ドラグが優秀?ライトゲーム向けリール18月下美人MX LT2000Sについてインプレッション!
今回インプレッションするのは、ダイワの18月下美人MX LT2000Sです。人気の月下美人シリーズの1台ですが、16,000円前後という少し比較の難しい価格帯に位置しています。「もう少し安い価格帯のリールとは何が違うのか?」「ライトゲーム専用機としての特徴はどんなものなのか?」今回はこのような疑問を解決するべく、同じライトゲーム向けの2台のリールと比較しながら解説してきます。
18月下美人MX LT2000Sの特徴
この項目では、18月下美人MX LT2000Sの特徴について解説していきます。ライトゲーム専用機である月下美人シリーズですが、果たしてこのリールにはライトゲームに必要な性能が備わっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
ベアリング搭載のATD
18月下美人MX LT2000Sのドラグには、安定感があり魚に追従するような性能が特徴のATD(オートマチックドラグシステム)が搭載されています。ATDは従来のドラグよりもラインに負担がかかりにくいため、細いラインを使用する釣りでは重宝します。また、18月下美人MX LT2000Sはスプールメタルに2つのボールベアリングを装備しているため、ATDはより滑らかです。このリールがライトゲーム専用機であることをしっかり印象づけています。
LTコンセプトによるタフデジギア搭載
18月下美人MX LT2000Sには、タフデジギアと呼ばれる新しいギアを搭載しています。タフデジギアは、従来のギアよりも大径化され、歯面も大きくなっています。これによりギアの耐久性が増し、より長期間滑らかな巻き心地を維持することが可能です。18月下美人MX LT2000Sは近年のダイワ製リールに普及しているLTコンセプトを基に開発され、以前のリールよりも大幅な軽量化・小型化が進められています。より軽く、小さくなるということは、それだけ剛性や耐久性が低下するということです。タフデジギアは、その低下した分を補う形で採用されています。リールは軽いほど感度が向上しますし、巻きのノイズが少ない事はライトゲームでは大きなメリットです。軽量なリグでも潮の変化を見逃さず、小さなアタリを確実に捉える。これをこなすめに必要な技術が詰め込まれています。
エアローター搭載
エアローターは、現在のダイワ製リールの多くに搭載されているローターで、目新しいものではありませんが、軽量でレスポンスが良く、巻き感度が重要になるライトゲームとの相性が良いローターです。巻き感度の低いリールだと、「ルアーが今どのレンジを泳いでいるのか?」「そのレンジは潮が効いているのか?」といった情報を感じ取るのが難しくなります。1g以下のジグヘッドを使用するような釣りではなおさらです。この価格帯で販売されているリールには今や標準装備となっていますが、メリットであることには間違いありません。
20月下美人X、18ソアレBBとの違い
前の項目では18月下美人MX LT2000Sの特徴について解説しましたが、次は下位機種にあたる20月下美人Xや、シマノのライトゲーム専用機である18ソアレBBとの違いについて解説していきます。価格差が4,000円ほどしかなく、具体的にどんな違いがあるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
20月下美人X LT2000Sとの違い
20月下美人X LT2000Sは、実売価格12,000円前後で販売されている18月下美人MXの下位機種にあたるリールです。重さは200gと18月下美人MX LT2000Sより10g重く、スプールメタルにはベアリングが搭載されていません。しかし、この価格帯でもねじ込み式ハンドルを採用している点は高く評価できるでしょう。供回り式のハンドルはどうしてもガタつきが発生してしまうため、ライトゲームでは特に気になります。少しでもコストを抑えたいは20月下美人X LT2000Sを選んでも良いでしょう。ただし、ATDの滑らかさで言えばベアリングを搭載する18月下美人MXには劣りますし、4,000円の差を大きいと感じないのであれば、より快適に釣りができる18月下美人MXの方がおすすめです。
