「エア」の名に相応しい、最軽量高感度エギング専用機。刮目してラインに集中せよ!
ダイワのエギング専用リールのフラッグシップモデル、21エメラルダスエアシリーズの中でも、最軽量の「フィネスカスタムモデル」、エメラルダス エア FC LT2500Sは、2021年6月現在、エギング専用リールとしては最軽量、最高剛性、最高感度のスペックを誇るモデルです。エメラルダス エア FC LT2500Sは、ベースモデルである20ルビアスの基本性能の高さに加え、ベアリングの追加、ラインローラーのマグシールド化、専用のエメラルダスカラーによる強烈なアイデンティフィケーションを施したカスタムモデルです。
ベースモデルは20ルビアス
ベースモデルの20ルビアスは、そのボディに、ダイワのカーボン長繊維強化樹脂である「ZAION」モノコックボディを採用した初のモデルとなります。モノコックボディはアルミ合金やマグネシウム合金など、金属の鋳造で作るものでした、しかし、20ルビアスで、CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)を高温高圧で射出成型することにより、モノコックボディ化することに成功しました。モノコックボディは、中に収納するギアやパーツ類の最適配置が可能になり、さらにパーツを固定するビスも必要なくなります。そのため、そのビスを打つスペース分、ギアの径を大きく出来ます。これにより、より強く軽い巻きを実現し、高感度化にも成功しました。
その20ルビアスから、21エメラルダス エア FC LT2500Sへのカスタムチューンは、具体的には、ボールベアリングの追加(9個→12個)、ラインローラーのベアリングをマグシールド化、ハンドルノブをHG-Iライト型から、咄嗟のときに握りやすいEVAパワーラウンド型に変更した上でさらにボールベアリングを2個追加し、ガタや異音を一切許さないセッティングに仕上げています。
21エメラルダス エア FC LT2500Sの基本スペック
では、21エメラルダス エア FC LT2500Sの基本スペックを見て行きましょう。ギア比は5.1、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは72cm、巻きの軽さと巻きパワー、及び感度を重視したノーマルギア設定です。モノコックボディの利点である、パーツマウントスペースの効率化により、大口径ドライブギアを搭載出来るため、マルチピースボディ機よりもさらにパワフルな巻きトルクを発生します。ドラグは、最大釣力3kgの高性能ATD(オートマチックドラグシステム)を装備、イカとの対決のために、常用域を緩めに調整しやすいドラグになっています。
ラインキャパは、ナイロン4lbで150m、5lbで120m、6lbで100m、PE0.6号で200m、0.8号で190m、1号で140mとなっていますが、使用するメインラインは感度最優先なので、PE0.6号若しくは0.8号で決まりでしょう。その場合、ティップランエギングやイカメタルなど、オフショアの深場狙いでもしない限り、オールPEライン巻きは勿体ないので、必ず下糸を巻きましょう。PEラインは100mも巻いておけば事足りるでしょう。先端にフロロカーボンリーダーを1.5mほど結ぶ事をお忘れなく。サイズは場所により異なりますが、万能なのは12lb〜16lbです。
自重はエギング専用リール最軽量の160g!
21エメラルダス エア FC LT2500Sの自重は、エギング専用を謳う各社のリールの中で最軽量の160gです。ベースモデルの20ルビアス FC LT2500Sの自重がそもそも155gと超軽量なのですが、ベアリングの追加やハンドルノブの変更などのカスタムチューンを行っても+5gに抑えているところは、エメラルダス エア開発陣のこだわりを感じます。
目的はただひとつ、「イカを獲るため」に、ダイワの最軽量エギングロッド「エメラルダス AIR AGSシリーズ」と、極細PEラインを使用する前提で、タックル全体で感度を最重要視した商品開発をしていることが読み取れます。当然、アングラーも開発陣の想いを汲んで、ロッドもエメラルダス AIR AGSシリーズと合わせたいですね。
ダブルハンドルかシングルハンドルか?
エギング専用リールは、ダブルハンドルのリールが多いです。ダブルハンドルのメリットとしては、ラインの僅かな動きに集中していて、スーッとラインが動いたとき、ラインの動きを凝視したまま手元を見ずにハンドルを掴む時に、掴みシロが2つあった方が掴める確率が高いこと、また、ハンドルがどの位置にあっても、重量バランスが変わらないため、勝手にハンドルが回らないこと、相対的にハンドルバーの半径がシングルハンドルより短くなるため、いわゆる等速巻きがやりやすく、ハンドルをピタリと止めたいときに止まるといったメリットがあります。
しかし、デメリットがないわけではありません。当然重量の点では不利になります。また、特に厚着をしている冬季の場合、または、もこもこのフローティングベストを着ている場合などは、握っていない側のハンドルノブが袖口や前身頃に当たってしまうことがあります。小さなことですが、意外とストレスになります。あとは好みの問題だと思いますが、私はシングルハンドル派です。
ライバル機はシマノ・セフィア CI4+ C3000S
21エメラルダス エア FC LT2500Sのライバル機種は、シマノ・セフィア CI4+ C3000Sとなります。こちらもシマノのエギング専用リールのフラッグシップ機として人気を二分しているモデルです。この2モデルの一番の違いはボディー構造です。エメラルダス エアはZAIONモノコックボディ、セフィア CI4+は、CI4+製マルチピースボディとなっています。
ここだけを見れば、「ボディ剛性」はエメラルダスの方が上と言えるでしょう。ギア比およびギア材質はほぼ同スペックですので、巻きのトルクや巻きの滑らかさはほぼ変わりません。ドラグについては、両者フィーリングがかなり異なります。エメラルダス エアは、エギング用に緩めの設定がやりやすく、イカのパワーに応じて臨機応変にドラグ力をコントロールするATD(オートマチックドラグ)に対し、セフィア CI4+のドラグは、アングラーが能動的、瞬間的にドラグ力を調整しやすい、ラピッドファイアドラグが装備されています。また、スプールを、メインシャフトのスプール受け部とスプール裏に埋め込んだ2個のベアリングで強固に固定し、ドラグの軸ズレを起こさず、さらにラインの滑り出しを軽く滑らかにする、リジッドサポートドラグとなっています。
ターゲットがキロオーバーの大きなイカの場合は、セフィア CI4+のドラグシステムの方が攻撃的なファイトをしやすいでしょう。「軽さ」の部分では、エメラルダス エア FC LT2500Sが160g、セフィア CI4+ C3000Sは185gと、25gの差がありますが、ここはフィネスカスタムモデルに分があります。
感度最優先で、夜釣りに特におすすめのフィネスカスタムモデル!
エメラルダス エア FC LT2500Sは、比類なき小型軽量高感度のエギング専用リールです。目から情報を得にくい、早暁、薄暮、或いはさらに目からの情報入手が厳しくなる夜エギングに強くおすすめします。2.5号或いは3号の小型エギをキャストし、小さめのアクションでエギの水中での動きを極細ラインを指で触りながら敏感に察知し、わずかな違和感を覚えたらすかさずアワセを入れ、次々とイカを掛けて行くという、センシティブなエギングに向いているモデルと言えます。