旧ミドルクラス並み!20レブロスLT2500S-Hについてインプレッション
今回は、ダイワのエントリークラスとして有名な20レブロスLT2500S-Hについてインプレッションしていきます。2015年の前作から5年ぶりにモデルチェンジが行われた今作ですが、「一体どのような点が良くなったのか?」「他のエントリークラスとはどのくらい差があるのか?」こうした点が気になる方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、20レブロスの特徴に加えて、20クレストや18フリームスとの違い、20レブロスLT2500S-Hがどんな人におすすめなのかについても解説していきます。
レブロスシリーズとは
レブロスシリーズは、ダイワのエントリークラスに属する汎用リールの1つです。初代は2006年に発売されており、意外に長い歴史を持っています。スピニングリールに必要な基本のスペックを兼ね備えており、これから釣りを初める方から中級者のサブ機まで、幅広い層に支持される1台です。今回インプレッションする20レブロスは、2015年の前作から約5年ぶりにモデルチェンジが行われ、さらなる進化を遂げています。
20レブロスの特徴
それでは20レブロスの特徴について解説していきます。2020年のモデルチェンジにあたり、レブロスはLT(LIGHT TOUGH)コンセプトモデルとして生まれ変わりました。LTコンセプトとは、文字通り「軽さ」と「強さ」をテーマとしたダイワ製小型スピニングリールの新基準です。これにより、20レブロスは従来のモデルから圧倒的な軽量化が施されています。前作15レブロスと同サイズの番手で比較すると、15レブロスが270g、20レブロスはなんと220gです。
ATD
「ATD(オートマチックドラグシステム)」は、UTDに代わるダイワの新しいドラグシステムです。従来のダイワ製リールは、ドラグの滑り出しが安定せずトラブルやバラシに繋がりやすいというデメリットがありました。しかしATDでは、ドラグの設定値に達さない引きでも柔軟にラインが滑り出し、魚の動きに追従するような特性に変化しています。実売価格10,000円を切るエントリーモデルにも、高性能なドラグが搭載されているのは嬉しいポイントです。
エアローター
「エアローター」は、ダイワを象徴する技術の1つと言えます。現在ではほとんどのモデルに採用されているローターで、軽さと感度の高さが特徴です。目を引くアーチ型の形状は、負荷を分散しつつ、リール全体の軽量化にも貢献します。ルアーフィッシングでは潮や地形の僅かな変化を把握することが重要で、釣果に大きく関わってきます。釣り初心者の方にも手が届きやすいエントリーモデルで、こうした高感度かつ軽量なローターが採用されているのは嬉しい点です。
タフデジギア
「タフデジギア※」は、従来のギアよりも歯面を大きくすることで、より負荷に強くなった新しいギアです。一昔前のエントリーモデルと言えば、数回の釣行でガタつきが出てしまうものが多く、耐久性には期待できないというイメージが強くありました。しかしこのタフデジギアが搭載されたことで、素材は亜鉛ながらも、安心して使用できるギアの耐久性が実現されています。
※参考記事:タフデジギアとは - 具体的な説明と搭載されているダイワのリール機種一覧20クレスト、18フリームスとの違い
次は、20レブロスよりも少し安価なモデルである20クレスト、上位機種にあたる18フリームスとの違いについて見ていきましょう。どのリールも汎用性のあるモデルで、基本的にはどんな釣りにも使用かのうです。しかし、たとえエントリーモデルであっても、釣りのジャンルや釣種によって適したリールは異なってきます。自分がどんな釣りをメインにするのかを考えながら、それぞれの違いを確認してみてください。
20クレストとの違い
まずは20クレストから見ていきましょう。こちらは実売価格5,000円を切る非常にリーズナブルなモデルですが、2500番で235gと十分軽量化されています。20レブロスとの大きな違いは、エアローターが非搭載であることです。ローターの違いは感度に影響するため、アジングやエギングといった釣りでは20レブロスを選んだ方が良いでしょう。ただ、感度をあまり重視しないちょい投げやサビキといったエサ釣りをメインとする場合は、20クレストでも十分快適に楽しめます。注意点を挙げるとすれば、20クレストはストッパーレスボディになっている点です。ストッパーを使う釣りをされる方は、必然的に20レブロスが選択肢となります。
