本格シーズンインに向け、遠投カレイ釣り仕掛けの自作に挑戦してみよう!

作成:2022.11.07更新:2022.11.07

冬の投げ釣りのメインターゲットのカレイは30cmを超えると釣り味も抜群!!

毎日のように続いていた猛暑が一段落したと思ったら、一気に季節が進んで気がついたら暦の上では立冬を迎えました。冬の訪れを肌で感じることが多くなった感のある昨今ですが、朝晩の冷え込みが厳しくなってくるといよいよ冬のショアフィッシングの主役、カレイが接岸する季節到来です。

全長40cmを超える、いわゆる「座布団カレイ」を目指して、パワーのあるタックルを使ってひたすら大遠投するわけですが、カレイ釣りの秘訣は、如何に遠投して広範囲を探れるかということと、如何に太くて長い虫エサを潤沢に用意し、1本の針にエサを複数匹刺す房掛けでターゲットにアピールできるにかかっています。当然、仕掛けも大中小さまざまなものを潤沢に用意します。つまり、カレイの投げ釣りは「手返しの良さ」と「兵站の維持」が大きく釣果を左右する釣り、すなわち、お金がかかる釣りなのです。

今回は、本格的なカレイの投げ釣りシーズンインに備え、安価に仕掛けを自作する方法について紹介して行きます。

カレイの投げ釣り仕掛けの特徴

カレイの投げ釣りに使う仕掛け。針は2本掛けのもの。

カレイの投げ釣り仕掛けは、釣具店では様々なタイプが売られています。特に秋から翌春にかけては、投げ釣り仕掛け売り場のメイン商品と言えるほどの品揃えになっています。

カレイの投げ釣り仕掛けには、感度はあまり必要ありません。理由は、カレイの口の構造上、口にフッキングをさせることにあまり意味がないからです。というより、口にフッキングさせることがほとんどできないのがカレイなのです。基本はカレイに十分エサを食わせ、針は喉の奥に飲ませて掛けるため、タイミングを計ってシビアなアワセを入れることがありません。

そのため、カレイ釣りの仕掛けは飛距離とパワー、そして、仕掛けの絡みにくさを意識した、「張り」のあるものとなります。

遊動式投げ釣り仕掛けを選ぶべし!

カレイの投げ釣り仕掛け・固定式仕掛けと遊動式仕掛け

カレイの投げ釣り仕掛けは、基本的には遊動式仕掛けを使うことを推奨します。理由は、冒頭で述べた通り、カレイに対してはエサを十分に食いこませて針を飲ませるため、食い込んだ際にカレイに違和感を抱かせないことが重要になります。このため、天秤に仕掛けが固定された仕掛けでは、カレイがエサに食いついて仕掛けを引っ張った際に抵抗を感じて吐き出してしまう恐れがあります。遊動式仕掛けの場合は、仕掛けが天秤に固定されておらず、カレイが力強く仕掛けを引っ張ると、カレイが引っ張った方向にラインが動くため、カレイが違和感を抱きにくく、十分に食い込ませるためには圧倒的な優位性があります。

砂ずりの重要性

投げ釣り仕掛けと天秤の位置関係

カレイの投げ釣り仕掛けやシロギスの投げ釣り仕掛けなど、大遠投をする釣りの場合、天秤やシンカーもそれなりに大きなものを使う必要があります。その時に、最も避けなければならないトラブルが、「天秤やシンカーに仕掛けが絡むこと」です。

仕掛けが天秤やシンカーに絡んでしまう原因は、天秤のアームが短い場合、或いはシンカーの形状が悪く、まっすぐ仕掛けが飛行しないケース、仕掛けの幹糸に張りがなく、飛行中にまっすぐ一本状態にならないまま、天秤やシンカーに絡んで着水するケースなど、様々な理由が考えられます。

仕掛けと天秤の位置が遠く離れ、天秤のアームと仕掛けの角度が90°の状態で飛行するのが理想です。これを実現させるための重要な部分が「砂ずり」です。

砂ずりは、海底で仕掛けを引きずる際に、摩擦の負荷が高い(すなわち、傷つきやすい)天秤のアーム先端部から出る仕掛けを保護するために、ラインを2本撚り或いは3本撚りにした部分を設け、耐摩擦性能を上げる役目があるのですが、それよりも重要な役割は、絡みやすいアーム付近の仕掛けの張りを高めて天秤に絡みにくくする事です。

砂ずりがないと、キャストごとに仕掛けが絡んでしまうリスクがありますので、市販のカレイの投げ釣り仕掛けには必ず砂ずりが形成されています。感度よりも、絡みにくさと耐摩擦強度を優先しているのがカレイ釣り用の遠投仕掛けなのです。

カレイの投げ釣り仕掛けを自作してみよう!

