シザーコームを海で使う!ソルトゲームでの使い方をロックフィッシュアングラーから解説
作成:2020.01.07更新:2021.08.20
目次
海でも釣果をあげているジャッカル・シザーコーム
シザーコームはバス釣り用のワームとしてジャッカルからリリースされているルアーです。「ハイプレッシャーなメジャーフィールドを攻略する」をコンセプトに設計されているワームであるため、食わせ力が非常に高く、テキサスリグ、ジグヘッド、スモラバのトレーラーなど使えるリグの幅も非常に広いです。
実はシザーコームは近年ソルトゲームでも多数の釣果実績をあげており、ロックフィッシュやフラットフィッシュ、シーバスなどの様々な海での釣りに流用するアングラーも多いです。特に、ロックフィッシュではそのサイズ感と食わせ力がハイプレッシャーなアイナメを釣る時に大きな力を発揮するため、北海道や東北で取り扱う釣り具店が増えているなど、注目を集めています。
今回は北海道の海のロックフィッシュシーンでジャッカルのロッドやワームを使って多くの釣果実績をあげているアングラーにインプレ取材を敢行。シザーコームのソルトゲームでの使い方を徹底解説していきます。その驚きの釣果実績はロックフィッシュ専用ワームを凌駕する衝撃的な結果となりました。
インプレ取材に協力してもらったアングラー
ロックフィッシュトーナメント優勝者・甲斐さん
ジャッカルのアイテムを北海道のロックフィッシュシーンに取り入れている札幌市のアングラー。北海道で最大規模のロックフィッシュトーナメントである長万部カップではシザーコームを使用して2017年度のチャンピオンにも輝きました。北海道でもっともシザーコームを使い込んでいるアングラーと言っても過言ではない、自他共に認めるジャッカルフリークです。
そもそもシザーコームとは?
シザーコームは本来バス釣り用のワームとして販売されていますが、モデルによってはロックフィッシュ専用カラーなどの海で使えるソルトモデルも用意されています。ディテールはバス釣り用のモデルと同じですが、リリースするジャッカルの中でもバス釣り以外のソルトゲームでしっかり釣果が出せるワームとして認識されているようです。
なぜシザーコームはロックフィッシュにおすすめなのか?
まずは甲斐さんにシザーコームがなぜロックフィッシュなどのソルトゲームにもおすすめなのかを聞いてみました。単純なディテールだけでは何をイミテートしているかもわからない、シザーコームの秘密に迫っていきます。
海でロックフィッシュがたくさん釣れる
甲斐さんが数多くのジャッカルのワームの中でシザーコームを積極的に海での釣りに取り入れている理由が抜群の釣果実績です。ロックフィッシュ歴が10年を超える甲斐さんですが、アイナメやクロソイなどのロックフィッシュがシザーコームだけにしか反応しないシチュエーションは過去の釣行の中でも頻繁にあったと語っていました。手のひらサイズの数釣りから、50cmを超える大型までとにかくたくさん魚が釣れるのがシザーコーム最大の魅力です。
2017年の長万部カップではシザーコームが大活躍
2017年の長万部カップでは200人を超えるアングラーが叩き尽くした海のトーナメントエリアの中でシザーコームにだけ抜群の反応があったそうです。他のワームでは魚が全く口を使わないシチュエーションを打開するためにもシザーコームは力を発揮します。
見た目のインパクトが抜群
シザーコームは見た目のインパクトが強いワームです。私も過去にソルトゲームでシザーコームを使ったことがありますが、購入したきっかけはその独特なディテールでした。甲斐さんはSNSや自身のブログなどでもロックフィッシュの釣果を頻繁に載せていますが、シザーコームを使い始めた当初はそのインパクトから大きな反響があったそうです。
サイズが細かくラインナップ
シザーコームは2.5〜6inchまでの5種類のサイズがラインナップされています。甲斐さんは主に2.5〜3.8inchまでの3種類を使うことが多いですが、ボートロックや磯などのポテンシャルの高いフィールドでは4.8〜6inchモデルでも釣果をあげることができるとおっしゃっていました。このように、釣り場や海の状況に合わせてサイズの使い分けができる点もシザーコームの特徴です。
カラーチャートが多い
シザーコームはバス釣り用に販売されているワームであるため、そのカラーチャートが非常に多いです。そのためフィールドやシチュエーションに合わせたカラーローテーションもしやすく、よりゲーム性の高いロックフィッシュを楽しむことができます。カラーチャートには、ロックフィッシュなどのターゲットを想定した海専用のソルトカラーも用意されていますが、甲斐さんはバス釣り用のカラーを積極的にソルトゲームに取り入れています。
シザーコームはどんな時期の海で使えるワーム?
