カレイの投げ釣り仕掛けは、投げ釣りに革命をもたらしたジェット天秤でぶっ飛ばせ!

作成:2022.01.31更新:2022.01.31

サーフや堤防などからの本気の投げ釣りは、季節に関係なく非常にエキサイティングな釣りです。足元から数十mの範囲を探るちょい投げ釣りとは全く異なり、大海原に向かって己の知力と体力、そしてタックルの力をフルに使って、1mでも遠くに仕掛けを飛ばし、広範囲を探ることが勝利への近道です

その距離は最低でも4色(100m)、できれば6色(150m)を目指したいです。シロギスのトーナメンターにもなると、8色〜9色(200m〜225m)は飛ばします。もっとも、200m以上飛ばすには、投げ釣り専用のロッドと大型のサーフキャストリール、極細のPEライン(0.4号〜0.6号)が必要で、かつ、ロッドの特性を利用し、ロッドが曲がって戻る際のばねの力に仕掛けを乗せてフルキャストできるという条件がつきますが。

今回は、カレイの投げ釣りにスポットをあて、仕掛けを遠くに飛ばすためのノウハウについて説明していきたいと思います。

カレイの投げ釣りのシーズン

カレイの投げ釣りのシーズンは年に2回やってきます。最初のシーズンは3月〜5月頃。これは、産卵を終えたカレイが夏の深場落ちの前に浅場で荒食いして体力を回復する時期、もう一つのシーズンが、産卵準備の為、浅場に接岸して荒食いする10月〜12月頃です。産卵期である12月下旬頃〜2月頃は一時的に食いが悪くなりますが、それでも最もショアに近いところにいますので、チャンスです。それでも、成熟した個体は足元周辺のちょい投げで釣れるような相手ではありません。やはり100m以遠の攻防戦になるケースがほとんどです。そのため、1mでも遠くに仕掛けを飛ばす必要があるのです。

仕掛けを遠くに飛ばすために必要な力

投げ釣りの「キャスト」は、ただただ力任せにロッドを振れば遠くに飛ぶわけではありません。自身の身体から発生する力に加え、ロッドから発生する力、ラインから発生する力、シンカーから発生する力など、さまざまな力を借りて、仕掛けにかかる力を極限まで増幅させて飛ばさなければなりません。以下、実際にキャストにはどんな力が働いているのか解説します。

旋回力

旋回力は、アングラーが直接ロッドに入力する力です。アングラーを中心として、ロッドが背後から動き出し、円を描いて前に向かって回転する力です。この力は、ロッドの長さが長い方が、ロッド先端部のスピードが速いため、理論上はロッドは長ければ長いほど仕掛けにかけられるパワーは大きくなります。ただし、長すぎるロッドは人間は思い切り振れませんので、ロッド長は3.9m~4.5mあたりが最も飛距離を出しやすいでしょう。私は4.2mの軟調のサーフロッドを愛用しています。

ばね力

ばね力は、キャストの動作に伴ってロッドが弓なりに曲がる「たわみの量」で表す「弾性エネルギー(変異による位置エネルギー)」が、元の位置に戻ろうとする力(反発力)のことをいいます。基本的には、ロッドが大きく曲がれば曲がるほど、ばね力は強くなりますが、ロッドの強度の限界を超えるとロッドが折れてしまいますので、投げ釣りのロッドは「大きく曲がる柔軟性」と、「大きく曲がった時に折れない剛性」という、相反する要素の両立が求められます。

遠心力

遠心力は、ある一点を中心として円運動や回転運動をする物体に外向きにかかる力で、回転軌道から外側に外れようとする力のことです。この遠心力は回転半径が大きければ大きいほど、また回転スピードが大きければ大きいほど、回転体に大きな力として作用します。

投げ釣りのキャストは、これらすべての力を合わせて、自分の体力以上の力を発生させて仕掛けを遠くに飛ばします。そして、これらの力をロスさせないために、タックル側での工夫が求められます。

飛距離重視!カレイの投げ釣りタックル選び

100m以遠のポイントにいる座布団級のカレイを仕留めるために、飛距離を追求するためには、タックル選びには気を使いたいものです。飛距離を1mでも稼ぐためには、大きく分けて二つのアプローチがあります。

パワーを増幅するためのアプローチ

パワーを増幅するためのアプローチとは、自分の身体から発生した入力のパワーを受けて、タックルにその力を増幅させるというアプローチです。この仕事はロッドが担当します。アングラーがロッドを体の後ろで地面と平行に構え、投擲動作に入った瞬間からシンカーの重みを受けてロッド全体が大きく弧を描いて後方に曲がり、その後アングラーがロッドを前方に押し出すようにして最大の勢いをつけた時であっても穂先がまだ体の後ろにある状態が理想です。ロッドは柔らかく、反発力の強いものを選ぶのが良いです。硬すぎるロッドはばねの力が利用しづらく、飛距離が思ったほど伸びません

