価格破壊?コスパ抜群のストラディックC2000Sをインプレ!
19ストラディックについて
コアソリッドシリーズのミドルクラスに当たる機種です。この価格にして、ロングストロークスプール・マイクロモジュールギアⅡ・サイレントドライブが搭載され、前作15ストラディックから大幅に進化しました。
19ストラディックの特徴
コアソリッドシリーズのしっとりとした巻き心地が特徴です。それでは搭載されているテクノロジーを1つずつ見ていきましょう。
マイクロモジュールギアⅡ
シマノの製造技術の高さが可能とする非常に精密で細やかなギア。ノイズや音鳴りの軽減はもちろん、滑らかなフィーリングも生み出します。
サイレントドライブ
ボディの基本設計から駆動関連部品まで一つ一つが見直され、改良されています。部品間の僅かな隙間まで排除されたことにより、リーリング時のガタツキやノイズが排除されています。
ロングストロークスプール
これまでステラにしか搭載されていなかったロングストロークスプールがストラディックにも搭載されました。従来よりも縦に長いスプールが飛距離UPに貢献します。これまで届かなかった潮目やストラクチャーも狙う事ができます。
Xプロテクト
従来の撥水性能に加え、ラビリンス構造(シマノ独自の防水技術)を複合することで、非接触でありながら高い防水性能を実現しています。非接触であることで、リールの回転に抵抗を与えず軽い巻き心地が実現できます。
HAGANEギア
金属の塊を約200tの圧力でプレスされることで形成されるHAGANEギア。切削せずに仕上げられるためギアに傷が付かず、超高強度に仕上がります。19ストラディックには18ステラ以降の新設計のHAGANEギアが搭載されています。これにより1サイズ上のリールのギア強度が実現されました。
HAGANEボディ
巻き上げ時に高い負荷がかかるスピニングリールでは、リールフットをはじめボディ全体により高い剛性が求められます。HAGANEボディは高負荷が掛かっても、たわみやねじれによるパワーロスを抑制します。(ストラディックはボディ片面は樹脂です)
低摩擦ローラークラッチ
ローラークラッチの摩擦は巻きの軽さに直結します。低摩擦でコンパクトなローラークラッチがリーリングの際の抵抗を軽減します。
19ストラディックC2000Sを選んだ理由
特に深い理由はないのですが、発売されたタイミングがちょうどライトゲーム用のリールを買おうとしてるときだったのです。この価格帯でマイクロモジュールギアとサイレントドライブが搭載されたリールがどれほどのものなのかも興味があったので購入しました。
19ストラディックC2000Sを買う前の懸念
ストラディック最大の目玉「マイクロモジュールギア」これが実は懸念材料でした。細かい歯が非常に滑らかで心地よい巻き心地をもたらすわけですが、繊細な分バランスが崩れると一変して不快感が出てしまいます。この価格帯のリールがその繊細さを保てるのか?グリスの飛びが早いマイクロモジュールギアがどのくらい持つのか?それが心配でした。
19ストラディックC2000Sを触ってみて
マイクロモジュールギアⅡとサイレントドライブが搭載されているだけあって、巻き心地は非常に滑らかでガタツキもありません。ハンドルが前作15ストラディックでは折り畳み式であったのが、今作19ストラディックでは折り畳みができないハンドルに変わっているのも、ガタツキを抑える要因となっています。よりシンプルな構造にすることで、ガタツキ防止と感度向上に貢献しています。ボディやスプール表面の処理が甘く、見た目の安っぽさは否めませんが、実釣には問題ないところなので気にはなりません。
19ストラディックC2000S実釣インプレ!