ここから、カレイの投釣り仕掛けを自作する方法について説明していきます。

準備するもの

  • メインライン ナイロン4号〜5号
  • エダス フロロカーボンライン2号〜3号
  • 針 流線型もしくは丸セイゴ 12号〜14号
  • 発光玉(小)やティンセルなど、カレイの気を惹くギミック(任意)

仕掛けのトップ部には必ず砂ずりを作ります。砂ずりは、メインラインを二つ折りにして2本撚りで作るのが普通なのですが、今回は、3本撚りで砂ずりを作る方法を説明します。

3本撚りの砂ずりは、2本撚りの砂ずりと比較し、撚りが戻りにくく、張りが強くなるため、より天秤への絡みのトラブルが軽減できます。

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カレイの投げ仕掛けの自作手順

では、カレイの投げ釣り仕掛けの自作手順について説明します。順序としては、砂ずりを作り、その後、エダスを結び、最後に元針を結びます。

1.メインラインを切り出す

仕掛けのメインラインとなるナイロンラインを切り出します。切り出す長さは、「作ろうとする砂ずりの長さ×3+幹糸の長さ+端糸(15cm程度)」です。仮に、砂ずりの長さを30cm、全長を150cmにしたい場合は、「30cm×3+120cm+端糸=210cm+端糸分」となります。

2.最初に2本撚りを作る

3本撚り砂ずりの作り方1  作りたい砂ずりの長さ×3+幹糸の長さ分のナイロンラインを用意し、砂ずり分の長さの部分で折り返し、まずは2本撚り砂ずりを作る。

メインラインを折り曲げて、砂ずりの長さ分の部分を指で押さえます。このとき、端糸側は、2本撚りができたあと、3本目の撚り糸として2本撚りに再度巻きつけますので、砂ずりの長さ分+15cmくらい取ります。この15cmは、あとでハーフヒッチをやりやすくするためです。

本線と端糸の2本のラインを、テンションを強くかけながら、もうこれ以上撚ることができないというところまでキツく撚ります。この工程で、撚りのテンションが甘いと、砂ずりにした際に撚りが戻りやすくなり、張りのある砂ずりになりません。カレイの投げ釣り仕掛けの良し悪しは砂ずりのデキで決まると思い、手を抜かずキッチリと、キツく撚りましょう。

これ以上負けないくらいきつく撚ったら端糸でハーフヒッチを2回行い仮止めする

2本撚りができたら、端糸をハーフヒッチで2回ほど結び、仮固定します。

3.端糸を、今できた2本撚りに再度巻き付け、砂ずり先端側に戻すように巻き3本撚りをつくる

端糸側を2本撚りに巻いて3本撚りをつくる

ハーフヒッチで仮固定ができたら、砂ずり先端の輪を足の指などに掛け、ライン全体をピンと引っ張り、端糸を2本撚りの先端に向かって更に強く巻いていきます。

4.端糸を2本撚りの先端まで巻いたら先端をチチワ結びで止める

端糸を2本撚りに巻いたらチチワ結びで止める

端糸を2本撚りの先端まで巻いて3本撚りができたら、2本撚りと3本目の端糸を一緒にチチワ結びで固定します。チチワの輪のサイズは、スナップサルカンを取り付けることができる小さなサイズで良いです。

3本撚りの先端にチチワをつくっているところ

このように、3本目の端糸と、これまでに作った2本撚りを必ず一緒に輪の中に通さなければなりません。

4.チチワを締めて砂ずりの完成

チチワを締めて砂摺りの完成

最後にチチワをゆっくりと締めて、砂ずりの完成です。3本撚りになっていますので、ラインの号数によってはかなり締め付けにくいかも知れませんが、しっかりと締めておきましょう。

3本撚りの砂ずりは2本撚りと比べて撚りが戻りづらく、張りや強度も増すため、カレイ仕掛けにおすすめ。

3本撚りの砂ずりは、2本撚りの砂ずりと比べて、撚りが戻りにくく、砂ずり全体も張りが強くなるため、仕掛けが天秤に絡むなどのトラブルが激減します。

5.エダスを結ぶ

エダスは2本針仕掛けなら1本、3本針仕掛けなら2本結びますが、40cmを超える、いわゆる座布団級の大型カレイを狙う場合は2本針仕掛けで行きましょう。3本針仕掛けはエサの消費が激しいことと、もしカレイが複数かかってしまった場合、取り込みが大変難しくなってしまうためです。2本針仕掛けで、エサを見せる針と、エサを食わせる針の役割を1本ずつ担当させましょう。

エダスを幹糸に結ぶには8の字結びが簡単でそこそこ強度があり便利

まず、幹糸とエダスとなるハリスを写真のように沿わせます。このとき、針が必ず仕掛けの上方、すなわち砂ずりがある方に来るように沿わせます。

6.エダスを結びたい部分の幹糸とハリスを一緒につまんで輪を作り、8の字ノットで結ぶ

エダスと幹糸を一緒に押さえ輪を作り、輪を1〜2回ひねる

エダスの向きを正しく沿わせたら、結びたい場所の幹糸とハリスを一緒につまんで輪を作り、輪の交点を指で押さえながら輪を1〜2回ひねります。

7.輪の中に幹糸とエダスを一緒に通して締め込む

ひねった輪の先端に、エダスと幹糸の元針側(仕掛け先端側)を一緒に通す

幹糸とエダスで作った輪をひねったら、輪の中に幹糸とエダスを一緒にくぐらせ、エダスと幹糸をじんわりと締めます。この際、エダスの端糸は数cm残しておかないと、締め込みが難しくなりますので気をつけましょう。

また、幹糸とエダスの太さが極端に異なる場合は締め付けがうまく行かないことがあります。そんなときは直結ではなく、トリプルサルカンを使うのも手です。トリプルサルカンを使う場合は、エダスの下から元針までは別の幹糸を用意する必要があります。

8.締め付け状態を確認し、元針を結んで完成!

