ロックフィッシュに効果的なバスロッドを実釣解説!流用するワケとは?

作成:2019.12.21更新:2021.08.20

目次

バスロッドをロックフィッシュにあえて流用

北海道はブラックバスのいない地域として知られていますが、バスロッドなどのブラックバス用のタックルを流用して釣りを楽しんでいるアングラーは非常に多いです。特に、アイナメやクロソイなどのロックフィッシュでは専用ロッドではなくバスロッドを流用することで、よりテクニカルな釣りが楽しめます。

今回は北海道でロックフィッシュを楽しむアングラーの中でバスロッドにこだわりを持って釣りをしている2名のアングラーに取材を行い、ロックフィッシュの聖地である室蘭を中心に実際にバスロッドを使って釣りをしていただきました。

ロックフィッシュでバスロッドを使いたい方はもちろん、どんなロッドを選べば良いか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

ロックフィッシュをバスロッドで楽しむ2人のアングラー

今回の取材に協力していただいた2人のアングラーを紹介します。

甲斐さん

全国的に人気の高いジャッカルのアイテムを中心に、ロックフィッシュを楽しむ札幌市のアングラー。北海道でも最大規模のトーナメントである長万部カップでは、ジャッカルのバスロッドを使用して優勝した経験もあります。バスロッドだからできる繊細な釣りをロックフィッシュに落とし込みながら、自分でしか釣れない魚を日夜追い続けています。

嶋田さん

全国のバス釣り用メーカーの中でも老舗であるエバーグリーンのアイテムをロックフィッシュで活用している小樽市のアングラー。北海道では珍しいエバーグリーンのバスロッドを複数所有しており、自分のスタイルの軸として釣りを楽しんでいます。近年は北海道でもエバーグリーンのワームやハードベイトなどが購入できるようになっているため、ロッドだけではなく様々なアイテムをロックフィッシュに活用しています。

ロックフィッシュにバスロッドを流用するメリットは?

各メーカーから専門のロックフィッシュロッドが販売されている中で、なぜバスロッドをあえて流用するのか、まずはその魅力やメリットについて2人の経験を元に探っていきます。

ブラックバスのいない地域でもバスロッドが使える

北海道ではブラックバスがいないため、ブラックバスに憧れるアングラーも他の魚種を狙ったルアーフィッシングしか楽しめません。ロックフィッシュは北海道で狙える魚種の中ではバス釣りに似たゲーム性の高い釣りを楽しめるため、バスロッドはもちろん、ワームやハードベイトなどのバス釣り用ルアーを流用してその感覚を味わうことができます。

ラインナップが豊富なのでより特化したロッドが選べる

バスロッドは販売しているメーカーの数も非常に多く、それぞれの釣りスタイルに合わせて細分化されたラインナップが用意されています。そのため、北海道のロックフィッシュシーンでは自分の釣りを高い精度で実現するためにバスロッドの流用を選ぶアングラーも増えてきています。2人も本格的なバサー顔負けのタックルを常備しており、それぞれのフィールドやシチュエーションに合わせて特化したバスロッドを使いこなしています。

テクニカルで繊細な釣りができる

ロックフィッシュロッドとして販売されているタックルは、軽くても5g前後のリグを扱うものがほとんどで、5g以下のライトリグを使った繊細な釣りに対応できるロッドは非常に少ないです。バスロッドは1g以下のリグの操作にも長けたロッドが用意されているため、ロックフィッシュロッドでは再現しにくい繊細な釣りを楽しむこともできます。

バスロッド1本で様々な釣りを楽しめる

北海道以外の地域で手軽にロックフィッシュに挑戦してみたい方は、バスロッドを流用してみましょう。今回の取材中に一緒に釣りをしたアングラーの小松さんは大学時代に茨城でバス釣りを楽しんでおり、当時のバスロッドを流用しロックフィッシュを楽しんでいました。バスロッドを所有している方はわざわざロックフィッシュの専用のロッドを買わなくても、バスロッドを流用することで手軽にロックフィッシュも楽しめます。

