ブラストLTとの違いは?ダイワ 18カルディアLT5000D-CXHのインプレ
カルディアシリーズの特徴
2002年に初代が発売され、ダイワの軽量なリールとして、長い間親しまれてきたカルディアシリーズ。まずはその特徴と、2018年のモデルチェンジによる変更点について解説していきます。
軽さをコンセプトにした汎用リール
カルディアは、軽さをコンセプトに作られたシリーズで、主に小型スピニングリールを中心に展開されてきました。ショアジギングやシーバスゲームを筆頭にバスフィッシングやトラウトはもちろん、アジングやエギングでも問題なく使用できる汎用性の高さが特徴です。実売価格2万円前後のミドルクラスに該当し、そのコストパフォーマンスと使い勝手の良さは、初心者からのステップアップにおすすめです。もちろん、上級者の予備リールとしても十分な性能を持っています。
(上記イナダ釣果情報:2020/10/7 6:50am 中潮上げ3分頃 @三浦半島 地磯)
上記イナダを釣った時のタックルセット
- ロッド:ラブラックスAGS 106M
- リール:18 カルディアLT5000D-CXH(PE1.5号・リーダー22lb)
- メタルジグ:ジーク(Zeake) Gスラッシャー 30g ブルーピンク
モデルチェンジによる変更点
4年ぶりにモデルチェンジされた18カルディアは、さらなる軽量性と剛性を目指した「LT(LIGHT TOUGH)」コンセプトを基に開発されました。特筆すべきは、その驚異的な軽さです。なんと3000番までのモデル全てが、200g以下に抑えられています。今回インプレッションするLT5000D-CXHも240gと、5000番クラスのリールとは思えない軽量性を実現しています。また、ATD(オートマチックドラグシステム)※1やロングキャストABS(LC-ABS)※2が追加されたことで、より快適なリールとなっています。
※1魚の引きに追従し、ラインブレイクを軽減する新設計ドラグ
※2従来の形状を見直し、より飛距離を向上させたスプール
18ブラストLTとの違い
18ブラストLTは、主にショアジギングやキャスティングゲーム向けに販売されている機種で、剛性の高さが特徴です。カルディアとほぼ同等の価格で販売されており、4000番から6000番の比較対象として名前が挙がるリールです。それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
素材の違い
まずはボディ素材の違いです。カルディアは軽さを重視した高密度カーボン素材である「ZAION(ザイオン)」、ブラストは歪みに強く耐久性のある特殊アルミニウム素材「スーパーメタル」が使用されています。これにより同じ番手でも45gの重量差が生まれるため、軽さはカルディアに軍配が挙がります。次にギア素材ですが、カルディアは亜鉛、ブラストはより剛性の高いジュラルミンが使用されています。滑らかさや耐久性ではブラストのほうが優れているといえるでしょう。
スプール形状の違い
どちらもアルミ素材が使われていますが、カルディアはより薄く軽量なスプールが、ブラストは剛性を低下させないための肉厚なスプールが採用されています。それぞれのスプールは4000番から6000番まで互換性があり、状況によって使い分けることも可能です。どちらも異なるコンセプトで開発されたリールのため、使用したい釣りに合わせて選ぶと良いでしょう。
18カルディアLT5000の良い点
圧倒的な軽さ
先ほど解説したように、18カルディアは5000番でも240gしかありません(シャロースプールモデルは250g)。シーバスやショアジギングで1日中使用しても腕への負担が少なく、激しいアクションが要求される釣りでも快適に楽しむことができるでしょう。また、その軽さによる巻き感度の高さも魅力的です。僅かな流れの変化や潮のヨレを感じ取り、一瞬のチャンスも逃さず攻められます。
ドラグの滑らかさ
