カゴ釣りのカゴの種類や使い方について徹底解説します、波止小物狙いから本格青物狙いまで!

作成:2023.02.22更新:2023.04.14

堤防のフカセ釣りで釣り上げたワカシ

漁港や堤防などで、コマセカゴにコマセを詰めて、足元に仕掛けを落とし、小型のアジやサバ、イワシなどの回遊魚を足止めにして、サビキ仕掛けで一網打尽にするというサビキ釣りから、沖のナブラに向かって重厚長大なカゴ釣り仕掛けをフルキャストし、中型・大型の青物やタチウオ、シーバスなどを狙う遠投カゴ釣り、また、沖の深場のポイントまでコマセを詰めたカゴを沈めて大型のアジやマダイ、アマダイなどの底物を狙うビシカゴ釣りまで、さまざまなバリエーションがあります。

これらの釣りに共通するのが「コマセカゴ」を使用するということです。今回は、コマセカゴの種類及び使い方について徹底的に解説したいと思います。

コマセカゴはピンポイントに寄せエサを運ぶツール

サビキ釣りで手軽に釣れるアジアジ

コマセは、フカセ釣りにはお馴染みのもので、「自分の釣り座にポイントを作る」ため欠かせないアイテムです。しかし潮流や風などを考慮し、撒いたコマセがどのように流れて行き、どのくらいのスピードで沈降して行くかを考えながら、コマセの比重や水分量を調整しながら打たなければならず、ある程度知識と経験が必要です。

すなわち、むやみにたくさん撒くだけでは、ターゲットの魚の泳層にアプローチ出来ないどころか、コマセが潮に流されて自分からターゲットがどんどん遠ざかってしまうなどということも起こります。しかしカゴ釣りの場合は、コマセカゴにコマセを詰めて、狙ったポイントにカゴを投入する釣りのため、ショアから撒くフカセ釣りのコマセワークよりも効率よくターゲットにアプローチすることができます

コマセカゴの機能

カゴ釣りにおけるコマセカゴの重要な役割は、もちろん狙ったポイントにコマセを送り込むことですが、重要なことは「ポイントにカゴが届くまではコマセをむやみに放出させないこと」です。目的のポイントに届く前にコマセがカゴから出てしまうと、ターゲットの魚が散ってしまうためです。そのため、ポイントに届くまでコマセを放出させないようなギミックがついているコマセカゴもあります。また、「コマセをギシギシに詰めすぎないこと」も重要です。詰めすぎてしまうとコマセが思うように放出されず、コマセとしての効果が低下してしまいます。そのため、コマセの大きさやポイントまでの距離、水深などに応じて様々なタイプのコマセカゴがあります。

コマセカゴの種類

それではコマセカゴの種類について説明して行きます。まずはファミリーフィッシングにもってこいの、堤防・漁港などでの小物サビキ釣り用のコマセカゴから。

堤防・漁港で便利な小物サビキ釣り用コマセカゴ

上カゴ式サビキ仕掛け用のコマセカゴ。解凍したアミコマセをカゴ7分目くらいまで軽く入れる。

市販のサビキ仕掛けセットに同梱されていることもある、小型のコマセカゴです。このネット上のカゴの中に、解凍したアミコマセを8分目程度の量詰めて仕掛けを落とし、竿を上下に軽くあおってカゴの中のコマセを少しずつ放散させます。写真のタイプのコマセカゴは、サビキ仕掛けの上部に取り付ける「上カゴ式」のコマセカゴです。上カゴ式のサビキ仕掛けは、コマセカゴの下にサビキ仕掛けを取り付け、一番下にオモリがついているという構成となります。

小物狙いのサビキ仕掛け。コマセカゴを仕掛けの上につける上カゴ式と仕掛けの末端にコマセカゴをつける下カゴ式がある。

この図の通り、サビキ仕掛けの一番下にコマセカゴを取り付ける「下カゴ式」タイプもあります。下カゴ式のコマセカゴは、上カゴ式コマセカゴのようなネット状のカゴではなく、メッシュの筒状に成形されたプラスチック製のカゴで、カゴの底部にはオモリが取り付けられています。

これらのコマセカゴは、一度に入れることができるコマセの容量が少ないため、用途は小物狙いに限定されます。また、カゴ自体の強度があまりないため、強い力がかかるキャストには向きませんので、基本的な使い方は、ロッドの先端から真下に向かって仕掛けを投入する釣りになります。

「上カゴ式コマセカゴ」と「下カゴ式コマセカゴ」の使い分け

小型サビキ仕掛けの上カゴ式と下カゴ式の使い分けは、狙うべきターゲットのタナの深さで行います。サバやイワシなど、中層~表層にかけて、比較的タナが浅い場所では上カゴ式仕掛けを、アジをはじめとして、深めのタナを狙う場合は下カゴ式仕掛けを使うと良いでしょう。

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遠投カゴ釣りのキャストに対応するコマセカゴ

ロケット式コマセカゴは遠投が必要な青物釣りに最適。空気抵抗を受けにくい形状で、遠投カゴサビキ釣りに無むいている
遠投カゴ釣りに使う大型の飛ばしウキ。コマセの重量を考慮し、全体の仕掛けの重さに耐える浮力が必要。

ワカシやイナダなど、小型・中型青物を、遠投カゴサビキ仕掛けで狙う場合は、飛ばしウキをつけて仕掛けを青物の回遊ルートめがけてキャストしなければなりません。この場合のコマセカゴは、キャストの力に耐え、飛行時は姿勢を保ちつつ、コマセをこぼさずにポイントまで保持させなければなりません。そんな場合に便利なのが、「ロケットカゴ」と呼ばれるコマセカゴです。

大型青物狙いの遠投カゴ釣り仕掛けはパワー重視で!

