ハイエンドに迫る高性能リール!ダイワ 17セオリー2004についてインプレッション
ミドルクラスのリールの中でも、軽さと性能の高さで注目を集めた17セオリー2004は、発売から数年経過しており、現在では19バリスティックや20ルビアスなどが比較対象として挙げられるリールです。そこでこの記事では、17セオリーの性能を支える技術や使用感はもちろんのこと、最新のミドルクラスとの違いについても解説していきます。
セオリーシリーズとは
セオリーシリーズは、ダイワの中ではかなり新しいリールです。2017年に初めて登場し、ハイエンドモデルに迫る性能の高さと軽さが特徴のミドルクラスとして支持を集めました。ラインナップは1000番から4000番まで全11種類が展開されており、バスフィッシングやトラウトなどのライトな釣りからシーバスまで幅広く対応可能です。初登場以降未だモデルチェンジは行われていませんが、当時の15イグジストと変わらないその軽さは現在でも十分に通用します。
17セオリーの特徴
17セオリーがハイエンドモデル並みといわれる所以は、搭載されている技術にあります。現在ではダイワ製のリールの多くでこれらの技術が見受けられますが、当時これだけの技術が詰め込まれたミドルクラスのリールはほとんどありませんでした。1つずつ詳しく解説していきます。
エアローター
「エアローター」は、10セルテートで初めて搭載された新しいデザインのローターです。そのアーチ型の形状はローターに掛かる力を分散させ、強度を維持したまま大幅な軽量化を可能にします。また、この軽量化は巻き心地や感度の向上にも貢献しています。エアローターはそれ以降も進化しつづけ、2016年には更に33%も軽いものが誕生しています。
ATD
「ATD(オートマチックドラグシステム)」は、従来のダイワ製リールの大きな課題だったラインの不安定な滑り出しを解消したドラグシステムです。それまで搭載されていたUTD(アルティメットトーナメントドラグ)では、ドラグ設定値に応じた負荷でしかラインが放出されずラインブレイクやアワセ切れの原因となっていました。しかしATDでは、小さい負荷でもスムーズにラインが滑り出し、魚の引きの速さに応じた適切なブレーキ力が発生します。ATDが搭載されたリールではより細いラインが使用可能になるため、さらに繊細な釣りが楽しめます。
ZAION素材
「ZAION」は、カーボン繊維を配合した特殊プラスチック素材です。軽量さと高剛性を両立したこの素材は、一部のミドルクラスとハイエンドモデルにのみ採用されています。その軽さはアルミニウムと比べると約1/2ほどであり、剛性はマグネシウムとほとんど変わりません。また、プラスチック素材であるため腐食にも強いのが特徴です。17セオリーではボディとローター部分にこのZAION素材が使用されています※。※ただし3500番と4000番には採用されていないので注意。
19バリスティック、20ルビアスとの違い
ここまで17セオリーの特徴について解説してきましたが、19バリスティックや20ルビアスなどLTコンセプト※をもとに開発された新しい機種との違いについて知りたい方も多いのではないでしょうか?この項目で詳しく解説していきます。※軽さと耐久性の両立を目指したダイワ製小型スピニングリール新基準。
19バリスティックとの違い
19バリスティックは元々淡水専用モデルのみで展開されていたリールですが、現在は防水機構を搭載したソルト対応モデルも販売されており、ミドルクラスの比較対象として名前が挙がりやすくなりました。17セオリーに比べて15gほど軽く、より高耐久のギアが採用されています。特性自体はほとんど同じで、全体的に17セオリーをアップグレードしたような印象です。実売価格は28,000円前後と17セオリーより3,000円ほど高くなっており、この価格差を気にしないのであれば19バリスティックを選んでも良いでしょう。
19ルビアスとの違い
19ルビアスは17セオリーや19バリスティックの上位機種にあたるモデルで、実売価格30,000円前後で販売されています。重さは2000番で150gと非常に軽く、「モノコックボディ」と呼ばれる特殊なボディ形状で剛性も高いのが特徴です。また、2500番以下のモデルには「フィネスカスタム」が施されています。これはボディの小型化や軽量なアルミハンドルシャフトの採用などによって、より繊細な釣りに最適化するカスタムです。17セオリーと比較すると5,000円ほど高価ですが、その金額に見合うだけのメリットがあります。
17セオリー2004の良い点
コストパフォーマンスが高い
エアローターやATD、ZAION素材など様々な技術が盛り込まれた高性能な17セオリーですが、実売価格は25,000円前後に抑えされており、そのコストパフォーマンスは非常に高いといえます。
滑らかな巻き心地
ダイワ製のリールは巻きの初動が軽いものが多く存在しますが、この17セオリー2004では滑らかさを感じます。普段からダイワを愛用されている方の中には、巻きが重たいという印象を抱かれる方も多いようですが、巻きをメインとした釣りには最適ではないでしょうか。
17セオリー2004の悪い点
ハンドルにわずかなガタつき
2000という番手は、トラウトやアジング・メバリングなどで使用されることが多い番手です。こうした繊細な釣りではノイズが少なさが重要になりますが、17セオリー2004はハンドルにわずかなガタつきがあります。もちろん釣果に大きく影響するほどではありませんが、気になる方は注意が必要です。
発売から時間が経っている
セオリーは発売からすでに3年以上が経過したリールです。当時ここまで高性能なミドルクラスは珍しかったですが、最近では価格帯の近い多くの機種が同等もしくはそれ以上の性能を持っています。またモデルチェンジの可能性もあり、選択肢としては少し弱いと感じられます。
17セオリー2004が向いている人
17セオリー2004は、トラウトやアジング・メバリングで巻きをメインとした釣りを想定されている方におすすめのリールです。ハンドルに多少のガタつきはありますが、ハイエンドに迫ると言われた性能は確かなもので、その滑らかな巻き心地は巻物系ルアーに最適といえます。また発売から時間が経っている分、セール等で安く購入できる場合もあるためコストパフォーマンスを重視している方にもおすすめです。
17セオリー2004が向いていない人
予算に余裕がある方や、少しでもノイズレスなリールを求める方にはおすすめできません。予算30,000円前後であれば、今回比較した19バリスティックや20ルビアスを選んだ方が無難です。ノイズに関しては上位機種になるほど少なくなっていくため、可能ならセルテートやイグジストといった機種を選ぶと良いでしょう。
高性能なリールだが、最新機種との差に注意が必要
今回はダイワのミドルクラス、17セオリー2004についてインプレッションしました。当時のハイエンドに迫る性能と軽さは今でも充分に通用するもので、巻きをメインとしたライトゲームに使用するにはとてもコストパフォーマンスの高いリールです。しかし最新機種との差は確実に存在するため、少しの価格差が満足感に大きく影響する可能性があります。17セオリーを検討されている方は、セール中を狙ってより安く購入することをおすすめします。