装備されています。大物が来ても慌てずにファイトできるよう、パワーのあるスピニングリールを用意しましょう。
汎用スピニングリールであれば4000番相当で、パワーのあるノーマルギアモデルを選びましょう。
ライン
レギュラーぶっこみ釣りの道糸はナイロンの5号~7号を100m前後巻いておきましょう。
ハリス
レギュラーぶっこみ釣りのハリスは、フロロカーボンの5号前後を使用しますが、歯が鋭く、アゴの力が強いウツボ狙いや、石物のヒットが予想される場合はフロロカーボンではなく、ワイヤーハリスを使います。
針
レギュラーぶっこみ釣りの針は、チヌ針8号~10号程度を使いましょう。
エサ
レギュラーぶっこみ釣りはターゲットが広く、大物がかかる可能性も高いため、一番狙いたいターゲットに合わせて選びましょう。ロックフィッシュやウツボ狙いであれば魚の切り身、クロダイ、マダイ狙いであればエビやカニなどの甲殻類、石物を狙いたければサザエ、ウニ、ヤドカリを使いましょう。もちろん、岩イソメをはじめとした虫エサでも全く問題はありません。小アジや小サバなどが生きた状態で手に入るのであれば、それを針につけて泳がせても面白いかも知れません。
ヘビーぶっこみ釣り
磯の王者とも言える石物、すなわち、50cmを超えるイシダイ、イシガキダイを本命とするぶっこみ釣りの場合は、更にタックルにはパワーが求められます。タックルは両軸リールを使えるもので構築しましょう。
ターゲットはイシダイ、イシガキダイをはじめとして、80cm級のマダイやメーター級のアラやクエ、コロダイ、フエダイ、スズキなどです。ショアから狙う釣りとしては、最もターゲットのサイズが大きい釣りとなります。
ロッド
instagram @daiwaiso
このクラスのぶっこみ釣りの場合、ロッドはイシダイ用の竿を使いましょう。ネジレ剛性が高く、バットパワーがあり、かつ、竿尻をアングラーの腹部に押し当てて一進一退のやり取りをしますので、竿尻に柔らかい保護材がついているものを選びましょう。
リール
ダイワ公式
ショアから行う釣りとしてはターゲットのサイズが最大級とも言える、ヘビーぶっこみ釣りのリールは、パワー重視です。両軸受けリールを使いましょう。キャスタビリティはスピニングリールに劣りますが、それよりも力強い巻き上げ力が何よりも重要です。
ライン
ヘビーぶっこみ釣りの道糸はナイロン18号〜20号を使いましょう。リールのラインキャパいっぱいに巻いておくのが理想です。このクラスのぶっこみ釣りでは、あまり遠投はせず、中・近距離の攻防となることが多いのですが、やはり大物とのやり取りではラインを大量に出すシーンを想定し、なるべく長くラインを巻いておきたいです。
ハリス
ゴーセン公式
ハリスは必ずワイヤー製のものを使いましょう。「ワイヤーハリス」や「瀬ズレワイヤー」などと呼ばれて売っています。予め一定の長さに切られて売っているものもありますが、巻物になっているものを好きな長さでカットして使うほうが便利かと思います。
針
針はイシダイ針、クエ針など、底物用の大型針を使用します。針をのされてしまうことが多いため、軸が太く、硬い針を使用します。チヌ針などではいくらサイズが大きくても全く太刀打ちできませんので注意しましょう。
エサ
石物狙いのヘビーぶっこみ釣りの場合、餌の定番はサザエ、ヤドカリ、ウニ、トコブシなどとなりますが、これらのエサは非常に高価なため、マダイ狙いならユムシやボケ(スナモグリ)、ロックフィッシュ狙いならイワガニや魚の切り身、岩イソメなどをエサにすることができます。
ぶっこみ釣りの実際
これまで、ターゲットのサイズ別に、ライトぶっこみ、レギュラーぶっこみ、ヘビーぶっこみと、タックルの違いについて説明してきましたが、実際の釣り方については全て基本は同じです。以下、ぶっこみ釣りの基本について説明します。
狙うべきポイント
ぶっこみ釣りは底を釣る釣法です。砂底でも岩礁でも、海底に変化のあるところを狙います。具体的には岩礁と砂底のキワ、藻場の周辺、大きなシモリ根があり、潮の流れに乱れが発生し、渦ができる場所、水深が急に変わるブレイク周辺、沖の離れ根の周辺に仕掛けを投げ込みます。
ラインスラックを回収し置き竿にしてアタリを待つ
仕掛けが着底したことを確認したら、リールを軽く巻いてラインスラックを取ります。仕掛けの投入ポイントに問題がなければ三脚やピトンに取り付けた竿掛けにロッドを掛けてアタリを待ちます。この際、ドラグは目一杯緩めておきましょう。クイックドラグ/ハイスピードドラグ搭載のリールの場合は、ドラグノブを左に一回転しておきます。
ぶっこみ釣りに早アワセは厳禁!