従来のドラグシステムはラインの放出が不安定で、バラシの原因になっていましたが、ATDが搭載されたことによって、急な引きにも追従するバレにくいドラグに進化しています。ランカーサイズのシーバスや青物相手でも安心してやり取りすることができ、これまで頻繁に行っていたドラグ調整も必要なくなりました。また、ドラグ性能が向上したことでラインやロッドへの負荷が減り、より細いラインの使用が可能になっています。
(上記シーバス釣果情報:2020/10/13 6:15am 中潮下げ3分頃 @東京湾 湾奥)
写真は水深約4〜5mほどのショアから18 カルディアLT5000D-CXHで釣った49cmのシーバスです。ややキツめにドラグを締めた状態でのファイトで、ATDの効果もあり少々のドラグが出てくれたおかげで適度なクッションとなり、難なく釣り上げることができました。エクストラハイギアの恩恵もあり、メタルジグに喰いついてから水面まで巻き上げるまでも早く、足元のストラクチャーを避けるための巻き上げはとても簡単でした。元々は青物を釣るためのタックル仕様でしたが、青物であってもシーバスであっても十分楽しめる&闘えるリールです。
上記シーバスを釣った時のタックルセット
- ロッド:ラブラックスAGS 106M
- リール:18 カルディアLT5000D-CXH(PE1.5号・リーダー22lb)
- メタルジグ:ダイソージグ ブルピン 28g
18カルディアLT5000の悪い点
巻きが重い
ハイギアモデルということもありますが、巻きはかなり重たい印象です。巻き抵抗の大きいルアーを使用したり、大型の魚とファイトする時には少しストレスを感じます。慣れてしまえばあまり気になりませんが、巻きの軽さを重視したい方はノーマルギアを購入すると良いでしょう。ただし、18カルディアの5000番はハイギアモデルのみで展開されています。そのため番手を変える、もしくは他のリールから探すことになるので注意が必要です。
耐久性に不安が残る
磯での本格的なショアジギングや、より大型の魚をターゲットにしたオフショアの釣りでは、耐久性が不足しているように感じられます。カルディアは元々、軽さをテーマに開発されたリールです。使用される素材や各部位の強度設計が違うため、ブラストのような高剛性リールと比べると不安が残ります。もちろん使用できないわけではありませんが、高い耐久性が求められる釣りではカルディアの真価が発揮されづらいでしょう。
18ブラストLTとどちらがおすすめか
ここまで、カルディアの良い点・悪い点について解説してきました。比較対象として名前が挙がるブラストとは異なる特性を持っているため、使い方によって向き不向きがあります。「どっちを買えばよいかわからない」そうお悩みの方はこの項目を参考にしてみてください。
18カルディアが向いている人
カルディアは、軽さを重視しつつ、様々な釣りに使いたいという方におすすめできます。5000番で240gという圧倒的な軽さとその汎用性の高さは、どんな釣りでもストレスフリーで楽しませてくれます。特に、シーバスやサーフゲーム、ライトショアジギングを一つのタックルでこなしたいという方にピッタリのリールです。ただし、バイブレーション等の抵抗が大きいルアーを使用する時は、巻きの重さを感じやすいので注意が必要です。
18ブラストLTが向いている人
より本格的なショアジギングやオフショアでの釣りに使用する方は、ブラストを選ぶと良いでしょう。ジュラルミン製のギアとスーパーメタルボディによって、重いルアーの使用や大型の魚の引きにも耐える剛性の高さがあります。とはいえ285gという重さは、長時間の釣りには向きません。スプールをより軽量なカルディアのものに交換することで、多少改善される可能性があります。
軽さと汎用性が魅力だが、釣りによっては耐久性不足。
今回は、4年ぶりのモデルチェンジによって大幅な軽量化やドラグ性能の向上が行われ、より快適な万能機種に進化した「18カルディアLT5000D-CXH」について解説しました。1日中使っても疲れを感じないその軽さと汎用性は魅力的ですが、耐久性の求められる釣りには向きません。シーバスやサーフゲームをメインに、様々な釣りを気軽に楽しみたい方に最適なリールです。