パワーロスをさせないためのアプローチ

ロッドはパワーを増幅させるために最も重要なアイテムですが、そのほかのタックルは、「パワーロスを最小限にとどめる」努力をしなければなりません。このアプローチはロッド、リール、ライン、シンカーなど、すべてのタックルに考慮すべきファクターです。まず、ロッドにおいては「ガイド抜け性」を考慮します。ガイドの大きさ、数、ガイドリングの材質、ガイドフレームの材質をよく検討し、ラインのバタつきによるライン放出パワーロスを最小限にとどめる検討をします。

リールは、大型のサーフキャストリールを使用します。サーフキャストリールに装着されているスプールは、ロングストロークスプールで、かつテーパースプールやクロスラップなど、ライン放出を効果的に行うための機構が搭載されています。この大型サーフキャストリールの高いライン放出性とロッドのガイド抜け性と合わせて、キャスト時のパワーロスの低減を図ります。

ラインも放出抵抗の少ないPEラインを使用します。PEラインはナイロンラインやフロロカーボンラインと違い、同じ強度であれば太さを大幅に細くできます。マルチフィラメント(極細の繊維を複数本撚って作ったもの)のため、非常に細く柔らかいので、ナイロンやフロロカーボンのようなものフィラメントのラインと比較すると飛距離が段違いです。飛距離を追求するためには必須アイテムと言えます。カレイ釣りにはPE1号を300m程度巻きたいです。

そして近年は、シンカーにも空力抵抗の低減のため、高比重タングステン鋼を使用したシンカーが続々と発売されています。タングステン錘は、一般の鉛製の錘と比較して同じ重量であれば体積を大幅に小さくすることができ、飛距離の向上につながります。常に200m付近を狙うトーナメンターには今や必須アイテムともいえますが、非常に高価なため、ここでは割愛します。

投げ釣り界に革命をもたらしたジェット天秤!

そしてもう一つ。投げ釣りの世界に革命を起こしたと言っても過言ではないでしょう、「ジェット天秤」の発明が、投げ釣りの飛距離を飛躍的に伸ばしました。

ジェット天秤とは、1966年に富士工業が発売を開始した天秤で、現在に至ってもトップをクラスの人気を誇っている天秤です。二本のステンレスワイヤーのうち、サルカンが付いている側(ロッド側)に中通し式のシンカーがつけられており、さらにシンカーの上半分には樹脂成形の3枚の羽根つきカバーが固定されているものです。シンカーが付いていない側のステンレスワイヤーの先に仕掛けを取り付けます。

このジェット天秤の何が革命的だったかというと、キャスト時のライン、シンカー、天秤、仕掛けを一直線にできることで飛行姿勢の安定、空力抵抗の低減をもたらし、結果、飛距離が大幅に伸びると同時に、水中ではリールを巻いた際に、シンカーの羽根の部分が水の抵抗を受けて天秤全体を浮き上がらせます。これにより、底面をズル引きしながら回収する通常の天秤仕掛けと比較し、根掛かり回避の確率が格段に向上するため、投げ釣り界に革命を起こした大ヒット商品となっているのです。

ジェット天秤の進化系、遊動仕掛けを可能にしたBBフロート天秤


ジェット天秤は飛行姿勢の安定と空力抵抗の低減による飛距離の向上と、根掛かり回避性能を両立した天秤ですが、ポイントがそれほど遠くなく、飛距離よりも食い込みの確実さと感度を求めたい場合におすすめなのが、BBフロート天秤などを使った遊動式投げ仕掛けです。この天秤には、仕掛けを直接結ぶことはせず、L字型に張り出している2本のステンレスワイヤーの上方のワイヤーのリングに道糸を通し、横に出ているワイヤーのリングに仕掛けを通し、直角三角形の斜辺の中でサルカンを使って固定します。こうすることによって、カレイがエサをくわえ込んだ時に仕掛けがカレイの引っ張る方向に動くため、違和感なくエサを食わせることができると同時に、ラインが動くため、わずかなアタリをアングラーに確実に伝えることができます。エサをくわえ込んだ時に抵抗を感じると吐き出してしまう魚には非常に効果的です。

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カレイの投げ釣り、ポイント選びとキャストの実際

カレイは、エサを求めて積極的に泳ぎ回る魚ではありません。自分の身の回りの狭いエリアにエサの気配を感じた時にゆっくりと近寄って行ってエサに食いつきます。においの強いエサを大きく房掛けで使い、ビジュアルと臭いでアピールできれば置き竿でもカレイを寄せることはできますが、基本はカレイのいそうな場所を定めて仕掛けを投入し、仕掛けをこまめに動かしてこちらから探しに行った方が結果がついてくるでしょう。ここでは、カレイの溜まりやすいポイントについて説明します。

