実は簡単なチヌのフカセ釣り!初心者でも釣れるための方法を徹底解説
作成:2019.11.05更新:2021.08.20
目次
チヌ狙いの定番、フカセ釣りとは
フカセ釣りはコマセ(撒き餌)と刺し餌を同調させて魚を狙う釣りです。本来はウキを使用せず自重だけで仕掛けを操る釣法でした。そのため初心者アングラーにとってはやってみたくても難しそうなイメージが定着してしまい、なかなか手が出せない釣法でもあります。
しかし、ウキを用いたフカセ釣りは初心者アングラーでもコツさえ知っていれば人気ターゲットであるチヌを釣ることができます。しっかりと基本を押さえてフカセ釣りを楽しめば、チヌを簡単に釣ることができるようになりますのでぜひチェックしてくださいね。
フカセ釣りでチヌを狙うためのポイント
フカセ釣りでチヌを狙う場合はいくつかのポイントがあります。フカセ釣りの人気ターゲットであるグレ(メジナ)を狙う場合とチヌを狙う場合は狙い方に違いがありますので、釣果アップのためにもぜひチェックしていただきたい項目です。それでは早速チェックしていきましょう。
チヌのいるボトムを中心的に狙おう
チヌは基本的にボトム付近に潜んでいることが多い魚。そのためボトムを集中的に狙っていくことが重要なポイントとなります。場合によってはチヌが表層や中層に浮いてきていることもありますが、基本的にはボトムを集中的に狙っていくようにしましょう。
比重の重いコマセを使おう
チヌはボトム付近に潜んでいることが多いので、比重の軽いコマセでは潮流に流されてしまい、狙いたいポイントにコマセを送り届けることが難しくなります。そのため比重の重いコマセを利用することが重要で、いち早く狙いたいポイントのボトムにコマセを沈めることができます。チヌを狙う場合はコマセをボトムに溜めてチヌを寄せる必要があるので、比重の重いコマセを利用することをおすすめします。
餌取りの攻撃をかわしチヌに届ける工夫をしよう
チヌ狙いの最大の敵が餌取りの存在です。ボトムまで刺し餌を送り届けたくても、ボトムに着く前に刺し餌を取られてしまうことが非常によくあります。そのため、餌取りの攻撃をかわす工夫が必要となり、1号のオモリを使って素早くボトムに仕掛けを沈めることがコツとなります。その他にも、コマセを先に足元に撒いておき、餌取りを寄せた後に違うポイントにコマセを撒いてチヌだけを狙うといった方法もありますので、ぜひ試してみてくださいね。
チヌに見切られない細いラインを使おう
チヌは非常に警戒心の強い魚として有名で、仕掛けに少しでも不自然な点があると見切られてしまうなんてことも。そのため、少しでも細いラインを使うことがチヌ釣りにおいては重要になります。細くすれば見切られにくくなりますが、その分強度も落ちてしまうので細くし過ぎないようにすることが注意すべき点で、基本的には1.5号の太さであればチヌ釣りにおいては十分な細さとなります。
チヌの好物を積極的に刺し餌にしよう
チヌは貝やカニ、サナギ、スイカなど様々なものを食べる雑食性の魚なので、チヌの好物を刺し餌に使用することがポイント。基本的にはオキアミを使用することが多いですが、餌取りに狙われやすくなってしまうため、集魚剤に入っているサナギやコーン、練り餌などを使うと餌取りに狙われにくくなります。基本的にはオキアミで狙い、餌取りに取られてしまう状況の場合はその他の餌を使ってみるようにしましょう。
フカセ釣りでチヌを狙う際は状況に応じた攻め方が大切
フカセ釣りでチヌを狙う際に重要なポイントとして、海がどんな状況なのか、風はどれほどの強さなのかなどを見極めることが挙げられます。慣れない間は非常に難しいポイントですが、状況に応じた攻め方をすることができるようになれば釣果アップに期待が持てます。覚えることが難しいポイントですが、ぜひ覚えてみてくださいね。
潮がほとんど動いていない場合
釣りをしていると潮がほとんど動いていない状況に出くわすことがありますが、その場合は仕掛けを極力軽くすることがポイントとなります。普段の釣りで3Bを使用しているのならG3まで軽くするなど、ウキとオモリを交換することで対処可能となります。仕掛けを軽くすればその分仕掛けがナチュラルになりますので、チヌの警戒心を薄くすることができますよ。