自分の好きなロッドで楽しむのが一番

嶋田さんはエバーグリーン所属のバスプロに憧れ、エバーグリーンのバスロッドをロックフィッシュで使うようになりました。北海道ではバス釣りが楽しめないものの、自分が尊敬するプロが監修するロッドを実釣で使えることは、釣りをする上で何よりのモチベーションになると語っていました。ロックフィッシュでバスロッドを使いたくて悩んでいる方は自分の釣りを満喫するためにも、迷わず積極的に使っていくと面白いです。

ロックフィッシュをバスロッド流用で実釣

今回はロックフィッシュの聖地として人気を集めている室蘭で実際にバスロッド流用でロックフィッシュを狙ってもらいました。ターゲットは北海道で狙えるロックフィッシュの中でもテクニカルな釣りが求められるアイナメ。2人は実釣の中でどんな風にバスロッドを使いこなしているのでしょうか。

バスロッドは大型の漁港でも使える?

室蘭はフェリーの往来もある北海道でも大規模な漁港です。水深の深いエリアもあるため、多くのロックフィッシュアングラーは7ft以上の専用ロッドを使うことが多いです。しかし、2人の場合は遠投以外のほとんどのシチュエーションをバスロッドでカバーしていました。水深の浅いエリアでライトリグを使うシチュエーションはもちろん、水深のあるディープエリアやボートでの釣りではベイトタックルを使うことでスピニングの弱点もカバーすることができます。

Hクラスのバスロッドを使って大型のロックフィッシュを狙う

ロックフィッシュにバスロッドを流用する方はベイトタックルを選ぶ方が非常に多いです。特に、Hクラスのベイトロッドであれば50cmを超える大型のアイナメであっても互角以上のファイトができます。今回は甲斐さんに50cmのアイナメをターゲットにバスロッドで釣りを楽しんでいただきました。

ボートロックも対応するパワフルさが魅力

甲斐さんは今回の取材であえてパワフルなロックフィッシュとファイトができるボートでの釣りをシチューションとして選んでくれました。バスロッドにはHクラスのロッドも用意されているため、ウエイトのキャパシティとテーパーを活かしてパワフルなファイトもできます。実釣では1oz以上のテキサスリグを使った釣りで2桁を超える良型のアイナメをキャッチしています。

巻物ができる点も魅力

写真はハードベイトなどの巻物を使った釣りで夏に甲斐さんキャッチしたアイナメ。バスロッドはロックフィッシュロッドに比べると巻物の扱いに長けているため、Hクラスのロッドでもボートロックや沖堤防などのシチュエーションでは巻物をアクセントとして投入することもできます。

巨大カジカもぶち抜けるパワー

室蘭などではロックフィッシュの外道としてヒットすることも多いカジカ。40cmを超える個体はウエイトも2kg近くになるためランディングの際はタモが必要不可欠です。しかし、甲斐さんが使っているバスロッドではこのクラスのロックフィッシュであっても抜き上げることが可能。Hクラスのベイトロッドだからこそできるパワフルな釣りはロックフィッシュ専用ロッドとも遜色がありません

タックル情報

活性の低いロックフィッシュに対してスピニングロッドを流用した釣り

嶋田さんと取材した12月前半は太平洋の水温が下がりはじめるシーズンと雨天が重なり、魚にもアングラーにとっても厳しいシチュエーションが待っていました。午前中はバイトもほとんどない状況で、嶋田さんにはライトリグを扱えるスピニングモデルのバスロッドを軸に釣りを組み立てていただきました。

バスロッドの繊細さを活かした価値ある1本

砂地とゴロ石の間というアイナメがつきやすいポイントに対して、10gのビフテキを使いロッドストロークのみで繊細にアプローチしました。一本が出にくい難しい状況だからこそ、ボトムの情報を繊細に手元まで伝え、僅かなバイトをフッキングに持ち込むことができる、バスロッドが活躍するシチュエーションだったと言えます。

