19 バリスティック LT2000SS-P

ダイワ

番手
2000
ギア比
4.8
ドラグ/耐力
5kg
自重
160g
B/R
7/1
糸巻量/回転
63cm
ハンドル長
40mm
ナイロン糸巻量
2-120 / 2.5-100 / 3-70
PE糸巻量
0.2-210 / 0.3-200 / 0.4-130
価格
¥ 32,384

狙えるターゲット魚種

搭載の機能・素材

よく比較されるライバルモデル

高感度を活かして繊細な釣りに。19バリスティックLT2000SS-Pについてインプレッション

2019年に初めて発売され注目を集めたのが19バリスティックFW。そして、同年秋に登場したソルト対応モデルの19バリスティックLT2000SS-Pです。海での使用に対応したことで、性能はどう変化したのか知りたい方も多いのでは無いでしょうか。この記事では、FWモデルとの性能差はもちろんのこと、下位モデルである18カルディアとの違いについても解説していきます。何を重視するかによって、18カルディアも十分選択肢になり得るため、是非違いを確認してみてください。

バリスティックシリーズとは

バリスティックシリーズは、2019年春に淡水専用のモデルとして登場したリールです。ダイワの中でも特に新しいリールで、軽さと滑らかな回転性能が注目を集めました。そして今回インプレッションするモデルは、2019年秋に追加された海水対応のものとなります。

19バリスティックの特徴

それでは19バリスティックの特徴について解説していきます。このリールの軽さと滑らかな巻き心地は、どんな技術によってもたらされているのでしょうか?

エアローター

「エアローター」はアーチ型の形状が特徴的なローターで、レスポンスの早さと感度の高さを実現します。19バリスティックに搭載されているエアローターは、ダイワのフラッグシップモデルである18イグジストと同等のものが採用されています。素材は後述するZAIONです。

マグシールド

ダイワ独自の防水構造「マグシールド」は、マグオイルと呼ばれる磁性を持った特殊なオイルでボディとローター間を防水する技術です。これにより海水や異物の侵入を防ぎつつも、初期の回転性能を維持します。19バリスティックを海で使用することを考えると、非常に有り難いポイントでは無いでしょうか?

ATD

「ATD(オートマチックドラグシステム)」は、従来のダイワ製リールの弱点であったドラグの不安定な動作を解決した新しいドラグシステムです。糸が滑らかに放出されるためラインブレイクが発生しにくく、低いドラグ力であっても粘り強く魚の引きに追従してくれます。このドラグが搭載されていることで、より細いラインの使用が可能となるため、特にライトゲームで重宝します。

ZAION

ZAIONは、カーボン繊維を高い密度で織り込んだ特殊なプラスチック素材で、マグネシウム並みの強度を持ちます。高い強度を持ちつつも、軽さや耐腐食性の高さがこの素材のメリットです。こちらはミドルクラス以上のリールに採用されており、19バリスティックではローターにも使われています。ローターをZAION素材としているモデルは、イグジストやセルテートと言った上位機種を含めた数台のみです。

18カルディア、19バリスティックFWとの違い

次は19バリスティックの下位モデルである18カルディア、淡水専用モデルの19バリスティックFWとの違いを見ていきましょう。

18カルディアとの違い

今回は18カルディアLT2000Sとの違いを比較してみます。重さは170gで、19バリスティックLT2000SS-Pよりも10g重くなっています。これは僅かに違いを感じる重さですが、170gでも十分軽いことは確かです。次に違うのはローター素材です。18カルディアではDS5と呼ばれるZAIONよりグレードの低い素材が採用されています。そのため強度や回転性能を考えると19バリスティックに軍配が挙がります。それ以外の違いとしては、ベアリング数が6/1である点と、ギア比が少し高い点でしょうか。この2台は価格差が10,000円ほどありますし、コストパフォーマンスを考慮するなら18カルディアがおすすめです。

