タチウオジギングの新たな武器に!18鏡牙 LBDの使用インプレッション
一般的に、タチウオジギングではベイトリールを使用し、ワンピッチジャークで誘います。フォール中のアタリも明確に手元に伝わるため、タチウオのガツンとくるアタリを感じることができ、非常に人気の高い釣りです。そのような中、ダイワが新たに提案してきたものが、通常ベイトリールを使用する釣りに対して、レバーブレーキリールを使用する「レバーフォール釣法」です。「ハンドル回転停止」や「ティップの戻り」を目で見てタチウオを感じることもできる新感覚の釣りになります。そんな釣りに専用として開発された「18鏡牙 LBD」に搭載された機能、使用したインプレッションをご紹介します。
18鏡牙 LBDの基本仕様は?
おそらくベースはインパルトLBDあたりだと思われます。タチウオジギングに特化した機能とするためにベアリングは合計10個搭載され、ハンドル長さは55mmあるため100g前後のジグも巻き取りやすくなっています。PE1.5号が200m巻くことができますが、タチウオジギングでは通常PE1号を使用するため、ラインキャパシティは十二分にあるといえます。その他にもダイワの上位機種に搭載されている機能は一通りついています。本体重量は255gとレバーブレーキリールの中では軽い方です。ラインを巻いても280gは切るので、シャクリ続けるタチウオジギングでも疲労軽減に役に立つはずです。
MAGSEALED:マグシールド
リール内部に侵入してくる海水を、磁性流体による油の膜でガードする、ダイワ独自の防水技術です。ポイントまでの移動時や釣行中にリールにかかる水しぶき、ラインを伝わって侵入してくる海水から、内部を保護してくれます。リール内部まで海水が侵入してしまうと、塩ガミや、錆が発生しやすくなり、リールの故障やストレスにつながります。ただし、マグシールドがあるといっても釣行後にはしっかりとシャワー洗浄するなどのメンテナンスの必要はあります。
ATD:オートマチックドラグシステム
魚の引きに滑らかに追従しながら効き続ける新世代のドラグシステム。従来(UTD)よりも滑り出しがスムーズなためラインブレイクしにくく、魚に違和感を与えにくいため無駄に暴れさせることが少なくなっています。また作動感に独特の粘りがあり、低いドラグ設定値でも一気に走られることが減り、ファイト中のドラグ再調整の頻度が減ってファイトに集中できます。あらかじめ強めに設定しておくことで、ジャーク中にはドラグが出ず、タチウオを掛けた時にはしっかりとドラグが作動します。
AIR ROTOR:エアローター
負荷が分散させる構造を設計し直すことで、ローター耐久性が向上しています。結果として同等の強度では約15%の軽量化を実現し、ローターバランスも向上することでさらなる回転フィールの向上にもつながっています。素材にはダイワ独自の「DS5(リール専用ファイバー強化特殊プラスチック)」を採用されています。「18鏡牙 LBD」はレバーブレーキリールであるため、ローターの正転/逆回転どちらにとっても、より効果を発揮してくれるでしょう。
ZAION(ザイオン)&DS5
「18鏡牙 LBD」は、ボディ素材はZAION、ローターにはDS5を使用しています。どちらも通常よりも強化された樹脂材料で、リール本体の軽さ維持しつつ、強度も保つことができます。リール重量は255gと、そこまで重たいわけでもありません。私のメインフィールド(瀬戸内海)では、100g前後のジグを使用しますが、リールの剛性がしっかりしているので、ジャーク中に不安を感じることはありません。
なぜ私が18鏡牙 LBDを選んだか?
デザインがめちゃくちゃカッコいい!
まず単純に見た目がカッコいいです。パープル&ゴールドの配色はまさに鏡牙のイメージそのもので、高級感もあります。船内では一番に目立つこと間違いなしです!
