幅広く使える万能リール!ダイワ 16エメラルダス2508PEのインプレ
今回は2016年に6年ぶりのリニューアルが行われ、更に快適な入門機として進化した「16エメラルダス2508PE」についてインプレッションしていきます。これからエギングを初める方の選択肢に挙がりやすい機種ですが、実は他の釣りにも対応できるとても万能なリールでもあります。そこでこの記事では、16エメラルダスの特徴や使用感について解説すると共に、どんな人に合ったリールなのかも紹介していきます。
エメラルダスシリーズとは
エギングを専門としたダイワのカテゴリーブランド
エメラルダスシリーズは、エギングを専門としたダイワのカテゴリーブランドです。全体的にエメラルドグリーンを基調としたスタイリッシュな外見が印象的で、初心者から上級者まで対応する幅広いラインナップが揃っています。
エギングで使用するリールには、シャクった時に疲れを感じない軽さと、激しいアクションにも耐える剛性の高さが必要になります。エギング専用モデルとして開発されているエメラルダスシリーズのリールは、その2つを兼ね備えており、低価格帯の入門機であっても十分にエギングを楽しめる性能を持っています。
アングラーのレベルに合わせた幅広いラインナップ
エメラルダスシリーズは、リール・ロッド共に幅広く展開されています。現在リールには3種類ラインナップされており、10,000円代で購入できる入門機から30,000円代の上級者モデルまで価格帯も様々です。ロッドはリール以上に種類が豊富で、自分のエギングのスタイルに合わせて最適なものを選ぶことが可能です。また、最も安価な「エメラルダスX」でも、糸絡みしづらいインターラインモデルが用意されています。リールとロッド、どちらもエメラルダスシリーズで揃えることで、バランスのとれた非常に扱いやすいタックルになります。
19エメラルダスLTとの違い
16エメラルダスの後継機として、19エメラルダスLTというモデルが販売されています。こちらは「LT(LIGHT TOUGH)」と呼ばれる、軽さと耐久性を重視したコンセプトで開発されています。10g軽量化された以外、16エメラルダスとの違いは特にありません。しかしラインナップが、2500番と3000番のダブルハンドルモデルのみになっていることに注意が必要です。シングルハンドルモデルを探している方や、重さをそこまで気にしない方は、型落ちの16エメラルダスを購入した方が安く済むでしょう。
エメラルダスINF 2506PEとの違い
16エメラルダスは、2010年に発売されたエメラルダスINFの後継機として発売されました。6年の歳月を経たことで、様々な機能が進化しており入門機とは思えないほど高性能なエギングリールになっています。ここからは前作との違いを1つずつ解説していきます。
ATDの搭載
ATD(オートマチックドラグシステム)は、従来のドラグシステムで大きな問題となっていたドラグの不安定な動作を解決した最新の機能です。これまでダイワのリールに搭載されてきたドラグは、テンションに応じたスムーズなライン放出が難しく、バラシの原因の1つとなっていました。しかしATDが搭載されたことで、イカの引きに追従する滑らかなドラグ性能を発揮しています。エメラルダスシリーズで最も安価である16エメラルダスにも、このATDが搭載されていることは大きな魅力です。
最大ドラグの強化
前作のエメラルダスINF最大ドラグは3kgと、大型のイカとファイトするには不安の残るドラグでした。しかし、6年ぶりに進化した16エメラルダスの最大ドラグは7kgとなっています。これにより、激しいシャクリにも耐えつつ、大型のイカの長い引きにも対応する性能を実現しました。
マグシールドとエアローターの採用
16エメラルダスには、リールに海水や異物が侵入するのを防ぐ防水構造「マグシールド」が搭載されています。塩によるギアの不調が大幅に減少し、軽快で滑らかな巻き心地が長期間維持されるようになりました。波がかかりやすい磯場でのエギングや、雨風のひどい状況でも安心して使用できます。また、従来と同等の強度を持ちながらも、より軽量化された「エアローター」が搭載されています。エギングにおいてリールの重量と巻き出しの軽さは非常に重要であり、エアローターはその2つに大きく貢献しています。