写真はロックフィッシュロッドでもファイトが大変な40cmを超える大型の雄のアイナメ。取材釣行という限られた時間の中でも確実に魚がキャッチできたことは、まさに、エバーグリーンの愛竿だからと言えます。

エバーグリーンロッドの魅力をロックフィッシュに活かす

嶋田さんが使っているエバーグリーンのスピニングロッドはアイナメの豪快な引きに対してロッドが追従するようにアクションするため、ファイトの際にバレにくい特徴があります。また、ロッドが追従してもバッドがしっかり残る絶妙なロッドバランスによって、魚にロッドがのされずにしっかりと浮かせて来ることができます。写真は実際のファイト中の様子です。10g以下のリグを快適に扱えるしなやかさを持ちながら、40cmを超える大型のアイナメをしっかりとボトムから引き剥がしています。

タックル情報

ベイトロッドの特性を活かしてロックフィッシュを釣る

スピニングロッドで魚を釣った後は、ベイトロッドでテクニカルな釣りに挑戦してくれた嶋田さん。ベイトロッドといえば甲斐さんのようなパワフルなパワーファイトの印象が強いですが、バスロッドを使えばボトムに繊細かつタイトにアプローチするシチュエーションでもベイトロッドが活躍します。

ベイトロッドの特性を考えて釣りを組み立てる

釣行取材も後半にさしかかった夕マズメ前後にキャッチした一本。アイナメの活性が低く、ボトムのストラクチャーやゴロ石によりタイトにアプローチしたいと考えた嶋田さんは、フロロカーボンラインを使ったベイトタックルをセレクト。高比重なフロロカーボンラインの特徴を上手く使えば、テクニカルな釣りにもベイトロッドを活かすことができます

繊細なバスロッドならではの魅力

嶋田さんが実釣で使用したベイトロッドはエバーグリーン ヘラクレス ファクト HFAC xa070HST。バスロッドとしてはやや硬めのHクラスのロッドですが、ティップには曲がりやすいソリッドティップを採用することで軽いリグの扱いにも長けています。また、フロロカーボンラインのアタリをわかりやすくできるため、ロックフィッシュロッドとは違うテイストの釣りをベイトロッドで楽しむことができます。

タックル情報

アイナメ以外のロックフィッシュも楽しめる

取材釣行では、過去にバス用のタックルを使用してクロソイを狙った釣りをしています。クロソイはアイナメに比べると釣果があげやすく、狙える漁港の数も非常に多いため、はじめてバスロッドでロックフィッシュを楽しむ方にはクロソイを狙った釣りもおすすめです。クロソイはワームなどの定番のリグはもちろん、ハードベイトなどでも釣果をあげることができるため、よりバス釣りに似た釣りを楽しめます

漁港でのロックフィッシュにおすすめのバスロッドを紹介

もっとも手軽にロックフィッシュを楽しむことができる漁港。北海道や東北では近年磯やボートに比べて漁港を中心にロックフィッシュを楽しむ方が非常に多いです。取材を行った室蘭はもちろん、バスロッドは全国の漁港での釣りに応用できます。ここではバスロッドを流用してロックフィッシュを楽しみたい方におすすめのロッドスペックを解説します。

スピニングロッドを選ぶときのポイント

長さは7ft前後

バスロッドを選ぶ際は大型のロックフィッシュの引きにも対応できる長めのモデルがおすすめ。甲斐さんと嶋田さんは共に7ft前後のスピニングロッドをロックフィッシュに流用しています。7ft前後のレングスは取り回しもしやすく、はじめてロックフィッシュに挑戦する方にも扱いやすいです。

ML〜Mクラスの強めのパワーがおすすめ

バスロッドはロックフィッシュロッドに比べると軽く繊細な釣りに特化したスピニングロッドが多いため、はじめて購入する方はML〜Mクラスのやや強めのロッドを選びましょう。扱えるルアーのウエイトの上限は21g前後を目安に考えると、様々な水深の漁港で扱えるロッドが見つかります。

