難しいグレのフカセ釣り上達術!「コマセと刺し餌の同調」で一人勝ち

作成:2019.09.15更新:2021.05.11

釣りたてで鱗に艶があるグレ

難しくなったグレのフカセ釣り上達の極意は「同調」と「刺し餌先行」

かつてグレは、オキアミさえ撒けば集まってきて、見境なく食ってきたものでした。ウキ下は2ヒロというのが定番で、グレはコマセに誘われて浅ダナまで浮上して餌を追っていたのです。大型クーラーが満タンになるまで釣るのもそれほど難しいことではありませんでした。

それが現在ではどうでしょう。浅ダナまで浮いてくることはめったになく、遊泳層は頻繁に変化します。5mのウキ下でヒットしたと思ったら、その数分後には10mまで深くしないと食わないこともあります。加えて、グレの警戒心はますます度合いを深め、いくら美味しそうな餌を目の前に届けても簡単には食わなくなっています。

フカセ釣りが難しい状況のなかで、グレを確実に仕留めるための原則がふたつ生まれました。それが同調刺し餌先行です。刺し餌とは、針に刺している餌のことなので、仕掛けそのものを指します。ミドルクラスのグレ釣り師でもこのふたつの課題をマスターするのは難しい上、初心者にとっては耳なじみのない用語といってもいいでしょう。

では、同調とはなんなのか。刺し餌先行とはどういうことなのか。まずはそれを説明してみましょう。

フカセ釣りそのものについてお知りになりたい方はこちらの記事もご参照ください。

グレのフカセ釣りにおけるコマセの役割とは

バッカンにコマセがたっぷり入っている

皆さんはなぜコマセ(撒き餌・マキエ)が必要かをご存じでしょうか?コマセはヨセエ(寄せ餌)ともよばれていますが、魚を集めるだけではありません。例えば、刺し餌だけを流している状態を想像してみてください。たまたま目にした小魚が時折ついばむことはあっても、一気に食べることはまずありません。しかし、シャク一杯のコマセを撒くと、途端に魚の様子は一変します。たくさんの魚が集まり、先を争って餌を食べます。どうしてこのような違いが出るのでしょう?

最大の理由は競争心です。自分しかいない状態では、食欲がなければ餌を食べようとはしません。警戒心が強い場合も同様です。しかし、周囲にほかの魚がいて、彼らが一斉に餌を追いかけると警戒心をかなぐり捨て、食欲もないのに餌を食べようとします。グレ釣り、チヌ釣りを含めて、ウキフカセ釣りにおけるコマセの第1の役割は魚の競争心を掻き立てることです。

グレの食性は変化し、タナは深く、釣りは難しくなった

水辺まで上がってきグレ。猛烈に反発をしている

1970年代の半ばにオキアミが登場して、グレ釣りは大きく変わりました。安くて入手しやすく、それでいてよく釣れるオキアミはすべてのグレ釣りファンが使うようになりました。その後、集魚材が加わって誰もが大量のコマセを投下するようになった結果、グレの食性は大きく変化しました。

具体的には、全体にグレのタナは深くなり、上層まで浮いてくるケースはまれになりました。中〜底層に生息する魚にとって表層まで浮いてくるのはかなり脅威を伴う行動です。手近なところに隠れ家がなく、鳥という脅威も加わるからです。自然界では慢性的に餌が少ないというのは過去の話で、現在では底で待っていればいくらでも餌が落ちてくるのです。この落ちてくる餌とはグレ釣りをしている人が撒くコマセです。つまり、自然界に住んでいながら養殖状態にあるのです。

難しいグレをフカセで釣りあげるには「同調」を

なかなか上層まで浮いて来ないことに加えて、グレの習性はかつてとは大きく変わっています。そのほか確認されているグレの習性としては、食い渋りや、タナが変わりやすい点も挙げられます。

