アングラーの本気度に全力で応える。ツインパワーSW 10000PGは、大型ソルトウォーターフィッシングのシーンには欠かせない相棒だ!
「強い」「タフ」「耐久」といったキーワードは、釣具には非常によく使われるワードですが、古くから、シマノ・ツインパワーのためにある言葉であったと思えるオールドファンも多いことでしょう。1987年発売の初代チタノス・ツインパワー以来、30年以上の長きにわたり、日々進化するテクノロジーと膨大な実釣データの裏付けを武器に、シマノのリールの強さの象徴として、フラッグシップ機としての地位をゆるぎないものとしてきました。現在のツインパワーは11代目となりますが、フラッグシップの座はステラに譲りはしたものの、初代モデル以来の強さと耐久性は、フラッグシップ機のステラに匹敵するものを備えながら、コスパの良い高性能リールとして、今なおアングラーの憧れのシリーズとなっています。2021年1月現在、ツインパワーは3シリーズ展開しています。20ツインパワー、17ツインパワーXD、15ツインパワーSWの3シリーズです。今回は、ツインパワーシリーズ最強の15ツインパワーSWより、ブリ、ヒラマサなどのオフショアキャスティングゲームに適した、15ツインパワーSW 10000PGについて紹介します。
ツインパワー SWの真骨頂
ツインパワー SWのコンセプトは明確です。オフショアキャスティングゲームという、最高レベルの高負荷の釣りに対し、圧倒的なパフォーマンスを発揮し、ビッグワンを確実に獲ることを目的としています。そのための武装は、他のリールとは明らかに異なる、高次元の技術がおごられています。ボディ材質は高剛性アルミ「HAGANEボディ」、ドライブギア材質は超々ジュラルミンの冷間鍛造ギア「HAGANEギア」を使用いますが、前モデルの09ツインパワー SW比で肉厚を20%UP、さらに強度が上がっています。ローターにも、徹底した三次元構造解析で、ビッグフィッシュからの突然の衝撃にもたわむことなく、ラインを巻き取り続ける、アルミリジッドローターなど、フラッグシップモデルのステラSWの技術が惜しげもなく投入されています。
ツインパワー SW 10000PGの基本スペック
ツインパワー SW 10000PGの基本スペックを見てみましょう。ギア比は4.9、ハンドル1回転あたりの最大巻き長さは102cmのパワーギア(ローギア)仕様です。最大ドラグ釣力は25kgあります。ツインパワー SW 10000PGのドラグは、ドラグワッシャーがカーボンと金属のみで構成され(フェルトワッシャー、樹脂ワッシャー不使用)、耐久性と耐熱性が汎用ドラグと比較して格段に高い、「Xタフドラグ」が、「リジッドサポートドラグ」という、スプール上部をスプール内部のベアリングで、スプール下部はシャフトのスプール受けベアリングで、上下挟み込む構造で、ガタなくガッチリと固定され、かつ、ドラグ作動時はベアリングがなめらかに回転し、適切なライン出しを行います。
圧倒的な防水性能はステラSWと同じ!
ツインパワー SWの防水性能は、同社フラッグシップ機のステラSWと同じ、最高レベルのスペックを誇ります。IEC(国際電気標準会議)が定める、機械・機器類の防塵、防水に関する国際規格であるIP(International Protection)の最高ランクの防水性能を保証する、IPx8(水中使用においても有害な影響を及ぼさない)相当の基準をクリヤーしています。具体的には、ボディのケース合わせ部、スプール、ドラグ接触部の他、水の侵入経路に強固なシーリングを設けた「Xシールド」、そして、水を防ぐ最後の砦であるローラークラッチ部には、低摺動パッキンによる物理的に水の侵入をシャットアウト、そして、金属との接触面には特殊グリースを封入し、回転による摩擦熱の放熱、回転抵抗の軽減をもたらし、強固な防水と軽快なリーリングの両立を果たしています。ベアリングはすべて側面にシールドが施されたS A-RB(Shielded Anti-Rust Bearing)で、ツインパワー SW 10000PGには10個採用されています。
その他の機能
釣りのすべての場面で、汎用リールとは比べものにならない負荷がかかりっぱなしのSW専用リールには、他の汎用リールとは違う機能も備わっています。ツインパワー SW 10000PGのスプールリングには、「バリアコートスプールリング」という、ハードコートが施されています。これは、キャスト性に優れた、AR-Cスプール(All Round-Casting スプール)の中で、ラインが常に打ち付けられる、ステンレス製スプールリングの表面にチタンコートを施し、耐摩耗性を高め、ラインを傷つける原因となるスプールリングの傷つきを抑える特殊加工です。また、ドラグのパワーを決定するドラグノブにも耐熱素材が使われています。ねじ込み式ハンドルの固定方法もブラッシュアップ。ハンドル軸の取り付け部の加工精度が向上したため、ハンドル軸のわずかなガタやズレを調整するためのワッシャーが廃止され、パワーロスがさらに軽減された、力強いリーリングが可能となっています。
ステラ SWとツインパワー SW、どちらが良いか?
シマノのスピニングリールの横綱であるステラ SWと、大関のツインパワー SWの主な違いは、「インフィニティドライブ」と「サイレントドライブ」、「ヒートシンクドラグ」、「DLCラインローラー」の有無です。このうち、インフィニティドライブとサイレントドライブ、は、巻き上げフィールに関する機構で、ヒートシンクドラグとDLCラインローラーは、耐久性に寄与する部分となります。オフショアのソルトゲームにおいては、汎用リールと比較して、「摩擦熱によるダメージ」を受けやすいため、特に熱に弱いPEラインの太糸を使用する場面においては、ヒートシンクドラグ、DLCラインローラーの有無の方が重要かもしれません。ただし、ステラ SW 10000PGはメーカー希望小売価格119,000円に対し、ツインパワー SW 1000PGは70,300円と、48,700円もの価格差がありますので、ここは予算が許す方を選びましょう。もちろん、ツインパワー SW 10000PGがダメということは全くなく、サンデーフィッシャーであればツインパワー SW 10000PGでも十分すぎるスペックを誇っています。
ツインパワー SW 10000PGのスペックを生かすも殺すもアングラーの実力次第?!
ここまで紹介してきた通り、ツインパワー SWには、オフショアのパワーフィッシングに必要なスペックは一通り装備しています。何一つ不足はないといっても過言ではありません。最高レベルの防水性能やタフな心臓部などは、初心者でもベテランでも、同じパフォーマンスを発揮してくれます。しかし、ドラグのセッティングやファイト時の駆け引きについては、アングラーのウデ次第となりますので悪しからず。ツインパワー SW 10000PGを使う以上、タックルのせいには出来ませんよ、己の実力を信じて、是非、最高峰のパワーフィッシングに挑戦してみてください。