16エメラルダスの良い点
ファイトのしやすさ
従来のモデルに比べて、ファイトの安定感が大きく向上しています。大型のイカの急な引きや、取り込み直前の暴れるイカにも一定のテンションで追従し、バラシもほとんどありませんでした。ATDによって、これまではシャクリ中やファイト中に何度も行っていたドラグ調整が必要なくなったことで、ストレスなく快適なエギングが楽しめるようになりました。また、アワセの際に多かったイカの身切れも、滑らかなドラグ性能によって大幅に少なくなっています。
巻き出しの軽さ
シャクリの動作があるエギングにおいて、巻き出しの軽さはとても重要です。16エメラルダスは、非常に巻き出しが軽く、ストレスなくシャクることができました。また、軽く手で触れるだけで巻きを止めることができるので、細かい糸ふけの回収やラインメンディングも楽に行えます。自分の思ったとおりの操作が可能な、とても使い勝手の良いリールです。
16エメラルダスの悪い点
重さが気になる
短時間の釣行ではあまり感じませんが、1日中ハードに使用する場合はやはり重さが気になります。もちろん、エギングで使い物にならないほどの重量ではありませんが、もう少し軽量化されて欲しかったところです。前作のエメラルダスINFに比べ、様々な機能が進化していますが、重さはほとんど変わっていません。どうしても重さが気になる場合は、社外品のより軽いハンドルに付け替えると良いでしょう。とはいえ、エギングタックルにおいて重要なのはロッドとリールのバランスです。16エメラルダスに適したロッドを選択することで、重さを感じにくくなり、手首への負担を減らすことができます。
巻きにブレがある
巻き出しの軽さを特化させている分、巻きにブレが生じています。通常のシャクリなどではあまり気になりませんが、エギを一定の速度で巻き続けたい時には多少のストレスを感じます。ダブルハンドルのモデルであれば、ハンドルのバランスが向上するので少し緩和されるでしょう。上位機種になると、「デジギア」と呼ばれる精度の高いギアが使用されており、巻きのブレはほとんどありません。どうしてもブレが気になるという方は、上位機種を選ぶと良いでしょう。
16エメラルダスが向いている人
16エメラルダスは、これからエギングを始めたい方や、できるだけコストを抑えたい方におすすめできます。入門機という位置づけながら、エギングを快適に楽しむために必要な性能を十分に満たしており、実売価格13,000円程度とコストパフォーマンスも非常に高いリールです。
エギング以外でも使用したい人
できるだけ1つのリールで、色々な釣りを楽しみたい方にもおすすめできます。16エメラルダスはエギングに特化したリールではありますが、その軽さと耐久力を活かして様々な釣りに使用可能です。ショアから狙う夏のタチウオや冬の大型を意識したメバリングなど、1つのリールで1年中釣りを楽しめます。
16エメラルダスが向いていない人
16エメラルダスは、入門機としてはかなり高性能なリールではありますが、性能を追い求める方や長時間ハードにエギングしたい方にはおすすめできません。上位機種と比べると、ギアの精度や巻きのブレ、重量が劣ります。エメラルダスシリーズの上位機種には、「エメラルダスMX」と「エメラルダスAIR」があります。エメラルダスAIRは、シングルハンドルで180gと非常に軽量で、1日中使っていてもストレスを感じません。コストを気にせず、より快適な使用感を求める方はこちらを選びましょう。
エギング初心者にはおすすめできるが、上級者には不満が残る
今回は、非常に高性能かつ万能なエギングリール「16エメラルダス2508PE」について解説しました。6年ぶりのモデルチェンジによって搭載されたATDによるドラグ性能の向上や、より軽快な巻き心地によって、エギング入門機として十分に活躍してくれるでしょう。もちろん、上位機種と比べると少々不満が残る部分もありますが、エギング以外でも幅広く使用できる万能さは、1つのリールで様々な釣りを楽しみたい方には最適なリールと言えます。