狙うは大物だけ! バイオマスターSWを持つならギアはパワー重視のPGで決まり? 6000番は防水性能もシリーズNo.1だ!
シマノの汎用スピニングリールのラインアップの中で、オフショア専用機があるのは、ステラSW、ツインパワーSW、ストラディックSW、バイオマスターSW、スフェロスSWの5機種になります。オフショア専用リールといえば、カジキマグロなどのトローリングで使われる巨大な両軸受けリールが思い出されますが、日本の技術は素晴らしく、構造的に巨魚釣りには向かないスピニングリールでも、メートル級のブリやヒラマサ、ロウニンアジやキハダマグロくらいならば難なく取り込めるパワーを備えています。肝はギアの材質と加工方法、それを支えるハウジングの剛性です。シマノのオフショア専用スピニングリールではエントリークラスに位置するバイオマスターSW 6000PGですが、色んなパワーゲームに使える実力を備えた、面白いリールかも知れません。
オフショア専用リールに求められる機能
オフショア専用リールに求められる機能とは、一にも二にもに防水性能です。オフショアタックルが晒される環境は過酷です。船に乗ってからポイントに着くまで、釣りをしている間、納竿して港に帰るまで、常に海水がかかりっぱなしです。バイオマスターSW 6000PGは、ボディ内部への徹底した防水加工で、IPx8相当という最高の防水性能を確保しています。IPx8とは、International Protection Codeという、2003年に国際電気標準会議で定められた、精密機器などの防塵防水に関する基準です。IPの後の2桁の数字の1桁目が防塵性能、2桁目が防水性能を表します。詳しい説明は割愛しますが、IPx8は、防塵性試験は省略、防水性試験は最高ランク(水面下での使用可)ということを表します。バイオマスターSW 6000PGは、最高ランクの防水性能を持った生粋のオフショア専用リールなのです。ちなみに、バイオマスターSWで、防水性能IPx8相当を謳っているものは、6000PG、6000HG、6000XGのみです。
バイオマスターSW 6000PGの基本スペック
バイオマスターは、前モデルでは、4000番、5000番、8000番、10000番のラインアップでしたが、2016年のモデルチェンジで、4000番、5000番が廃止され、6000番が追加となり、8000番、10000番の3サイズになりました。6000番台は、PG、HG、XGの3タイプあります。ここでは6000PGの基本スペックを見てみましょう。ギア比は4.6のパワーギア(ローギア)で、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ量は83cmです。ハンドル長が65mmと、3000番程度の汎用リールより10mm前後長いため、パワフルな巻き上げが可能です。ラインキャパはPE3号が300mあり、水深200mくらいまで問題なく勝負を挑めます。実用ドラグ釣力は7kg、最大ドラグ釣力は12kgとなっており、ターゲットが大物中心であることが窺えます。
バイオマスターSW 6000PGの防水性能
バイオマスターSW 6000番台は、現行モデルから追加された番手です。この、新たに追加された6000番台には、既存の8000番台、10000番台にはない、強力な防水機構を持っています。6000PG、6000HG、6000XGには、シマノの防水機構である、「X-シールド」と「X-プロテクト」が採用され、高い防水性能を備えています。「X-プロテクト」は、構造的にどうしても水が入ってしまう、ローター周りの隙間やスプール受け部などのパーツに撥水処理を施し、水滴自体を大きな水玉にして侵入防止を図り、更に水の侵入経路を何度もクランク状に折れ曲がるラビリンス構造と、ローラークラッチ部には接触型トリプルリップ(摺動パッキン)と特殊グリースによる物理的な防水で、水が内部まで到達出来ない構造にしています。「X-シールド」は、SW専用機に採用されている防水機構で、ボディやフタの合わせ目、ドラグノブとスプール接触部、メインシャフト支持部など随所に強力なシールドを施しています。Xプロテクトと組み合わせることで、IPx8という最高クラスの防水機能を実現しています。
オフショア専用機ならではの強靭なパワートレイン
バイオマスターSW 6000PGは、オフショアでの大型/中型魚とのファイトを想定したモデルであり、それを担保するための強靭なパワートレインで武装しています。ドライブギア材質、ピニオンギア材質、それらを強固に支えるボディ材質は、フラッグシップモデルのステラSW、ツインパワーSW、ストラディックSW、バイオマスターSWの4機種はすべて同じ材質を使用しています。すなわち、ドライブギアは超々ジュラルミンの冷間鍛造ギア、ピニオンギアは超高強度真鍮、ボディはアルミ合金、スプールもアルミ合金にチタンコーティングが施された、耐塩水性抜群のスプールが使われています。ローターはガラス繊維強化プラスチック製ながら、ベールはステンレス製ワンピースベールが採用され、徹底的な防食対策がされています。
バイオマスターSW 6000PGの活躍シーンは?
SW(ソルトウォーター専用モデル)を冠するモデルは、強靭なボディと高い防食性能を備えており、オフショアでのタフな使い方に大変向いています。6000PGは、タイラバや一つテンヤによるマダイやタチウオ、ワラサやヒラマサなどのジギング、ヒラメの泳がせ釣りなど、強い釣りを得意としますが、自重は455gあるため、高いキャスト性能が要求されるショアジギングにはあまり向いていません。しかし、ショアでも、バイオマスターSW 6000PGのパワーが存分に活かせる釣りがあります。それはズバリ、タコ釣りです。地磯などでタコエギ、タコテンヤをつけてショートキャストし、誘いながらタコを掛ける釣りです。6000PGのパワーなら、岩場の穴に逃げ込んだクラーケンサイズのタコを強引に剥がすことも可能です。6000番というサイズ的にもタコ釣りに大変向いています。多少荒っぽく使っても、バイオマスターSWはビクともしませんよ!