潮の流れが速い場合
潮の流れが速い状況はフカセ釣りをする際は辛い場合が多いです。潮の流れによってコマセが流されやすくなるため、狙いのポイントに届かなくなってしまうことになるなんてことも。そんな場合はコマセを狙いたいポイントよりも潮上に巻くことで、狙いたいポイントを狙うことができますよ。仕掛けも変更することがおすすめで、1号のウキを使えば重さでより早くボトムまで仕掛けを送り届けることができます。
風が強く吹いていてウキが安定しない場合
風が強く吹いているとウキが安定せず、アタリがあってもウキに反応が出ないなんてことが多々あります。こんな状況で棒ウキを使っているのならば、円錐ウキに変更することで風の当たる面積を減らすことができます。円錐ウキを使っていても風の影響を受ける場合は使用している仕掛けにG2~G4程度の軽いオモリを打ち、ウキが海面ギリギリをキープする程度までウキを沈めてしまいましょう。そうすれば、風の抵抗をほとんど受けない状態になるので、出なかったアタリを出してくれるようになります。
二枚潮で仕掛けが馴染みにくい場合
二枚潮とは上層と下層で潮の流れる方向が異なる状況を指します。二枚潮のやっかいな点は、上層でウキが左側に流れても下層の仕掛けは右側に流れてしまうのでアタリが出なくなったり仕掛けが馴染まなかったりすることです。二枚潮を攻略する方法は少し難しいのですが、ウキを浮かせるのではなく沈めてしまいます。これは、沈め釣りと言われる方法で、二枚潮の攻略に使われるだけでなく魚がどの層にいるのか分からない場合に使われることが多いです。ラインの変化を見てアタリを取っていくので難易度が上がるのが残念な点ですが、沈め釣りに慣れると大きな武器となりますのでぜひ試してみてくださいね。
これらすべてのポイントは、昨今難しいとされるグレ釣りのコツが非常に参考になります。潮や風を読み、コマセと刺し餌をどう同調させるかに特化した下記記事も参考にしてみてください。
フカセ釣りの仕掛けの作り方
フカセ釣りの仕掛けは慣れるまで作ることが難しいです。難しい作業がある訳ではありませんが、どんな順番で小物を仕掛けにセットしていくかを覚えることが最初は苦労するポイント。セットする順番としては以下をご覧下さい。
- 道糸にウキ止め糸
- 道糸にシモリ玉
- 道糸にウキ
- 道糸にからまん棒(円錐ウキの場合は必ずしも必要ではありません)
- サルカン
- ハリス
- 釣り針
- 任意の場所にガン玉を打つ
以上8つの作業を終えればフカセ釣りの仕掛けは完成となります。行う作業自体は多いですが、一つ一つの作業は簡単なので慣れればすぐに仕掛けを作り終えることができます。ぜひ覚えてくださいね。それでは、個別のアイテムを詳しく見ていきましょう。
フカセ釣りでチヌを狙うために用意する12個のアイテム
フカセ釣りをする場合は数多くのアイテムが必要となります。とても小さなアイテムばかりですが、一つ一つに重要な役割がありますので、なぜ、このアイテムが必要なのかを理解しておくことが大切。1つでも欠けるとフカセ釣りが成り立たなくなることもあるので、早速チェックしていきましょう。
ナイロンライン
フカセ釣りをする上でラインの選択は基本的にナイロンライン一択となります。最近ではPEラインを使ったフカセ釣りも流行っていますが、ナイロンラインを使ったフカセ釣りが基本なのでまずは、ナイロンラインからスタートすることをおすすめします。ナイロンラインの号数は対象魚によって大きく変わりますが、チヌ狙いの場合は1.7号程度がおすすめで、太くても2号までにしておくことをおすすめします。
ウキ止め糸
ウキ止め糸は半誘導仕掛けに必要なアイテムで、ウキがフリーに動かないように固定させるためのアイテムです。ウキ止め糸は非常に重要なアイテムで、幅広い層を探るためには欠かせないアイテムです。ウキ止め糸を使わない固定仕掛けもありますが、探るタナが浅くなってしまうので、チヌ狙いには不向き。チヌをフカセ釣りで狙うのであれば、必ず用意するようにしましょう。
