大物でも安心!BB-XハイパーフォースC3000D TYPE-GS RIGHTをインプレ!
磯釣りで多く使われるレバーブレーキリール。素早く大勢を立て直すには必要なシステムですが、ローター逆転時にハンドルが回転することで手元がブレてしまうという欠点がありました。その欠点を解消した新システム「SUTブレーキ」がハイパーフォースにも搭載されました。その他にもたくさんの最新テクノロジーが盛り込まれており、非常にコストパフォーマンスに優れたリールとなっています。
BB-Xハイパーフォースに搭載されているテクノロジー
SUTブレーキ
BB-Xハイパーフォース最大の特徴がこのSUTブレーキです。ローター逆転時にハンドルが回転しないことにより振動とブレが大幅に抑えられています。勢いよく逆転したハンドルが手に当たってケガをすることもないので安心感もあります。ハンドルに手が当たってケガをするなんて嘘のような話ですが、クロダイのかかり釣りなどでは逆転したハンドルで指を骨折するなどケガの事例があります。
SUTブレーキはハンドルの回転とローターの回転が切り離される関係上、ハンドルを止めても惰性でローターが回転します。このためルアーフィッシングでの使用は厳しいでしょう。SUTブレーキ搭載のリールはクラッチのシステムがローターの下ではなく、ハンドルの内側に組み込まれている関係で、ハンドルの左右変更ができません。購入の際には十分注意しましょう。
HAGANEギア
シマノのリールではお馴染みのHAGANEギア。金属の塊を約200トンの圧力でプレスし、切削なしに高い精度で仕上げられています。切削しないことでギア表面には傷が一切入らず、そのため高い耐久性と滑らかな巻き心地を可能にします。
Xシップ
簡単に説明すると、ピニオンギアのベアリング2点支持のことです。これにより軽やかで力強いリーリングが可能です。
HAGANEボディ
巻き上げ時に高い負荷がかかるスピニングリールでは、リールフットをはじめボディ全体により高い剛性が求められます。HAGANEボディは高負荷が掛かっても、たわみやねじれによるパワーロスを抑制します。BB-Xハイパーフォースはフルマグネシウムボディです。
マグナムライトローター
CI4+を採用した軽量ローターです。必要な剛性を確保しつつ、立ち上がりの良さと感度アップを実現しています。形状はヴァンキッシュのようなNEWタイプではなく旧タイプです。
チタンワンピースベール
チタン製であることでステンレス製より軽量です。これによりリールの立ち上がりが良くなります。また、繫ぎ目がないワンピースベールであることで、ラインがラインローラーにしっかり収まるためライントラブル軽減の効果もあります。
C3000D TYPE-GS RIGHTを選んだ理由
BB-Xハイパーフォースの中でも最強の巻き上げパワーを誇り、最もクセの強いC3000D TYPE-GS RIGHTを選んだ理由ですが、実は特に大きな理由はありません。シンプルにギア比の高いリールが嫌いだから、一番ギア比の低いリールを選んだだけなんです。
ノーマルギアやハイギアがあればそちらを買ったと思いますが、無いので仕方なく...という感じです。磯釣り用のレバーブレーキリールの多くがエクストラハイギアやダブルエクストラハイギアである理由は仕掛けの回収を速くするためなのですが、その為だけにギア比が高いリールを選ぶのが嫌だったのです。
BB-XハイパーフォースC3000D TYPE-GS RIGHT実釣インプレ!
TYPE-Gの名に恥じない巻き上げパワー
パワーギアであるこの番手は非常に巻き上げパワーが高いです。これ以上走られるとヤバイと言うような状況では、強引にハンドルを巻くことで魚の動きを止めることができます。磯際で30㎝クラスの石鯛を掛けた時はTYPE-Gでなければ獲れなかったでしょう。たかが30㎝だと思うかもしれませんが、石鯛は30㎝でもえげつないほど引きます。相手が抵抗しようがお構いなしに巻き上げることができるTYPE-Gは魚とギリギリの勝負をする時は大きな武器となります。さすがTYPE-G(Gはゴリ巻きのG)ですね。
非常に軽い巻き心地
マグナムライトローターとパワーギアが相まって非常に軽い巻き心地です。立ち上がりの良さはピカイチです。
手返しは悪い
パワーギアなので仕方ありませんが、ハンドル1回転当たりの巻き取り量が少なく仕掛けの回収が遅いので手返しが悪いです。TYPE-G購入前は気にならないと思っていた部分ですが、実際に使ってみるとかなり不便です。特に本流に乗せて遠くまで流しているときは回収がつらいです。
SUTブレーキは慣れたら手放せない!
レバーを使ってラインを出したときにハンドルが逆転しないので、手元は全くブレません。ハンドルがどこかに引っかかってラインが送り出せないなんてこともありません。また、仕掛け交換時にラインを出す時にハンドルが回転しないのも便利です。SUTブレーキに慣れていない方は「気持ち悪い」という方もいますが、慣れたら手放せないですね。
ドラグ性能もなかなか
本来グレのフカセ釣りでドラグを出すことはありませんが、ルアー釣りに慣れている僕としてはドラグを使ったファイトがしっくりきます。リジッドサポートドラグは非搭載ですが、グレのフカセ釣りに使うナイロンラインの太さであれば全く問題ないドラグ性能で、負荷が掛かるときっちりと滑り出します。ステラやヴァンキッシュなどのレバーブレーキ非搭載のリールと比べると粘り強いように感じます。
巻くラインは2.5号以上がおすすめ
2号から2.5号まで使いましたが、このリールのポテンシャルをフルに活かすならラインは2.5号以上がおすすめです。それ以下ではリールのパワーが発揮される前にラインが切れてしまいます。言い換えれば2.5号よりも細いラインを使うのであれば他のリールを使った方が良いです。自分がTYPE-Gを選んでおいてこんな事を言うのもおかしいですが、TYPE-Gによる手返しの悪さは想像以上にストレスになるのでギア比の高いリールを使う事をおすすめします。僕も2.5号以上を必要とする釣りは1年に2回あるかないかなので、ギア比の高いリールが欲しいです。
BB-XハイパーフォースC3000D TYPE-GS RIGHTは使いどころを選ぶ特殊モデル
常に大型が狙えるエリアをホームとする方や尾長メインの方以外では、必要となる条件が限られることや手返しの悪さを考えると、メインの1台にするのは難しいかもしれません。しかし状況によっては大きな助けとなることも間違いありません。メインはギア比の高いC3000XGSなどをメイン機とし、C3000D TYPE-GS RIGHTは2台目とするのが良いでしょう。ただしハンドルの左右交換ができないので左巻きの方は使えないという事は頭に入れておきましょう。