新しい釣りを試してみたかった
タチウオの釣り方は主に「ジギング」と「テンヤ」がありますが、基本はベイトリールを使用します。みんながベイトリールを使用する中、一人スピニングリールを使用し、人と違う釣りをするのもなかなかに面白いものです。
キャストで広範囲を探るため
バーチカルな探りが通常のタチウオジギング、途切れなくヒットが続いている時が続いているうちは良いのですが、少し停滞気味になった時、広範囲を探るためにはスピニングリールでのキャストが最適です。しかし、私のメインフィールドでは、タチウオの時期になると大船団ができ、船と船との間隔がとても近くなってしまうため、キャストは危なくてとてもできません。自分の船の周りにほかの船がいないときにキャストするようにしましょう。
逆に残念だと思うところは?
価格が高い
リール単体のみで5~6万円します。さらにこのリールに合わせるためにスピニング用のロッドも必要になります。リールの配色を考慮しても、鏡牙でそろえると思いますので、合わせるロッドは「鏡牙 AIR 65S-3」が最適と考えられます。ロッド3万円ほどするので、合計約10万円近く初期費用が掛かってしまうのが難点です。
ベールの浮き上がり
個人的に「18鏡牙 LBD」で最もダメだと思う点です。それは、糸フケを原因としたベールの浮き上がりです。レバーブレーキリールでは、レバー使用してジグをフォールさせている時には、ハンドルとローターが逆回転します。着底やヒットでジグの落下が止まっても、回転慣性は急にゼロにはならないため、少し逆回転状態は続いてしまいます。これによりラインテンションが緩まり、スプール上で糸フケが発生してしまいます。このままフッキングやジャーキングを行うと、発生した糸フケがベールのラインローラー以外の部分に引っ掛かり持ち上げてしまうことで、ベールを浮き上がらせてしまいます。当然これにより勝手にラインが出てしまうので、かなりストレスがたまります。
指がつかれる
手の大きさに関係しますることですが、常に人差し指を伸ばしている状態なので、レバーブレーキに慣れないうちは人差し指が疲れてしまうかもしれません。釣行時には必ず予備のベイトリールを持っていきましょう。
18鏡牙 LBDを使用したレバーフォール釣法のメリットとは?実釣と使用インプレ
ベイトリールと異なるヒットパターンがわかる
ルアーを使用する釣りには、大体その日のヒットパターンというものがあります。タチウオの場合は基本がワンピッチジャークであるものの、ジャークの速さ、ジグを動かす幅、ジグにカラー、フォール時間の長さなど様々な要因があります。その日のパターンをいかに早くつかんで再現するかが重要になります。
効果を感じた時は?
以前友人とタチウオジギングに行った際、私はベイト、友人はスピニング(18鏡牙 LBD)でやっていました。私はポロポロと釣れるもののあまり数が伸びませんでしたが、スピニングの友人は順調に数を伸ばしており、聞くとヒットパターンはすべてフォール中でした。原因を一緒に考えると、ベイトのフォール速度よりもスピニングのフォール速度の方が遅いことが影響していると考えられ、事実ベイトのフォール中にはほぼアタリはありませんでした。そこでジャークのスピードをスロージギング程度まで落とし、フォール時間を長くとるとヒット数は激増しました。このようにベイトリール1本では時間のかかるヒットパターンの模索にも役に立つことがあります。
手返しが良い
レバーブレーキを搭載している「18鏡牙 LBD」は、その構造上ベールを起こさなくとも手元のブレーキを操作するだけでローターの正転/逆回転を切り替えることができるため、ベイトリールのように毎回クラッチを切る必要がありません。1回1回の時間は大した差はありませんが、1日に何回も行う作業なので、積み重なった回数を考えるとメリットがあると言えます。
アタリが視覚でとらえられる
ベイトリールでのタチウオジギングは、シャクっている最中に「ゴンッ!」と手元に来る激しい当たりが特徴ですが、「18鏡牙 LBD」を利用した「レバーフォール釣法」では、フォール中の「ハンドル回転停止」や「ティップの戻り」を視覚で察知して即アワセを入れることでキャッチすることができます。通常のタチウオジギングとは違った楽しみができるのです。
18鏡牙 LBDは通常とは違う釣りを楽しめる高性能リール
18鏡牙 LBDは、通常ベイトリールで行うタチウオジギングをスピニングリールを使用する「レバーフォール釣法」で実践することができる高性能リールです。リール本体は高価であり、慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、使いこなすことができれば、人とは違った釣りを楽しむことができます。