イシモチ釣りは夏の夜釣りがおすすめ!堤防から狙う仕掛けも解説!

作成:2022.05.25更新:2022.05.25

私が子供だった頃(40年ほど前)は、地元東京湾岸でも相模湾岸でも、初夏から秋の終わりにかけて、ショアからの投げ釣りでイシモチがたくさん釣れました。雨が降ったあとなどで、海水に濁りが入っているような日に、砂泥底の堤防やサーフから50mも投げれば、20cm〜30cm程度のイシモチが比較的簡単に釣れたものです。

最近は、沖に出ればショアから釣れるものよりも型の良いものが昔と同じく比較的手軽に釣れますが、ショアからの投げ釣りは非常に難しくなってしまった感があります。

しかし、ショアからイシモチを数釣りする方法がないわけではありません。最も効果的なのが「夜釣り」です。夜釣りでは、日中の釣りとは全く異なる様相を呈し、釣れる魚も異なります。魚の警戒心も薄れ、同じ場所でのデイゲームよりも釣果も良くなる傾向があります。

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イシモチの生態

イシモチは青森県以南の世界各地の暖海の沿岸に生息しています。水深15m〜50mの比較的浅い場所の砂泥底に群れを作って生活し、砂泥中のイソメ類や甲殻類を食べています。やや魚食性もあります。産卵期は5月〜7月頃で、若魚は水深2m程度の浅場にまで接岸し、旺盛に餌を食べて成長します。

イシモチと言う名称は俗称です。こめかみにあたる部分に、平衡感覚を司る大きな白い石(耳石)を2つ持っているためイシモチといわれますが、正式にはシログチといいます。釣り上げられると、浮き袋を震わせてギーギー鳴きます。これが、愚痴をこぼしているように聞こえることからグチと呼ぶようになったと言われています。

因みに、スズキ目ニベ科の魚には、ニベ属、ホンニベ属、クログチ属、シログチ属など、詳細に分かれているのですが、ここでは特に区別せず、「イシモチ」と称します。

イシモチは通常は40cm程度まで成長しますが、稀に60cmを超える個体も見られます。近縁種のオオニベは、1mを超え、宮崎県や高知県などではサーフからの怪魚釣りのターゲットとして人気です。

シロギス狙いのついでに狙うのは難しい

生息域がシロギスと似通ったところになるイシモチは、シロギス狙いの際についでに狙える嬉しいゲストと思うかもしれませんが、なかなかそうはうまく行きません。生息域は重なるのですが、活性が上がる条件がシロギスとイシモチでは全く異なるためです。

シロギスは、澄んだ水を好み、泥質の少ない砂地を好みます。そして、荒れた海は好まず、活動は主に日の出から日の入りまでの日中です。対してイシモチは、濁りが入った水を好み、完全な砂地よりも多少泥質が交じる場所を好み、凪を好みません。そして、イシモチは夜行性で、日中釣れないことはありませんが、活動は夜間が中心ですので、夜釣りが有利です。

日中の釣りと夜釣りの違い

日中の釣りと夜釣りは、同じ装備で行うことはできません。夜釣りは基本、明かりがない場所で行うことがほとんどです。整備された漁港や24時間稼働の工場周辺などは常夜灯がある場所もありますが、サーフや小規模の堤防などには全く明かりがなく、日没以降は漆黒の闇であることが殆です。こういう場所で釣りをするということは、様々な危険が伴います。

ヘッドライトは必須

最低限、ヘッドライトがないと現地入りも出来ません。必ず2つ持ち込みます。一つが壊れたときの予備という意味合いは勿論ですが、2つ同時に使うケースも多いためです。一つはヘッドライトとして頭に装着しておき、もうひとつは荷物をまとめている周辺を照らしたり、手元を照らしたりできるようにしておくと何かと便利です。キャンプ用のランタンなどがあれば、ランタンを釣り座の周辺に置いておけば良いでしょう。

ただし、海面を照らしたり、他人の釣り座を照らしたりするのはマナー違反ですので、光をむやみに動かさないようにして、決まった場所だけ必要最小限で照らすよう工夫します。ヘッドライトは頭が動くたびに照らされる場所が変わりますので注意が必要です。

また、場所によって、車が直付けできる場所などでは、エンジンをかけたまま車のヘッドライトを使っている人も見かけますが、これは迷惑極まりない行為と知るべきです。発電機を持ち込んで灯火類を動作させている人も見かけます。これも、発電機の動作音が大変な迷惑となますので控えるべきです。

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予備バッテリーがないと即ゲームオーバー!

