ショア、オフショアでの幅広いシーンで活躍!シマノ 15ツインパワーSW4000XGのインプレッションをご紹介。
15ツインパワーSW4000XGの特徴
ツインパワーSWシリーズは元々オフショアシーンを想定し、高い耐久性や防水性能、堅牢性を兼ね備えたリールですが、4000XGはシリーズ中、最もコンパクトなサイズでリール本体の自重も355gしかない為、高い耐久性も持たせながらもショアでのランガン等の体力を消耗し易いシーンでも比較的使用し易い設計になっています。これによりショアでのサーフ、ライトショアジギング等をやりながらオフショアでのライトキャスティングゲームも行う方に非常にピッタリな番手と言えます。
大型魚とのファイトでも突出した剛性
先程サーフやライトショアジギングに最適とお伝え致しましたが、この2つの釣りの特徴として稀に大型の魚とファイトすることがあります。サーフで良くあるのが10㎏オーバーのブリやライトショアジギングでもブリをはじめ、磯場ならヒラマサやカンパチと言った遊泳力の非常に高い魚が回遊することがあり、そうした環境ではツインパワーSWシリーズの剛性や堅牢性が非常に生きてきます。正直、この点に関して言えば、ノーマルのツインパワーシリーズとは比較になりません。トレードオフとして重量がある為、扱い難い点もありますが、この剛性はツインパワーSW4000XGの最大の特徴と言えるでしょう。
荒磯でも安心の高い防水性能
ツインパワーSW4000XGの購入を検討されている方で磯でのヒラスズキゲームやショアジギングをされる方も多いのではないでしょうか。ポイントにもよりますが、磯でのヒラスズキゲームなどでは、うねりや風がある状態で釣りをする為、場所によっては常に海水による水飛沫が掛かる環境になります。その様な環境でもツインパワーSWはIPX8相当の防水性能がある為、リール内部に海水が侵入し難く、塩ガミや錆による不具合が低減されています。特にヒラスズキゲームでは、ウェットスーツを着たまま泳いで地磯を渡る様なハードな方もいると思いますので、この防水性能は非常に強い味方になります。
魚の引きに追従する高性能なドラグ
大型の魚になればなるほど、ドラグ性能はキャッチ率を上げるのに非常に重要な要素になります。ツインパワーSWのドラグ性能は非常にスムーズで魚の引きに追従して滑らかに作動してくれます。最上位機種であるステラSWと比較すれば、若干劣る感じもしますが、実釣においてはツインパワーSWのドラグ性能で魚を逃がす様な事は無いでしょう。ドラグの耐久性についても、「Xタフドラグ」を採用し、耐熱性や耐久性が非常に優れた設計になっています。青物との激しいファイト中でも、熱ダレによるドラグ性能の低下率が汎用品リールと比較して少ない為、気にせずにファイトに集中することが可能です。
他機種、他番手との比較
ノーマルツインパワー、ツインパワーXDとの違い
剛性感
これまでもご紹介してきた通り、ツインパワーSWはノーマルのツインパワーやツインパワーXDと比較し、より過酷な環境を想定して耐久性、剛性を高めた設計になっています。これにより魚が掛かった際のリールのパワーや安心感が絶対的に高いです。オフショアでの大型魚とのファイトを想定して設計されている為、性能のトレードオフとして巻きの滑らかはノーマルのツインパワーやツインパワーXDと比較し劣ることは否めませんが、引きの強い青物をメインで狙う方にとっては非常に使い易く、ファイトを優位に進められます。
リール本体の自重
ツインパワーSW4000XGは、シリーズ中で最も軽量な355gのリール自重の為、ランガンが多いショアゲームでもある程度扱い易いですが、それでもノーマルのツインパワー4000XGのリール自重:260gと比較し、95gも重くなっている為、使用していてもやはり手元にズッシリと重みを感じます。もちろんその分、耐久性、剛性が上がってはいますが、それほど大きい魚を狙わない場合はノーマルのツインパワーの方が扱い易く一日投げ続けても疲労感が全く変わってきます。またシーバスロッドのMクラスのロッドと合わせる場合、ツインパワーSW4000XGはタックルバランスが悪くなり、少々持ち重りを感じると思います。シーバスロッドと合わせる場合はノーマルのツインパワーの方が扱い易いのでおすすめです。
15ツインパワーSW5000番手以上との違い
ローターの違い
ツインパワーSW4000~6000番手までのサイズはボディサイズが同等になります。しかしながら4000番手のみローターのサイズがコンパクト化されており、リール自重も5000番手と比較し、65g軽量になっています。この影響から4000番手と5000・6000番のスプール互換性が無く、4000番スプールのみの専用設計になっています。このことから使用できるラインキャパシティが限られており、オフショアでの大物狙いより中型クラスの青物に向いていると言えます。
4000番と5000番はどっちが買い?