18ソアレBB C2000SSPG(SSHG)との違い
18ソアレBBは、シマノのライトゲーム専用シリーズの入門機にあたるリールです。価格は20月下美人Xと同じく12,000円前後で、こちらもねじ込み式ハンドルを採用しています。18月下美人MX LT2000Sとの大きな違いは、スプールメタルのベアリングが非搭載であることと、1回転あたりの糸巻量が異なるということです。18ソアレBBのC2000番のラインナップはパワーギアとハイギアのモデルのみとなっており、ノーマルギアのものは存在しません。18月下美人MX LT2000Sが68cmなのに対して、パワーギアモデルは57cm、ハイギアモデルは79cmとなっています。ノーマルギアであれば自分の操作でリトリーブの速度を変えやすいですが、極端なギア比は使い所を選びます。釣り方によってリールを使い分けたい方には18ソアレBBも良いでしょう。
18月下美人MX LT2000Sの良い点
滑らかなドラグ性能
18月下美人MX LT2000Sは、スプールメタルにベアリングを搭載していることもあり、ドラグ性能は非常に滑らかです。ラインに負担をかけず、魚を着実に寄せてくることができます。この価格帯でこれだけのドラグ性能を手にすることができるリールは、そう多くありません。
スタイリッシュなデザイン
月下美人シリーズと言えば、和風でスタイリッシュなデザインが印象的ですが、18月下美人MX LT2000Sのデザインもそれを踏襲しています。赤と黒をベースにしたカラーリングとスプールのロゴが、所有感を満たしてくれるでしょう。月下美人シリーズはロッドのデザインも共通しているため、組み合わせればより統一感のあるタックルにすることができます。
18月下美人MX LT2000Sの悪い点
ラインローラーはベアリング非搭載
スプールメタルにベアリングを搭載する18月下美人MX LT2000Sですが、欲を言えばラインローラーにもベアリングが欲しかったところです。ベアリング非搭載のラインローラーは、抵抗の小さいライトラインを使用するとうまく動作しないことがあります。ラインローラーはライントラブルを防ぐ重要な部分ですし、この点はデメリットと言えるでしょう。ただ、ベアリングは後から追加することも可能なため、もし気になる場合は自分でカスタマイズすることをおすすめします。
上位機種に比べると重さが気になる
LTコンセプトによって大幅な軽量化が行われたため、この価格帯のリールもかなり軽くなりましたが、上位機種と比べると少し気になってしまいます。ライトゲームでは感度が重要ですし、軽さは大きなメリットになります。既に上位機種を使用している中・上級者の方はストレスかもしれません。ただ実釣性能は十分ですし、初心者の方には全く問題ないでしょう。
おすすめできる釣りのスタイル
18月下美人MX LT2000Sは、「最初はあまりお金をかけたくない」というライトゲーム初心者の方におすすめできるリールです。ノーマルギアなので操作次第で様々なアクションを1台でカバーできますし、始めからドラグ性能が良いので魚もキャッチしやすいでしょう。20月下美人Xでも良いですが、将来的な快適さを見据えるのであればこちらがおすすめです。
他のリールが適したスタイル
ライトゲーム中・上級者の方や、釣り方によってタックルを分けたい方にはあまりおすすめできません。経験者の方であれば、実売価格20,000円以上になると性能や軽さもさらに向上するため、そちらを選んだ方がより快適です。また、ノーマルギアは悪く言えば器用貧乏ですし、1つの釣り方を煮詰めていくとギア比の違いがストレスになることがあります。
初心者におすすめの1台
今回インプレッションしたのは、ダイワの18月下美人MX LT2000Sでした。スプールメタルにベアリングを2つ搭載し、ライトゲームに必要な要素をしっかり押さえたこのリールは、これからライトゲームを初める初心者の方におすすめです。ラインローラーのベアリングが搭載されていないのは気になるところですが、「より本格的にライトゲーム取り組みたい」というときに自分で追加してみるのも面白いでしょう。