フカセ釣り初心者必見!荷物が多くなりがちで制約の多いフカセ釣り、こんな道具があると便利だ!
作成:2022.08.30更新:2022.08.30
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フカセ釣りは、コマセを撒いて自分のポイントに魚を寄せて釣るという特性上、ルアーフィシングなどと比較すると、圧倒的に荷物が多く、仕掛けを作るにも時間がかかる、手間のかかる釣りです。そのため、できるだけ荷物をコンパクトにまとめて、必要最低限の荷物で現場入りする必要があります。
車を直付けできる場所であれば好きなだけタックルを持ち込めますが、電車釣行や、駐車場からかなり歩かなければならないポイントに行く場合は、持ち込む道具類の取捨選択と、効率的なパッケージングが必要になります。
とはいえ、荷量を減らすことに腐心しすぎるあまり、あれもこれも持ち込まないというのは、考えものです。「あぁ、アレ持ってくればよかった!」という場面は意外に多いものです。今回は、そんな「フカセ釣りの必須アイテムではないけれど、あると便利」なアイテムについて紹介して行きます。
まずは最低限の荷物をパッケージングする
便利アイテムを紹介する前に、まずは必要最低限のタックルを準備しましょう。必要最低限とは、ロッド、リール、仕掛け、水くみバケツ、クーラーボックス、コマセバッカン、コマセ柄杓、玉網、飲食物です。これらは省きようがありません。これらを網羅すると、上の写真の荷量になります。飲食物はクーラーボックスの中に入れておきましょう。仕掛けはコンパクトにタックルケースひとつにまとめましょう。
この写真は、私が地磯でメジナ、クロダイ狙いのフカセ釣りをする際の仕掛け一式です。小さなPVC製タックルケースひとつにすべてまとめています。ここで私が意識していることは、「ここに入れるものはフカセ釣りのためだけに使うもの」であるということです。どういう事かというと、「状況に応じて臨機応変にいろんな釣りができるよう準備しておく」という考え方だと、荷物が際限なく増えて行ってしまうので、フカセ釣りの時はフカセ釣りに必要な物だけをタックルケースに都度パッキングしています。投げ釣りの時は投げ釣り用タックルに、エギングの時はエギング用タックルに、釣りの都度詰め替えています。
タイプごと、サイズごとにたくさんのラインアップを要する針と、サルカンやスナップ、発光玉などの消耗品は、小型のマルチケース2個にまとめて収納し、タックルケースに入れています。
マルチケース2つの他は、ハリス、ウキ止め糸、ガン玉ケース(水中ウキやからまん棒なども収納)、フィッシュグリップ、マルチツール、フォールディングナイフ、瞬間接着剤、ノギスケール、ハサミ、赤外線式水温計をまとめて入れています。
フカセ釣りに必須のウキ類は、クロダイ釣り用のロングタイプの棒ウキは、長さが自由に変えられるアジャストケースに収容し、ロッドケースのサイドポケットに収納しています。
メジナ釣りに使っているショートタイプの棒ウキは、PVC製のウォータープルーフケースにまとめて収容し、リュックの中にタックルケースとともにパッキングしています。
私は、フカセ釣りのつもりで入磯して、釣果が芳しくないときに、沖にボイルが発生したのを見てジギングに切り替える、すぐそばでエギングしている人が絶好調だったのでエギングタックルを準備・・・そういう、変幻自在に釣りスタイルを変えるという考えは基本持っていません。フカセ釣りをしに行ったら終日フカセ釣り、エギングしに行けば終日エギング(エギングの時は最低限のルアーは持ち込んで、ジギングに切り替えることはあります)、投げ釣りの時は投げ釣りに没頭、穴釣りに行ったらひねもす穴釣りと割り切って、タックルを最小限に絞り、荷物を極力少なく、身軽に移動できることを意識しています。そのため、ロッドは折損した場合のスペアとして予備1本、リールに至っては予備を持たないことがほとんどです。
フカセ釣りにあると便利なアイテム
脱線が長くなってしまいました。閑話休題。このように、フカセ釣りは非常に荷物が嵩む釣りです。たくさんの荷物を持って磯を長い距離歩くのは大変です。荷物はできるだけ厳選し、少数精鋭で臨む必要があります。しかし、なくてもフカセ釣りは出来ますが、特に荷物にならず、あるととっても便利なアイテムがあります。そんなアイテムを紹介して行きます。
赤外線式デジタル水温計
