※3本針仕掛けにする場合は、二つ目のトリプルサルカンの先にもう一本幹糸を結ぶ(一本目の幹糸と同じ長さ)。
慣れれば現場でも10分かからずに仕掛けが作れるようになります。簡単で安価に仕掛けが作れますので、是非自作の胴突き仕掛けでカワハギの投げ釣りに挑戦しましょう。
カワハギの投げ釣りの胴突き仕掛けを投入すべきポイントは、多くのロックフィッシュを狙う場合とほとんど同じですが、より藻場や岩のキワに近いところを好みますので、離れ岩のキワギリギリを狙うことになります。キャストしたら、素早くラインスラックを取ったら、すかさず仕掛を2~3回小さく振って誘いをかけ、アタリを待ちます。胴突き仕掛けの場合は、水中でハリスがゆらゆら揺れますので、あまり頻繁に仕掛けを動かして誘いをかける必要はありません。
また、カワハギが居ればすぐにエサに興味を示し、小さく鋭いカワハギ独特のアタリが出ますので、全身を研ぎ澄ませて感じ取りましょう。カワハギ用のハゲ針を使用している場合は、早アワセOKです。カワハギはホバリングしながら、一度エサを吸い込んで、すぐに吐き出し、また吸い込んで、また吐き出し...を繰り返しながら巧みに捕食しますので、先端がわずかに折れ曲がったハゲ針が、口先に針先を掛けるのに向いています。怪しいと思ったら一度聞きアワセをして、食っていなければ1~2回竿を振ってみると直後にググッと食い込んでくることもあります。そうなったらすかさずアワセましょう。
カワハギ釣りの定番の特効餌として、アサリのむき身があまりにも有名ですが、投げ釣りの力には残念ながら耐えられません。したがって、エサは青イソメを使います。匂いの強い岩イソメが最も良いとは思いますが、青イソメでも十分です。ポイントは、頭の固い部分(2本のアゴの部分)をハサミで切り落とすことと、タラシを長くしすぎないことです。タラシは1cm未満にし、なるべく細いものを使うことです。その他のエサとしては、サンマやサバの切り身(あらかじめ塩締めしたものを小さく切っておくと針持が良いです)、シラサエビ、イカをサイの目状(5mm角程度)に切ったものなども使えます。
カワハギの胴突き投げ釣りは、もちろんカワハギを狙う釣りではありますが、本命以外にも様々な豪華ゲストが期待できるのも魅力です。ウマヅラハギやウスバハギといった近縁種から、カサゴ、ソイ、メバル、アイナメなどの定番ゲストを筆頭に、マハタ、キジハタ、オオモンハタなどのハタ類、シーバス、フエダイ、ブダイ、コショウダイ、メジナ、クロダイ、イシダイ、はたまた回遊青物の誤爆等々、嬉しいゲストも数多く釣れます(実際はベラ、フグがほとんどなのはご愛敬!)。カワハギよりゲストの活性の方が高い時は針を丸セイゴなどに交換し、幹糸やハリスもひとまわり太いものに付け替えて、軸足を「磯五目胴突き投げ釣り」にシフトしてしまうのも手です。
地磯から胴突き仕掛けを投げる釣りは、プロアングラーの村越正海氏が提唱し、数々のフィールドを釣り歩いてその魅力を紹介して来た、「キャスティズム」と言われる比較的新しい釣りジャンルのひとつです。「投げ釣り」の可能性を自由気ままに追い求めるというコンセプトで、現在も様々なフィールドで様々な投げ釣りのメソッドを提案し続けています。
従来、地磯では根掛かりがきついため、メジナやクロダイのフカセ釣りがメインの釣法で、投げ釣りは一部の石物師(イシダイ、イシガキダイ狙いの人達)がぶっこみ釣りをする程度でしたが、近年は青物狙いのカゴ投げ師や、エギンガー、ショアジギンガーなど、キャストフィッシングを楽しむアングラーが増えてきています。そして、こうしたアングラーたちは、メソッドを開発し、これまでショアから釣ることが難しかったターゲットを続々と新しい釣りのジャンルに育てています。
こうしたムーブメントが起こることこそが「キャスティズム」の狙いであり、村越正海氏の面目躍如といったところでしょうか。カワハギの胴突き投げ釣りは、「キャスティズム」の醍醐味を味わうには最高のメソッドであるといえます。
この記事を書いた人
合わせてよく読まれる記事
「投げ釣り」関連の記事
新着記事