ロックフィッシュではそれぞれのシーズンに合わせてワームを使い分けるアングラーも多いです。今回の取材で甲斐さんにシザーコームが活躍するシーズンを伺ったところ、なんといつでも釣れるから使える時期は絞りにくいという驚きの返答が返ってきました。サイズやカラーバリエーションを変えるなどの、それぞれの時期や魚の活性に合わせた使い方をマスターすればシザーコームを使って1年を通して海での釣果が期待できます。
甲斐さんおすすめのソルトゲームでのシザーコームのサイズ
シザーコームをロックフィッシュなどのソルトゲームで使うためのおすすめのサイズを紹介します。シザーコームを海での実釣で取り入れる時にどんなサイズを選べば良いか悩んでいる方は、使い方を知る前におすすめのサイズをチェックしましょう。
サーチベイトにおすすめの3inch
食わせ能力が高いサーチベイトとしての使い方が優秀な3inchモデル。一日の釣りをはじめる時にまず最初に使うサイズです。細身のシルエットながら適度なボリューム感があるため、魚にしっかりとワームを視認させバイトに持ち込むことができます。シザーコームをロックフィッシュで使う上で欠かせないサイズです。
食わせの切り札2.5inch
3inchで魚のポジションや活性がしっかりと確認でき、パターンがわかってきた時は食わせの切り札として2.5inchを投入しましょう。サイズ感が小さくなるためアピール力が弱まるものの、口を使いにくいナーバスな魚に対して抜群の食わせ力を発揮します。魚がいるのはわかっているけど、どうやって食わせれば良いか悩んでいる時は躊躇なく2.5inchを投入しましょう。
シザーコームのロックフィッシュでの使い方
ここでは北海道の海のロックフィッシュシーンの中でもっとも人気のターゲットといっても過言ではないアイナメを想定したソルトゲームでのシザーコームの使い方を紹介します。シザーコームをロックフィッシュやソルトゲームで使いたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
シザーコームの海での使い方のポイント
シザーコームはボディが細い独特の形状をしています。そのためオフセットフックを使ったセッティングでもワームがずれやすいため、スレッグレス性の高いリグを組み合わせることが大切です。甲斐さんは北海道や東北で絶大な支持を集めているビフテキリグとスナッグレス性の高いフリリグを軸にシザーコームを使っています。
ビフテキリグでの使い方
シザーコームのもっとも定番の使い方であるズル引き。ボトムのゴロ石やブレイクなどのストラクチャーにリグをコンタクトさせながらアイナメに対してアプローチします。ビフテキリグはズル引きの時に根掛かりするリスクが少ないため、シザーコームをズル引きするにはぴったりの使い方です。
写真はスピニングタックルのバスロッドでキャッチした40cmを超える大型のアイナメ。冬が目前に迫りなかなか口を使わないナーバスなアイナメをシザーコームの食わせ力とタイトなズル引きを組み合わせてキャッチしました。アイナメをターゲットとしたロックフィッシュにシザーコームを流用する時にはまずビフテキリグを使ったズル引きを試していただきたいです。
遠投性能もアップ
ビフテキリグは今回紹介する使い方の中ではもっとも遠投性能が高いため、シザーコームの豊富なサイズバリエーションを活かすこともできます。シンカー自体の空気抵抗が少ないため、3.8inchなどの大きめのサイズを遠投したいシチュエーションにもおすすめの使い方です。
シザーコーム+ビフテキリグに合わせるシンカーウエイト
2.5inch | 7〜14g |
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3inch | 10〜28g |
3.8inch | 17.5〜28g |
ビフテキリグを使う時は根掛かりしない絶妙なボトムタッチが釣果の鍵を握ります。甲斐さんはワームのサイズを落とすのに合わせて、シンカーのウエイトを軽くすることで、ボトムタッチのアクションをよりナチュラルに引き出せるように工夫しています。
シザーコーム+ビフテキリグのタックル情報
シザーコームとビフテキリグの組み合わせで海のロックフィッシュを実釣した時のタックルをご紹介します。
フリリグでの使い方
根掛かりの多いフィールドにアプローチする時はよりスナッグレス性能を高めたフリリグ(フリーリグ)がおすすめです。ワームがフリーになる時間を長く作ることができるため、シザーコームが持つナチュラルなアクションを活かすこともできます。また、ベイトタックルなどを使ってフリーフォールでアプローチしたい時にも相性が良いです。
室蘭の海で行った取材の中ではベイトタックルとフリリグを組み合わせたセッティングで50cmに迫る大型のアイナメもキャッチしています。ベイトタックルではフロロカーボンラインを使えるため、ラインの高比重を活かしてボトムやストラクチャーに対してよりタイトにアプローチすることができます。アイナメの活性がシビアな状況ではフリリグの特徴を活かし、ボトムからリグを離しすぎないように丁寧にアプローチすることが大切です。