このタイプのコマセカゴは、飛行時にコマセカゴが動き回って飛行の抵抗にならないように、メインラインに対してまっすぐ取り付けるため、カゴの中心部にクッションゴムがまっすぐ通っています。このクッションゴムの上下にメインラインとサビキ仕掛けを取り付けます。主に表層付近を回遊する青物の遊泳ルート上に仕掛けを直撃し、素早く放出させたコマセで足止めさせて、ターゲットを一撃で仕留めるための重要なアイテムです。

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オフショアで深場を狙うビシカゴ

オーソドックスなあんどん型ビシカゴ。イワシのミンチなどを詰めるのに向いています。タカミヤ公式

オフショアで深場を攻め、大型のアジやイサキ、マダイやアマダイなどを狙う場合は、大型のビシカゴを使います。例えば水深100mの場所まで一気にコマセと仕掛けを沈めなければならないため、カゴの底部には大型のビシ(オモリ)が取り付けられています。上の写真のビシカゴは非常にオーソドックスなビシカゴです。写真ではわかりづらいのですが、ボディーに扉がついていて、扉を開けて横からコマセを詰めたら、扉をしっかり閉めてロックします。水深に応じて重さは使い分けますが、ざっくりと、オモリの号数は深さ(m)と同じと覚えておけばわかりやすいでしょう。すなわち、水深50mなら50号、100mなら100号といったイメージです。

ダイワ MDビシはコマセの放出量を自由にコントロールできるのが特徴。ダイワ公式

この写真のビシカゴは、ダイワ・MDビシⅡという特殊なビシカゴですが、これは本体のキャップを回すことでコマセの放出量を調節することができる優れモノで、流線型のフォルムは水の抵抗を受けることが少なく、素早く目的のポイントまで沈んで行きます。非常に高価なのが難点といえば難点ですが、60号、80号、100号のラインアップがあり、オーソドックスな針金ビシカゴよりもポイントに早く仕掛けを送り込むことができ、巻き上げ抵抗も小さいため、オフショアビシカゴ釣りを頻繁に行うのであれば、是非とも使いたいアイテムです。

フラップ付きのコマセカゴは、沈んで行く際の水圧でフリップが上に持ち上がり、コマセの出口に蓋をする役目がある。

写真のように、コマセカゴの下部、コマセが出る部分にフラップがついているものもあります。これには、仕掛けを投入しカゴが沈んているとき、フラップが水の抵抗を受けて上向きになり、コマセの出口を塞ぐ役目があります。すなわち、ポイントに到着するまでコマセを無駄に放出させないための可動式の蓋です。沈降が終わり、ラインを止めると、下からかかる水の抵抗から開放され、フラップが下にさがり、コマセがそこで初めて放出される仕組みとなっています。このタイプのコマセカゴにはあまり大きなものはありませんが。コマセを効率よくピンポイントに拡散させることができる、大変便利なアイテムです。

オフショアビシカゴ釣り仕掛け

ビシカゴサビキ釣り仕掛けの一例。コマセはイワシミンチが標準的。詰めすぎるとポイントでうまくコマセが放出されないので注意する。

オフショアでのビシカゴ釣り仕掛けについて、簡単に説明しておきます。基本は漁港や堤防などで足元に垂直に落とすサビキ仕掛けとほぼ同じです。オフショアのビシカゴ釣り仕掛けでは、カゴの取り付けに片テンビンを使うことが唯一の違いといったところでしょうか? 他は、それぞれのパーツ類がオフショア用の方がサイズが大きくなっているだけと言えます。ロッドとリールはオフショア専用のパワーのあるものを用意しましょう。マダイ用やタチウオ用、ターゲットによってはブリの落とし込み釣りに対応できるようなヘビーなタックルが必要になる場合もあります。ビシアジ釣りなどの場合はライト五目ゲーム用などのタックルでも良いでしょう。

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コマセカゴを使用する際の注意点

小物釣りでも大物狙いでも、コマセカゴを使う釣りをする場合には気を付けなければならないことがありますので、いくつか記載しておきます。

カゴにコマセを詰め過ぎない

コマセカゴは材質こそ化学繊維の編み物、樹脂成型品、線鋼加工品と様々なものがありますが、すべてについて言える一番の注意点は、コマセをかごにギシギシに詰め過ぎないことです。一回でなるべくたくさんのコマセを撒けるよう、コマセカゴにコマセをいっぱいに詰めて、さらにギュッと押し込んでから仕掛けを投入する人を稀に見かけますが、ギシギシに詰めてしまったコマセカゴは、ポイントに到着したあと、ロッドを上下に煽った際、コマセがうまく放出できません。カゴの容量の8割くらいまでにして、決してギュッと押し付けないようにしましょう。

コマセは十分に潰したものを使う

コマセカゴの材質やカゴ全体のサイズを問わず、思いの外網の目は細かいものです。アミコマセを使う場合でも、イワシミンチを使う場合でも、十分に潰してカゴに詰めなければなりません。カゴに詰める前に再度良く潰して、こねましょう。そうすれば、コマセの放出を妨げる不純物が混入していれば気がつくはずです。

輸入品の冷凍オキアミブロックには注意!