水温を簡単に図ることができる非接触式の水温計です。フカセ釣りにおいては、本命魚の活性、エサ盗りの活性がどうかということがある程度わかります。水汲みバケツで海水を汲み上げ、水面から数cmの位置から垂直に赤外線を照射すると瞬時に水温が表示されます。経験上、メジナは13℃以下、クロダイは10度以下になると極端に活性が下がります。また、25℃を超えるとエサ盗りの猛攻を受けやすくなります。フカセ釣りに最も適した水温は18℃~22℃前後です。一日の中でも潮の流れの変化で水温は上がったり下がったりしますので、1時間に1回程度水温を測り、タナを変えたりしながら微調整すると良いでしょう。
デプスチェッカー
デプスチェッカーは、ロッドにクリップで挟み込んで、デプスチェッカーの右側についているプーリーにラインを掛け、ラインが放出される動きに合わせてプーリーが回り、ラインの放出量を計測する道具です。未知のポイントに入った際には必ず底取りをする必要がありますが、デプスチェッカーを使えば簡単に水深を測ることができ、非常に便利です。デプスチェッカーがなくても、フカセウキをつけて、ウキの浮力以上の錘をつけて仕掛けを沈め、ウキ止め糸を上下に動かしながらウキが水面に正しく浮く場所を探せば底取りは出来ますが、非常に手間がかかります。デプスチェッカーがあれば底取りが簡単にできます。底取り以外に、キャスティングの飛距離も測ることができます。
エサバケツ
フカセ釣りではメインの刺し餌はオキアミを使うことが多いと思いますが、オキアミを使う場合は必須と言っても過言ではないでしょう。オキアミは冷凍状態で釣具店で購入しますが、高温にさらされたり日光に当たると急激に劣化してしまいます。一日刺し餌として良好な状態で使うためには、直近で使う最低限の量のオキアミをエサバケツに入れ、コマセバッカンの内側に取り付けて蓋をしておきます。エサバケツにはドリップを下に落とすためのスノコがついていますので、必ずスノコを下に敷いて使いましょう。エサバケツいっぱいにオキアミを入れることはせず、すぐに使わないオキアミはクーラーボックス内で保冷しておきます。
シャクホルダー
シャクホルダーは、コマセ柄杓を収納するホルダーで、中に水を入れてコマセバッカンの内側に取り付けます。シャクホルダーは使っていない人もたくさんいるのではないかと思います。コマセバッカンに中にコマセが潤沢に残っている場合は、コマセに刺して置いておく人もいるかもしれませんが、風でコマセ柄杓が倒れたり、ひどい場合は飛ばされたりします。コマセを打った後、シャクホルダーにコマセ柄杓を入れておけば、風で飛ばされたり、邪魔になることはありません。それよりも、シャクホルダーには重要な役割があります。それは、コマセ柄杓のカップにコマセのこびりつきを防ぎ、カップからのコマセ離れを良くする役割です。
カップにコマセがこびりつくと、途端にコマセ離れが悪くなり、コマセが飛ばなくなってしまいます。しかし、シャクホルダーの中には水が入っているため、都度カップを洗うことができます。コマセ柄杓のカップは常に水に浸してある状態であれば、コマセ離れが良く、飛距離もコントロール性も良好な状態をキープできます。シャクホルダーがなくてもフカセ釣りは可能ですが、特にコマセを遠投する必要がある場合は、シャクホルダーは必須と言えるでしょう。
コマセバッカンにエサバケツとシャクホルダーを取り付けた状態がこの写真です。この状態で、バッカンの蓋のファスナーを閉じることも可能です。
チタンカップのコマセ柄杓
コマセ柄杓はお金をかけた方がいいタックルの代表格です。オールプラスチックの安価なものは数百円で売っていますが、高価なものは1万円を軽く超えるものもあります。コマセ柄杓は本当に奥が深いアイテムです。シャフトの材質はプラスチックとカーボン繊維強化プラスチックがあり、カップ材質はプラスチックカップ、ステンレスカップ、チタンカップがあります。軽く、遠投性とコントロール性のバランスに優れ、一日中振るい続けても疲れないものは、カーボン繊維強化プラスチック製シャフト+チタンカップの組み合わせです。
シャフトの長さ、シャフトの硬さ、カップの容量により、さまざまなタイプがありますので、ショップでいろいろ振るってみて、しっくりくるものを選びましょう。ちなみに私が現在愛用しているものは、カーボン繊維強化プラスチックにカーボンテープを巻いてねじれ剛性を高めた75cmのシャフトに容量14ccの小型チタンカップがついた、総重量49.6gのコマセ柄杓です。
ロッドホルダー
地磯ではロッドを立て掛けるための三脚が使えない不安定な場所がほとんどです。そのため、磯ではステンレス製のピトンを岩にハンマーで打ち込んで、竿受けを装着することが多いです。しかし、ピトンタイプの竿受けは非常に高価であることと、持ち運び性が良くないこと、そして、大勢のアングラーがピトンを打ち付けると岩が穴だらけになってしまうことなどの理由から、クーラーボックスに取り付けるタイプのロッドホルダーをおすすめいたします。