おすすめのスピニングロッド

シマノ ゾディアス 270M

シマノから販売されているバスロッド。2ピースモデルが用意されているため、車などで移動するアングラーにもおすすめの一本です。価格も比較的安価であるため、はじめてバスロッドでロックフィッシュにチャレンジしたい方にはぴったりのロッドです。

シマノ ゾディアス 270M

各モールで詳細確認

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ダイワ エアエッジ 741MS

ダイワから販売されているバスロッド。バスロッドの中ではやや長めの7ft4incというレングスはアイナメやクロソイなどの大型のロックフィッシュにも安心です。こちらも価格が抑えられているため、購入しやすい点も魅力です。

ダイワ エアエッジ 741MS

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ベイトロッドを選ぶときのポイント

長さは6ft後半〜7ft台

ベイトロッドを選ぶ際は6ft〜7ft台の中から自分好みの長さを選びましょう。スピニングロッドに比べるとパワーがあるロッドが多いため、短めの長さでもファイトは安心できます。取材した2人は共に7ft前半のロッドを使っていましたが、好みによってはラインナップの多い6ft後半のアイテムを選ぶ人も多いです。

M〜Hクラスの中から好みに合わせて

ベイトロッドを選ぶ際は扱うルアーのウエイトや釣りのスタイルに合わせてロッドのパワーが異なります。巻物などのハードベイトを中心に釣りを組み立てたい方はMクラスでも問題ありませんが、足元やキャスティングでの釣りにはMH〜Hクラスが使われることも多いです。はじめてバスロッドを購入する方はできるだけ汎用性の高いMHクラスを中心に考えてみましょう。

おすすめのベイトロッド

アブガルシア ホーネットスティンガー プラス 671MH

アブガルシアから販売されているバスロッド。取り回しのしやすい6ft7incの長さとMHクラスのパワーは非常に汎用性が高くベイトロッドを使った様々な釣りに流用できます。アブガルシアのロッドはバスロッドらしい個性的なデザインが多いため、自分だけのロッドで釣りを楽しみたい方にもぴったりです。

アブガルシア ホーネットスティンガー プラス 671MH

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シマノ エクスプライド 176MH

シマノから販売されているバスロッド。ロックフィッシュに流用しやすいロッドとして北海道でも人気を集めている一本です。シマノのバスロッドは扱えるルアーの種類が、メーカーサイトに記載されているため、ロックフィッシュで流用したいルアーを参考にすると好みのモデルを選びやすいです。

シマノ エクスプライド 176MH

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ロックフィッシュをお気に入りのバスロッド流用で満喫しよう!

今回は北海道であえてバスロッドを流用してロックフィッシュを楽しむ2人に、バスロッドのロックフィッシュでの釣り方やおすすめのタックルなどについて取材しました。各メーカーから販売されているバスロッドは、バス釣りに似た感覚でロックフィッシュを楽しみたい方だけでなく、ロックフィッシュをよりテクニカルに楽しみたい方にもおすすめのアイテムが多いです。ロックフィッシュ用にバスロッドを探している方は迷わず自分の気に入ったロッドで釣りを楽しんでみましょう。

マナーを守った大人のルアーフィッシング

漁港などでルアーフィッシングを楽しむ方は必ず安全のためにライフジャケットを着用しましょう。立ち入り禁止区域や漁業の邪魔になるエリアでの釣りは避け、マナーを守った釣りを徹底しましょう。ロックフィッシュが楽しめる貴重なフィールドを減らさないためにも釣り人の小さな心がけは大切です。

記事中の紹介グッズ一覧

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シマノ ゾディアス 270M

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ダイワ エアエッジ 741MS

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アブガルシア ホーネットスティンガー プラス 671MH

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シマノ エクスプライド 176MH

この記事を書いた人

北海道フィッシングライター
MORITA

 アイナメ, クロソイ、ロックフィッシュ、北海道

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