【インプレ】17プレッソ リミテッド 1025、エリアフィッシング専用機と侮るなかれ
プレッソ リミテッドとは
2000年より新たにダイワオリジナルのエリアトラウトブランドとして、ロッドやルアーなどが開発されてきたプレッソシリーズ。リールとしては2008年に08プレッソ 1003からスタートし、17プレッソ リミテッドはシリーズ3代目になります。前作14プレッソより細部にわたって拘り最新機能が施された、まさに「リミテッド」の名にふさわしいスペシャルモデルとして生まれ変わりました。
淡水専用機ならではのオイルベアリング仕様
17プレッソ 初代リミテッドシリーズは初代05イグジストの派生モデルとして発売された「イグジスト STEEZ CUSTOM」以来のオイルベアリング搭載機で、淡水専用機となっています。オイルベアリングを使用しているので、巻きの軽さは折り紙付き。グリスが馴染んだ頃にはギアの噛み合わせの抵抗を感じないほどに軽くなります。
1匹の差が勝敗を分けるエリアトーナメントの世界で練り上げられた巻き心地は秀逸
近年流行しているエリアフィッシングのトーナメントシーンではカスタムチューンされたリールのユーザーが増えており、カリカリにチューニングされたリールはまるでレーシングカーのようなピーキーな感度。17プレッソ リミテッドはそんなチューニングをメーカー自ら施したスペシャルモデルです。その巻き感度は1gのスプーンを巻いていてその水流がわかるほどで、開発者の拘りが随所に見受けられます。
LCABSが搭載され、1gアンダーの軽量ルアーでもロングキャスト可能に
この機種からLCABS(ロングキャストABS)が搭載されました。従来のABSスプールのエッジ部分にチタンリングが追加されており、スプールからのラインの放出角度を変える事で従来のABSスプールよりも飛距離が出るようになっています。実際に使ってみると、2gのスプーンで2~3mほど飛距離が伸びました。
流行りのエステルラインやフロロ1lbなど、極細ライン対応のATD
ここ数年ですっかりライトゲーマーに浸透してきたエステルラインですが、高感度の極細ラインはドラグ値の設定をしっかりしないとラインブレイクに繋がってしまいます。特にエステルラインは非常に摩擦に弱く、ドラグ設定はかなりシビアになってきます。ATD(オートマチックドラグシステム)はドラグの滑り出しが非常に良く、瞬間的な力がかかってもしっかりと粘ってくれるというライトライン向けのドラグとなっています。不意の大物とのファイトでも、落ち着いて対応すればラインブレイクはしづらいです。
前作14プレッソ 1025からどこが変わったのか
マグシールドが廃止され、巻き心地が向上
ソルトシーンでの強い味方、マグシールド。防水防塵に優れた機能ですが、エリアフィッシングでのユーザーからは「淡水でしか使わない」「ロッドスタンドを使うから地面に直置きしない」という理由で、マグシールドを除去しまう所謂「マグ抜きチューン」をしているアングラーもいました。実際防水防塵の為にメインシャフトなどに防水パッキンが入っていたので、巻き心地の向上の妨げになっていた事は否めません。17プレッソ リミテッド1025ではそんなエリアアングラーの要望に応えて、マグシールドレスになりベアリングは全てオイルベアリングを使用。究極の巻き心地に拘りました。
ソルトで使用する場合にはメンテナンスは不可欠
前作14プレッソはマグシールドの恩恵により、アジングなどのライトSWゲームでも使用後に流水でリールを洗うなどの最低限のメンテナンスで巻き心地をキープできました。しかし17プレッソ リミテッドではオイルベアリングが使用されている為、定期的なメンテナンスが欠かせません。私は14プレッソ1025を使用していた時は3年間オーバーホールなしでも問題なく使っていましたが、17プレッソ リミテッド1025では使用した後は必ずメインシャフト部、メインギア部、ラインローラー、ハンドルノブに注油を行っています。シルキーな巻き心地をキープする為には、使用後の給油と年1回程度のオーバーホールをおすすめします。
17プレッソ リミテッド1025はこんな人へおすすめ
エリアフィッシングで誰よりもたくさん魚を釣りたい