フカセ釣りで使用するロッドはほとんどの場合、長さが5.3mだと思いますので、ロッドホルダーは安定性が不安に思われるかも知れませんが、クーラーボックス内に氷やペットボトル飲料など、ある程度の重量のものが入っていれば倒れることはありません。
ただし、雷が鳴ったときは絶対にロッドホルダーにロッドを立てないようにしましょう。導電性の高い5.3mのカーボンロッドが上方に向かって直立していると、避雷針の役目を果たしてしまいますので大変危険です。
どうしても岩場にロッドを直置きしなければならないときは、写真のようなクッションシートを適当なサイズにカットしたものを数枚用意し、ロッドやリールが岩の上に直接当たらないように保護しましょう。100円ショップで入手できます。
フックキーパー
プロックス 公式
フックキーパーは、休憩時やロッドを持ったまま移動する時などに、針があちこちに刺さらないよう固定しておくための便利グッズです。ホームセンターなどで売っている結束バンドを改造したものです。
フカセ釣りの場合はハリスの長さが2m〜3mにもなりますので、針先を見失うと針があちこちに刺さってしまい非常に危険です。ラインをつかんで針先を手繰り寄せようとして、針先を手にガッチリ刺してしまう事故も起こりがちです。ロッドを上げているときは必ず針先が勝手に動かないよう、何かに固定する必要があります。
そんなとき、予めロッドにフックキーパーを取り付けてあると安全に針先を固定できます。ロッドの見栄えの問題はありますが、あると便利なグッズです。
消しゴム
フックキーパーのようなものをロッドに取り付けるのは気が引ける、そんなときは、針先に1〜2cm角に切った消しゴムを刺しておき、針先を隠しておくだけで、針先があちこち刺さることがなくなります。また、白い消しゴムは目立つため、針がどこにあるかの目印にもなります。カッターナイフでサイコロ状に切ったものを2〜3個、ガン玉ケースの中にでも入れておきましょう。
【番外編】高速リサイクラー2.0
最後に、フカセ釣りに限らず、全てのアングラーに、絶対に持つべきと言っても過言ではないアイテム、第一精工・高速リサイクラー2.0を紹介します。
これは、万力部とハンドル部、スプール取り付け部からなる糸巻きですが、リールにラインを巻くテンションを自由に設定できたり、捨てるラインをリールから一気に巻き取るなど、様々な用途で使える糸巻きですが、私は「下糸量を正確に入れる」ために大変重宝しています。手間はかかりますが、一切計算をすることなく、下糸+メインラインを全部巻いて、スプールいっぱいにぴったり巻けるのが快感です。手順を簡単に紹介します。
例:ラインキャパ200mのスプールに、50mの下糸を入れ、150mのメインラインをスプールいっぱいに巻く
- 高速リサイクラーにメインライン(150m巻き)のスプールをセットし、全量リールで巻き取る。
- 巻き取ったメインラインに下糸を接続し、リールのスプールいっぱいになるまで下糸を巻く。
- 高速リサイクラーに空のスプール1をセットし、リールに巻かれたラインを空のスプール1に全量巻き取る。空のスプール1には、下糸→メインラインの順番でラインが巻かれる。
- 高速リサイクラーに空のスプール2をセットし、空のスプール1のラインを全量巻き取る。これで空のスプール2には、メインライン→下糸の順番になる。
- 最後に空のスプール2のラインを全量リールで巻き取って完成!
釣りは身軽に動けるよう、欲張らずに荷物を厳選しよう!
釣りは体力を消耗するレジャーです。釣りに夢中になっている間は疲れなど感じることなく、アングラーズ・ハイの状態で没頭できているかと思います。しかし、大荷物で体力を奪われるのは納竿直後から帰宅までの道程です。車釣行なら、あまり気にならないかも知れませんが(もちろん、車の運転も体力を消耗していますので最新の注意を!)、電車釣行でも車釣行でも、アングラーズ・ハイの状態から正気に戻った時、どっと疲れが押し寄せてきます。無理をして思わぬ事故や体調不良などのトラブルに遭わないためにも、移動は身軽に行えるよう、釣行前日までに前に知恵を絞り、対策をしておかなければなりません。せっかく楽しい釣りができたのに、帰りにトラブルがあっては元も子もありませんから。
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