テトラ帯での穴釣りは、お土産確保の最短ルート、困ったら穴釣りだ!

作成:2022.01.20更新:2022.01.20

ショアジギングで何本キャストしても全く反応なし、投げ釣りをやっていても、フカセ釣りをやっていても、そもそも魚がいる気がしない。コマセを撒いても雑魚すら寄ってくる気配がない・・・。自然相手の釣りですから、こんな日もたまにはあります。そんなお手上げムードの時に是非やってほしい釣法が穴釣りです。穴釣りは「そこに魚が居ればほぼ確実に釣れる」と言われる程、魚が釣れる確率の高い釣りです。今回は、ボウズ回避、起死回生、一発逆転劇の快感を味わうための穴釣りのノウハウについて説明して行きます。

なぜ穴釣りは釣れるのか?

そもそも穴釣りはなぜ高確率で魚が釣れるのでしょうか? 理由は、穴釣りは根魚の習性を利用した釣りであることがあげられます。大海原のどこにいるか分からない魚を狙う、他の釣りとは一線を画し、穴釣りは根魚が隠れるのに適した場所をいくつか特定し、そこに餌を落としてやる釣りです。そもそも根魚の多くは、餌を求めて泳ぎ回るというよりは、自分の身の安全を確保出来る穴に隠れ、自分の目の前を通る小魚や甲殻類、上から落ちてくるエサに食い付きます。普段は警戒心が強い魚でも、穴の中は自分の縄張りであり、安心して餌を摂っています、そんな根魚の自宅に踏み込んで家主を狙う釣りが穴釣りなのです。これが、「そこに魚が居ればほぼ確実に釣れる」と言われる所以です。

テトラポッド帯は全域が穴釣りスポット

穴釣りができる場所は意外と多いです。磯の岩と岩の隙間や捨て石周辺、堤防の継ぎ目の僅かな隙間など、魚一匹が隠れることができる、暗くて狭い場所全てで穴釣りを行うことが可能ですが、中でも穴釣りに最も向いているのがテトラポッド帯です。テトラポッド帯は最近は安全上の観点から、乗ることが禁止されていることが多くなりましたが、禁止されていない場所で、安全に留意して穴釣りを楽しんでみてはいかがでしょうか? 「絶対に釣れる」と言うと問題が発生しますが、穴釣りは高確率でお土産をGETできます。

穴釣りで狙えるターゲット

穴釣りで狙えるターゲットは多岐にわたります。根魚(ロックフィッシュ)と呼ばれる魚全般がターゲットになります。ここでは、穴釣りの人気ターゲットを紹介します。

カサゴ

穴釣りの最大のターゲットであるカサゴは、釣って良し、食べて良しの人気者です。大きな口でどんなエサにも食い付いて来ます。魚肉ソーセージやかまぼこ、ワームやメタルジグにも果敢にアタックしてきます。テトラ帯でも25cm級の大物が掛かることもあり、侮れません。近年、カサゴは生息数を減らしていると聞きます。15cm未満の小さな個体、或いは、産仔前のお腹の大きな個体はリリースするなど、資源の保護に努めたい魚です。

ムラソイ

カサゴによく似たフォルムをしていますが、カサゴよりも浅い場所にも生息します。水深10cm程度のところでも生息できるため、ゴロタ場でのワタガシ釣法も出来ます。色は全体的に茶褐色、黒褐色の体に、少し明るめの不規則なバンド模様が入ります。成長に伴い、カサゴより体高が高くなり、釣り味がずっしり増します。

メバル

メバルも穴釣りで釣れます。但し、サイズが大きなものは少なく、15cm程度のものが多いです。成長に従って磯の藻場などに生活拠点を移す傾向があります。引き味は同サイズなら穴釣りで釣れる魚の中ではトップクラスです。夜行性で、日中は釣ることが難しい魚です。群れを作って生活していますので、一匹釣れると数釣りも期待できます。

アイナメ

アイナメは大型に成長するロックフィッシュの代表格ですが、テトラ帯は20cm程度のアイナメが隠れ家として、成魚になるまで居着いています。根魚を釣るためのブラクリ仕掛けは、錘の真下に極端に短いハリスがついているものですが、もともとアイナメが隠れている穴にエサをダイレクトに送り込むためのツールです。アイナメはフッキングした際、首を激しく上下に振って抵抗します。この独特の「首振りダンス」が得も言われぬ快感です。