食い渋りとは、一気に餌を食べるのではなく、少しずつかじるような食べ方をして、しばしば途中で餌を離してしまう行動を指します。慣れない釣り人は往々にして餌盗りと間違えてしまっています。コマセのオキアミならスムーズに食っても、違和感のある刺し餌はなかなか食ってくれません。

タナが変わりやすいというのは、同じウキ下ではアタリが続かないという意味です。グレは基本的には群れで行動する魚です。「5mのウキ下でヒットすれば他のグレも同じタナにいると思っていい。特になにもなければ同じウキ下で何匹かは連続してヒットする」というのが過去の例でした。しかし、今ではそのパターンはなかなか通用しなくなっています。3mだったり10mだったり、とにかく同じ5mのタナ以外でアタる確率が高くなっています。

このようにグレの習性が変わった結果、非常にグレ釣りは難しいものとなったのは事実です。その解決策のひとつが同調なのです。

同調とはコマセと刺し餌を合体させること

一般的に同調とは、他人の意見や主張に賛同するという意味です。また、ラジオなどの周波数に合わせるという意味もあります。しかし、釣りの世界では、同調とはコマセの中に刺し餌を配置させることを指します。刺し餌をコマセに紛らせることで魚の警戒心を軽減し、不自然な動きをする刺し餌を食わせるのです。

コマセが同調しているシーンの水中写真

たった今、刺し餌の不自然な動きと書きました。水中におけるコマセと刺し餌のオキアミはどのような違いがあるのでしょう?コマセのオキアミはまったくのフリーですから説明は不要でしょう。問題は刺し餌の方です。刺し餌にはハリ、ハリス、ガン玉、それにウキ、道糸がつながっています。それがどんなに小さくて軽くて細くても、オキアミの動きを妨げるのは間違いないでしょう。コマセが自由に沈み、流れているので、刺し餌もまったく同じ動きをしなければ、警戒心の強いグレは違和感を覚えます。グレの警戒心を少しでも軽減させるのが同調なのです。

同調に必要なノウハウ①コマセの水深を推測する

ヒシャクに詰まっているコマセ

「コマセと刺し餌を同調させる」と言葉にするのは簡単です。しかし、実際に行おうとすれば非常な困難を伴います。理由は、コマセが流れていく先、沈んでいく先を推測するのが難しいからです。

シャクですくったコマセを海面に投じたとしましょう。すると、コマセは拡散し、沈みながら流れていきます。オキアミの沈む速度は、静水では1m沈むのに20〜40秒かかるといわれています。静水と限定したのは、海の中には潮=流れがあるからです。潮が速ければ沈む速度は遅くなります。しかし、それは状況によって変わるため正確な計算はできません。そこで、流れによる沈下速度の遅れは変数扱いにして、釣り人個人がプラスαして処理することにしておきます。

1mが20〜40秒なら5mで100〜200秒、10mだと200〜400秒ということになります。つまり、グレのタナが10mだとすると、そこまでコマセが沈むのに3分20秒〜6分40秒かかるという計算になります。

同調に必要なノウハウ②コマセの移動距離を推測する

コマセが10m沈むのに3〜6分かかるとした場合、その間にコマセは横にも移動します。流れがあるからです。潮が止まっていればコマセは真下に沈みますが、潮が動かない状況ではグレの食いは期待できません。「グレは潮を釣れ」という格言があるように、潮が速ければ速いほど(限度はありますが)グレの食いは上向きます。したがって、流れに乗ったコマセはどんどん移動します。見える範囲でなら確認できますが、5m以上沈むとコマセは見えません。つまり、見えないコマセの位置を推測しなければならないのです。

足元でコマセがどのように沈みどのように流れているかを見てパターンを把握し、実際に仕掛けを流すエリアにそのパターンを当てはめるのが同調の第一歩となります。もちろん、足元と沖の流れ方が同じである可能性は少ないでしょう。往々にして、足元よりも沖の方が潮の動きはよく、流れ方はストレートというケースが多いものです。足元近くは障害物が多く、流れは複雑である場合が多いのです。その点を捉えると沖は推測しやすそうに思えます。しかし、沖は沖で問題があります。潮は単一ではなく、様々な流れが錯綜しているのです。ふたつ以上の流れが合流したり、潜る流れ、浮き上がる流れ、反転する流れなどが生じたりしています。