ローターの違いでもご紹介しましたが、4000~6000番手まではボディサイズが同一でありながら、ローターサイズの違いにより太糸でのラインキャパシティも少ない為、PE2号以上をメインで使用する方は5000番手以上の番手を選んだ方がいいでしょう。しかしながらツインパワーSW5000番手はローターサイズが大きくなることにより、ツインパワーSW4000XGよりも65g重くなります。タックルバランスも考慮し、ショアジギングロッドの中でもMHクラスのロッドを使用する際は5000番手以上のサイズ選択がオススメです。
気になる点
リール自重
この点は耐久性、剛性との性能トレードオフの為、致し方ない部分ではありますが、リール自重が重く一日中投げ倒すシーンではノーマルのツインパワーと比較し、疲労感が大きく変わってきます。もちろん耐久性が上がることのメリットも大きい為、不満ではありませんが使い分けを充分にし、狙う魚やエリアによってはノーマルのツインパワーの方が扱い易く釣りを展開し易くなります。
他番手との汎用性
これまでもご紹介してきた通り4000~6000番手はボディサイズが同一でありながらも、4000番のみローターが専用設計の為、5000、6000番手間にあるスプールの互換性がありません。5000番であれば狙う魚や海域によっていラインの太さに応じた6000番スプールに交換ができるのですが、4000番のみそれが出来ない為、少々汎用性に欠けるかと感じます。ショア、オフショアも幅広くやりたいと考えている方は、リール自重は重くなりますが、5000番クラスを選んだ方が無難かも知れません。
感度が悪い
これも耐久性、剛性の性能のトレードオフとなり致し方ない部分ではありますが、巻き心地がそれ程良く無く、またハンドル長もノーマルのツインパワー4000XGと比較し3㎜程長くなっている為、巻きで感じる感度は悪いです。ツインパワーSW4000XGはオフショア専用設計と言うよりも、ショアでの使用を想定して設計されていますが、ミノーで流れの微妙な変化を捉える様な繊細な釣りには向かず、どちらか言えば大き目のバイブレーションを巻く釣りやジグをフルキャストしてからミドル~ハイピッチでしゃくる釣りに向いています。パワーと感度のトレードオフになっている為、使用方法を明確にし、使い分けないとただのオーバーパワーのリールになってしまいますので、注意しましょう。
おすすめの釣り
磯ヒラスズキゲーム
気になる点でもご紹介した様に巻きの感度は高くありませんが、その分リールの剛性と防水性能がノーマルのツインパワーより圧倒的に高い為、デメリットを差し引いてもこの過酷な環境下で行う釣りにおいては大きな武器になります。また磯場では外道でワラサやヒラマサ等の青物がヒットすることもあり、個人的にはツインパワーSWの剛性感は必要不可欠なのではないかと感じています。
ライトショアジギング
個人的にツインパワーSW4000XGが最もマッチしている釣りはライトショアジギングではないかと感じています。リールの剛性がある為、比較的重めの60gまで使用し、ショアジギングロッドMクラスのロッドでワラサまでの中型青物までをターゲットとする場面で非常に扱い易いです。ライトショアジギングと言えど、狙う魚が青物となればリールの剛性はより求められてくる性能になりますので、この点はノーマルのツインパワーと比較し、ツインパワーSW4000XG一択かと思います。
オフショア中型青物向けキャスティングゲーム
ツインパワーSWは元々オフショア向けに設計されている為、オフショア向けのゲームでも活躍します。ラインキャパシティがPE2号:200m程と少ない為、どちらかと言うとサワラやハマチ、小型~中型のシイラ等のガチンコタックルの必要のない楽しむ釣りに向いていると思います。カツオ等のラインキャパシティが必要な魚は5000番以降の番手の方が有利ですが、4000番クラスはリール自重も軽い為、ピンポイントでのキャストもし易いメリットもあります。今後キハダマグロ等のキャスティングゲームにも挑戦してみたい方は、ナブラ撃ちの際、キャスト精度が求められてきますので、揺れる船の上で4000番クラスのリールでキャスト練習を行うにも最適な番手だと言えます。
15ツインパワーSW4000XGの総評
これまでツインパワーSW4000XGのインプレッションをご紹介してきましたが、正直な感想としては使い所が少し限られたリールであると感じています。シーバスゲームなどでは重量、感度等の観点からノーマルのツインパワーの方が扱い易く、太糸でより大物を狙う際は5000番以降の方がよりパワーファイトが出来るからです。ですがリールの性能は素晴らしく、使用用途にマッチすれば非常に安心感のある心強いツールとなります。購入を検討されている方は使用する環境を明確にし、メリット、デメリットを理解の上、選択することをオススメします。