シモリ玉
シモリ玉はウキがウキ止め糸を通り抜けないようにするためのストッパーの役割を持つアイテム。ウキ止め糸を使う場合はシモリ玉とセットで使用することになるので、シモリ玉を忘れてしまうと釣りができなくなってしまいます。シモリ玉にはサイズが複数ありますが、できるだけ小さい小粒なものを使用することで自然な仕掛けを演出することができますよ。
ウキ
フカセ釣りではウキのアタリを見て掛けていく釣りになります。そのため、ウキを忘れてしまうとフカセ釣りができなくなってしまいますので注意しましょう。フカセ釣りでは円錐ウキと棒ウキの2種類がよく使われますが、チヌを狙う場合は感度の良い棒ウキが人気です。しかし、風が強かったり潮流が激しい場合は円錐ウキの方が有利になりますので、2種類用意しておくことがおすすめです。号数は3Bを基準とし、かなりの深場であったり餌取りが多い場合は1号のウキで一気に仕掛けを沈めてしまうことをおすすめします。
からまん棒
からまん棒はウキと仕掛けが絡まないようにするためのアイテム。基本的には棒ウキで使用することが多く、円錐ウキには必ずしも必要なものではありません。万が一、サルカンから道糸が切れてしまった場合はウキをロストしてしまうことにもなりますので、円錐ウキでもつけておくことをおすすめします。
サルカン
サルカンはラインの結束に使用されるアイテムで、道糸とハリスを結束するために使用されます。道糸とハリスを直結する方法もありますが、根掛かりでラインが切れてしまった際にウキをロストしてしまうことがあるので、サルカンで結束することをおすすめします。サルカンは大きいものを選べば強度は上がりますが、潮流の影響を受けやすくなったりサルカンの重さで不自然に仕掛けが沈んでしまうことになるので、極力小さいものを選ぶことをおすすめします。
ハリス
フカセ釣りをする場合はハリスが必要となります。ハリスはルアー釣りで使用されるショックリーダーと同じ様なもので、比重の重さを利用して仕掛けを馴染ませたり根擦れ対策のために使用されます。フカセ釣りではハリスは非常に重要なポイントになり、どの程度の号数を使用するのか、どれぐらいの長さを取るのか等アングラーによって様々。チヌ狙いならばハリス号数は1.5~1.7号もあれば十分で、長さは1~2ヒロ取れば問題ありません。フカセ釣りに慣れていないアングラーは1ヒロの長さから始めることをおすすめします。
釣り針
釣り針は釣りをする上で必ず必要になりますが、フカセ釣りでチヌを狙う場合はどんな釣り針を選ぶかが重要なポイントとなります。チヌは力が強く顎の力も強靭なので、アジ針の様な細軸のものでは針をねじ切られるなんてことも。そのため、チヌ針のような太軸のものを選ぶことがおすすめです。チヌ針の号数は2~3号程度がおすすめで、針の大きさがちょうど良いため様々なサイズのチヌを狙っていくことができますよ。
ガン玉(オモリ)
フカセ釣りをする上で、ガン玉は欠かすことのできないアイテム。ガン玉を仕掛けに打つことで仕掛けを馴染ませ、ウキにアタリが出るようにしてくれます。ガン玉の打ち方は多種多様で、アングラーによって千差万別。基本的にはウキの号数が3Bであれば3Bのガン玉を1つ打てば問題なく、打つ場所はハリスの真ん中辺りで問題ありません。仕掛けを早く馴染ませるために軽めのガン玉を複数打つ方法もありますが、非常に難しいため慣れない間はガン玉1つを打つことをおすすめします。
コマセを入れるバッカン
フカセ釣りはコマセを撒いて魚を寄せる釣りなので、コマセを入れるためのバッカンが必要となります。バッカンには様々な種類があり、折り畳むことのできるソフトタイプや硬く作られたハードタイプがあります。ソフトタイプは一見便利に見えますが、ヒシャクにコマセを詰め込む際にやり辛いのでハードタイプのものをおすすめします。
ヒシャク
