サーフ ベーシア 45 QD 5号用は、マグネシウム合金ボディを身に纏い、究極の戦闘能力を持ったフルスペック機!
ダイワ・サーフべーシア 45 QD 5号用は、投げ釣り用リールとして必要な機能・機構がすべて搭載された、フルスペック機と言える、ハイエンドレンジのサーフキャストリールです。フラッグシップ機である、トーナメントサーフ 45の弟分でありながら、トーナメントサーフ 45に負けるとも劣らない、ハイレベルな投げ釣りが出来るはずです。今回は、ナイロンライン仕様のQDモデルである、サーフべーシア 45 QD 5号用を紹介します。
トーナメントサーフシリーズの派生機として誕生したべーシア 45
ダイワ・サーフべーシア 45シリーズは、もともとは、同社のサーフキャストリールのフラッグシップ機である、トーナメントサーフ 45シリーズの廉価版として2001年頃発売された、「トーナメントサーフ べーシア 45C」にさかのぼります。その後、「トーナメントサーフ べーシア 45Ⅱ」を経て、「べーシア 45」と、独立したモデルになりました。かつては25mmストロークモデルもあったようですが、現在は45mmモデルのみとなっています。フラッグシップ機である、トーナメントサーフ 45は、メーカー希望小売価格96,500円と、お父さんのオモチャにしてはちょっと手が出ない価格であるのに対し、サーフべーシア 45 QDはメーカー希望小売価格58,800円と、37,700円の開きがあります。サーフべーシア 45 QDは、そんな価格差を全く感じさせない、ハイパーコストパフォーマンス機です。現行モデルは2018年モデルですが、実勢価格は45,000円前後です。
サーフべーシア 45 QD 5号用の基本スペック
サーフべーシア 45 QD 5号用の基本スペックを見てみましょう。ギア比は4.1、ハンドル1回転あたりの最大巻き上げ長さは88cmの、ノーマルギアタイプです。クイックドラグの実用耐力は15kgと、パワープレイにも対応します。ラインキャパは、ナイロン5号が250m、PEなら3号が250m巻けます。ナイロン5号がm200巻けて、さらにクイックドラグがついているなら、もう投げ釣りはこれでほとんどできます。力糸を先端に接続すれば、サーフでの大遠投でも、磯からのキャスティズム(胴突き投げやぶっ込みなど)、はたまたコマセカゴ仕掛けの遠投による青物狙いも十分守備範囲です。
45mmストロークの巨大テーパースプールが大海原を縦横無尽に探る!
サーフべーシア 45 QD 5号用には、ストローク45mmのテーパースプールがついています。スプールストロークとは、スプールの長さのことで、ラインを巻く部分の長さが45mmあると言うことです。ハンドルを巻く際の、スプールの前後運動が45mmあると言っても良いでしょう。ストロークが長いということは、ラインの巻き取り方が綾巻きであると言うことであります。ダイワで言うところの「クロスラップ」機構が、ラインがスプールに食い込むトラブルを回避します。
また、飛距離を伸ばすため、ラインを放出する際、抵抗によるパワーロスを最小限に抑えるために、前テーパースプールになっています。テーパー角は、大きければ大きいほど、ラインが放出される際の抵抗が少なくなるのですが、テーパーが大きすぎるとバックラッシュなどのライントラブルが激増します。テーパー角は2度〜6度程度のものが多いのですが、ダイワは最大限攻めたテーパー角を7.5度と定め、トーナメントサーフとサーフべーシアのドラグレススプールには7.5度のテーパースプールを採用しています(QDスプールのテーパー角は2度)。
カテゴリー唯一の耐食マグネシウムボディで武装!
サーフべーシア 45 QD 5号用のボディ材質は、カテゴリー唯一のマグネシウム合金が採用されています。更に、塩水に弱いとされるマグネシウム合金の弱点を補う耐食処理が施されており、駆動部を強固に支えます。そして、ローター内部への水の侵入をシャットアウトするマグシールドが、最後の砦を完璧に守ります。
惜しむらくは、ラインローラーにマグシールが採用されていないことですが、ここはアングラーの日々のメンテナンスの余地ということで、しっかりとお手入れしましょう。駆動部は、ダイワが誇るデジタル解析により歯面形状、噛み合せ精度が最適化され、それを忠実にカタチにした、マシンカットデジギアにより、剛性とリーリングフィールのブラッシュアップを行い、旧モデルでたびたび指摘されていた、駆動部のゴリゴリ感、シャリシャリ感の発生を解消しています。ローターの材質は、ダイワ独自開発の、高密度カーボン強化樹脂「ZAION」が採用され、軽量・低慣性・高感度を実現。感度に劣る太めのナイロンラインでも、海底の状態をスキャンしやすくなっています。
QDモデルか、ドラグレスモデルか?
もし、メインの釣りがサーフからのシロギスと決まっているならば06PEを、サーフからカレイやマゴチ、ホッケなどを専門で狙いたいなら15PEをすべきですが、磯や堤防などからの投げ釣り、ぶっこみ釣り(すなわち、置き竿でアタリを待つシーンがある釣り)をする可能性があるならQD 5号用を激しくおすすめします。ダイワのサーフキャストリールは、スプールに互換性があるため、QDモデルを購入しておき、あとから06PE用、15PE用のスプールを買い足すのが賢明です。QDモデルとドラグレスモデルは、完成品のメーカー希望小売価格の価格差はたった2千円です。最初にQDモデルを買っておき、交換用のドラグレススプールを購入するほうが、先にドラグレスモデルを購入したあとにクイックドラグ化するよりはるかに安く上がります。
トーナメントサーフとの価格差について
フラッグシップ機のトーナメントサーフ 45と、サーフべーシア 45 QD 5号用のメーカー希望小売価格は37,700円もの開きがあります。この差は何なのでしょうか? カタログ上の違いは、トーナメントサーフにはラインローラーにマグシールドベアリングが使われていること、ボディ材質がトーナメントサーフはZAIONであること、総ベアリング数が10個で、その全てがCRBB(クロスローラベアリング)が使用されていることなどがあります。このクロスローラベアリングとは、ボールベアリングではなく、円柱状のコロを外輪と内輪の間に縦横縦横と交互に並べたものです。ボールベアリングは軸との接点が点なのに対し、ローラーベアリングは接点が線になり、支持剛性が格段に上がります。また、コロを縦横交互に配置しているため、水平方向の力にも垂直方向の力にも高い剛性を示します。これが10個使われているトーナメントサーフ 45はそれだけでサーフべーシアとの価格差が1万円程度出ます(サーフべーシアはBB6個)。また、スプールの重量やボディ材質の違い、駆動部の作りなどを考慮しても、37,700円の価格差は理解できません。
トーナメンター以外はサーフべーシアで十分!
サーフべーシアは、非常にコスパに優れた大サービス機と言えましょう。トーナメントで表彰台を狙うキス師以外は、サーフべーシア 45 QD 5号用を求めておけば何不自由なく投げ釣りを満喫できるはずです。ドラグレスの替えスプールを買っておけば、キストーナメントにだって十分挑戦できます。ナイロン太糸QD仕様と、ドラグレスPE細糸仕様を臨機応変に使い分ければ、サーフも磯も堤防もこれ一台で全て対応可能です。