ギンポ

全長30cm程度まで成長する、著しく細長い体型をした魚です。穴釣りの定番魚ですが、他の根魚と比較すると口が小さいため、フッキングが難しい魚です。アタリがひっきりなしにあってもなかなかフッキングできない時はギンポがつついていることが多いです。専門に狙う人は少ないかもしれませんが、最高に美味しい魚です。天ぷらダネとして、江戸前の料亭で珍重されています。

キジハタ

 

数は多くはありませんが、運が良ければキジハタやオオモンハタなどが釣れるのも穴釣りの魅力です。キジハタは半夜行性の魚で、夜はエサを探して泳ぎ回りますが、日中は岩の隙間や穴の中に隠れてじっとしていることが多いです。この時が穴釣りのチャンスです。ハタ類は群れを作ることもなく、単独で生活していますので、一匹釣れたらラッキーといったところでしょうか?穴釣りで釣れるものは30cm未満の個体がほとんどですが、穴釣りタックルでは手に負えないほどの強烈な引きを味わうことができます。

テトラ帯での穴釣りの狙い目

テトラ帯で穴釣りをする場合の、狙い目について説明します。基本的にはテトラ帯は全域が好ポイントとなりますが、中でも根魚に人気の穴というものが確実に存在します。そういう穴の特徴について上げてみます。

深い穴

極浅の場所でも身を隠すことができれば入ってしまうムラソイを除くと、人気の穴は深い穴であることが多いです。仕掛けを投入し、すぐに底をついてしまったと思っても、その場所は海底ではなく、テトラポッドの足が張り出していて、その足の上に仕掛けが乗っかっているだけであるというケースが多いです。仕掛けが一度止まっても、そこから仕掛けを左右に動かすと、あるところで更に仕掛けが落ちていくポイントがあることが多いです。こういう穴には高確率で魚が潜んでいます。

暗い穴

深い穴同様、暗い穴もチャンスです。太陽光が届きにくいため、魚が日中隠れるのに好適です。また、暗い穴には光を嫌うプランクトンや甲殻類などがたまりやすいため、それらを捕食する魚なども入ります。暗い穴を狙う場合は、針のチモト部に発光玉などをつけ、仕掛けを投入する前に発光玉にブラックライトを数秒あてて、水中で発光させると魚に対してアピール力が大きく跳ね上がります。

手前の穴

以外に思われるかも知れませんが、テトラ帯は波打ち際に近い場所にある穴よりも、手前にある穴、堤防の壁際に近いところにある穴のほうが魚がいる確率が高いです。理由は、そうした穴のほうが外敵の侵入してくる確率が低いからです。「え? こんな手前まで海水来てるの?」と思うような、堤防の壁際ギリギリの穴に仕掛けを落として、大物を釣り上げる穴釣り師はたくさんいます。

穴釣り用タックルの選び方

穴釣りは非常に根掛りの多い釣りです。テトラ帯で行う穴釣りの場合は特に、足場が極悪です。そのため、タックルには通常の釣りの数倍のストレスがかかります。また、テトラポッドのどこに触れても一発で傷が付きます。穴釣りタックルは消耗品と割り切る覚悟が必要で、高い釣具は必要ありません。

ロッド

穴釣り用のロッドは、専用の安価な穴釣りロッドで充分です。テトラポッドの上に乗って行う穴釣りは、どんなに気を付けていても、常にティップをテトラポッドにぶつけてしまいます。また、根掛りを外す際に大きくシャクったりすると、意外なほど簡単に折れてしまいます。そのため、予備の穴釣りロッドを用意できれば安心です。

長さは、テトラポッドの大きさなどにより、使いやすさが異なりますが、穴釣りロッドのラインアップはだいたい90cm、120cm、150cm、180cmまでであることが多いので、長めのもの、短めのものの2つがあれば、ほとんどの場所で穴釣りが可能でしょう。ちなみに私は120cm、150cm、180cmを使っています。

リール

リールもあまり気を使う必要はありませんが、タイプはベイトリールを選びましょう。穴釣りは、仕掛けを正確に誘導して、より深くエサを送り込まなければなりません。そのため、ラインの放出方向と巻取り方向が90°になっているスピニングリールでは微妙なコントロールが難しいです。また、スピニングリールでは、ラインにどうしても螺旋状の巻き癖がついてしまいます。こうなると、仕掛けのコントロールが更に難しくなってしまいます。ベイトリールであれば、ラインの放出と巻取りが同じ方向なので、ラインに巻き癖がつくことは殆どありません。

