ロッドとのバランスが絶妙!ダイワ17セオリー2508pe-dhのインプレッション
セオリー2508PE-DHとはどんなリール?
セオリー2508PE-DHは2017年にダイワから発売された汎用スピニングリールです。黒と金を基調としたシックなデザインとなっており、様々なロッドに合わせても違和感を与えないシンプルさが特徴です。機能面では非LTモデルではあるものの、ダイワの独自テクノロジーである防水構造「マグシールド」をはじめ、軽量高剛性の「ザイオンボディ(ローター)」、滑らかな追従性をもつドラグシステム「ATD」と2020現在をもっても、高機能と太鼓判を押せる内容になっています。また、ダブルハンドルモデルにも関わらず、自重が200gと軽量となっており、2020年現在の現行モデルの中では、最軽量の20ルビアス、フラッグシップの18イグジストに次いで3番目に軽いリールです(ダブルハンドルモデルに限る)。
昨今のエギング業界的にはハイギアを推奨されるケースが多いのですが、このリールはノーマルギアとなっています。ダブルハンドルモデルということからエギングに適しているリールではありますが、その点だけ注意が必要です。なお、釣り好きの間では2016年にダイワのライバルであるシマノが発売したストラディックCI4+が非常に人気となったため、その対抗機として急遽発売されたのではないかという噂のあるリールでもあります。
セオリー2508PE-DHの強みは何?
セオリー2508PE-DHの強みは、飽きの来ないシンプルなデザイン性もですが、なによりもその自重にあります。前述した通り、セオリー2508PE-DHはダブルハンドルモデル限定ではあるものの、ダイワの汎用スピニングリールの中では3番目に軽いリールです。しかも、セオリーよりも軽いリールはイグジストとルビアスで、どちらも価格帯が上のものです。実売価格で言えば、セオリーは2万円台半ばである一方で、イグジストは8万円前後、ルビアスは3万円前後ですから価格差を考えれば自重200gというのは妥当と言えるでしょう。なお、リールの自重は釣りをする上で非常に重要な要因の1つとなります。特にこのリールはエギングに使用されるケースが多いため、エギングに焦点を当てその理由を説明します。
エギングは餌木(エギ)と呼ばれるルアーを用いて、ロッドをしゃくりあげるモーションをするイカ釣りルアーゲームのことですが、ロッドをしゃくりあげる動きから腕や手首の負担が大きい釣りです。そのため、一般的に使用するロッドやリールは軽量であればあるほど良いとされています。しかし、重要なのはロッドとリールのバランスです。
例えば、ルビアスのような超軽量級のリールを使用したとしてもロッドがヤマガブランクスが発売しているブルーカレント85TZ/NANOのように先重りのするもの(先端側の重みが大きいもの)であれば、バランスは最悪です。ルビアスの強みである軽さがむしろ弱みとなってしまうと言っても過言ではありません。その点、セオリーの自重200gというのはロッドとのバランスを取りやすいという利点があります。この軽すぎない軽さこそが、セオリー2508PE-DHの一番の強みと言えます。
セオリーと同価格帯リールとの違い
ダイワ ルビアスLT2500S-DH
ルビアスLT2500S-DHは2020年にモデルチェンジされたダイワの最軽量級汎用スピニングリールです。旧モデルから非常に人気のあるリールで、3万円前後で買えるスピニングリールの中では破格の性能を有しています。
セオリーに勝っている点
セオリー2508PE-DHよりもさらに15g軽く、軽量性ではピカイチと言えます。ドラグシステムやボディ・ローターの材質は同じではあるものの、スプール部分(糸を巻く部分)にLC-ABSという機能を搭載しており、セオリー2508PE-DHよりも遠投性が優れているとされています。しかし、一番の違いはモノコクボディと呼ばれるボディ部分のテクノロジーです。モノコクボディは巻き上げ力を従来のリールよりも15%向上させた非常に強力な技術です。青物のようなパワフルな釣りにおいて真価を発揮しますが、今回紹介している対エギング用リールとしてもその効果を実感することができるでしょう。
セオリーに劣っている点
実売価格がやや高いという点と、あまりにも軽すぎるという点が挙げられます。ロッドとのバランスを熟慮しなければなりません。快適にエギングをするには選べるロッドの幅は少ないでしょう。
シマノ セフィアCI4+C3000SDH
セフィアCI4+C3000SDHはセオリー2508PE-DHと同じく2017年に発売されたエギング専用のスピニングリールです。シマノが発売するセフィアシリーズの中では最高峰のリールとなっています。赤色をベースとしたビビッドなカラーに金色のベールと好みの分かれるデザインをしており、実売価格としては3万円弱です。
セオリーに勝っている点
エギング専用機のため、ギア・ドラグ性能は非常に優れています。自重は195gでセオリー2508PE-DHとほぼ同じとなっていますが、一番の違いはハイギアを選択できるという点です。また、ベアリングの数もセフィアの方が2つ多く、全体的に滑らかさを感じることができます。
セオリーに劣っている点
ダイワの独自テクノロジーであるマグシールドが搭載されていないため、防水性は劣ります。また、赤色という独特なカラーリングは人を選ぶでしょう。
シマノ ストラディックCI4+2500HGSDH
ストラディックCI4+2500HGSDHは2016年に発売されたシマノの汎用スピニングリールです。価格帯的にはセオリー2508PE-DHのドンピシャの対抗機種と言えるでしょう。発売当初はシマノのクイックレスポンスシリーズのフラッグシップであるヴァンキッシュが不要となるのではないかと揶揄されるほどの高機能で話題となりました。
セオリーに勝っている点
セオリー2508PE-DHよりもさらに10g軽い自重です。番手としてはセオリーよりも一回り小さい小回りの利くサイズで、プレッシャーの高い状況では有効的でしょう。また、昨今有名エギンガーが提唱しているハイギアのモデルとなっています。
セオリーに劣っている点
セフィアCI4+同様、マグシールドがありません。ハイギアしかないので、ノーマルギアを愛用している方には向きません。また、最大ドラグ力が4kgとなっているため、レッドモンスターのような大型のイカを狙う際にも心もとないとも言えます。こちらもセフィアCI4+同様に赤色をベースとしたデザインのため、人を選ぶでしょう。
セオリー2508PE-DHはどんな人におすすめ?
エギンガーに向いている
大前提として、ダブルハンドルモデルという点とそのサイズ感から、対象としているメインの釣りがエギングである方に向いています。
デザインを大切にしている方
デザイン性を重視したい方(ロッドとの調和も考慮したい方)にも良いでしょう。特にエギングロッドはオリムピックやヤマガブランクス、テイルウォークなど様々なメーカーが製作していますが、多くの場合黒をベースとしているため、セオリーの黒金デザインは良く似合うと言えます。
ノーマルギアのリールを探している
セオリーのダブルハンドルモデルはノーマルギアしかないため、ノーマルギアを愛用している方にも向いています。というより、ハイギアを使いたい場合はセオリーを選択する理由がないでしょう。
ロッドとのバランスを考慮している
セオリー2508PE-DHの自重200gというのは軽すぎない軽さです。多くのエギングロッドでちょうどいいバランスを取ってくれるでしょう。