ストラディックC2000Sを実釣で使用した感想を項目ごとにご紹介します。
ロングストロークスプールの恩恵による飛距離の向上
従来のスプールを搭載しているリールと比べると、体感できるほど飛距離が伸びています。メタルジグを危うく養殖の生簀に引っ掛けてしまうところでした。軽量プラグもよく飛びぶので、ブレイクよりも沖を攻めるのが楽になりました。
レスポンスは良くない
実釣時は空巻きしているときほどは気になりませんが、ローターが重いので巻き出しが重く、ピタッと止めるのも難しいです。Xプロテクト・低摩擦ローラークラッチなど巻き抵抗を下げるための工夫はされていますが、それでも巻き出しは重いです。一度回し始めれば慣性で回り続けるので楽なのですが、巻く・止めるを繰り返すアジングなどの釣りには向きません。
パワーについて
試しにディープエリアでのロックフィッシュ狙いや岩礁帯での小型青物狙いに使用しました。オオモンハタや良型カサゴをディープエリアからゴリ巻きで浮かせるような使い方をしましたが、問題なく巻き上げてこれました。ドラグを締めて岸際で真横に走る青物を止めることも試してみましたが、30㎝クラスの青物であれば問題はありませんでした。不意の大物にも対応できるパワーはありそうです。
高負荷時の巻き心地
マイクロモジュールギアⅡとサイレントドライブの恩恵で、巻き心地はかなり良いです。コアソリッドシリーズ特有のしっとりした巻き心地は巻いていて気持ち良いです。しかし負荷が掛かるとその巻き心地を維持することができません。ステラやツインパワーであれば、高負荷状態でも軽く滑らかな巻き心地を維持できますが、ストラディックにはそこまでの性能はありません。負荷が掛かると巻きが重くなることに加え、ノイズが出ます。とは言え、この価格帯のリールの中ではトップクラスの巻き心地です。
ドラグ性能
リジットサポートドラグは非搭載ですが、3lb以上のラインを使うなら全く問題ないドラグ性能です。引っ掛かることなく滑らかに滑り出し、ラインブレイクを防いでくれます。
ストラディックと他機種の比較
上位機種ヴァンフォードとの比較
ストラディックより1ランク上に位置するヴァンフォード。非常に軽量でレスポンスが良く、ストラディックとは対極のリールです。アジングなどの巻く・止めるを繰り返す釣りにはヴァンフォードの方が向いています。逆にシーバスなどの巻き続ける釣りはストラディックの方が向いています。
下位機種アルテグラとの比較
ストラディックより1ランク下に位置するアルテグラ。コアソリッドシリーズに分類され、ストラディックと似た特性を持ちます。ストラディックに勝っている点は一切なく、ストラディックの下位互換的な位置づけになります。具体的には、ロングストロークスプール・マイクロモジュールギアⅡ・サイレントドライブの非搭載、防水機構の違い、重量差(C2000Sでストラディックより20g重い)、ベアリング数の違いです。アルテグラを選ぶ理由があるとするなら、価格が安いということぐらいでしょう。
ライバル機カルディアとの比較
ストラディックと同価格帯のリールであるカルディア。軽量化にこだわって作られたカルディアは2000番サイズで、ストラディックより15gも軽いです。DS5で作られたエアローターはリールの軽量化に貢献するとともに、レスポンスの良さを生み出します。レスポンスが求められるリールが必要な釣りにはカルディアを選ぶこととなるでしょう。しかししっとりとした巻き心地の良さはストラディックの方が上なので、巻き続ける釣りならストラディックを選ぶことをおすすめします。
ストラディックはこんな方におすすめ!
巻きの釣りをメインに展開する方
巻き続ける釣りであれば「レスポンスの悪さ」というデメリットが出ません。むしろ重いローターが慣性を生み、快適に巻き続けることができます。この価格帯のリールの中ではトップクラスの巻き心地なので、巻きの釣りメインの方にはおすすめです。
シマノの最新テクノロジーに興味がある方
ロングストロークスプール・マイクロモジュールギアⅡ・サイレントドライブ・Xプロテクトなどシマノ最新の技術を盛り込まれたリールの中で最も安価なのがこのストラディックです。シマノのリールを試したい方にはもってこいのリールです。
クラス最高の巻き心地を体感せよ!
シマノの最新テクノロジーが惜しげもなく盛り込まれたストラディックは、1万円台で買えるリールの中では間違いなく最高の巻き心地です。ぜひ体感してみてください!