また、ベイトリールは、クラッチを切る操作を片手で出来、ハンドルを回せば自動的にクラッチが戻りますので、手返しの良い釣りができる点でもおすすめです。

ライン

穴釣り用のラインはフロロカーボンラインに決まりです。根ズレに比較的強く、吸水劣化もほとんど起こしません。定期的にラインの傷を確認し、ささくれなとがあったら迷わず切り捨てましょう。テトラ帯での穴釣りの場合、太さは10lbもあれば十分です。高切れがイヤなら12lbでも良いでしょう。

シンカー

穴釣りは、ブラクリ仕掛けを使うのがスタンダードですが、ブラクリ仕掛けも安くありませんので、あまりおすすめしません。中通し式の丸型錘を使うのがリーズナブルです。サイズは2号〜3号で良いでしょう。重すぎるシンカーは根掛りを誘発します。道糸に通して先端にサルカンをつけ、サルカンの先にハリスを5cm程度に短く結びます。

テトラ帯は危険がいっぱい!

穴釣りに最も向いているのがテトラ帯ですが、テトラポッドの上での釣りは危険度で言えば最悪の場所と言って間違いありません。現在は釣りが禁止されていないテトラ帯のほうが少ないでしょう。幸い禁止されていない場所があり、テトラ帯に上がる場合の注意点について説明します。

最重要アイテムは靴!

テトラ帯を歩く場合は、必ず頑丈なトレッキングシューズを履きましょう。紐を確実に締め、靴の中で足に遊びが出ないように調整します。間違っても長靴やサンダルなど、ルーズになる履物で歩いてはいけません。

磯で重宝するスパイクソールのシューズも厳禁です。テトラポッドのコンクリートの上をスパイクソールで歩くことは、意味がないどころか危険極まりない行為です。ソールは必ずラジアルソールにしましょう。

濡れた部分は絶対に歩かない

波を被って濡れたテトラポッドに乗ることは大変危険です。絶対に濡れた場所は歩かないように徹底しましょう。また、雨が降ってきたらその時点でゲームオーバーです。一刻も早くテトラ帯から上がりましょう。

割れたテトラポッドに注意!

常に波を受け続けているテトラポッドは、経年劣化が激しく、塩害と風化、波の力で割れたり、足の先端が欠け落ちているものが少なくありません。割れたテトラポッドの上に乗ると、グラグラ動いてしまい大変危険です。

歩を進めようとするテトラポッド1個1個を充分に目で確認し、ヒビが入っているテトラポッド、色が変わっているテトラポッド、割れて海水が入り、芯材が錆びて赤水のシミが出ているテトラポッドの上には決して乗らないよう、慎重の上に慎重を重ね、ゆっくり歩きましょう。飛び移ったりしてはいけません。

落としたものを拾いに行かない

テトラポッドの上にいると、どうしてもハサミや錘など小物類をテトラポッドの隙間に落としてしまうことがあります。水の中に入ってしまったら諦めもつきますが、穴の中のテトラポッドの上にとどまった時など、上から見えているからと言って穴の中に潜って取りに行くのはNGです。上がって来られる保証はありません。残念ですが諦めましょう。小物類はフローティングベストのポケットに収納し、ハサミなどのツールはピンオンリールに取り付けて、フローティングベストにキチンと固定しておきましょう。

穴釣りの獲物は美味な高級魚だらけ!


穴釣りの魅力は、魚を釣りやすいということに加え、釣れる魚が美味な白身魚ばかりということもあげられます。白身魚は、エラを自分で動かすことができないため、大海を常に泳ぎ回らなければならない青物とは違い、体に大量の酸素を取り込む必要がありません。そのため、酸素を運搬する赤いタンパク質であるミオグロビンの量が著しく少ないため、身が白くなります。

白身魚は獲物を見つけたときに瞬時に襲い掛かる瞬発力に優れていて、長く泳ぎ回る持久力はありません。その代わり、あまり激しく泳ぎ回らない分、エネルギー原として身に脂を溜めやすく、煮付けたり鍋に入れたり味噌汁にすることで、上質で甘みのある脂を堪能することができます。もちろん、大型の個体は刺身でも最高です。

いかがでしょうか? 終日穴釣りをするということは非常に稀かも知れませんが、他の釣りをしていて釣果が芳しくないとき、近くに上がれるテトラ帯がある場合は、ちょっと穴釣りをやってみませんか? 安全に最大限の配慮が必要ですが、美味しいお土産をGETできますよ!

この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、ウキフカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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