サイズを問わず、ぶっこみ釣りは大きめのエサを使いますので、ターゲットには十分にエサを食い込ませる必要があります。仕掛け投入後に最初に出る、「ゴツッ!」という鋭いアタリは、魚がエサを見つけ、口先で安全性を確認するために突いているときに出る前アタリです。このときにアワセを入れてもフッキング出来ません。
興奮をグッと抑え、竿先が充分絞られるまでじっくり待ちます。竿が大きく曲がり、竿尻が浮き上がるような挙動を示せば、十分に魚がエサを食い込んだと判断して良いでしょう。ドラグノブを軽く締め、大きくロッドをあおり、アワセを入れましょう。
ファイトは焦らず、時間をかけて!
相手が小型魚・中型魚の場合は、根ズレにさえ気を付ければ、力まかせに巻いても構わないと思いますが、石物や、メーター級の大型魚が相手となるとそうは行きません。水の中ではほぼ無敵の魚が相手です、強引にランディングさせようとゴリ巻きしても敵いません。ロッドやリールの機能をフルに活用し、攻めるところ(リールを巻くところ)、守るところ(魚の動きを制御し、根に潜らせないように踏ん張るところ)、相手に攻めさせるところ(ラインを出しながら魚を走らせるところ)、を次々と場面転換し、相手が疲労するのを待ち、おとなしくしてから一気に取り込みに掛かります。くれぐれも相手と張り合ってはいけません。短くても1~2分、長いと10分近いファイトとなるでしょう。
ランディングには必ず玉網を使ってください。40cmを超える石物、50cm以上のマダイ、クロダイ、60cmを超えるロックフィッシュなどはぶっこ抜きはほぼ出来ないと思ってください。できれば自分で網を当てるのではなく、誰かに当ててもらう方が安全で確実です。
ぶっこみ釣りには夢がある! 一度は挑戦したいメソッドだ!
いかがでしたでしょうか? ぶっこみ釣りは、基本的な仕掛けの構造はちょい投げタックルと変わりません。仕掛けが大型なだけで非常に単純であります。
タックルの構築と狙うべきポイント選びさえ正しくできれば、現場ではフカセ釣りやショアジギングのような小難しいテクニックも必要なく、ショアから手軽に大型魚が狙える、夢のある釣法ではありますが、想像を超える大物が掛かった時、アングラーの知識と経験、そしてメンタリティーが試されるメソッドです。
初心者ではなかなか予期せぬ大物が掛かった時に冷静に対処できないかも知れません。しかし、最近は青物狙いのスーパーライトジギングや、フレッシュウォーターのバス釣りなどで釣りデビューするアングラーも少なくありません。そういった方は、比較的ぶっこみ釣りに挑戦するための経験値の積み上げも早いと思います。ぶっこみ釣り用のパワフルなタックルをひと通り揃えたら、是非チャレンジしてみてください!
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