カレイはカケアガリに溜まりやすい

カレイに限らず、砂泥底のポイントでは、地形の変化に乏しいことが多いため、少しでも変化のある場所に溜まる傾向があります。底の地形に変化があるということは、そこには潮が流れているということであり、エサとなるものも多く溜まります。カレイが最も好むのは、傾斜が強めのカケアガリです。特に、船舶が常に行き交う場所は、水が常にかき回されている状態で、傾斜の強いカケアガリが出来やすいです。

また、波打ち際から沖に向かってなだらかに深くなっていく海底が急に深くなるポイントにも傾斜の強いカケアガリが出来ます。こういうポイントを重点的に攻めるようにしましょう。ポイントに仕掛けが投入出来たら、しばらく(2~3分)置き竿にして様子を見て、アタリがなければ10mほど仕掛けを巻いて様子を見て、それでも反応がなければ一度回収して投げ直すの繰り返しで広範囲を探りましょう。

キャストはバットの押出しとグリップの引き、そして発射角度が命!

投げ釣りの際のキャストはロッドをただ力いっぱい振っただけでは飛距離は稼げないとこれまで説明してきましたが、ここでは実際のキャストの際に注意すべき点について説明します。

①後方に人がいないことを確認する

キャストする際は必ず周りに人がいないことを確認しなければなりません。必ず顔を後方に向け、人がいないことを確認すると同時に、針がどこにも引っかかっていないこと、ラインがティップに絡んでいないことを確認します。ラインがティップに絡んだまま30号前後のシンカーをキャストしてしまうと、ラインブレイクしてシンカーが飛んで行くくらいならまだマシで、最悪はロッドが破損してしまいます。

②ロッドを体の後方に地面と水平になるように構える

顔は目標にまっすぐ向け、ロッドを後方に構えます。ロッドは地面と平行になるように構えます。仕掛けのタラシは長すぎても短すぎても飛距離は出ません。自分の肩の高さ、1.2~1.3m程度で、シンカーが地面にギリギリ接しないようにします。

③リールシート部を支点に、バット部を押し出すと同時にグリップを強く引く

視線は目標とするポイントにまっすぐ向けたまま、右キャストなら左足を、左キャストなら右足をまっすぐ前に踏み出すと同時に、リールシートにかけている手を支点として、バットを前に押し出しながら、同時にグリップを握っている手を自分の身体の方に強く引くイメージでロッドを振り下ろします。ロッドが円弧を描いて後方に十分曲がっていることを意識しましょう。

④発射角度は40°~45°

リールシートを握っている手が頭の真上にくる寸前、時計の1時くらいの位置で、ラインを押さえている人差し指を離し、仕掛けを発射します。円弧上に曲がっているロッドが元のまっすぐの状態に戻ろうとする力を感じ、その力を仕掛けにすべて乗せるイメージを持ってキャストします。仕掛けの飛び出しの角度は45°が最も飛距離が出る角度ですが、ショアからの投げ釣りの場合、アングラーがいる位置よりも海面の方が低いため、45°よりも40°前後の方が距離は出るでしょう。角度が大きすぎる場合は、ラインがたくさん出ていても結果飛距離が出ていないという現象になり、角度が小さすぎる場合は、まだ勢いがある状態であるにもかかわらず着水してしまいます。

飛距離を追求すれば必ず結果はついてくる、タックルを厳選して練習あるのみ!

足元をないがしろにすることなく、飛距離を1mでも伸ばすことは、投げ釣りにおいては大変重要です。自分のいる場所を中心点として、着水点を円の半径とすれば、飛距離が1m伸びるだけで、(元の飛距離+1m)^2π÷2(自分のいる位置から後方を除く)㎡だけ、探れる場所の面積が増えます。

ロッドの力を借りて自分の身体から発生するパワーを増幅するというとイメージしにくいかも知れませんが、ひたすらキャストの練習をするうちに、美しい弧を描いたロッドがもとに戻ろうとしてバネの力を発生させ、手元にロッドからのパワーが伝わってくる感覚が分かるようになるはずです。

そして、ロッドがくれたそのパワーをロスしないようにラインやシンカーを厳選し、正しいキャストができれば、必ず飛距離は伸びます。飛距離が伸びれば必ず釣果がついてきます。何度も言いますが、投げ釣りにおいて飛距離は絶対的な正義です。頑張りましょう!

この記事を書いた人

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)

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