流れが均一ではないという事実はほかにも影響を及ぼすため、改めて取り上げることにしましょう。

同調に必要なノウハウ③コマセの沈下速度を推測する

コマセに集魚材を混ぜん込んだ状態

オキアミが沈む速度は10mで3〜6分と前述しました。しかし、これはオキアミ単独の場合であることを知っておいてください。どういう意味かというと、近年は集魚材とセットで使用することが多いからです。つまり、コマセの内容はオキアミ+集魚材ということなのです。

集魚材の内容としては様々なものが用いられています。軽いものもあるし、重たいものもあります。それぞれの特徴を利用して、浅ダナで拡散するタイプ、深ダナまで一気に沈むタイプなど集魚材にもいろいろな種類が生まれています。したがって、今使っている集魚材の性質を知り、それに合わせた沈下速度を計算しなければなりません。チヌ釣り用の集魚材に使われているムギやコーン、カキ殻があるとかなり速く沈むと思っていいでしょう。 集魚材に共通しているのはコマセのクラスター(固まり)が広がることです。その結果、コマセの範囲が広がって同調させやすくなるというメリットがあります。

同調しているかどうかの確認方法

同調が難しい1番の理由は、目に見えないことです。足元の見える範囲でならコマセがどこにあり、刺し餌はどこを流れているかを目で確認できます。しかし、コマセが沈んでしまえば、コマセの投入地点も遠い場合は見えません。どちらもそれが釣りの通常の状態です。コマセの位置も刺し餌の位置も見えません。

では、同調しているかどうかはどうやって知るのでしょう?はっきりいって、同調しているのかしていないかの判断基準はありません。いや、まったくないわけではありません。たったひとつ、存在します。それは、グレがヒットするかどうかです。グレがヒットすれば同調していたのであり、ヒットしなければ同調していなかったと判断できます。

もちろん、グレが食わない理由はほかにもたくさんあります。ウキ下の設定ミス、ヒットポイントの設定ミス、刺し餌が先行していない、餌盗りが先に刺し餌をかすめていたなどなどです。それら考えられる理由のひとつひとつを潰していくことが、グレを仕留めるためのタスクとなります。

グレ釣りでのコマセの打ち方の基本は「後打ち」

磯からコマセを投げているシーン。海は穏やかで天気の良い朝マズメ

グレ釣りの場合、コマセの打ち方は基本的に2通りあります。後打ち先打ちです。仕掛けを投入したあとでコマセを入れるのが後打ち、仕掛けの前に投入するのが先打ちです。

大半の釣り人はコマセを後打ち=刺し餌を先行させますから、まずは後打ちのケースから解説してみましょう。

後打ち(刺し餌先行)は仕掛けの潮上にコマセを入れる

後打ちのイメージは、タナに到達した刺し餌の上からコマセがパラパラと沈んでいくというものです。そこで、着水したウキにコマセを被せるという打ち方をする人が大半です。浅ダナならそれで同調しますが、タナが深くなったり潮が複雑になったりするとまるで見当違いのところを流れかねません。

仕掛けが着水した直後にウキにコマセを被せるとどうなるでしょう? グレのタナを5mと設定した場合、オキアミがそこまで沈むまでに1分20秒〜3分20秒かかります。仕掛けにガン玉を打っていればそれより早く仕掛けはなじんでいますから、思い通りコマセはあとから刺し餌の上から被さっていく…とはいきません。往々にして仕掛けの方が早く流れるからです。コマセは刺し餌が通り過ぎたあとから沈んできます。もっとも、潮がゆったりと流れていれば同調する可能性はあるでしょう。

