カレイの投げ釣りに使用する仕掛けは、市販のものをまとめて買っておくことをおすすめします。もちろん、自作できる方は自作したほうが良いでしょうが、ラインを撚って砂ズリをつけたり、エダスを出したり、意外と手間がかかります。市販のカレイ仕掛けが便利です。2本針タイプ、3本針タイプがありますが、2本針タイプで十分です。カレイは基本、一荷(複数匹釣れること)はありません。片方は見せるため、片方は食わせるための2本針タイプが扱いやすくおすすめです。針は原則、流線針を選びます。カレイは口にフッキングさせるというより、針を飲ませて喉の奥に掛けます。そのため、針はフトコロの細いタイプを選びます。幹糸4〜5号、ハリス3〜4号、流線型針11号〜14号の2本針が標準的な仕掛けです。
カレイの投げ釣りは、ゆっくりサビキながら、動きの遅いカレイの鼻先に餌がちらつくように持って行く釣りです。置き竿でアタリを待つ時間も多いため、三脚がないとキツイです。特に竿を2本以上出す場合は三脚は必須です。
厳冬期のカレイの投げ釣りは風との闘いです。竿を掛ける三脚ごと風に飛ばされることも少なくありません。そんな風対策で、三脚の本体台座には必ず下向きにフックがついています。ここに水を入れた水くみバケツなど、重りになるものを掛けて、三脚を安定させます。水くみバケツでなくても、フックに掛けられて重りになるものであれば代用出来ますが、手を洗える水くみバケツがとにかく便利です。
カレイ釣りにコレがないとかなり苦戦を強いられます。カレイは針を飲ませて釣る魚であり、口が小さいため指を入れて針を外すこともできません。都度ハリスを切ってしまっては手返しも悪くて釣りになりません。針はずしは予備を含めて必ず2個以上携行しましょう。尚、カレイの喉は非常に狭く、フッキングする場所も奥深い場所になるため、プライヤーでは針は外せません。必ず針はずしを用意してください。
カレイを投げ釣りする際の攻略ポイントを説明します。カレイは潮通しがよく変化に富む地形を好みます。また、砂底と言うよりは泥分を多く含む砂泥底を好みます。そのため、シロギスが好む、キレイな砂浜よりは、漁港や埋立地など、大量の砂泥を投入し人工的に作られた場所の方が多く生息しています。最もカレイが好む場所が、港の出入り口に当たる船道に出来る、駆け上がりの傾斜地です。はじめての場所ではなかなか見極めるのは難しいので、地元の釣具店でポイントを訊くのが一番良いかも知れません。
あとは、狙いをつけたポイントよりわずかに遠くへ仕掛けを投入します。カレイは積極的にエサを求めて泳ぎ回ることはしませんので、カレイの居場所の近くに仕掛けを引いて行ってやらなければなりません。カレイの投げ釣りで飛距離が大事である理由がコレです。
カレイの投げ釣りに使用するエサは、虫エサで決まりです。嗜好性でいえば、コガネムシという特効餌があるのですが、高価であり、入手性もあまり良くないため、見つけたらラッキーとばかりに買って現地入りするくらいのエサです。普段は青イソメで十分です。但し条件があります。「できる限り太く」「できる限り活きの良い」青イソメを「潤沢に」用意します。青イソメは単価が安く、どこでも入手出来ます。太いものはそう簡単には入手出来ないかも知れませんが、単価の安さに任せて潤沢に用意しましょう。
針には2〜3本を房掛けしてアピールさせますので、2本針仕掛けでも1投あたり4本〜6本のイソメを使います。活きが悪くなり白く伸びてしまう前にドンドン新しいイソメに交換します。カレイの投げ釣りでボウズに終わる人の大半は「エサをケチる」のが原因です。資金に余裕がある人は、青イソメと岩イソメを1本ずつ房掛けにすれば、岩イソメの匂いと青イソメの動きの両方でアピールできるため、カレイの寄りをさらに期待できます。小さくちぎれた餌にはカレイは寄ってきません。
カレイのアタリはかなり特徴的で、いくつかパターンがあります。他の魚のアタリとは全く異なり、だいたいアタリは1回です。
この4つが代表的なアタリです。カレイはエサに最初に食いついたあとは基本居食いをするため、大きなアタリは最初だけということが必然的に多くなります。しかし、慌ててアワセるのは禁物です。カレイは針を飲ませて喉の奥にフッキングさせなければならないため、じっくり待ち、餌を食わせます。この時、聞きアワセをしても良いでしょう。
重みを感じたら、ロッドを大きく強く1回シャクり、確実にフッキングさせます。カレイの喉は硬いので、フッキングが甘いと、水中を引いている時は寄せられても、水面から顔を出して空気を吸わせるあたりでかなりの確率でバラしてしまいます。筆者も何度もキャッチ直前で悔しい思いをしています。サーフの場合は波打ち際の寄せ波でバラすことがほとんどですので、確実にフッキングさせましょう。
もちろん場所にもよるでしょうが、私の地元の東京湾、相模湾界隈は特にカレイの投げ釣りは年々難しくなっている気がします。考えられる理由は、夏場の高水温化です。高水温の時期が秋の終わり頃まで長く続くことで、カレイの接岸が遅れ、そのため、例年はかなり長い期間ズルズルと続いていた産卵期がある時期に集中するようになり、産卵後は体力を回復したらとっとと沖に戻ってしまうというサイクルになっているのかななんて思っています。結果として、ベストシーズンが短くなってしまい、釣るのが難しく感じているのではないかと思っています。
しかし一方で、隔年でカレイの湧きが良かったり悪かったりするとも聞きます。「もう、カレイは絶滅したのかな?」と言う声を聞くことがある一方、「今年はゴールデンウイークが明けてもカレイがたくさん釣れた」という話も聞きます。真相は神のみぞ知るといったところでしょうか? こんなミステリアスなところも、カレイの投げ釣りの魅力なんだと思います。
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