アミコマセやオキアミを使う場合は、特に気をつける必要があります。冷凍のコマセブロックを解凍して使う場合は、魚の鱗が大量に混入している場合があります。こういうものをコマセカゴに入れても、鱗が邪魔をして、コマセカゴからコマセが全く出て行きません。

国産(三陸産が多い)のアミブロックや、日本メーカー製のナンキョクオキアミブロックであれば、不純物は十分除去されてから冷凍されていますのでほぼ問題ありませんが、中国、韓国からの輸入品の場合はほぼ100%不純物がそのまま一緒に冷凍されています。そういうものはコマセカゴに入れるコマセとしては使い物になりません。それらは、カゴに入れずそのまま撒くフカセ釣りに使いましょう。

パックコマセを使えば不純物の心配は無用!

遠投カゴ釣りにも使える常温保存パックコマセを使えば、不純物の混入によるコマセカゴの目詰まりはすべて解決!マルキュー

非常に割高にはなってしまいまずが、パックコマセを利用すれば、鱗やゴミの類は完全に除去されていますので、少なくともコマセカゴが詰まってコマセが放散されないという心配は一切無用です。常温保存できることや、臭いを抑える加工が施されているのも使い勝手の点でアドバンテージになります。

写真のマルキュー「カゴズバッ」は、遠投カゴ釣りに使えるパックコマセとして、増粘処理が施され、キャストの勢いでコマセが飛び散りにくいという、途轍もないメリットがあります。遠投カゴ釣りをするのであれば、是非とも使いたいコマセです。

マルキュー 遠投カゴズバッ

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遠投カゴ釣りの場合は置き竿・放置厳禁!!

仕掛けを真下に落とす波止での小物狙いや、オフショアからのビシカゴサビキ釣りならあまり問題ないかもしれませんが、遠投カゴ釣りの場合は置き竿は厳禁です。飛ばしウキをつけて50m〜60m先のポイントにコマセカゴがついた仕掛けを投げます、そして、大きな飛ばしウキがついているため、仕掛けは表層付近に浮いているはずです。仕掛けはどんどん潮に流されて遠くへ行ってしまいます。

遠投カゴ釣りのハイシーズンになれば、有名なポイントには立錐の余地がなくなるほど多くの遠投カゴ釣り師が仕掛けを投げています。ラインスラッグをウォッチせず放置していては、たちまち他人の仕掛けとオマツリしてしまいます。PEラインをメインラインに使うことが多い遠投カゴ釣りでオマツリは致命的なダメージをお互い受けます。

せっかくの休日を台無しにしないためにも、オマツリは絶対に避けなければなりません。置き竿、放置はもってのほかです。

一見合理的だが実際はほぼギャンブルのカゴサビキ釣りは中毒性あり!

夕マヅメ狙いの遠投カゴ釣り

カゴにコマセを詰めた仕掛けを狙ったポイントに送り込み、回遊してくる青物を足止めにして釣り上げるサビキ釣りは、理論だけを考えれば大変合理的で、簡単に釣れるイメージがありますが、この「回遊してくる青物」というものが曲者で、同じルートを規則正しく回遊してくることは全くありません。

基本、青物はベイトフィッシュを追って回遊してくることがほとんどですが、このベイトフィッシュが神出鬼没で、気温、天気、風の有無、濁りの有無などにより、毎日発生する場所が異なります。そのため、ベイトフィッシュがいなければどんなにコマセを撒いてもターゲットは回って来ず、予測することもほとんど不可能という、一か八かのギャンブル性の高い釣りです。

その代わりの、当たりの日であれば次から次へと大物が掛りまくり、笑いが止まらない釣りでもあります。一度この大当たりを経験してしまったら、その味が忘れられず、カゴサビキ釣りに明け暮れるようになるという、中毒性の高い釣りであります。是非一度ギャンブルを堪能してみて下さい。きっと果てしない沼にハマることでしょう!

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この記事を書いた人

ショアおやじのプロフィール写真

初心者歴40余年!
ショアおやじ

 メジナ、クロダイ、アイナメ、カサゴ、メバル、カワハギ、シロギス、イシモチ、カレイ、ハゼ…ベラ、フグ、ヒイラギw、フカセ釣り、投げ釣り、穴釣り、江ノ島周辺(湘南大堤防、表磯、裏磯、片瀬漁港)、福浦岸壁、大磯サーフ、逗子・葉山界隈、城ヶ島(神奈川県)


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