しかし、タナが10mになればどうでしょう? オキアミがそこまで沈むのに3〜6分かかります。ウキにコマセを被せていたのではほとんど同調はしません。そこで、仕掛けの潮上にコマセを入れます。そうすれば仕掛けが先に通り過ぎる可能性は少なくなります。

仕掛けの後方に等間隔でコマセ投入

コマセが着水する瞬間。水が飛び跳ねている。

問題は、仕掛けの後方何メートルにコマセを投入すればいいか、です。前述したように、同調しているかどうかは目に見えません。そこで、トライ&エラーで、色々試すことです。コマセと同調できているかどうかは、グレがヒットすることでしか証明しないと書きました。そこで、仕掛けの後方5mにコマセを入れて何度か流してみます。アタリがなければ今度は10m後方にコマセを入れてみます。5m、10mという数字を挙げましたが、潮が緩い場合は2〜3m単位でもいいかもしれません。潮が速ければ10m、20mにしないといけないこともあるでしょう。

ただ、5m、10m、15mをひとつひとつ試すのは時間のロスにつながります。潮が動いていればその時間は非常に貴重です。動いている間に貴重なチャンスを有効に使いたいところです。そこで、5m、10m、15m地点に同時に投入します。それで仕掛けを流します。何度か試してみて、アタリがなければさらに20m、25m地点にもコマセを入れてみましょう。また、仕掛けの前方にもコマセを入れてみましょう。中層、底層の潮がどのような動きをしているか分からない状況では、コマセの投入地点はまったくの不明です。様々な地点に投入して、グレのヒットを待つのです。

より少ないコマセで同調させてポイントボケを防止

前のセクションでコマセを様々な地点に投入すると書きました。潮が動いている時間を有効に使うためですが、一方でコマセをできるだけ節約する必要もあるからです。経済的な問題もありますが、コマセを大量に撒くことによる弊害を避けると同時に、餌盗り対策、さらにはポイントがボケるのを防ぐ目的でもあるのです。

理想をいえば、シャク1杯のコマセで同調させることができればいいのですが、不確定要素の多い状況ではそれは不可能です。そこで、まずは最初のアタリを捉えるためにあらゆる手を尽くします。そして、アタリが出たら次の段階として、少しずつコマセを減らしていきます。5m、10m、15mの3地点にコマセを投入していたのならば、5m、または15m地点のコマセを抜いてみます。それでもアタリが出たら残り2か所のいずれかを抜きます。これを繰り返して最適の投入地点を1、2か所に絞るのです。

大量のコマセを撒くと活性の低いグレはすぐ満腹になり、餌を追わなくなってしまいます。餌盗りをかわすコマセワークも不可能になります。そこら中にコマセがあるとグレのヒットポイントを設定することもできません。

後打ち(刺し餌先行)については別記事でさらに詳しく解説しているのでそちらもご覧ください。

コマセの先打ちで同調させる

次いで、コマセを先打ちする場合の同調を考えてみましょう。イメージは、沈んでいくコマセをあとから刺し餌が追いかけ、その中を通って一旦追い越します。そして、刺し餌がタナに辿り着いたところでコマセが追いかけてきて、上から被さるというものです。その結果、2回同調するというメリットがあります。

しかし、小さいガン玉でゆっくり沈む刺し餌の速度を推測するのはかなり困難です。仕掛けが軽いとちょっとした潮の影響を受けやすく、予想外のコースを流れる場合もあります。同様に、コマセの位置も分かりづらく、浅ダナならともかく、深ダナだと同調させるのは相当難しくなります。このケースでなによりも難しいのは、コマセと仕掛けの投入タイミングです。たとえ、コマセと刺し餌が同調したとしても、グレのタナでなければなにもならないからです。グレ釣りの難しさはここにあります。前述しましたが、グレが10mのタナにいるのに5mの水深で同調させても意味がないのです。コマセと刺し餌がどれほどの速度で沈むかをできるだけ正確に把握して(難しいでしょうが)、仕掛け投入のタイミングを色々変えてみるというのが対策になります。