エダスの端糸と幹糸をゆっくり締めて完成。必ずハリスは上(天秤側)を向くように結ぶ

十分に締め込みができていることが確認できたら、仕掛けの最下端に本針を結びます。元針、枝針のチモト部には、カレイの好奇心を惹く発光玉やティンセルなどをつけるとアピール効果が上がるでしょう。

仕掛けを作り終えたら、必ず行わなければならないことがあります。それは、砂ずり部から先端の本針部まで、何回かに分けて両手で掴んで十分に引っ張り、仕掛けのヨレを完全に除去しておくことです。これをきちんと行ったか否かでは、仕掛けの絡みトラブル発生の危険性が全く違います。仕掛け全体が真っ直ぐ一本の状態になるまで、よく引っ張ってヨレを解消しておきましょう。

カレイ投げ釣り仕掛け自作にあたっての注意点

普段から投げ釣り仕掛けを自作している方は問題ないと思いますが、初めてチャレンジする方は、いくつか注意点がありますので、頭に入れておいてください。

最初のメインラインは規定より長めにとる方が良い

一発で仕掛けを完成できるようになったら、メインラインは規定量取っておけば問題ありませんが、やり直しを繰り返しながら仕掛けづくりをするような場合は、ある程度余裕を見て長めにラインを取っておいたほうが良いでしょう。結び直しでヨレたり縮れたりてしまったラインを切り捨てたりを繰り返すと全体が短くなってしまいます。

砂ずりの長さは必ず天秤のL字の対角線よりも長く作る

前項「砂ずりの重要性」で説明しましたが、砂ずりの長さは、必ず天秤のL字の対角線長よりも 長めに取らなければなりません。砂ずりは、撚り糸にすることでその部分のラインの張りを高め、天秤に絡まないようにするためにありますので、天秤の対角線より短いと、天秤内の砂ずりと幹糸の境目で仕掛けが暴れやすくなり、仕掛けが天秤に絡みやすくなります。

エダスは必ず向きを確認し、あまり長くしすぎない

エダスは必ず針側を砂ずり側に来るように結ばないと、幹糸に絡んでしまって釣りになりません。また、エダスが長すぎても絡みが起こりやすくなります。エダスの長さは10cm前後あれば十分です。

カワハギ投げ釣りの胴突き仕掛けに使用するトリプルサルカン

もし、どうしても絡みが解消しないようであれば、幹糸への直結からトリプルサルカンを使用した仕掛けに変更しましょう。

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現場ではなく、必ず自宅で、心を鎮めて仕掛け作りをしよう!

投げ釣りの仕掛けづくりは、様々な仕掛けづくりの中でも一番難しい類のものだと思います。現場でチョチョっとできるほど甘くはありません。心を穏やかに、精神を集中し、仕掛けづくりに没頭しましょう。現場で急いで作った仕掛けでは、キチンと結ぶべきところの強度が足りないなど、思わぬ落とし穴があるかも知れません。必ず自宅で行いましょう。

冬の座布団カレイは力強いターゲット、自作の仕掛けで豪快に釣り上げよう!

福浦岸壁からのロングキャストカレイ釣り

冬場はショアから離れ、沖の深場に落ちている魚が多い中、産卵準備のため接岸してくる数少ないターゲットがカレイです。地域にもよりますが、早ければ10月中旬頃から、遅くは翌年のゴールデンウィークくらいまで、ショアからのカレイの投げ釣りが楽しめますが、一般的には、メインシーズンは12月上旬頃から3月いっぱいくらいまででしょう。

その期間は、他の釣りはすべてお休みして、カレイの投げ釣りに没頭アングラーもたくさんいます。それだけ、大型のカレイ狙いの投げ釣りはダイナミックでエキサイティングな釣りです。

大型のカレイは、単にずっしり重いだけでなく、力強くアングラーに対して抵抗してくれます。リールを巻き上げている間、何回か、ドラグがなり、ラインがジリジリ出てゆくほどのファイトを見せてくれます。このやり取りが真冬のロングキャスターを虜にしてくれます。

そんなカレイ釣りが、自作の仕掛けでできたら、そして自作の仕掛けで釣り上げることができたら、アングラーとして至上の喜びだと思いませんか?

記事中の紹介グッズ一覧

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ショアおやじのプロフィール写真

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)


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