19バリスティックFWとの違い

19バリスティックFWとの違いは、マグシールドの有無です。淡水専用であるFW版にはマグシールドが搭載されていません。海水での使用が想定されていないことはもちろんですが、エリアフィッシング等では巻き感度が重要になります。マグシールド搭載機の場合、磁力の影響で多少巻き心地が変化してしまうこともあるため、本格的にエリアフィッシングをされている方は19バリスティックFWを購入しましょう。その他の違いとしては、カラーリングとラインナップに少し差があります。購入前に確認することをおすすめします。

ベアリングの追加について

19バリスティックLT2000SS-Pは、主にライトゲームで使用される番手です。よりストイックに釣りをしたいという方は、ベアリングの追加をおすすめします。19バリスティックの場合、スプール内とスプールシャフト部に1つずつ、ハンドルノブに2つの計4つを追加することが可能です。ベアリングを追加することで、より滑らかなドラグ性能になりますし、巻き心地も向上します。特に活性が低く繊細な釣りが要求される場面で活躍するでしょう。

19バリスティックLT2000SS-Pの良い点

巻き心地が良い

19バリスティックLT2000SS-Pの良い点として、巻き心地の良さが挙げられます。非常に滑らかでストレスなくリトリーブすることが可能です。ある程度の期間使用しても、マグシールドによって回転性能が失われることがありません。

上位機種に比べて巻き感度が高い

このリールは巻き感度の高さも特徴的です。19セルテート20ルビアスは、「モノコックボディ」と呼ばれるより剛性の高いボディを採用し、通常よりもサイズの大きいドライブギアを搭載しています。実はこのドライブギアの大きさが、巻き感度に影響しているのです。上位機種はドライブギアが大きい分巻き上げ力で勝りますが、巻き感度はドライブギアの小さい19バリスティックに劣ります。ライトゲームで使用を前提とするなら、剛性を重視しすぎる必要はありませんし、巻き感度の高さは大きなメリットです。

19バリスティックLT2000SS-Pの悪い点

パワーは上位機種に劣る

これは先程触れたドライブギアのサイズによるものですが、巻き上げるパワーでは上位機種に劣ります。とはいえボディの剛性も十分で、余程の大物がヒットしない限りは問題なくやり取り可能です。

20ルビアスとの差が大きい

20ルビアスは19バリスティックの上位機種にあたるリールですが、モノコックボディの採用やFC(フィネスカスタム)での展開、ベアリング数9/1個などスペック上はかなりの差があります。本体価格3,000円ほどしか変わりませんし、19バリスティックを選ぶ理由はあまり多くはありません。巻き感度を重視するエリアフィッシングやライトゲームであれば、19バリスティックが優れています。

19バリスティックLT2000SS-Pが向いている人

19バリスティックLT2000SS-Pは、アジングやメバリングといった海でのライトゲームをする方におすすめです。滑らかな巻き心地と上位機種に勝る巻き感度で、軽量なリグでも快適に操作できますし、潮や地形の変化も見逃しません。マグシールドを搭載しているため海水でも安心です。もちろんそのままエリアフィッシングに使用することもできます。

19バリスティックLT2000SS-Pが向いていない人

エリアフィッシングでの使用をメインとされる方や、巻き感度よりも剛性や巻き上げ力を重視する方にはおすすめできません。エリアフィッシングであればマグシールド非搭載の19バリスティックFWの方が適していますし、剛性・巻き上げ力はモノコックボディ採用の20ルビアスに劣ります。また、コストパフォーマンスを第一に考えたいという方には、18カルディアがおすすめです。実売価格が10000円ほど安く、十分快適に釣りが楽しめます。

完成度は高いが、場面を選ぶリール

今回は、19バリスティックLT2000SS-Pについてインプレッションしました。マグシールドを搭載し、海での使用が可能になった本モデルは、滑らかな巻き心地と巻き感度の高さが魅力のリールです。デメリットとしては、価格帯の近い20ルビアスとのスペック差が大きいことで、釣りのジャンルやスタイルが絞られることでしょう。アジングやメバリングといった海でのライトゲームを、ストイックに楽しみたいという方にはおすすめできます。

この記事を書いた人

島国アングラー
まつや

 アオリイカ、クロダイ、シーバス、アジ、ハタ、エギング、落とし込み、天草地方(熊本県)

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