ヘッドライトにしてもランタンにしても、夜釣りでは万が一バッテリーが切れたりすると即ゲームオーバーになりますので、予備の電池をお忘れなく。充電式ライトの場合はモバイルバッテリーも必要です。乾電池の場合も充電池の場合も、長い間放置していると自然放電してしまい、いざという時に持続時間が極端に短かったりすることがありますので、バッテリーチェッカーがあると安心です。

荷物を広げすぎない

夜の釣りはただでさえ光の少ない環境で行いますので、荷物をあちこちに広げてしまうと、高確率で納竿時の片づけ忘れが発生します。小型のレジャーシートなどを敷き、その範囲だけで荷物を広げるようにしておけば、片づける際に便利です。また、小物はトレイのような容器にまとめておいておけば、紛失するリスクは大幅に軽減されます。また、暗いところではどうしても荷物を蹴倒したり、踏んでしまったりするリスクがありますので、歩く際は足元をライトで照らしましょう。

イシモチの夜釣り用タックルについて

イシモチの夜釣り用の仕掛けは、日中の投げ釣り仕掛けよりもひとまわりサイズアップした仕掛けで臨みましょう。日中の投げ釣りよりもイシモチのサイズが大きいものが釣れやすいことと、夜釣りでは日中には釣れにくい夜行性の大型魚がかかる可能性が高いからです。イシモチと生息域や食性が被るアナゴは特にイシモチの夜釣りをしていると掛かります。丸々と太った80cm程度のアナゴはかなりのパワーがあります。他にフッコ、タチウオ、ヒラメなどがかかることもあります。

ロッド

ロッドは、25号~30号がフルキャストできる投げ竿を用意します。イシモチのアタリは強烈で、ガツンと餌に食いつきますので、ロッドの感度はあまり気にする必要はありません。イシモチの強烈な引き堪能するには、やや柔らかめのロッドが良いでしょう。長さは4m前後が扱いやすいです。

イシモチは群れを作り生息していることが多く、一荷(一つの仕掛けで複数釣れること)でかかることもあります。イシモチやアナゴの一荷をランディングさせるにはかなりのパワーが必要です。

リール

リールは大型のサーフキャストリールでも良いですし、パワーのある汎用スピニングリールの4000番程度でも良いです。メインラインはPE1号~2号を150m程度巻ければよいでしょう。メインラインの先にはナイロン力糸3号→12号前後を必ず結んでおきましょう。PE力糸は高価なので、敢えて使用する必要はありません。

仕掛け

イシモチをメインに、効率よく数を稼ぎたいと思う方は胴突き投げ仕掛けを、同時にアナゴも狙いたい方は吹き流し式の投げ釣り仕掛けをおすすめします。胴突き投げ仕掛けは、仕掛けの一番下にオモリが付いており、幹糸からエダスを出し、エダスの先に針が付いている仕掛けで、吹き流し式仕掛けは、天秤のアームの先に仕掛けが接続されている、いわゆる通常の投げ釣り仕掛けです。両者の違いは、アタリを待っている際に、針が海底についているか、浮いているかの違いです。

イシモチは海底をつつくような摂餌行動もとりますが、海底付近を浮いて漂っている餌の方が反応が良いです。アナゴは完全な底棲魚で、海底にいる餌を捕食します。夏の夜釣りの風物詩と言えるアナゴも狙いながらイシモチを狙うのは魅力的です。竿を2本出せるなら、胴突き投げ仕掛け1本、吹き流し式投げ仕掛け1本を出したいです。

1本しか出せない場合は、アナゴも狙いたければ吹き流し式仕掛け、イシモチメインで狙うなら胴突き投げ仕掛けを使いましょう。餌はイシモチに最も効くイワイソメをメインに、アナゴや他の大型魚を狙う場合は、イカ短や魚の切り身などを併用すると良いでしょう。

イシモチの夜釣り、狙い目と釣り方

イシモチの夜釣りの場合の狙い目は基本的には日中と同じです。すなわち、砂泥底で、海底に波が作った、横方向に盛り上がっている場所(ヨブといいます)や離岸流によって海底が縦方向に抉られた場所(スリットといいます)、ブレイク(水深が急に変わるところ)、カケアガリなどの変化のあるところを狙いますが、夜釣りですのでほとんどポイントは見えません。

従って、フルキャストして着水点から仕掛けをゆっくり引き、仕掛けの重さが急に変わるところ(地形の変化点)を広範囲に探してアタリを待ちます。夜釣りでは、イシモチの警戒心も薄れ、餌を求めて活発に泳ぎ回っていますので、置き竿で待っていても良いですが、ロッドを少し小突いたりして誘いを掛けるのも効果的です。

また、イシモチは、日中はボトム付近にいることが多いのですが、夜釣りの場合はボトムから中層付近まで、広いレンジを泳いでいますので、縦方向も広く狙いましょう。

早アワセは厳禁、じっくり待て!

