軽量・防水・剛性のすべてをバランス良く仕上げたサステイン C5000XGは、ミドルクラスの最優等生だ!
釣りというアクティビティは、日々進化しています。タックルの進化、メソッドの進化、ターゲットの生態を利用したアプローチの開発などで、アングラーがキャッチできる魚のサイズは格段に大きくなりました。これまでは沖に出て専用のタックルを使わないと釣れないと思われていた大型魚が、意外にもショアから釣れるようになりました。もちろん、魚の生態が変わったわけではなく、釣りのメソッドやタックルが進化したことによります。そうした日進月歩の進化を遂げているタックルですが、リールに求められる進化はいつでも「軽さ」、「強さ」、「防水」です。シマノ・サステイン C5000XGは、それらをバランス良く進化させ、価格を抑えつつ、ワンステージ上の釣りが楽しめるパートナーです。
ツインパワーシリーズに次ぐミドルクラスの高コスパ機
サステインシリーズは、2017年に発売が開始された新しいモデルですが、ベースモデルは15ストラディックになっています。15ストラディックをベースに、スプールをグレードアップし、ローターをグレードアップし、リジッドサポートドラグを追加し、防水機構を強化したりして、ブラッシュアップされたものがサステインシリーズとなります。因みに、サステインは、アメリカで開催されている、世界最大級のフィッシングショーである、「ICAST 2017」において、「Best Saltwater Reel」に選ばれています。優れた性能とコストパフォーマンスが評価されました。ICAST 2017によると、ストライバー(モロネ科シマスズキ)、ボーンフィッシュ(ソトイワシ科ソトイワシ)、レッドフィッシュ(ニベ科レッドドラム)や小型のマグロやカジキ釣りに理想的と紹介されています。
サステイン C5000XGの基本スペック
サステイン C5000XGの基本スペックを見て行きます。ギア比は6.2、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは103cmのエキストラハイギアタイプです。ドラグは最大釣力11kg、実用釣力5kgのパワフルなドラグが、メインシャフトスプール受け部、スプール内部の2ヶ所をベアリングで受け、ドラグの動きをスムーズにしつつ、ガタなくガッチリ固定するリジッドサポートドラグ機構になっています。サステイン C5000XGは、4000番のボディに5000番のスプールがついたコンパクトモデルで、ハンドル長も57mmと、4000番サイズになっています。ラインキャパは、ナイロン4号で190m、フロロカーボン4号で170m、PE2号で300mあります。ショアジギングでPEラインを使用する場合は、下糸を入れた方が良いでしょう。オフショアの場合は、潤沢に、ラインキャパ一いっぱいに巻くことをおすすめします。
ミドルクラスのリールながら、強さも軽さも防水も妥協ナシ、あらゆる要素が高バランスにまとまった!
サステイン C5000XGのボディには、アルミ製HAGANEボディを使用し、大型魚とのファイトの際に駆動部にかかるねじれやたわみの力に充分抗う強度を備えています。駆動部は当然、超々ジュラルミンを冷間鍛造で打ち出した「HAGANEギア」が、ピニオンギアに生命を送り込み、ビッグフィッシュとのファイトのためのパワーを生み出します。このパワー発生から伝達、リールの回転運動への出力までのトランスポートは「X-SHIP(eXtra Smooth & HIgh Power)」により、ロスなくかつ静謐に行われ、アングラーの思いのままのファイトをリールにさせることが可能です。そして、その巻き心地は、超軽量で強靭な炭素繊維強化樹脂のCI4+製「マグナムライトローラー」により、巻く、止める、ラインを送り込むと言った一進一退のやり取りを意のままに、アングラー優位の状態を可能な限り維持しながらランディングまで持ち込めます。そして、防水性は、ラインローラー部も含め、部品の撥水処理とラビリンス構造による物理的な関所を設けることで水滴の侵入をシャットアウトします。もちろんドラグノブも防水仕様です。
キャスタビリティも抜かりない!
サステイン C5000XGは、ショアジギングのためのキャスタビリティも考慮されています。チタン素材のワンピースベールと、ステンレスにチタンコートを施したスプールリングをもつアルミAR-Cスプール(All Round-Casting スプール)で、ラインのスムーズな放出をサポートします。このように、サステイン C5000XGには、金属パーツが多用されています。ローター以外はすべてアルミをはじめとしたメタル素材が使われており、アングラーの精神的安心感を担保しています(もちろん、樹脂パーツがダメだというわけではありませんが)。
ここだけがどうして???
サステイン C5000XGには、なぜかスプールに「ラインクリップ」がありません。ほかの番手にはすべてついているのですが、5000番のスプールにのみ、クリップがないのです。ディープスプールのため、アングラーによってPEラインを使う人、ナイロンやフロロカーボンの太いラインを使い人など、様々なアングラーのために、すべてのラインをきちんと止められるラインクリップがなかったのかもしれませんが、ラインクリップがないのはちょっとストレスです。スプールバンドなどを別途用意しましょう。
ライバルはズバリ、ダイワ・バリスティック LT4000-CXH
サステイン C5000XGと非常にスペック的に似ているのが、ダイワ・バリスティック LT4000-CXHでしょう。バリスティックは、ボディ、ローターに、カーボン長繊維強化樹脂のZAIONを採用し、軽さにより重きを置いています。サイズ的にはわずかにサステインの方が大きく、自重もバリスティック LT4000-CXHが210gであるのに対し、メタル素材中心のサステイン C5000XGは285gとなっています。パワーについてはどちらも変わらないでしょう。防水性もほぼ互角です。オフショアキャスティングなど、よりタフな状況での使用を想定するならサステイン C5000XGを、ショアジギングなど、少しでも軽さを求める釣りが中心であれば、バリスティック LT4000-CXHが良いでしょう。
不満な点がほとんど見当たらないサステイン C5000XG、ミドルクラスのベストバイ
実勢価格25,000円強と言ったレンジのスピニングリールとしては、ほぼ完成されたスペックであるサステイン C5000XGは、ダイワのルビアスやシマノのヴァンフォードなどが樹脂パーツを多用し、軽さと強さの両立を追求しているのに対し、古くからの実績材であるアルミパーツを多用したモデルであり、特にオールドファンにはおすすめの逸品です。このクラスのスピニングリールとしては、不満点はほとんどなく、末永い付き合いができること請け合いです。