ヒシャクはコマセをポイントに打ち込むためのアイテムで、使い勝手が重視されるフカセ釣りのキーアイテムです。ヒシャクには様々な長さ、カップの大きさがありどれぐらいの距離のポイントを狙いたいのかによって使い分けます。チヌ狙いの場合は基本的に近距離を狙う釣りになるので、短めのヒシャクがおすすめ。カップの大きさは好みが分かれるポイントで、コマセを節約して少しずつ使いたいのなら小さめのもの、まとめてコマセを撒きたい場合は大きめのものを選ぶようにしましょう。
マゼラー
マゼラーはバッカンに入れたオキアミや配合餌を混ぜるために使用するアイテム。マゼラーはスコップなどでも代用できますが、専用のマゼラーはかき混ぜやすいように工夫がされているので専用のものを用意することをおすすめします。強度も高く作られているので力を入れても破損する心配がなく、より細かく混ぜたコマセを作り上げることができますよ。
フカセ釣りでチヌを狙うためのタックル
フカセ釣りでチヌを狙うタックルは、軽い仕掛けを快適に扱えることが重要視すべきポイントです。強すぎるタックルでは使用できるラインも太くなってしまうので、チヌを狙うことには向きません。軽い仕掛けを使えるタックルであれば細いラインを労わりながら使用することができるだけでなく、タックル自体が軽量なので疲れにくくなるメリットがあります。チヌを狙うためのタックルを早速チェックしていきましょう。
フカセ釣りでチヌを狙うためのロッド
フカセ釣りでチヌを狙う場合は磯竿を使用します。チヌ専用のチヌ竿もありますが、通常の磯竿で問題ありません。号数は1号のロッドがおすすめで、細仕掛けを使用できるだけでなく良型のチヌが掛かっても獲ることができるパワーを備えています。長さは基本的には5.3mを選べば問題ありませんが、長いロッドに慣れていない初心者アングラーは4mのものでも問題ありません。足場の悪い磯での使用を考えている場合は5.3mの長さが有利となりますので、使用する場所も考えてロッドを選ぶようにしましょう。
フカセ釣りでチヌを狙うためのリール
フカセ釣りをするリールはレバーブレーキの付いたリールがおすすめ。レバーブレーキリールはチヌの引きによって竿がのされてしまった場合に、竿を立て直すことができる性能を持っているのでぜひとも用意して頂きたいリールです。番手は2000~2500番を選べば問題がなく、レバーブレーキリールを用意できない場合は通常のスピニングリールの2500番を用意しておきましょう。
ギア比はハイギアやローギア等ありますが、フカセ釣りにおいては好みで選んで頂いて構いません。仕掛けを素早く回収したいのならハイギア、ファイト中の巻き取り力を重視するのであればローギアというように選んで頂ければ問題ありません。
フカセ釣りでチヌを狙うためのライン
先述の通り、フカセ釣りでチヌを狙う際のラインは、ナイロンラインが定番。ナイロンラインは伸びの生じるラインですが、磯竿の粘りと非常に相性が良いです。チヌ狙いの場合の道糸は1.7号程度、ハリスは1.5号程度がバランスが良く、強度も十分なので迷った場合はぜひ試してみてくださいね。年無しと呼ばれる大型のチヌが釣れるような場所では道糸2号、ハリスも2号といったセッティングでも問題ないので、チヌの釣れるサイズによってラインの太さを変えることもおすすめですよ。
フカセ釣りでチヌを釣ったら一人前。楽しくチヌを狙っていこう
チヌはサビキで狙うアジやサバなどに比べるとサイズも大きくなるため、初心者では釣ることは無理と思っている方も多いかと思います。しかし、チヌは基本さえきっちりしていればそこまで難しい魚ではないので、初心者アングラーでも十分に狙っていくことができます。食べても非常に美味しい魚なので、ぜひ多くのアングラーに狙って頂きたいです。一度チヌを釣ることができればもう初心者ではなく一人前なので、難しく考えずに楽しくチヌを狙っていきましょう。
釣りをする際はライフジャケットの着用を心掛けて、安全な状態で釣りを楽しんでくださいね。
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