イシモチはタイミングを見計らってシビアなアワセを入れる必要はありません。「向こう合わせ」と言って、魚が十分食い込んで、針に勝手にかかり、竿先が十分曲がるまでじっくり待ちましょう。早アワセは厳禁です。

理由は、イシモチの摂餌の方法にあります。イシモチは餌を見つけると素早くアタックしてきますが、はじめは餌の端に食い付き、違和感がないかどうか確認します。ここでいくらアワセを入れてもフッキングは出来ません。2回、3回とアタックして、異常がないのを確認してはじめてしっかり食い込みます。

イシモチのアタリは、最初から「ガツン!」と大きく、ロッドの穂先がグンと動くため、思わず大アワセを入れてしまいがちなのですが、ここはグッと堪えて、キチンと食い込み、ロッドが大きく曲がるのを待ちましょう。

十分食い込んだのを確認したら、ロッドを一度大きくあおり、フッキングを確実にさせましょう。イシモチのファイトは、サイズに似合わず強烈です。十分に食い込ませていれば、フックオフすることはあまりありませんが、イシモチのファイトでハリス切れを起こすことがありますので、できる限り一定のテンションと一定のスピードでリールを巻きましょう。強く抵抗しているときは強引にリーリングせず、テンションを緩めずに、おとなしくなるまでその場でステイしましょう。

一度釣れたポイントは何度も攻めるべし!

イシモチは、数十匹単位で群れを作っていることが多いので、一度釣れたポイントは何度もしつこく攻略しましょう。そもそもイシモチが溜まりやすいポイントは、地形の変化がある場所や、周囲より水温が高い場所がほとんどであり、そういうところには餌となる生き物も溜まりやすい特徴があります。イシモチの溜まり場を見つけたら、かなりの確率で数釣りができます。夜明けまでの勝負ですので、効率よく数を稼ぎましょう。

イシモチの夜釣りで釣れるゲストたち

イシモチの夜釣りというよりは、堤防などから夏ね夜の投げ釣りを行う際のゲストについて、簡単に触れておきます。

夜釣りでは、日中の釣りで釣れるゲストとは異なる、夜行性の魚がたくさん釣れます。中には毒魚など、危険な魚も日中の釣りよりも多いため注意が必要です。

アナゴ

アナゴは個人的に大変嬉しいゲストです。特にまるまる太った大型のアナゴは釣り味も食味も最高です。ただし、釣れたらかなりの確率で仕掛けをめちゃくちゃにされてしまうのが玉に瑕です。

スズキ(フッコ/セイゴ)

ベイエリアや河口部で夜の投げ釣りをしているとかかることがあります。特に初夏の新月の夜はバチ抜け(イソメ類の集団産卵)が起こる時は多くかかります。

タチウオ

水深のある堤防からの投げ釣りをしているとかかることがあります。特に餌に魚の切り身を使っているときに多いです。歯が非常に鋭いので、ワイヤーハリスなど対策が必須で、イシモチ仕掛けにタチウオがかかってしまうとひとたまりもありません。

ウツボ

岩礁地帯が近い場所で夜の投げ釣りをやっているとかかることがあります。ウツボも非常に歯が鋭く、顎の力も強いため非常に危険です。針を外す際には防護手袋が必須です。

アカエイ

アカエイは砂泥底の高水温域を好み、水深数cmの波打ち際まで接近してくることがある危険な魚です。尻尾の付け根に鈎状の毒針があり、踏み抜いてしまったりすると病院で皮膚を切開して抜いてもらわなれればならない厄介な魚です。毒針には絶対に触れないようにしましょう。

小型のサメ類

ネコザメやドチザメなど、小型のサメも、湾内で投げ釣りをしていると昼夜問わずかかります。特に危険なサメではありませんが、特に食べて旨い魚でもないので、リリースしてあげましょう。

日中では味わえない夜釣りのスリルを存分に味わおう!

夜釣りは、完全な昼行性の魚以外は、すべからく活性が高く、イシモチやアナゴなどの他、アジやイカなども釣れる可能性があり、日中の釣りよりも多くの魚種が釣れます。

その代わり、毒魚等の危険魚も多く、さらに暗い環境での釣りのため、安全には細心の注意が必要です。

きちんと安全対策ができていれば、日中では味わえないスリルが味わえるでしょう。特に夏場は日中の灼熱の釣りとは違って、太陽がないため、比較的が快適な釣りとなること請け合いです。夏の夜の納涼釣り、おすすめです!

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この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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