軽くて高性能!「17月下美人 AIR 2002H」の使用インプレ
「月下美人」シリーズはダイワのライトゲーム専用のブランドです。リールのグレードは4種類に分かれており、下から順番に「X」、「MX」、「AIR」、「EX」となっています。「17 月下美人 AIR2002H」はその中でも上から2番目のグレードに位置するリールで、価格は実売3万円前後になります。ハイエンドに近いミドルエンドリールであり、一気に軽量化が進み、機能もライトゲームに特化したものになっています。そんなリールの特徴と実際に使用したインプレをご紹介します。
17月下美人 AIR 2002Hの基本仕様は?
「17月下美人 AIR」はLT化された「X」や「MX」と異なり、現在のダイワのラインナップの中では旧タイプに位置します。17セオリーがベースとなっているこのリールは、「X」や「MX」と比較して大幅な軽量化がなされており、175gと一気にライトゲーム専用機の平均に乗せてきます。軽量化されたZAIONエアローターと薄肉スプールもあり、巻きは軽快そのものです。ハンドル1回転あたりの巻き取り量は75cmハイギアなので、どちらかというとアジング向きのスペックではあるものの、メバリングにも当然使用可能です。
ベアリング数は8個と多く、自分で追加することにより最大12個まで増やすことができます。場所はハンドルノブ、スプール受け、スプール内部になります。
マグシールド
リール内部に侵入してくる海水を磁性流体による油の膜でガードする、ダイワ独自の防水技術です。リール内部まで海水が侵入してしまうと、塩ガミや、錆が発生しやすくなり、リールの故障につながります。「17月下美人」は、ラインローラーにもマグシールドが搭載され散ることが特徴です。ボディだけでなく、トラブルが起きやすいラインローラー部にもあらかじめ防水機能が搭載されている点はうれしいですね。釣行後のこまめなメンテナンスにより、長くその機能を維持できるでしょう。
ATD
魚の引きに滑らかに追従しながら効き続けるドラグシステムで、滑り出しがスムーズであるためラインブレイクしにくく、魚に違和感を与えにくくなっています。ラインの滑り出しがスムーズで、急な突っ込みに対しても柔軟に対応できるため、大きめの根魚が掛かった際にも安心です。ライトゲームでは通常細いラインを使用する機会が多いため、オートマチックに機能するドラグシステムはとても重宝します。
ZAIONエアローター
ローターの材質に、「ZAION」を搭載し、通常の樹脂の軽量性を維持したまま強度アップが図られています。また、ローター形状も新たな肉抜きがされており、軽量化への思いが感じられます。ローターが軽いことにより初動の巻きはじめも軽く、水中内の変化や、リトリーブ中のアタリ感度も上がるため、繊細なライトゲームにうってつけの機能と言えるでしょう。
ラインストッパー廃止
「17月下美人 AIR」では、軽量化のためラインストッパーがなくなっています。そこまで必須というものではないですが、ないならないで少し不便に感じるものです。釣行後は、スプールバンドや輪ゴムが必要になるため、注意が必要です。
ベアリングを追加する場所は?
ハンドルノブ
ハンドルノブには2つベアリングを追加することができます。使用するベアリングは「外径7mm×内径4mm×厚み2.5mm」です。ハンドルノブにベアリングを追加することでさらに巻き心地と感度を向上させることが出来ます。
スプール受け&スプール内部
それぞれ1つずつベアリングの追加が可能です。使用するベアリングはどちらも「外径11mm×内径7mm×厚み2.5mm」です。スプール受けのベアリングは、よりスムーズな滑り出しのドラグにつながり、スプール内部のベアリングは、ATDの性能をより引き出すことが可能になり、フラグシップと同等のドラグ性能を得ることができます。
なぜ私が17月下美人 AIR 2002Hを選んだか?
タックルの軽量化とハイギアの選択
「17月下美人 AIR」の魅力はやはりミドルエンドの価格帯とその軽さです。20月下美人Xや18月下美人MXは、LT化されたことにより、剛性も上がり巻き心地も素晴らしいです。正直空巻きした具合は、「17月下美人AIR」と同等以上と感じるものもあります。しかし、重量には大きな差があり、約15g程度軽くなっています。ライトゲームにおけるタックルの軽量化は重要視すべき点であり、感度を上げる、疲労を減らすなどの役割を持ちますが、175gという重量は非常にちょうどいい重量でもあるため、合わせるロッドも選択肢が広がります。
ロッドと組み合わせたデザイン
黒と赤を基調とする月下美人のデザインですが、「17月下美人 AIR」にもその特徴が盛り込まれており、マッドブラックのボディはしっとりとした落ち着いたデザインに仕上がっています。そして、スプールに入った赤いラインと、逆に肉抜きされていない形状が違和感なく出来上がっています。ロッドとの組み合わせも最高で、シリーズでそろえた際の統一感がたまりません。
逆に残念だと思うところは?
ラインストッパーがないことが地味に痛い
リール重量を下げるために削除されたラインストッパーですが、使用するラインが細いこともあり、収納時には少し困ることもあります。特に釣行後にその場でラインを片付ける場合には、夜間であれば特にラインが視認しづらく、苦労することもあるでしょう。
搭載できるリールスタンドの種類が限られる
「17月下美人AIR」は、セオリーベースであるため、ハンドル取り付け部のねじの規格が特殊で、通常のリールスタンドをそのまま使用することはできません。リールスタンドを装着する際には、適合リールをよく確認する必要があります。ダイワ用であれば「17セオリー、14カルディア系」、リブレならば「C3」タイプを選択しましょう。
「17月下美人 AIR 2002H」の実釣と使用インプレ
やはりリールが軽くなることでタックル全体の総重量も下がり、操作性が上がることがわかります。175gという重量は、軽すぎず重たすぎず、7.4ftのロッドにもしっかりと先おもりせずに合わせることができます。巻き出しもハイギアとは思えないほど軽く、軽快なリーリングです。メバリングに使用しましたが、ハイギアを意識して少しゆっくりめのリトリーブを意識する必要はありますが、全く問題ないと言えるでしょう。
17月下美人 AIR 2002Hはまだまだ現役のミドルエンドリール
ダイワは現在次々とLT化されたリールを低価格~高価格まで幅広くリリースしてきており、リールの方向性が変わりつつあることがわかります。「17月下美人 AIR 2002H」は、LT化されてはいませんが、ミドルエンドのリールにふさわしい軽さと性能を兼ね備えており、全く問題なく第一線で活躍できます。おそらくこの先のモデルチェンジでLT化されることは予想できますが、現在でもライトゲームにピッタリな「17月下美人 AIR 2002H」はオススメできます。