滑らかなドラグが決め手?18月下美人 LT2000S-Pについてインプレッション!
今回は、ダイワの18月下美人MX LT2000S-Pについてインプレッションしていきます。ライトゲーム専用の月下美人シリーズの3台のうち、ちょうど中間に位置するリールとなっていますが、どのような釣り方に向いているのでしょうか。今回は18フリームスや18カルディアといった汎用機とも比較しながら、18月下美人MX LT2000S-Pに最適な釣りのスタイルについて解説します。
18月下美人MX LT2000S-Pの特徴
まずは18月下美人MX LT2000S-P特徴について解説していきます。ライトゲーム専用機であるこのリールは、一体どのような仕様になっているのでしょうか。まずは特徴を知ることで、どんなスタイルの釣りに適したリールなのかを明確にしましょう。
DS4製エアローター
18月下美人MX LT2000S-Pは、DS4素材で作られたエアローターを搭載しています。エアローターはダイワを代表する技術の1つで、クイックな巻き心地と感度が特徴です。DS4はガラス繊維を配合した特殊な樹脂で、軽さや耐腐食性で金属よりも優れています。剛性・耐久性には期待できませんが、ライトゲームでは剛性よりも感度や操作性が重要になるため、相性の良い素材です。
メインシャフトは2BB仕様
18月下美人MX LT2000S-P最大の特徴とも言えるのが、メインシャフトに搭載された2つのベアリングです。メインシャフト部にベアリングがあることで、ドラグがより滑らかに滑り出します。これは、非常に細いラインを使用するライトゲームのための仕様です。細いラインは耐久性が低く、ドラグの動作が不安定だと簡単に切れてしまいます。18月下美人MXではこうしたリスクを軽減できるため、より集中して釣りに臨むことが可能です。また、この価格帯でシャフト部分にベアリングを搭載したリールはほとんどありません。
ギア比は4.8
18月下美人MX LT2000S-Pは、名前にもある通りパワーギア仕様のリールです。ギア比は4.8となっており、1回転あたり63cm巻き取ることができます。通常のギア比ではリグをスローに動かすのが難しい場合や、より繊細な操作が必要なフィールドで活躍するでしょう。
18フリームス、18カルディアとの違い
ここまでの解説で、18月下美人MX LT2000S-Pがドラグ性能に特化したリールであることが分かったと思います。次は18フリームスや18カルディアといった汎用タイプのリールとの違いについて見ていきましょう。
18フリームスLT2000Sとの違い
18フリームスLT2000Sは、18月下美人MX LT2000S-Pと近い価格帯で販売されているエントリークラスの汎用機です。外見はシルバーがメインでかなり落ち着いた印象ですが、スペック自体は18月下美人MXとほとんど変わりません。大きな違いはメインシャフト部のベアリングで、18フリームスの場合は後から追加することも不可能です。また、18フリームスLT2000Sにはパワーギアモデルがラインナップされていないため、スローに巻けるリールが欲しい場合は必然的に18月下美人MX LT2000S-Pが選択肢になります。
18カルディアLT2000Sとの違い
18カルディアLT2000Sは、18フリームスの上位機種にあたるモデルです。実売価格は18,000円前後と少し高価になりますが、長年ライトゲームを楽しむアングラーから支持を集めています。ボディはZAIONと呼ばれる特殊なカーボン樹脂を使用しており、重さは170gと軽量です。加えてラインローラー部にベアリングを搭載しているため、ラインのヨレを大きく軽減してくれます。ただし、こちらもパワーギアモデルがラインナップされていないことに注意が必要です。
18月下美人MX LT2000S-Pの良い点
滑らかなドラグ
やはり18月下美人MX LT2000S-Pの強みは、そのドラグ性能です。ATD(オートマチックドラグシステム)は魚の引きに追従するような動作が特徴的ですが、ベアリングが加わることにより、その特性がより強調されています。ドラグ値を低めに設定し、魚を走らせてやり取りするという方にはピッタリのドラグと言えます。
前作から35gの軽量化
18月下美人MX LT2000S-PではLTコンセプトが採用されたことで、前作16月下美人MXから35gも軽量化されています。ライトゲームでは感度や操作性が重要になるため、リール本体の軽さは妥協できないポイントです。前作は200gを超えており、多少重さが気になりましたが、18月下美人MXは190gとストレスなく使用できる軽さを実現しています。
18月下美人MX LT2000S-Pの悪い点
ラインローラーはベアリング非搭載
メインシャフトに搭載された2つのベアリングが18月下美人MX LT2000S-P最大の特徴となっていますが、欲を言えばラインローラーにも搭載して欲しかったところです。ドラグそのものが滑らかでも、ラインローラーの動作が安定しなければ効果は半減してしまいます。しかしラインローラーはメインシャフトと違い、購入した後からでも追加できるため致命的な問題ではありません。
耐久性は期待できない
18月下美人MX LT2000S-Pは、樹脂素材の中でもグレードの低いものが使用されているため、剛性や耐久性はあまり期待できません。ライトゲームとはいえ、シーバスやチヌのような引きの強い魚がヒットすることもあります。そうしたメインターゲット以外の魚も確実にキャッチしたいという方には、あまりおすすめできないリールです。
おすすめできる釣りのスタイル
18月下美人MX LT2000S-Pは、ライトゲームの中でも特に繊細な操作が必要な場合におすすめできるリールです。ベアリング搭載の滑らかなドラグで極細ラインも安心して使用できますし、ギア比が低いためデッドスローも楽に行えます。もちろんそれ以外のスタイルでも十分使用できる、懐の深いリールです。
他のリールが適したスタイル
ライトゲームの中でも、大物メインに釣りを楽しみたい方や、遠投リグを使用する方の場合は、他のリールがおすすめです。大物を相手にする場合は、よりグレードの高い樹脂か金属素材を使用したリールの方が安心ですし、遠投リグの場合はノーマルギアを選んだほうが手返し良く探ることができます。
耐久性には期待できないが、繊細な釣りに最適
今回インプレッションしたリールは、ダイワの18月下美人MX LT2000S-Pでした。メインシャフトに搭載されたベアリングによる滑らかなドラグ性能が特徴で、細いラインの使用も安心です。加えてギア比が低いため、細かな操作も楽に行なえます。素材のグレードが低く耐久性には期待できませんが、ジグ単をメインに繊細な釣りがしたい方にはおすすめです。