究極の巻き心地を実現した17プレッソ リミテッド1025、その真価を発揮するのはやはりエリアフィッシングの舞台でしょう。エリアフィッシングでは、時には0.4gといった超軽量ルアーを使う事もあるいわば究極のフィネスゲーム。そんな軽量ルアーを扱う繊細な巻きには巻取り長60センチという1000番クラスのリールがドンピシャです。ライトSWゲームでのジグ単にもぴったりですね。わずかな水流や魚からのコンタクトも見逃さないシルキーな巻きで他の人と釣果に差をつけましょう。
リールのメンテナンスは自分でしたい
繊細なライトゲームでは定期的なメンテナンスは必要不可欠、ほんのわずかなノイズさえも気になるので自分でグリスアップしなければ気が済まない!という人には17プレッソ リミテッド1025はピッタリ。こまめに自己メンテをして軽やかな巻き心地をキープしましょう。
こんな人には17プレッソ リミテッド1025はおすすめしません
アジングなどソルトウォーターで使いたいけどメンテナンスはめんどくさい
アジングなどのライトSWゲームにも、17プレッソ リミテッド1025はスペック的にはマッチします。しかし毎回毎回オイル刺したりグリスアップするのはめんどくさい!そんな人にはライトSW専用機の17月下美人AIRや汎用機であれば20ルビアス FC LT2000Sがおすすめです。
ライトゲームだけでなく、もっといろいろな釣りに使いたい
17プレッソ リミテッド1025はラインキャパシティが2.5lb100mとなっています。PEラインだと0.6号が90mほどしか巻けないので、ライトライン専用機と割り切ったほうがよいでしょう。ルアーフィッシングの場合は最低でも150mは巻いた方がいいので、淡水だとバス用のスティーズTYPE2、汎用機種だとバリスティック LT2500SS-CXH辺りだとPE0.6号が150mまで巻けるので釣りの幅が広がります。
エステルライン0.4号やPEラインをメインに使うなら2025Cがおすすめ
エステルラインでも0.4号以上の太さのものやPEラインの4本編みのものはラインが硬く、スプールへの馴染みが良くありません。そういった場合にはスプール径が大きい17プレッソ リミテッド2025Cをおすすめします。2000番クラスの方がコシのあるラインが馴染みやすくキャスト時のラインの放出角度も大きくなるので、エアノットなどのトラブルも起きづらく快適に釣りができます。
ダイワのフラッグシップ、18イグジストFC LT1000S-Pと徹底比較
LT機の18イグジスト FC LT1000S-Pに匹敵する軽量なボディー
17プレッソ リミテッド1025は非LT機としては最軽量クラスの155g。さすがにフラッグシップモデルの18イグジスト FC LT1000S-Pの150gには敵わないですが、それに次ぐ軽量リールとなっています。リールが軽くなれば、その分テコの原理で感度は上がります。リールの軽さはリールチューンでは変えられない部分なので、感度重視のライトゲーム最大の武器と言えるでしょう。
パワーでは18イグジスト FC LT1000S-Pの圧勝
思いもよらぬ大物が掛かった際に安心してやり取りできるパワーといった点では、やはり18イグジスト FC LT1000S-Pに分があるでしょう。もちろん17プレッソ リミテッド1025でも十分に対応できますが、アベレージサイズが大きい場所では撓みのないモノコックボディー+強固なマグネシウム合金という18イグジスト FC LT1000S-Pには敵いません。
巻き感度はフラッグシップにも引けを取らない
巻き心地では17プレッソ リミテッド1025も、18イグジスト FC LT1000S-Pに匹敵するほどのシルキーさを持っています。オイルベアリング採用の最大の恩恵はこの軽くて滑らかな巻き心地でしょう。フラッグシップモデルに匹敵する感度は、軽量ルアーを扱うには最適な選択と言えるでしょう。
ライトゲーム専用のスペシャルモデル、その繊細さ故に使い方には要注意
今回インプレッションした17プレッソ リミテッド1025はエリアフィッシングに特化したモデルとなっていますが、その絶対的な感度はアジングなどでも大きなアドバンテージとなるでしょう。メーカー表記では淡水専用機となっていますので、ソルトで使用した後は十分なメンテナンスが必要不可欠となります。こまめにオイルを注すなどの処置がめんどうだという人には、マグシールド搭載機の購入をおすすめします。