シザーコーム+フリリグに合わせるシンカーウエイト
2.5inch | 7〜21g |
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3inch | 10〜28g |
3.8inch | 14〜28g |
フリリグはビフテキに比べると根掛かりの回避性能が高いため、重めのウエイトを組み合わせることができます。特に取材でのアイナメのようなボトムやストラクチャーにタイトについている個体には、14g以上のシンカーを使いタイトにアプローチすることが大切です。ビフテキと比べるとボトムで転がりにくいことから、重めのウエイトを使ったステイアクションなども効果的です。
シザーコーム+フリリグのタックル情報
シザーコームとフリリグの組み合わせで海のロックフィッシュを実釣した時のタックルをご紹介します。
シザーコームの海での使い方の注意点
シザーコームを実釣でたくさん使ってきた甲斐さんにはあえて、シザーコームのデメリットや使う時の注意点も聞いておきました。どんなシーズンでも活躍するシザーコームですが、繊細なワームならではの欠点もあるようです。
魚の反応が多い故のデメリット
シザーコームはとにかく、魚からの反応が出やすいワームです。特にロックフィッシュでは魚がついばむようにバイトしていることも多いため、パーツの一部がちぎれてしまうことも珍しくありません。甲斐さんはシザーコームを使う時はストックを車やタックルバッグにしっかりと用意し、ワームがなくならないように多めに用意しているそうです。
フック選びが大切
食わせの切り札として甲斐さんが愛用する2.5inch。小さめのサイズ感と細身のシルエットであるため合わせるオフセットフックが見つかりにくい欠点があります。甲斐さんのおすすめは「がまかつ セオライズ WG-L #8」。PEラインがメインのロックフィッシュでは小さく柔らかいフックではフックが曲がってしまうことがあります。セオライズは小さめのサイズ感ながら硬度が高いため、フッキングでのバラシを最小限に抑えることができます。小型のオフセットフックはロックフィッシュが盛んな北海道や東北では取り扱いが少ないため、2.5inchを使いたい方は海への釣行の前に必ず用意しておきましょう。
海釣りでおすすめのシザーコームはズバリ
シザーコームのソルトゲームでの使い方を見てきました。これまで海でシザーコームを使ったことがなかったアングラーの方もソルトゲームやロックフィッシュで使ってみたいと思ってしまいますよね。最後に甲斐さんが実釣の中で感じたシザーコームのおすすめカラーを紹介していきます。シザーコームをソルトゲームに取り入れようと考えている方はぜひ参考にしてください。
非透過系は大定番コーラカラー
甲斐さんが長万部カップを優勝した時に使ったウイニングカラー。他のカラーでは反応がないシチュエーションでもコーラにだけ反応することは度々あるそうです。特に濁りが入ったシチュエーションでもシルエットがはっきりと出やすいため、サーチとして最初に投入するのがおすすめです。また、ロックフィッシュがつきやすい昆布などの根やボトムのカラーにも馴染みやすいためスレにくく食わせ力の高いカラーとしても力を発揮します。
透過系のグラスギル
その名の通りギルをモチーフにしたカラーですが、ウォーターメロンにラメが入った定番カラーとして活躍します。通常のウォーターメロン系に比べるとアピール力が高く、海水が濁ったシチュエーションなどにもぴったりです。通年で活躍するカラーであるため、コーラと一緒に最初に用意しておきたいおすすめアイテムです。
渋い時期の秘密兵器カワシマシュリンプ
シナモン系のクリアカラーとしてリリースされているカワシマシュリンプ。甲斐さんのおすすめカラーの中では食いが渋いシチュエーションに強く、ロックフィッシュの活性が落ちる夏の海などに活躍します。ソルトゲームでは水温の上昇で魚の活性が下がる夏枯れは様々な魚種に訪れます。夏のシザーコームのカラーセレクトに迷っている方は迷わずカワシマシュリンプを選びましょう。
海でのシザーコームの使い方をマスターしてシビアな状況を打開しよう!
今回はシザーコームのソルトゲームでの使い方として、北海道の海でロックフィッシュを楽しむジャッカルフリークと一緒に様々な使い方を見ていきました。取材の中では実際にシザーコームを使って魚をキャッチしていただきましたが、数時間で1回しかバイトが出ないシビアな状況でもしっかりとアイナメをキャッチしました。ロックフィッシュなどのソルトゲームで、シザーコームを使いたいと考えている方はシビアな状況を打開する切り札として導入してみてはいかがでしょうか。
マナーを守った大人のルアーフィッシング
漁港など海でルアーフィッシングを楽しむ方は必ず安全のためにライフジャケットを着用しましょう。立ち入り禁止区域や漁業の邪魔になるエリアでの釣りは避け、マナーを守った釣りを徹底しましょう。ロックフィッシュが楽しめる貴重なフィールドを減らさないためにも釣り人の小さな心がけは大切です。
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