後打ちでは仕掛けの後方に数か所コマセを打って、いずれかが同調すれば引き算していく方法を紹介しました。先打ちでは投入のタイミングを様々にずらして探るしか方法はありません。

コマセと仕掛け(刺し餌)を同じ潮に乗せる

ガン玉などがついた刺し餌はコマセと同じ流れに乗らない

後打ちにしても先打ちにしても、同調させるために注意しなければならない点があります。それがコマセと仕掛け(刺し餌)を同じ潮に乗せるということです。このように書くと、なんのことか分からない人が多いでしょう。潮が動いていればコマセも刺し餌もその影響を受けて、潮上から潮下に向かって流れていきます。だから、当然のことながら「同じ潮」に乗るはずなのです。

ところが、現実は違います。コマセは単体です。オキアミはなんの拘束も受けず、潮が流れるままに移動していきます。しかし、刺し餌はハリにハリス、ガン玉、ウキ、そしてラインがつながっています。これらが刺し餌の流れに大きな影響を与えてしまうのです。分かりやすいのがガン玉とウキの存在です。ガン玉があると刺し餌は早く沈みます。ウキがあると、刺し餌は所定のタナより深く沈むことはありません(半遊動の場合)。

最大の障害はライン

コマセと刺し餌が同じ流れに乗るのを妨げる最大の原因はラインです。「あんな細いラインが刺し餌の流れを妨げるなど信じられない」と思う人がいるかもしれません。そこで、図1をご覧ください。潮の流れは①です。後打ちの場合、仕掛け投入後にその後方へコマセを入れます。そして、右から左へ流していきます。特殊な流れがない限り、コマセは潮に乗ってそのまま左方である①へ向かいます。

▼図1:潮の流れに乗らずラインに引っ張られて潮から外れる刺し餌

潮の流れに乗らずラインに引っ張られて潮から外れる刺し餌

ところが、刺し餌はそういうわけにはいきません。ウキと竿先の間のラインは、フロートタイプにしてもサスペンドタイプにしても、表層流の影響を受けてウキより先に流れます。一般的に、潮の流れは底層ほど遅いもので、表層ほど速く流れます。刺し餌やハリス、ガン玉が抵抗となるため、ウキは表層流ほど速くは流れないのです。一方、ラインは表層流に乗りますからウキよりも先行します。その結果、図のようにラインは潮下に膨らみます。そして、ウキをライン方向に引っ張ろうとします。竿先とウキの距離は何10mにも及び、50mを超える場合も珍しくありません。それだけ長いとラインが引っ張るパワーは大きく、その結果、ウキは②の方向に向かいます。コマセは①の方へ流れているのに仕掛け=刺し餌は②へ向かう。これでは同調せず、グレがヒットすることはありません

フカセ釣りはハリスを張っても風とウキでコース外へ

仕掛けがコースを外れる理由はほかにもあります。表層流&ラインに次いで多い理由は風&ウキです。半遊動や固定、全遊動ではウキが水面に浮いています。風が強いとウキはその影響を受け、風下に移動します。そのコースはしばしばコマセとは異なる方向に外れます。

ウキフカセ釣りにおける最大の敵は風」というのは、技術が上達したベテランなら誰でも確信しています。雨はほとんど問題になりません。せいぜい、ラインがロッドにへばりついて仕掛けの投入が面倒になるくらいです。

風が妨害するのは同調だけではありません。本稿とテーマが外れますが、風の方向によっては刺し餌よりもウキが先行しやすくなります。いくらハリスを張って刺し餌を先行させても、風と潮が同じ方向だとすぐウキが追い越してしまいます。

