高剛性高耐久!15ツインパワー4000HGをインプレ!
20ツインパワー登場後、表舞台から姿を消した15ツインパワーですが、フルアルミボディを求めるファンからは未だに人気があり、フリマサイトでは頻繁に取引されています。今回はそんな15ツインパワーを20ツインパワーとの違いを交えながらご紹介します。まずはテクノロジー面から20ツインパワーとの違いを見ていきましょう。
テクノロジー面での20ツインパワーとの違い
ギアの違い
20ツインパワーにはマイクロモジュールギアⅡが搭載されていますが、15ツインパワーには搭載されていません。したがって20ツインパワーの方がノイズの少ない滑らかな巻き心地となりますが、歯一つ一つが大きい15ツインパワーのギアの方が高耐久です。両者ともHAGANEギアが搭載されていますが、マイクロモジュールギアの有無や設計の違いなどがあるため同じではありません。
ボディの違い
20ツインパワーはCI4+とアルミのハイブリッドボディであるのに対し、15ツインパワーはフルアルミボディです。20ツインパワーの方が軽量ですが、剛性や質感では15ツインパワーに軍配が上がります。リトリーブ中のカチッとした質感や巻き出しのヌメッとした滑らかな感触は20ツインパワーにはありません。ただし20ツインパワーも実釣性能面においては十分すぎるほどの剛性が確保されています。
ローターの違い
20ツインパワーにはメタルローター(1000番系はマグネシウム、それ以上はアルミ)が搭載されているのに対し、15ツインパワーのローターは強化樹脂です。ボディとは逆で、ローターは20ツインパワーの方がカッチリしており、高級感があります。ベールを返したときのカシャっというカッコイイ音は15ツインパワーにはありません。また、巻き上げパワーに直結するローターの剛性が上がっていることにより、20ツインパワーの方が巻き上げパワーが遥かに高いです。(ローターだけの影響ではありませんが)
スプールの違い
20ツインパワーにはロングストロークスプールが搭載されていますが、15ツインパワーには搭載されていません。ルアーの飛距離は20ツインパワーに軍配が上がります。投げてみれば分かりますが、20ツインパワーの方が失速が少なく、途中からの伸びが違います。
防水性能の違い
20ツインパワーはXプロテクト、15ツインパワーはコアプロテクトです。Xプロテクト搭載の20ツインパワーの方が防水性能は高いですが、派手に水没させない限りはコアプロテクトでも問題ありません。
ガタツキ排除機構の違い
15ツインパワーに搭載されているS-DIRECT GEAR。これはガタツキを排除するための機構で、簡単に説明するとピニオンギアの下側に搭載されたウェーブワッシャーのことです。20ツインパワーのガタツキ排除機構はサイレントドライブですが、これも正体はウェーブワッシャーです。ただし、サイレントドライブはピニオンギアだけでなく、ウォームシャフト周りなどあらゆるところに搭載されています。
ローラークラッチの違い
20ツインパワー、15ツインパワーともに低摩擦ローラークラッチが搭載されていますが形が違います。20ツインパワーのローラークラッチの方が遥かに崩れやすく、組み立てるのが難しいです。ローラークラッチは1つの部品として扱われているため展開図もないので崩してしまうと組み上げるのは至難の業です。これにより一部のリールマニアの間では「初見殺し」と言われています。リールを自分で分解しない方には全く関係ないのでご安心ください。
大きな違いはこんなところでしょうか。では続いて15ツインパワー4000HG実釣インプレをしていきたいと思います。
15ツインパワー4000HG実釣インプレ
15ツインパワーはヒラスズキメインで、ライトショアジギングやハードロックゲーム、フラットフィッシュゲームで使用しました。それぞれ感じることがあったので1つずつご紹介します。
ヒラスズキゲームでの使用感
激しく波をかぶるような場面での使用がメインでしたが、コアプロテクトの恩恵もあってか1度も潮噛みなどのトラブルは起こりませんでした。やはり近年のリールの防水性能はスゴイと感じます。フルアルミボディであることで重さがあるので14フィートクラスのロングロッドでもある程度バランスが取れます。11フィートクラスのミドルレングスのロッドでも手元が重くなりすぎないちょうど良いバランス感です。70㎝クラスのヒラスズキにも全く負けることなくパワーも十分です。
唯一不満があるのが巻き出しの重さと巻き感度の悪さです。荒れ狂う磯でルアーをコントロールするためには巻き感度が足りないと感じます。全体的にもっさりしているので特に巻き始めのタイミングではルアーが潮を噛んでいるのか、ラインが潮に飲まれているのか、それともただ巻き出しが重いだけなのか分からなくなることがあります。特に強風時は顕著です。これを解消するため、15ツインパワーより軽く、巻き感度も高いと予想される21ツインパワーXD4000HGを予約しました。マグナムライトローターであることで巻き出しの軽さと巻き感度は上がることが期待できます。
ライトショアジギングでの使用感
相手は50㎝クラスのハマチ(イナダ)がメインで使用ジグは40gまででしたが、その条件であれば確実にオーバーパワーです。ゴリ巻きで寄せてこれます。ライトショアジギングメインでされる方であれば、耐久性の面も考えるとぴったりだと思います。11フィートのロッドと合わせて使用しましたが、ラインスラックの回収が追い付かなくなったので、10フィート以上のロッドを使う方であればXGの方が良いでしょう。
ハードロックゲームでの使用感
アカハタ・オオモンハタメインでのハードロックゲームに使用しましたが、オーバーパワーも良いところです。根が荒く、少しでも走らせてはいけないようなポイントや青物や大型根魚が混じるポイントでもない限りは使う事はないでしょう。操作性や感度、疲労軽減の意味も含めて、ハタゲームでは3000MHGあたりをおすすめします。
フラットフィッシュゲームでの使用感
青物が混じるポイントでない限り使う事はないでしょう。フラットフィッシュにはオーバーパワー、重すぎます。集中力が持続しません。抵抗の大きいミノーなどを巻くのは確かに楽ですが、「重い」というデメリットが大きすぎます。ローターが重いので巻く・止めるを繰り返すようなワームの釣りやメタルジグの使用には向きません。フラットフィッシュ専用として考えるなら1サイズ落とすことをおすすめします。
15ツインパワーは今でも買うべきか?
20ツインパワーと15ツインパワーの両方使ってみて感じますが、実釣性能では圧倒的に20ツインパワーが上です。半プラボディになったことでかなり批判も浴びたリールですが、実釣性能の高さを見ると「限りなくステラに近づいたリール」と言われるのも頷けます。実釣性能を考えるなら20ツインパワーを買う事をおすすめします。リールに強いこだわりはないけど高剛性のリールが欲しいとお考えの方であれば、中古で2万円以下で状態が良いものがあるなら購入もアリかなと思います。