18フリームスとの違い
次は18フリームスです。こちらは実売価格13,000円前後と20レブロスに比べて少し高価ですが、性能も良く快適性のあるリールです。重さは205gと非常に軽く、「マグシールド」と呼ばれる防水技術が搭載されています。「価格よりも軽さを優先したい」という方や「リールのメンテナンス方法が良く分からない」という方は18フリームスを選んでおくと安心です。もちろん18フリームスも完全にメンテナンスフリーという訳ではありません。使いながら少しずつ覚えていくと良いでしょう。
20レブロスLT2500S-Hの良い点
コストパフォーマンスが高い
20レブロスLT2500S-Hは、実売価格7,000円前後で販売されているエントリーモデルのリールですが、そのコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。現在は多くのダイワ製リールに普及しているエアローターはもちろん、ATDやタフデジギア、LTコンセプトによる大幅な軽量化など、スペックは数年前のミドルクラスと引けを取りません。
ATDで快適な釣りが可能
前作15レブロスのドラグは性能が良いとは言えず、従来通りのエントリーモデルといった印象でした。しかしモデルチェンジでATDが搭載されたことにより、ドラグ性能が飛躍的に向上しています。より調整できる幅が大きくなり、魚の引きにしっかりと追従するようになりました。これまでドラグがネックで入門機を選ばなかったという中・上級者の方にも、サブ機として十分おすすめできる性能です。
20レブロスLT2500S-Hの悪い点
剛性・耐久性には不安も
LTコンセプトによって大幅な軽量化が進められた20レブロスLT2500S-Hですが、剛性や耐久性には不安が残ります。強い負荷が掛かると多少のたわみが発生するため、フルドラグでゴリ巻きするような釣り方は避けたほうが無難です。また、20レブロスはマグシールド非搭載のモデルになります。しっかりメンテナンスを行ったとしても、マグシールド搭載機との差を感じることがあるかもしれません。
ハンドルはガタつきを感じる
20レブロスLT2500S-Hは、ATDの搭載や軽量化など盛り沢山な仕様ではありますが、ハンドルは供回り式となっており多少のガタつきを感じます。釣りをするには十分なクオリティですが、よりノイズレスなリールを求めている方や感度最優先という方にはあまりおすすめ出来ません。ただ、20レブロスはあくまでエントリーモデルです。初心者の方が初めて購入するには問題ないでしょう。
20レブロスLT2500S-Hが向いている人
20レブロスLT2500S-Hは、これから釣りを初める方に適したリールです。2500番ですので、エギングやチニングといった釣りが良いでしょう。もちろんちょい投げやサビキ釣りにも使えますし、20レブロスLT2500S-Hとエギングロッドを一式揃えれば、1つのタックルで柔軟に対応できるのでおすすめです。
20レブロスLT2500S-Hが向いていない人
よりノイズレスで高性能なリールを探している方や、メンテンナンスにあまり気を使いたくないという方にはおすすめ出来ません。ハンドルは供回り式で多少のガタつきを感じますし、マグシールド非搭載なので気を使います。今回20レブロスと比較した18フリームスであれば、ねじ込み式ハンドルかつマグシールド搭載なのでおすすめです。
剛性や耐久性にはやや不満が残るが、初めての1台におすすめ
今回インプレッションしたのは、ダイワの20レブロスLT2500S-Hでした。エントリーモデルながら、エアローターやATDの搭載、大幅な軽量化など、非常に高性能なリールです。しかしマグシールドが搭載されておらず、ハンドルもねじ込み式ではないため、剛性・耐久性の面で不安が残ります。ただ、この点を差し引いても十分な性能ですし、実売価格10,000円以下でおすすめ出来るリールはそう多くありません。20レブロスLT2500S-Hは、初心者の方の初めての1台に最適です。