刺し餌を潮に乗せるために行う「ラインコントロール」

仕掛けが流れるコースを変えるのはラインが潮下に膨らむせいだというのは分かってもらえたと思います。したがって、このラインの膨らみを修正して②の方向に引っ張るパワーを解消してやれば仕掛けは素直に潮に乗ることになります。

そこで、ラインをコントロールすることが大切になってきます。図2を見てください。潮下に膨らんだラインを持ち上げて潮上に切り返すのです。こうすればラインがウキを手前に引っ張ることはなく、仕掛けのコースが変わるのを防げるのです。この作業をラインコントロール、またはラインメンディングと呼んでいます。コマセと同調させるには欠かせない作業です。

▼図2:潮上にラインを切り返すことで刺し餌は左下へ引っ張られなくなる

潮上にラインを切り返すことで刺し餌は左下へ引っ張られなくなる

ただし、文字にするのは簡単ですが、実際に行うのは簡単ではありません。理由はふたつあります。ラインのタイプと風です。

フカセ釣りのラインはフロートタイプかサスペンドタイプ

ラインには3つのタイプがあります。フロート、サスペンド、シンキングがそれです。それぞれ特徴があり、状況に応じて使い分ければメリットを活かすことができるでしょう。簡単に説明すれば、浮かぶ、漂う、沈むという3つのタイプです。

ラインコントロールする場合、どのタイプが便利でしょう? 考えるまでもありません。フロートタイプが1番です。サスペンドタイプが2番目で、シンキングタイプは不適切です。というよりも、ウキフカセ釣りにシンキングが利用されるケースはほとんどありません。

では、フロートとサスペンドではどちらがいいでしょう? 新しいラインであればどちらも大差はありません。初期のフロートラインは単純に浮くだけで、風があるとすぐ影響を受けます。その意味では使うのが難しい傾向にありました。「風がなければ」という限定つきだったのです。しかし、現在のフロートラインは少しばかり沈むため、風の影響をそれほど強くは受けないように開発されています。

対して、サスペンドラインは水面下数10cmを漂うように作られています。どちらも竿先を持ち上げたとき、ラインはスムーズに水を切り、潮上に打ち返すのは難しくはありません。

しかし、何度も使っているうちにコーティングは効果を失い、サスペンドラインは少しずつ沈み始めます。フロートタイプもその傾向はあるのですが、サスペンドラインほど顕著ではありません。そのため、ラインコントロールに限るとフロートタイプの方がおすすめといえそうです。

仕掛けをキャスティングする瞬間

ラインを持ち上げて潮上に切り返すというのがラインコントロールですが、風が強い場合この作業は不可能になります。一般的には、風が息をついた瞬間に切り返すのですが、ずっと吹きっぱなしという状況もあります。では、そのようなときはどうするといいでしょうか?

風を無視してラインを持ち上げると、風の影響を受けて仕掛けが移動してしまいます。それでは、なんのためにコマセと同じ流れに乗せているのか分からなくなります。こういうときの対処は、なにもしないのがベストです。つまり、ラインコントロールをしないのです。「何もしないと仕掛けがコースから外れてコマセと同調しないではないか……」そう思うのは当然です。しかし、考えてみてください。同調しないのは、コマセを潮に乗せるからです。

図3を見てください。流れは①、仕掛けの移動②というのは最初(図1)と同じです。仕掛けは②のコースを辿るため、①の流れにコマセを入れると同調はしません。これは前述した通りです。そこで、②のコースを通る仕掛けに合わせてコマセを入れるのです。それが図にあるコマセの投入点です。コマセは潮に乗り、左へまっすぐしか流れませんから、カーブする仕掛けと同調するのは一瞬でしかありません。そこで、数か所にコマセを入れて何度も同調させるのです。

