フナムシは「海のゴキブリ」とも言われる甲殻動物で、テトラ帯や堤防などに大量に生息しています。大量にいるのに動きが素早いため、なかなか捕まえることができないフナムシですが、タモ網を使い蓋の出来るケースに収納しておきます。
あらゆる魚に嗜好性が高く、非常におすすめです。捕まえづらいことと、ビジュアルの悪さで、餌として使いづらいと思う人が多いと思いますが、効果は折り紙つきです。
日本食品名産図鑑
磯や堤防、テトラ帯には、満潮時には水をかぶり、干潮時は干上がる場所に様々な貝類が着生しています。それらもすべからく穴釣りの好餌になります。ヨメガカサ、ベッコウガサ、アミガサガイ、マツバガイなどカサガイの仲間、エガイ、アオカリガネエガイ(ヨコクチガイ)などのフネガイの仲間、イガイやムラサキイガイなどのイガイの仲間、また、フジツボやカメノテなども殻を外せば立派な釣り餌になります。
イガイの仲間は採捕が禁じられている場所もありますので、注意が必要です。また、採捕は認められていても、イガイを根こそぎ剥がし取る道具の使用は禁じられているという場所もありますので、よく確認して、ルールを守って採捕してください。
幼虫と書くとざっくりし過ぎですが、春を中心に大量発生するカナブンやコガネムシなどの幼虫は植え込みの木などの根を餌にしていますので、少し掘ると面白いように取れます。幼虫が生息している場所の土は周囲より柔らかくなっていることが多いため、土を触ってみるとだいたい見当がつきます。冬季は枯れたヨシの茎の中にいる、俗に「木虫」と呼ばれる黄色い幼虫も嗜好性の非常に高い餌です。これらを触ることに抵抗がない方であれば是非試していただきたい餌であります。
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ミミズは淡水釣りの最強餌のひとつと言っても過言ではありませんが、もちろん海水魚にも使えます。針に刺すと激しく身体をクネクネと動かしますので、穴釣りに使うとロックフィッシュは堪らず穴から出てきます。
日本には100種ほどのミミズが存在するようですが、釣り餌として淡水釣りで使われるのは、ドバミミズ(フトミミズ科の総称)、シマミミズがほとんどです。枯れた落ち葉が腐って堆積している場所を軽く掘るとたくさん出てきますので、腐葉土ごと取って水に濡らした新聞紙を敷いたケースに入れておけば、ある程度活かしておけます。
穴釣りの対象であるロックフィッシュは、食性が雑食に近い肉食性であるものが多いため、餌は非常に選択肢が広いという共通点があります。また、口が大きく、餌を丸呑みにするような摂餌行動を取るものが多いため、アタリも一発ガツン! という感じが多いです。コツコツコツッ!という、鋭いアタリの場合は、ギンポやベラなど、口の小さい魚であることがほとんどです。
ロックフィッシュのアタリは一瞬で下に引ったくるような強烈なアタリを堪能するには、狭い隙間に隠れているターゲットを引きずり出すために、活き餌の場合は、急所を避けて針に刺すなど、水中でできるだけ長く生きられるよう工夫します。イソメ類でもフナムシでも、頭部に針を刺すことは避け、イソメ類であれば頭部の下の部分をチョン掛け、フナムシであれば尻の部分をチョン掛けにし、水中で1分でも長く動いてアピールさせるようにします。カニ餌の場合は、お腹の部分の「ハカマ」や「ふんどし」と呼ばれる三角形の蓋の部分を避け、一番下にある脚の付け根に浅くチョン掛けにします。ハカマ部に針を刺してしまうとすぐに死んでしまいます。
魚の切り身やオキアミ、貝類など死に餌の場合は水中でロッドを上下に動かして、餌が生きているように見せることが大事です。ターゲットの魚が辛抱堪らず穴から出て餌に襲い掛かるように仕向けるのです。そして、アタリがあったら素早くアワせます。仮にフッキングに失敗しても、同じ穴に再び餌を投入すれば何度でも食いついてきます。釣れるまで粘っても問題ないのが穴釣りの特徴です。
以上、穴釣りの餌について紹介してきましたが、結局、最強の餌とは何なのでしょうか? それは、あなたが仕掛けを投入したあとどのように魚にアプローチするかによって異なります。理想は強烈なにおいを放つ活き餌が水中でよく動き、勝手に魚の視覚と嗅覚にアピールするのが良いのですが、死に餌を使う場合でも、アングラーが巧みにロッドを操作し、餌に命を吹き込むことができれば、活き餌と同じくらいのインパクトを与えることが可能です。
そうなってくると、針持ちの良い餌に軍配が上がります。これらを総合的に考えると、魚の切り身が穴釣り最強の餌であると言えそうです。キチンとロッドで誘いを入れ、においと動きで攻略するのが良いでしょう。また、凪か時化か、水が澄んでいるか濁りが入っているか、水温によっても当たり餌は日々変化するはずですので、いろんな餌を試すことをおすすめいたします。
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