▼図3:数か所にコマセを入れて何度も同調させる方法

数か所にコマセを入れて何度も同調させる方法

難しい条件下で同調させてグレのフカセ釣りを成功させる方法

クーラーボックスから溢れてしまうほどグレが入っている

釣りの経験者なら、釣り人にとって常にいい条件で釣りができるとは限らないことをよく知っています。いや、逆に、都合がいい条件などそうそうはないことを熟知しています。

では、都合の悪い条件とはどんなものでしょう? 風についてはすでに解説したので除外します。そのほか風以外で考えられる悪条件は雨、急激な水温低下、青物の接近、大サラシ、大波、本流などです。グレのフカセ釣りで同調を妨げる大きな原因となるのは潮に関する要因です。そこで、いくつかの悪条件を取り上げてみましょう。

グレのフカセ釣りの難しい条件①:二枚潮

上層と中、下層の流れが異なるケースを二枚潮と呼んでいます。複雑な地形では三枚潮も生じる場合があります。単純な流れでも同調させるのは難しいのに、それが二枚、三枚潮ともなるとさらに難しくなります。とはいえ、同調させる基本は同じです。後打ちでは「仕掛け投入後に数メートルの間隔を開けて何か所もコマセを入れ、ヒットすればコマセ投入点を減らしていく」と紹介しました。違うのは、仕掛けの前方(潮下)にもコマセを数か所投入する点です。はっきりいって、コマセがどこに流れていっているのか皆目見当がつかないというのが実情です。同調させるにはより広い範囲にコマセを入れるしか方法はありません。

グレのフカセ釣りの難しい条件②:当て潮

当て潮とは沖から足元に向かってくる流れです。ウキフカセ釣りでは非常に難しい潮のひとつです。仕掛けもコマセも足元に向かってきますから、探れる範囲は限られます。流れが速ければさらに時間は短くなり、投げては巻き取り、また投げては巻き取らなければなりません。この流れで厄介なのは仕掛けを張ることです。同調自体はそれほど面倒ではありません。ただ、根気よく何度も繰り返すことが大切になってきます。

それと、遠投力が重要になります。遠ければ遠いほど仕掛けを探れる範囲が広くなるからです。遠いと条件が分からず、グレのヒット率はダウンするものの、グレがそこにいるかどうか、いるとしたらヒットポイントはどこかを探るのはどのような流れでも変わりません。

なお、仕掛けを張るのは別のテーマになりますから、ここでは触れないでおきます。

ヒシャクのすくう箇所のアップ

グレのフカセ釣りの難しい条件③:本流

本流とは速い流れを指します。メインの潮をこう呼ぶケースもありますが、同調が難しいのは速い流れであり、釣り人として知りたいのはまさにその点です。

本流で注意しないといけないのは、流れの中に直接コマセを投入しないことです。足元にコマセを入れて、それが少しずつ本流に引かれて流れていくところを探ります。つまり、コマセの先打ちです。これも先に述べましたが、先打ちでは仕掛け投入のタイミングをいろいろ変えてみる必要があります。これに加えて、仕掛け投入点を変えてみることも大切でしょう。

本流に直接コマセを入れないのは、ヒットポイントがどんどん遠くなるのを防ぐためです。仕掛けの後方に後打ちする方法もないことはないのですが、グレはコマセを追ってどんどん遠くに移動する可能性があります。

フカセでグレが釣れないなら海の中の様子を推測しよう

釣りは推理ゲームといわれます。見えない海の中でグレや仕掛け、コマセがそれぞれどうなっているかを推理して、それを元にして釣りを組み立てるのです。釣りを組み立てるとは、ガン玉のサイズやウキ下を決めて、どのようにグレのいる位置でコマセと同調させるかを考えることです。ですから、同調させるには推理力が欠かせません。推理が正しければグレがヒットし、間違っていればヒットはしないでしょう。

ただ、この記事は同調がメインテーマであるため、他の要素にはほとんど触れていません。しかし、ガン玉のサイズや位置、ハリスの長さ、太さなども大きく影響しています。さらには、沈め釣りや全遊動などのタテに探る釣り=バーティカル釣法と同調との関連についても言及していません。機会を改めて解説してみたいと思います。

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